| 【発明の名称】 |
球面管継手用球状ガスケット |
| 【発明者】 |
【氏名】小口 雄太
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| 【要約】 |
【課題】管継手間の相対的な歳差運動時であっても管継手の内部を流れる流体が両管継手の管間を直接流動することができ、それにより、シール漏れ発生の虞を確実に回避すると共に円滑な歳差運動を確実に遂行させることができる球面管継手用球状ガスケットを提供する。
【解決手段】流体は管継手間の相対的な歳差運動が行われている間でも流体変向手段により変向されて両管継手の管間を直接流動する。球面フランジ面に対面する球面部分を画定する球面は球面フランジ面を画定する球面の半径よりも小さな半径で形成され、所謂「点」で接触して管継手間の相対的な歳差運動を円滑に行う。球状ガスケットの連結の端部に設けられた流体変向手段は、管継手間の相対的な歳差運動時であっても、管継手の内部を流れる流体を両管継手の管間を直線的に流動させるように流体の流動方向を変向する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 一方の管継手の連結側端に設けられた球面フランジと該球面フランジに対向して他方の管継手の連結側端から離間した位置に設けられた支持フランジおよび該他方の管継手の連結側端部の管外周面との間に介在される球面管継手用球状ガスケットであって、該球状ガスケットの球面フランジに対面する球状接面部を画定する球面は球面フランジのフランジ面を画定する球面の半径よりも小さな半径で形成され、前記球状ガスケットの前記一方の管継手方向の端部は管継手の内部を流れる流体が管継手間の相対的な歳差運動時であっても両管継手の管間を直線的に流動するように流体の流動方向を変向させるための流体変向手段を備えていることを特徴とする球状ガスケット。 【請求項2】 前記流体変向手段の前記一方の管継手方向の端部は管継手間の相対的な歳差運動の最大変位時に前記一方の管継手の管の連結側端部または球面フランジの内周縁端部が前記他方の管継手の管の内方側へ移動する位置まで延びていることを特徴とする請求項1記載の球状ガスケット。 【請求項3】 前記流体変向手段は前記他方の管継手の連結側端部の管外周面上に装着される筒状部と該筒状部の連結側端部から前記他方の管継手の管の内方側へ延びる変向フィン部とからなる流体変向スリーブにより遂行されることを特徴とする請求項1または2記載の球状ガスケット。 【請求項4】 前記流体変向手段は球状ガスケットと一体に成形された流体変向部であることを特徴とする請求項1または2記載の球状ガスケット。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は管継手間で相対的な歳差運動を行うことができる球面管継手、特に、自動車等のエンジンの排気管の球面管継手に用いるのに適した球状ガスケットに関する。 【0002】 【従来の技術】球面管継手は、図1に例示するように、一方の管継手Aの連結側端に球面フランジBを設け、他方の管継手Cの連結側端部に装着された球状ガスケットDを設け、球状ガスケットDの球状接面部に沿って球面フランジBが移動できるように管継手AおよびCを連結することにより管継手Aが管継手Cに対して歳差運動を行うことができるように構成されたものが知られている。 【0003】しかしながら、このような球面管継手では、図2に示すように、管継手Aが管継手Cに対して歳差運動を行ったとき、管継手Aの管Eの端部が管継手Cの管F内に位置する。そのため、管継手Cから管継手Aへ流れる流体Lは管F内に移動した管Eによりその流動を阻害され、その一部は管Eの外周面により変向されて球面フランジBと球状ガスケットDの接合面間へ直接流れ込むことになる。このことは、流体Lの円滑な流動を単に阻害するだけでなく、球面フランジBと球状ガスケットDの間にシール漏れを発生する危険性を含んでおり、また、流体Lに含まれた固形物等によって球面フランジBと球状ガスケットDの間の円滑な歳差運動をも阻害する虞を有するものであった。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、管継手間の相対的な歳差運動時であっても管継手の内部を流れる流体が両管継手の管間を直接流動することができ、それにより、シール漏れ発生の虞を確実に回避すると共に円滑な歳差運動を確実に遂行させることができる球面管継手用球状ガスケットを提供することを目的として発明されたものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明による球面管継手用球状ガスケットは、一方の管継手の連結側端に設けられた球面フランジと球面フランジに対向して他方の管継手の連結側端から離間した位置に設けられた支持フランジおよび該他方の管継手の連結側端部の管外周面との間に介在される球状ガスケットである。そして、球状ガスケットの球面フランジに対面する球状接面部を画定する球面は球面フランジのフランジ面を画定する球面の半径よりも小さな半径で形成されると共に、その前記一方の管継手方向の端部は管継手の内部を流れる流体が管継手間の相対的な歳差運動時であっても両管継手の管間を直線的に流動するように流体の流動方向を変向させるための流体変向手段を備えている。 【0006】これにより、本発明の球状ガスケットでは、管継手間の相対的な歳差運動が行われている間でも、流体は両管継手の管間を流動し、従来技術におけるように、球面フランジと球状ガスケットの接合面間へ直接流れ込んで流体の円滑な流動を阻害したり、球面フランジと球状ガスケットの間にシール漏れを発生したり、球面フランジと球状ガスケットの間の円滑な歳差運動をも阻害したりするのを確実に防止している。また、球面フランジと球状ガスケットの球状接面部とは、所謂「点」で接触することになるため、管継手間の相対的な歳差運動を円滑に行わせることができる。 【0007】また、本発明による球面管継手用球状ガスケットは、球面フランジと球状ガスケットの接合面の方向に流体が流れるのをより確実に防止するために、流体変向手段の前記一方の管継手方向の端部を、管継手間の相対的な歳差運動の最大変位時に前記一方の管継手の管の連結側端部または球面フランジの内周縁端部が前記他方の管継手の管の内方側へ移動する位置まで延びるように形成することもできる。 【0008】更に、本発明による球面管継手用球状ガスケットは、前記他方の管継手の連結側端部の管外周面上に装着される筒状部と該筒状部の連結側端部から前記他方の管継手の管の内方側へ延びる変向フィン部とからなる流体変向スリーブにより流体の流動方向を変向させたり、或いはまた、球状ガスケットと一体に成形された流体変向部により流体の流動方向を変向させたりすることもできる。 【0009】 【発明の実施の形態】 【実施例1】本発明の実施例による球面管継手用球状ガスケットは、図3に示すように、一方の管継手1の連結側端に設けられた球面フランジ2と、球面フランジ2に対向して他方の管継手3の連結側端から離間して設けられた支持フランジ4および管継手3の連結側端部の管5の外周面との間に画定される空間に配置される。 【0010】本実施例の球状ガスケットは、管継手1および3間のシールを行うと共に管継手3に対する管継手1の歳差運動を可能にするためのシール体6と、管継手内を流動する流体を後述するように変向するための流体変向スリーブ7とから構成されている。 【0011】シール体6は管継手1の球面フランジ2に対面する位置に配置される球状接面部8と、管継手3の管5の外周面上に配置される管状接面部9とを有している。シール体6の球状接面部8を画定する球面の半径R1は、球面フランジ2とシール体6の間の摺動自在な接合を確保するためにシール体6が管継手1の球面フランジ2に所謂「点」で接触するように、球面フランジ2のフランジ面を画定する球面の半径R2よりも小さく選定されている。シール体6は、特に自動車等のエンジンの排気管の球面管継手用の場合、膨張黒鉛等のような耐熱性に優れた材料により作成され、そして、球状接面部8の表面と球面フランジ2との間で円滑に摺動できると共にシールを行うことができるように作成される。 【0012】流体変向スリーブ7は管継手3の管5の外周面とシール体6の管状接面部9の間に装着される筒状部10と、筒状部10の連結側端部から管継手3の管5の内方側へ延びる変向フィン部11とから構成される。流体変向スリーブ7は耐熱性を有する適当な材料、例えば、ステンレス等により作成される。変向フィン部11の管5内方側への伸延端部は、図4に示すように、歳差運動による最大変位時における管継手1の管12の連結側端部または球面フランジ2の内周縁端部の管5内方側への変位位置(図の破線で示す位置)まで延びている。換言すると、変向フィン部11は、管継手1が管継手3に対して最大の歳差運動を行ったとき、この最大変位位置にある管継手1の管12の連結側端部または球面フランジ2の内周縁端部を管継手3側から見て管5の内部に露呈させないように形成されている。 【0013】上述の如く構成される本球面管継手用球状ガスケットは、図4に実線で示すように、管継手1および3の管の軸が一直線上またはそれに近似した位置関係にあるとき、管継手3の管5から管継手1の管12へ流れる流体L(例えば、排気管の球面管継手の場合、高温の燃焼排気ガス)を管の軸心方向へ集中させるように変向する。これにより、流体Lは管継手3の管5から管継手1の管12へ直接流れ込み、球面フランジ2と球状ガスケットの球状接面部8の間に流れ込むのを防止される。それと同時に、管継手3の管5から管継手1の管12へと続く内部空間が変向フィン部11によって局部的に狭められていることにより、流体Lは変向フィン部11を通過するときにその流速を速め、ベルヌーイ効果またはベンチュリ管効果によってその圧力が小さくなる。このことは、変向フィン部11を通過した流体Lが球面フランジ2と球状ガスケットの球状接面部8の間にあるガスや空気等を吸い出すように作用するため、球面フランジ2と球状ガスケットの球状接面部8の間に流れ込んだ流体Lによって生じていた種々の問題をより確実に防止できることを意味する。 【0014】一方、歳差運動時、管継手1および3は、一方の管継手の管の軸と他方の管継手の管の軸とが交差する位置関係(図4の破線または1点鎖線で示す位置関係)になるが、管5から管継手1の管12へと流れる流体Lは変向フィン部11によってその流動方向を変向され、本質的に管5から管継手1の管12内に直接流し込まれる。このとき、変向フィン部11の管5内方側への伸延端部は歳差運動による最大変位時における管継手1の管12の連結側端部または球面フランジ2の内周縁端部の変位位置まで延びているため、最大変位時であっても、流体Lを管5から管継手1の管12内に本質的に直接流し込むことができ、上述した常態の場合と同様な作用効果を発揮することができる。 【0015】 【実施例2】図5は、本発明の実施例による球面管継手用球状ガスケットを示す図で、前記実施例で述べた流体変向スリーブ7を有しておらず、シール体6に前述の流体変向スリーブ7の機能を組み込んだ形態を一体化して備えている点で異なる以外、前記実施例と基本的に同様に構成される。 【0016】本実施例における球状ガスケットは全体を焼結、成形等の適当な手段により一体に形成されており、前記実施例のシール体6と同様なシール部13と、シール部13の連結側端部から前記実施例の変向フィン部11と同様に管継手3の管5の内方側へ延びる流体変向部14とから構成される。 【0017】流体変向部14は総体的にシール部13を前述した管継手1の最大変位位置まで延長した形状で形成され、そして、流体変向部14の内周面部15は管継手3の管5から管継手1の管12へ流れる流体Lを円滑に変向させるように形成されている。好ましくは、内周面部15は、前述したベルヌーイ効果またはベンチュリ管効果を効果的に発揮できるように、ベンチュリ管のスロート部を構成するように形成される。 【0018】本実施例における球状ガスケットは前記実施例で説明したのと同様な作用および効果を有する一方、内周面部15の寸法形状を適切に選定することにより、ベルヌーイ効果またはベンチュリ管効果による球面フランジ2と球状ガスケットの球状接面部8の間にあるガスや空気等を吸い出し、球面フランジ2と球状ガスケットの球状接面部8の間に流れ込んだ流体Lによって生じるシール漏れや円滑な歳差運動に対する障害等の問題をより一層確実に防止することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000198732 【氏名又は名称】石野ガスケット工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年10月20日(1998.10.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067448 【弁理士】 【氏名又は名称】下坂 スミ子
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| 【公開番号】 |
特開2000−120874(P2000−120874A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月28日(2000.4.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−315334 |
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