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【発明の名称】 単動式エアシリンダ
【発明者】 【氏名】暮地 雅洋

【要約】 【課題】通気孔よりのボディ内への異物の侵入を防止するとともに、フィルタの目詰まりの起こしにくい単動式エアシリンダを提供する。

【解決手段】シリンダボディ1における常圧室4側の外側面に設けるとともに、この環状溝7と常圧室4とを、連通孔8をもって連通させ、かつ環状溝7の開口面を環状のフィルタ9により覆い、シリンダボディ1における常圧室4側の端部に、通気孔14を備えるキャップ状のカバー13を、フィルタ9との間に隙間16を形成しつつ止着する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 密閉されたシリンダボディ内に収容したピストンを、常圧室側に向かって往復移動させることにより、ピストンに連結された作動ロッドを進退移動させるようにした単動式エアシリンダにおいて、前記シリンダボディにおける常圧室側の外側面に環状溝を設けるとともに、この環状溝と常圧室とを連通孔をもって連通させ、かつ前記環状溝の開口面を、環状のフィルタにより覆い、前記シリンダボディにおける常圧室側の端部に、通気孔を備えるキャップ状のカバーを、前記フィルタとの間に隙間を形成しつつ止着したことを特徴とする単動式エアシリンダ。
【請求項2】 カバーに、複数の通気孔を設けたことを特徴とする請求項1記載の単動式エアシリンダ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば排気ブレーキ駆動用のアクチュエータとして用いられる単動式エアシリンダに係り、特に、シリンダ内への塵埃等の侵入を防止しうるようにした単動式エアシリンダに関する。
【0002】
【従来の技術】単動式のエアシリンダは、ボディ内の一方の作動圧室に圧縮空気を供給することにより、シリンダボディに収容されたピストンを、他方の常圧室側に向かって移動させ、ピストンに連結された作動ロッドを往復移動させるようになっている。
【0003】このようなエアシリンダの、常圧室側のボディには、外気と連通する通気孔を設けてあり、ピストンが往復移動する際に、常圧室内の空気を自由に内外に流通させて、ピストンに負荷が作用しないようにしてある。
【0004】しかし、通気孔を設けてあると、エアシリンダを、例えば自動車の排気ブレーキ作動用のアクチュエータ等、塵埃等の影響を受け易い環境下で使用すると、通気孔を通して、塵埃等がボディ内に侵入することがある。
【0005】このような事態を防止するため、従来は、ボディに穿設した通気孔の周囲を、空気孔を有するカバーで覆ったり、通気孔にフィルタを被せたりしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、単に通気孔をカバーで覆っただけでは、ボディ内への異物の侵入防止効果は十分ではなく、使用環境によっては、定期的にエアシリンダを分解して各部品を洗浄したり、部品の損耗度によってはこれを交換する必要があった。また、通気孔にフィルタを設けたものにおいては、フィルタにおける空気の通過面積が小さく、比較的短時間の間に、フィルタが目詰まりを起こして、空気の流通抵抗が増大する恐れがあるため、頻繁にフィルタを交換する必要があり、その作業が繁雑で、かつ不経済であった。
【0007】本発明は、上述のような問題点に鑑みてなされたものであり、通気孔よりのボディ内への異物の侵入を効果的に防止しうるとともに、フィルタの目詰まりが起こりにくいようにした、耐久性に優れる単動式エアシリンダを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1) 密閉されたシリンダボディ内に収容したピストンを、常圧室側に向かって往復移動させることにより、ピストンに連結された作動ロッドを進退移動させるようにした単動式エアシリンダにおいて、前記シリンダボディにおける常圧室側の外側面に環状溝を設けるとともに、この環状溝と常圧室とを連通孔をもって連通させ、かつ前記環状溝の開口面を、環状のフィルタにより覆い、前記シリンダボディにおける常圧室側の端部に、複数の通気孔を備えるキャップ状のカバーを、前記フィルタとの間に隙間を形成しつつ止着する。
【0009】(2) 上記(1)項において、カバーに、複数の通気孔を設ける。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を、図1及び図2に基づいて説明する。
【0011】アルミニウム合金よりなるシリンダボディ(1)内に、左右方向(以下方向は図1についていう)に摺動可能として収容されたピストン(図示略)には、作動ロッド(2)の基端部(左端)が連結されている。
【0012】作動ロッド(2)の先端部は、シリンダボディ(1)の右端の閉塞壁(1a)を、摺動可能に貫通している。閉塞壁(1a)の外面の中心部には、作動ロッド(2)の外周面と密接するシール部材(3)が嵌合されている。
【0013】シリンダボディ(1)内における常圧室(4)内には、圧縮コイルばね(5)が収容され、その左端はピストン(図示略)に、また右端は、座金(6)を介して閉塞壁(1a)の内面にそれぞれ受支されている。
【0014】シリンダボディ(1)内におけるピストンの左方の作動圧室(図示略)に圧縮空気が供給されると、ピストン及びそれに連結された作動ロッド(2)は、圧縮コイルばね(5)を圧縮して右方に移動させられる。シリンダボディ(1)の右端面の中心部には、右方に突出する環状突部(1b)が、シール部材(3)を囲むようにして形成されている。
【0015】また、シリンダボディ(1)の右端面における環状突部(1b)の外側には、作動ロッド(2)と同心をなす環状溝(7)が設けられており、この環状溝(7)と常圧室(4)とは、閉塞壁(1a)に穿設された連通孔(8)を介して連通している。
【0016】環状溝(7)の右端開放面は、例えばグラスウール、不織布、目の細かいメッシュ等よりなる環状をなすシート状のフィルタ(9)により覆われている。閉塞壁(1a)の外側面、すなわちシリンダボディ(1)の右端には、中央に貫通孔(10)が穿設された円板形の閉塞板(11)の外周縁部に、左方を向く筒部(12)が連設された、アルミニウム合金製のキャップ状のカバー(13)が、筒部(12)の外周面の複数個所を、シリンダボディ(1)の外周面に設けられた凹溝(1c)内に向かってかしめることにより固着されている。
【0017】前記カバー(13)をシリンダボディ(1)に取り付けた際、貫通孔(10)が環状突部(1b)に嵌合するとともに、閉塞板(11)に90゜間隔おきに穿設された4個の通気孔(14)が、環状溝(7)と、フィルタ(9)を介して対向するようにしてある。
【0018】カバー(13)の閉塞板(11)の内面には、スペーサとしての左方を向く環状に設けられた複数の突起(15)(又は環状突起)が突設されているので、閉塞板(11)の内面とフィルタ(9)との対向面間には環状の隙間(16)が形成され、各通気孔(14)よりの外気がフィルタ(9)全体に流入し易くなっている。
【0019】次に、以上のような構成からなるエアシリンダを、例えば排気ブレーキ駆動用のアクチュエータとして、図示の状態で車両等に取付けた場合の作動について説明する。
【0020】作動ロッド(2)を突出させると、常圧室(4)内の空気は、連通孔(8)から環状溝(7)に流れ込み、フィルタ(9)を通り抜けて、カバー(13)の各通気孔(14)から外部に排出される。
【0021】作動ロッド(2)を後退させて常圧室(4)を減圧すると、カバー(13)の通気孔(14)より隙間(16)に流れ込んできた外気は、フィルタ(9)のほぼ全面を通過して環状溝(7)に入り込み、シリンダボディ(1)内に流入する。
【0022】外気がフィルタ(9)を通過する際に、外気に含まれる異物の殆どが、フィルタ(9)全体により効果的に除去されるので、常圧室(4)に流れ込む空気は清浄となる。そのため、外気に含まれる異物が常圧室(4)側に流入して、シリンダボディ(1)内の各種の部材や部品が錆付いたり、ピストン摺動部等が摩耗することはなく、エアシリンダの耐久性、信頼性は大きく向上する。
【0023】また、フィルタ(9)の全面で外気の除去が行われるので、フィルタ(9)が短期間で局部的に目詰まりを起こすことはなく、フィルタ(9)の交換時期は大きく延びる。
【0024】なお、図3に示すように、突起(15)を無くす代わりに、閉塞板(11)と閉塞壁(1a)との間に、径の異なる2個のリング状のスペーサ(17)(18)を設けて、スペーサ(17)(18)の間に環状の隙間(19)を形成するようにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
(A) 請求項1記載の発明によれば、外気がフィルタを通過する際に、外気に含まれる異物の殆どが除去されるので、異物が常圧室側に流入して、ボディ内の各種の部材や部品が錆付いたり、ピストン摺動部等が摩耗することはなく、エアシリンダの耐久性、信頼性は大きく向上する。また、カバーの通気孔より、カバーの内面とフィルタとの間の隙間に流れ込んできた外気は、フィルタのほぼ全面を通過し、フィルタ全体で外気に含まれる異物の除去が効果的に行われるため、フィルタが局部的に短時間で目詰まりを起こすことはなく、フィルタの寿命が飛躍的に長くなる。さらに、比較的部品点数が少なく、かつ、カバーの取り付けも容易であるため、組付工数が削減され、コスト低減が図れる。
【0026】(B) 請求項2記載の発明によれば、カバーに設けられた複数の通気孔より外気が流入してフィルタを通過するため、通気孔が1個の場合に比べて、空気がよりフィルタ全体に流れ易くなり、フィルタはさらに目詰まりしにくく、寿命も長くなる。
【出願人】 【識別番号】000237123
【氏名又は名称】フジオーゼックス株式会社
【出願日】 平成10年10月12日(1998.10.12)
【代理人】 【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一 (外1名)
【公開番号】 特開2000−120872(P2000−120872A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−289006