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【発明の名称】 摺動穴を設けた金属薄板よりなるブレード
【発明者】 【氏名】鶴巻 義久

【氏名】岡本 弘司

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】 板厚0.05〜0.3mmのバネ用ステンレス、焼き入れリボン鋼、ベリリゥムカッパー等の弾力性と物理的強度の強い金属薄板に摺動穴を設けるとともに、金属薄板の周辺を機械等の移動機構に取り付け、金属薄板の摺動穴を機械等の被摺動個所に摺動可能に嵌め込んでブレードとして使用するについて、金属薄板のブレードの摺動穴の大きさを、機械等の被摺動個所の断面積の大きさより、0.01〜0.1mm小さくして、金属薄板のブレードの摺動穴を機械等の被摺動個所にかしめて嵌め込んで摺動するように構成した摺動穴を設けた金属薄板よりなるブレード。
【請求項2】 金属薄板のブレードの材質として、低炭素含有量で高クロム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼を使用する請求項1記載の摺動穴を設けた金属薄板よりなるブレード。
【請求項3】 金属薄板製のブレードの摺動穴の周辺に、0.2〜10mmのしぼり状の折り曲げ部を設けた請求項1または請求項1記載の摺動穴を設けた金属薄板よりなるブレード。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工作機械や産業機械等(以下機械という)の摺動個所を、クーラント等の廃液よりシールし、切粉等の狭雑物をスクレーパー、ワイパーする金属薄板よりなるブレードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】機械には種々の摺動個所があり、この摺動個所を切粉等の狭雑物やクーラント等の廃液より保護するために、従来、ゴム製や合成樹脂製のブレード、例えば、スライドシール、カバーシール、スクレーパー、ワイパー等を使用しているが、これらのブレードには摺動穴を設けて機械等の移動機構、例えば、テーブルに取り付け、ブレードの摺動穴を機械の被摺動個所、例えば、レールに摺動可能に嵌め込んでブレードとして使用している。
【0003】しかし、ゴム製や合成樹脂製のブレードは、安価で、使用初期においてはクーラント等の廃液のシール性や切粉等の狭雑物のスクレーパー性、ワイパー性はよいが、ブレードとしての物理的強度があまりないために、直ぐに摩耗する欠点があり、特に、切粉等の狭雑物が介在している場合、超高速運転や超高速回転を行う機械の場合、摩耗の度合いが早く、頻繁にブレードの交換を行わなければならず、作業効率の低下を招き、保守管理に手間がかかる難点があった。
【0004】これらのブレードの物理的強度を高めるために、ブレードを厚くすることも行われているが、ブレードを厚くすることによって、摩擦抵抗が増大して機械の摺動個所に余分な荷重、負担をかける問題があるばかりか、ブレード機構が大型化するために、スペースの少ない機械の摺動個所にブレードを取り付けられないという不都合もあった。
【0005】また、ゴム製や合成樹脂製のブレードは、熱や摩擦等によって固化して弾力性を失い、クーラント等の廃液のシール性や切粉等の狭雑物のスクレーパー性、ワイパー性が悪くなるという欠点があり、さらに、最近の機械においては、油類や薬品類を処理することが多く、ゴム製や合成樹脂製のブレードの場合、油類や薬品類による劣化が早く、ブレードの交換を頻繁に行わなければならないばかりか、ブレードの交換時に作業者の人や工場の床を汚したり、場合によると労働災害等を起こす問題もあった。
【0006】従来、前述したような種類のブレードとしては、ゴム製や合成樹脂製のものが存在するだけであって、金属製のものは存在しなかったが、出願人会社においては、前述した従来のゴム製や合成樹脂製のブレードの代わりに、板厚0.01〜0.3mmのバネ用ステンレス、焼き入れリボン鋼等の弾力性が強く、物理的強度のある金属薄板製のブレード(シール材)を開発し、金属薄板製のブレードの上部を、工作機械等の機器の摺動個所に取り付けるとともに、金属薄板製のブレードの下部先端を、機器の被摺動面に対して押圧して摺動するように構成した機器の摺動個所に取り付ける金属薄板製のブレードについて特許出願(特開平8−61509)を行った。
【0007】この金属薄板製のブレード(シール材)に摺動穴を設けて機械等の移動機構、例えば、テーブルに取り付け、ブレードの摺動穴を機械の被摺動個所、例えば、レールに摺動可能に嵌め込んでブレードとして使用する試みもなされたが、この金属薄板製のブレードは、そのブレードの摺動穴の大きさを、機械等の被摺動個所の断面積の大きさと同じにして、機械等の被摺動個所に嵌め込んで摺動するように構成する必要があり、ブレードの摺動穴の大きさを、機械等の被摺動個所の断面積の大きさと同じにして、隙間が生じないようにするには、かなりの精度の高い工作を要し、製作費用が嵩む難点があった。
【0008】また、ブレード(シール材)の摺動穴が少しでも摩耗すると、隙間が生じて、クーラント等の廃液のシール性、切粉等の狭雑物のスクレーパー性、ワイパー性が悪化し、頻繁にブレードの交換を行わなければならず、作業効率の低下を招き、保守管理に手間がかかる難点があることは、ゴム製や合成樹脂製のブレードの場合と余り変わらなかった。
【0009】しかし、前述した金属薄板製のブレード材はリベットやネジ等の公知の手段によって機械の摺動個所に取り付けるために、ブレード材を超高速運転処理や超高速回転処理を行う高性能な機械に使用した場合に、ネジが緩んで、ブレード材としてガタを生じたり、不安定的になって、シール性、スクレーパー性、ワイパー性が悪くなることもあり、場合によると、ブレード材が機械の摺動個所より脱落する欠点もあった。
【0010】そこで、出願人としては、板厚0.01〜0.3mmのバネ用ステンレス、焼き入れリボン鋼等の弾力性が強く、物理的強度のある金属薄板によって形成した金属薄板製のブレードの一端部分を、取付板(板状のホールダー)に設けたスリットに嵌め込み、この金属薄板製のブレード材1を取り付けた取付板(板状のホールダー)を機械の摺動個所に取り付けるとともに、取付板(板状のホールダー)より露出させた金属薄板製のブレード材の他端を、機械の被摺動面に押圧して摺動するように構成する金属薄板製のブレード材について特許出願(特願平8−285853号)を行った。
【0011】すなわち、高炭素含有量の金属薄板状のバネ用ステンレスや焼き入れリボン鋼のブレードを直接に機械の摺動個所に溶接して取り付けるのではなく、前述したブレード材を取付板(板状のホールダー)に設けたスリットに嵌め込み、この取付板(板状のホールダー)を機械の摺動個所に取り付け固定することによって、前述した問題点を解決した。しかし、取付板(板状のホールダー)にスリットを切ると、そのスリットの間隔だけ取付板(板状のホールダー)が厚く、大きくなり、さらに、取付板(板状のホールダー)にブレード材が簡単には抜け落ちない精度の高いスリットを設ける必要があるために、手間がかかり、コストが高価になる欠点もあった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述した機器の摺動個所に設ける従来のブレードの欠点を改善するもので、ブレードとして使用する金属薄板の摺動穴の大きさを、機械等の被摺動個所の断面積の大きさより、0.01〜0.1mm小さくして、金属薄板の摺動穴を機械等の被摺動個所にかしめて嵌め込んで摺動するように構成することによって、クーラント等の廃液のシール性、切粉等の狭雑物のスクレーパー性、ワイパー性を向上させるとともに、ブレードの摺動穴と機械等の被摺動個所の断面積の大きさを同じにして隙間を生じさせないという精度の高い、面倒な工作を不要にして、製作工程の省力化、製作費用の削減をはかることに目的がある。
【0013】また、本発明は、ブレードとしての弾力性、物理的強度、耐摩耗性を向上させるとともに、油類や薬品類による劣化を阻止して、機械の摺動機構のブレードとして長期間使用することを可能にし、ブレードとしてガタ、抜け落ちを防止するとともに、頻繁なブレードの交換を行わず、作業効率の向上、保守管理を容易にすることに目的がある。
【0014】特に、最近の超高速運転を行う機械等の摺動個所に使用するブレードとして、金属薄板製のブレードの板厚を薄くし、機械等の被摺動面との接触面積を小さくし、摩擦抵抗を軽減して、機械等の機器の摺動個所に余分な荷重、負担をかけず、機械等の効率的な作動を促進し、故障を防止し、駆動電力を節減することに目的がある。
【0015】すなわち、極薄板状の低炭素含有量で高クロム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼製のブレードを取付板に直接溶接することによって、極薄板状、軽量、コンパクトを図り、従来のように取付板(板状のホールダー)に設けたスリットに嵌め込むことによって取付板、ひいては、ブレード材が厚く、大きくなることによって発生する不都合(産業機械等の摺動個所または摺動機構の大型化、ブレード材の取付スペースを確保できない問題等)を解決することに目的がある。
【0016】また、本発明は、従来のように、ブレード材が簡単には抜け落ちないような精度の高いスリットを取付板に設けるという面倒で、手間がかかり、部品数が多くてコストが高い工程を採用せず、硬度(耐摩耗性)に富んだ極薄板状のブレード材を簡単、容易に製造することに目的がある。
【0017】さらに、本発明は、従来した優れた特性のある極薄板状のブレード材を産業機械等の摺動個所または摺動機構に取り付けるによって、特に、最近の超高速運転や超高速回転処理を行う産業機械等の摺動機構または摺動機構のブレード材として長期間使用することを可能にするとともに、取付板に取り付けたブレード材のガタ、剥離を完全に防止し、さらに、ブレード材のシール性とスクレーパー性、ワイパー性を向上させることに目的がある。
【0018】さらに、本発明は、産業機械等の摺動個所または摺動機構に取り付ける極薄板状の低炭素含有量で高クロム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼製のブレード材を直接に取付板に溶接し、極薄板状、軽量、コンパクトに構成することによって、産業機械等の被摺動面との接触面積を小さくし、摩擦抵抗を軽減して、産業機械等の摺動個所または摺動機構に余分な荷重、負担をかけず、産業機械等の駆動電力を節減することに目的がある。
【0019】さらに、本発明は、産業機械等の摺動個所または摺動機構に使用するブレード材を頻繁に交換しないこと、すなわち、作業効率を向上させ、保守管理の手間を省くこと、ブレード材の交換時の作業者の人や工場の床の汚染や労働災害等の発生の度合いを軽減することに目的がある。
【0020】さらに、本発明は、前述した極薄板状のブレード材またはブレード材と取付板の他端部分を、産業機械の被摺動面の方向に、くの字状またはへの字状に折り曲げて、この折り曲げ部によってブレード材の精度をよくするとともにブレード材の腰を強くすることに目的がある。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、摺動穴を設けた金属薄板よりなるブレードに関するもので、板厚0.01〜0.3mmのバネ用ステンレス、焼き入れリボン鋼、ベリリゥムカッパー等の弾力性と物理的強度の強い金属薄板に摺動穴を設けるとともに、金属薄板の周辺を機械等の移動機構に取り付け、金属薄板の摺動穴を機械等の被摺動個所に摺動可能に嵌め込んでブレードとして使用するについて、金属薄板の摺動穴の大きさを、機械等の被摺動個所の断面積の大きさより、0.01〜0.1mm小さくして、金属薄板の摺動穴を機械等の被摺動個所にかしめて嵌め込んで摺動するように構成することに特徴がある。
【0022】また、本発明は、前述した摺動穴を設けた金属薄板よりなるブレードとして、弾力性の強い金属薄板よりなるブレードとして、 炭素量0.03〜0.1%、であってクロム量10〜20%を含む鉄鋼またはステンレス鋼を使用することによって、ブレードとしての性能を向上することに特徴がある。
【0023】さらに、本発明は、前述した摺動穴を設けた金属薄板よりなるブレードの摺動穴の周辺に、0.1〜10mmのしぼり状の折り曲げ部を設けて、ブレードとしてのシール性やスクレーパー性、ワイパー性を一段と向上させるとともに、ブレードとしての物理的強度を一層強化することに特徴がある。
【0024】
【発明の実施形態】本発明のブレード1は、板厚0.01〜0.3mmのバネ用ステンレス等の弾力性の強い金属薄板で製作するとともに、この金属薄板のブレード1に、図1に示すような、摺動穴2を設けるが、この摺動穴2の大きさHを機械等の被摺動個所、例えば、産業機械の直動レール3の断面積の大きさLより、0.01〜0.1mm小さくすることに特徴がある。
【0025】摺動穴2を設けた金属薄板のブレード1は、図2に示すように、その周辺を機械等の移動機構、例えば、駆動テーブル4の保持板5に固定して、図3に示すように、その摺動穴2を産業機械の直動レール3に摺動可能に嵌め込むが、前述したように、このブレード1の摺動穴2は産業機械の直動レール3の断面積より小さくしているために、弾力性の強いブレード1を湾曲させ、摺動穴2をかしめるようにして産業機械の直動レール3に摺動可能に嵌め込む。
【0026】従って、金属薄板のブレード1の摺動穴2は、産業機械の直動レール3等の機械等の被摺動個所の形状に応じて、適宜の形状にするが、図1に示すような円形の場合もあるし、図4に示すような異形の場合もあるし、あるいはU字形やV字形の形状であってもよい。
【0027】金属薄板のブレード1の材質としては、前述したバネ用ステンレス(析出硬化系のステンレスであるNAS15−7、SUS631)以外に、焼き入れリボン鋼、ベリリュウムカッパー、サブゼロ硬化処理をしたステンレス等の弾力性が強く、耐摩耗性、耐油性、耐薬品性等に富み、物理的強度の強い素材が望ましく、特に、低炭素含有量である炭素量0.03〜0.1%、高クロム含有量であるクロム量10〜20%を含む鉄鋼またはステンレス鋼を使用すると、弾力性が一段と強くなり、耐摩耗性、耐油性、耐薬品性等も格段に富むようになり、物理的強度も一層強くなるので、素材としては最適である。
【0028】極薄板状の低炭素含有量で高クロム含有量のステンレス鋼製のブレード1は、最近開発された新素材であって、炭素量0.03〜0.1%、クロム量10〜20%を含み、高強度(引張強さ2000〜2000N/mm2 )の素材であって、たとえば、日新製鋼(株)の鋼強度ステンレス鋼は、NSSHT1770、NSSHT1960、NSSHT2000(平成9年3月頃開発)の製品番号で販売されている。
【0029】さらに、本発明のブレード1としては、その摺動穴2の大きさを産業機械の直動レール3の断面積の大きさより、0.01〜0.1mm小さくするとともに、図5に示すように、摺動穴2の周辺に0.1〜10mmのしぼり状の折り曲げ部6を設けると、ブレード1の精度と安定性を一段と上させることができ、ブレード1の腰を格段に強くすることができ、シール性、スクレーパー性、ワイパー性も一層よくなる。
【0030】特に、前述した極薄で軽量の低炭素含有量で高クロム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼よりなるブレード1の摺動穴2に、しぼり状の折り曲げ部6を形成するとともに、硬度(耐摩耗性)に富み、溶接による強度低下が小さい低炭素含有量で高クロム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼よりなるブレード1の周辺を駆動テーブル4の保持板5に溶接すると、前述したブレード1の性能上の特徴に、ブレード機構のコンパクト化と軽量化の特徴を付加できる。
【0031】金属薄板のブレード1の板厚を0.05〜0.1mmにするのは(望ましくは0.03〜0.08mm)、板厚が0.01mm未満であると、金属薄板のブレード1の弾力性の腰が弱くなり、物理的強度にも難点がでるために不適当であり、また、板厚が0.1mmを超すと、ブレード1の物理的強度は強くなるが、弾力性に難点がでるために不適当である。
【0032】金属薄板のブレード1の摺動穴2の大きさを、産業機械の直動レール3等の機械等の被摺動個所の断面積より0.01〜0.1mm小さくするが、この値が0.01mm未満であると、ブレード1の摺動穴2を小さくするという効果があまりなく、短時間の使用によってブレード1の摺動穴2が摩耗して隙間が生じ易いために不適当であり、また、この値が0.1mmを超すと、ブレード1の摺動穴2を産業機械の直動レール3にかしめて嵌め込むことが難しくなるとともに、摺動性が悪くなるために不適当である。
【0033】さらに、金属薄板のブレード1の摺動穴2の周辺を、くの字状またはへの字状に折り曲げて、しぼり状の折り曲げ部6設けるとよく、この場合にしぼり状の折り曲げ部6の幅を0.1〜10mmにするのは、この折り曲げ部6が0.1mm未満であると、しぼり状の折り曲げ部6を設けた効果があまり期待できず、ブレード1の精度と安定性を向上できず、腰を強くすることもできないので不適当であり、また、この折り曲げ部6が10mmを超えると、しぼり状の折り曲げ部6を設けた効果が強くなり、接触面積が大きくなって、摩擦抵抗が増大して、ブレード1の摺動性が悪化するので不適当である。
【0034】摺動穴2を設けた金属薄板のブレード1の周辺を、駆動テーブル4等の機械の移動機構に取り付けるには、前述したように保持板5にネジや溶接等の公知の手段によって固定したり、または、保持板5に設けた切れ込み(図示せず)や二枚の保持板5の間に嵌め込めこんでもよいし、あるいは、駆動テーブル4等の機械に直接、前述した方法で取り付けてもかまわない。
【0035】金属薄板のブレード1に設けた摺動穴2は、図2と5に示すように、保持板5より突出させるが、その突出部7(折り曲げ部6も含めて)の幅は0.3〜10mmが適当であり、この幅は、産業機械の直動レール3等の被摺動個所の断面積や形状等によって適宜決定すればよい。
【0036】金属薄板のブレード1の摺動穴2を産業機械の直動レール3に摺動可能に嵌め込むについては、前述したように、ブレード1の摺動穴2を産業機械の直動レール3の断面積より小さくしているために、ブレード1の摺動穴2は簡単には産業機械の直動レール3に嵌め込むことはできないので、弾力性の強い金属薄板のブレード1を湾曲させ、摺動穴2をかしめるようにして産業機械の直動レール3に摺動可能に嵌め込む。
【0037】摺動穴2を設けた金属薄板のブレード1を取り付ける機械等の移動機構としては、前述した駆動テーブル4以外に、移動アーム等があり、また、金属薄板のブレード1の摺動穴2を嵌め込んで摺動させる、機械等の被摺動個所としては、前述した産業機械の直動レール3以外に、ピストン、シリンダー等がある。
【0038】摺動穴2を設けた金属薄板のブレード1の周辺を、駆動テーブル4の保持板5に溶接して、産業機械の直動レール3に摺動可能に嵌め込んだ場合について、金属薄板のブレード1の操作について説明すると、産業機械の駆動テーブル4が上方に移動すると、これと一体になっている金属薄板のブレード1の摺動穴2も、産業機械の直動レール3に沿って上方に摺動して、クーラント等の廃液をシールしながら、直動レール3と周辺に存在する切粉等の狭雑物を排除して移動して行く。
【0039】産業機械の駆動テーブル4の上向移動が到達点に達すると、産業機械の駆動テーブル4は反転して下方に移動し、これにつれて金属薄板のブレード1の摺動穴2も、産業機械の直動レール3に沿って下方に摺動して、クーラント等の廃液をシールしながら、直動レール3と周辺に存在する切粉等の狭雑物を排除して移動して行く。
【0040】
【実施例】本発明例のブレードとして、切粉を含むクーラント廃液が存在する金属切削加工機械の移動テーブルの保持板の形状に合わせて、板厚0.045mm、長さ7cm、幅3.5cmのバネ用ステンレス薄板製のブレードを製作した後、このブレードの中央部に直径34mmの摺動穴を開けるとともに、この摺動穴の周辺に0.9mmのしぼり状の折り曲げ部を設けて、移動テーブルの保持板に固定する。
【0041】次に、金属切削加工機械の断面積の直径34mmである直動レール3に、前述した移動テーブルの保持板に固定したバネ用ステンレス薄板製のブレードの摺動穴を、かしめて摺動可能に挿入し、ブレードを0.2m/秒の速度で移動(距離1000Km)させて金属切削加工処理を行い、クーラント等の廃液をシールしながら、直動レールと周辺に存在する切粉等の狭雑物の排除を行った。
【0042】本発明例のブレードブレード場合は、1年を経過しても、ブレードに隙間やガタを生じたり、抜け落ちることなく、切粉等の狭雑物の排出とクーラント等の廃液のシールを行うことができ、ブレードの摩耗と劣化は起こらず、約2年毎にブレードの交換を行えばよく、切粉の搬送作業効率が格段に向上し、ブレードの交換頻度回数が少ない分だけ保守管理に手間がかからず、人手や工場の床を汚したり、危険や災害を伴う度合いも少なかった。
【0043】また、従来例1のブレードとして、前述した切粉等の狭雑物を含むクーラント廃液が存在する金属切削加工機械と同一の機械の移動テーブルの保持板に、中央部に直径12mmの摺動穴を開けたバネ用ステンレス薄板製のブレードを固定し、金属切削加工機械に取り付けた断面積の直径が12mmの直動レールに、この同一の径のバネ用ステンレス薄板製のブレードの摺動穴を摺動可能に挿入し、ブレードを0.2m/秒の速度で移動(距離1000Km)させて金属切削加工処理を行い、クーラント等の廃液をシールしながら、直動レールと周辺に存在する切粉等の狭雑物の排除を行った。
【0044】比較例1のブレード場合、直動レールの断面積と同一の径である摺動穴は半年を経過した時点で、摩耗と切粉等の狭雑物によってブレードに隙間が生じ、切粉等の狭雑物の排出とクーラント等の廃液のシールに障害が発生し、半年毎にブレードの交換を行う必要があり、金属切削加工処理効率の低下、ブレードの頻繁な交換による保守管理の手間の増加して、金属切削加工処理効率が低下した。
【0045】さらに、比較例2のブレードとして、前述した切粉を含むクーラント廃液が存在する金属切削加工機械と同一の機械の移動テーブルの保持板に、板厚5mm、長さ10cm、幅7cmのゴム板製のブレードを製作し、このブレードの中央部に直径12mmの摺動穴を開けて、移動テーブルの保持板に固定した後、前述した金属切削加工機械の直動レールに、前述した移動テーブルの保持板に固定したゴム板製のバネのブレードの摺動穴を摺動可能に挿入し、ブレードを0.2m/秒の速度で移動(距離1000km)させて金属切削加工処理を行い、クーラント等の廃液をシールしながら、直動レールと周辺に存在する切粉等の狭雑物の排除を行った。
【0046】比較例2のゴム板製のブレードの場合、物理的強度が強くないために、3ケ月を経過した時点で、摺動と切粉等の狭雑物によるブレードの摩耗およびクーラントによるブレードの劣化に起因してブレードの摺動穴に隙間、ガタを生じ、時にはブレードの抜け落ちることもあり、切粉等の狭雑物の排出とクーラント等の廃液のシールに障害が発生し、3ケ月毎にブレードの交換を行う必要があり、ブレードの頻繁な交換による保守管理の手間の増加によって金属切削加工処理効率が低下するばかりか、被摺動面である直動レー面との接触面積の増大による摩擦抵抗の増加、ブレードを駆動させるモーターの電力費の増加(50%)等の問題が発生した。
【0047】
【発明の効果】本発明の摺動穴を設けた金属薄板製のブレードは、その摺動機構やシール機構において特異なものであるために、特に、摺動穴の周辺にしぼり状の折り曲げ部を設けた金属薄板製のブレードは、機械等の移動機構に取り付けた金属薄板の摺動穴を機械等の被摺動個所に摺動可能に嵌め込んで使用するブレードとして、長時間にわたって安定してクーラント等の廃液のシール、切粉等の狭雑物のスクレーパー、ワイパーを行うことが可能であり、ブレードの摩耗と劣化は起こらず、ブレードに隙間やガタを生じたり、抜け落ちることもなく、産業機械の作業効率が格段に向上するという優れた効果を達成する。
【0048】また、本発明の摺動穴を設けた金属薄板製のブレードは、ブレードの摺動穴と機械等の被摺動個所の断面積の大きさを同じにするという精度の高い、面倒な工作を不要であるために、ブレードの製作工程の省力化、製作費用の削減をはかることが可能であって、機械のイニシャルコストの削減をはかることができる。
【0049】さらに、本発明の摺動穴を設けた金属薄板製のブレードは、ブレードとして耐摩耗性、耐油性、耐薬品性等の物理的強度が強いために、ブレードの交換頻度回数が少ない分だけ保守管理に手間がかからず、ランニングコストを大幅に削減できる長所があり、人手や工場の床を汚したり、労働災害等が発生することも少なくなり、労働環境、衛生面で優れている。
【0050】さらに、本発明の摺動穴を設けた金属薄板製のブレードは、極薄板状、軽量、コンパクトであって、特に、低炭素含有量で高クロム含有量の鉄鋼またはステンレス鋼製のブレードはこの特徴が顕著であって、機器の被摺動面との接触面積が小さいために、摩擦抵抗が軽減されて摩耗が少なく、産業機械の被摺動個所に余分な荷重、負担がかからず、機械等における駆動電力を節減することが可能であり、かつ、故障が起きにくい利点もある。
【0051】さらに、本発明の摺動穴を設けた金属薄板製のブレードは、頻繁にブレードの交換を行う必要がないので、作業効率が向上し、保守管理に手間がかからず、またブレードの交換時に起こる作業者の手や工場の床を汚したり、産業的に益することが多い。
【0052】本発明の摺動穴を設けた金属薄板製のブレードには、以上述べたような特徴があるので、最近の超高速運転や超高速処理を行う産業機械の摺動個所、特に、切粉等の挟雑物が混入している流体を処理する機器の摺動個所に使用するブレードとして最適である。
【出願人】 【識別番号】000220457
【氏名又は名称】東京精密発条株式会社
【出願日】 平成10年9月17日(1998.9.17)
【代理人】 【識別番号】100063761
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 章
【公開番号】 特開2000−88115(P2000−88115A)
【公開日】 平成12年3月31日(2000.3.31)
【出願番号】 特願平10−262625