| 【発明の名称】 |
エアシール装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】由井 秀人
|
| 【要約】 |
【課題】簡易な構成によって、ハウジング内に存在する互いに異なる性質の流体を確実に混合させずに隔離できるエアシール装置を提供する。
【解決手段】回転軸1とハウジング2の円筒面との間の隙間をエアシールし、そのシール部でハウジング内を2つのサンプ室4,5に分けるエアシール装置である。上記内筒面に圧縮空気が供給される2つの環状凹部6,7を形成する。その各環状凹部6,7に供給する圧縮空気の圧、環状凹部の軸方向両側の隙間部の隙間量及び隙間部の幅を調整することで、第1環状凹部6に供給された圧縮空気が第1サンプ室4側に、第2環状凹部7に供給された圧縮空気が第2サンプ室5側に流れるように、各環状凹部6,7の軸方向両側の上記隙間部22,23,26に圧力差を生じさせる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転軸と、その回転軸の外径面に近接して対向する円筒面をを有するハウジングとを備える機器における、上記回転軸と円筒面との間の隙間をシールして、そのシール部を境にハウジング内を軸方向両側の2つの空間に離隔するエアシール装置において、上記ハウジングの内筒面に対し、軸方向に配列しそれぞれ圧縮空気が供給される複数の環状凹部を形成すると共に、その複数の環状凹部を、軸方向途中位置を境に2つに区分けして、各環状凹部に供給する圧縮空気の圧力、環状凹部の軸方向両側にそれぞれ位置する上記内筒面と回転軸外径面とからなる隙間部の隙間量、その隙間部の幅、及び環状凹部の側壁形状のうちの少なくとも一つを調整することで、各環状凹部に供給された圧縮空気が、それぞれその環状凹部が属する区分に近い上記ハウジング内の空間側に向けて流出するように、各環状凹部の軸方向両側の上記隙間部に圧力差を生じさせたことを特徴とするエアシール装置。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービン、工作機械、一般機械などの機器における回転軸と、これを囲むハウジングとの間に設置されてハウジング内を二つに離隔するエアシール装置に関する。 【0002】 【従来の技術】ガスタービンのような回転軸を持った機器のハウジング内に、空気以外の異なる2種類の流体が供給され、その供給された2種類の流体を分別して個々に回収する構成とする場合には、その2つの流体の混合を防止するために、ハウジングに対し、回転軸に近接して対向する内筒面を設け、その内筒面と回転軸外径面との間の隙間をシールする。 【0003】そのシール方式としては、接触式と非接触式があるが、回転軸が高速回転することを考慮すると、接触式シールではシール面の滑り速度が大きくなりシール材の摩耗が問題になることが多いため、一般には、ラビリンスシール方式や、エアシール方式等の非接触式シールが用いられる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ラビリンスシール方式では、例えばガスタービンのように急激な温度変化を受ける部分に使用する湯合、例えば、隙間量を小さく設定すると熱膨張によりシールが回転軸に接触する可能性が生じ、逆に隙間量を大きく設定するとシール性能が低下して2つの流体が混合するおそれがあるというように、温度変化が大きな環境下に採用すると、2種類の流体の混合を確実に防止できるように隙間量を調整することが難しい。 【0005】また、通常のエアシール方式においては、ハウジングと回転軸との間のシール部に環状凹部を設ける方法が、またその環状凹部に圧縮空気を供給する方式があるが、従来の方式にあっては、シール性能を高めるために、単に、ハウジングと回転体の隙間量を小さく、また環状凹部に供給する圧縮空気圧をハウジング内部の圧力より大きくするだけである。このために、隙間量の設定は難しく、ハウジング内部の2つの流体の圧力バランスや温度差により、別々に供給された特性の異なる流体が混合する可能性がある。 【0006】例えば、一方の流体側の圧力よりも他方の流体側の圧力が高い場合には、環状凹部に供給する圧縮空気の圧が両液体側の圧力よりも高くても、環状凹部に供給した圧縮空気が圧力の低い流体側に流れ易くなることで混合するおそれがある。 【0007】また、環状凹部に供給される圧縮空気の温度によっては、流体温度が低下、または上昇する可能性もある。ここで、特開平6−337073号公報において、回転軸の先端のシールを行う場合に、ハウジングの内筒面に複数個の環状凹部を刻み、各凹部に交互に圧縮空気供給孔、及び大気開放孔を連通することでエアシールを構成して、ハウジング内外に存在する互いに異なる性質の流体を混合させずに別々に回収するシール装置が提案されている。 【0008】しかし、当該公報に記載のシール方式では、ハウジング内軸端部側の流体を第1流体、軸中央部側の流体を第2流体と呼ぶと、圧縮空気供給孔側の環状凹部から隣りの大気開放孔側の環状凹部への流体の流れが発生し、例えば,上記第1流体が第2流体の方向へ向かうことで、第1流体が第2流体へ混合する可能性がある。また、本公報のシール方式は、軸端部に設置するものであることから、回転軸の中途位置を挟んで両側に異なる性質の流体が存在し且つ回転軸支持部の潤滑を行う場合には適用できない。 【0009】本発明は、回転軸と、これを囲むハウジングとの間の隙間をシールするエアシール装置において、簡易な構成によって、ハウジング内に存在する互いに異なる性質の流体を確実に混合させずに隔離できるエアシール装置を提供することを課題とするものである。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記課題を達成するために、本発明は、回転軸と、その回転軸の外径面に近接して対向する円筒面をを有するハウジングとを備える機器における、上記回転軸と円筒面との間の隙間をシールして、そのシール部を境にハウジング内を軸方向両側の2つの空間に離隔するエアシール装置において、上記ハウジングの内筒面に対し、軸方向に配列しそれぞれ圧縮空気が供給される複数の環状凹部を形成すると共に、その複数の環状凹部を、軸方向途中位置を境に2つに区分けして、各環状凹部に供給する圧縮空気の圧力、環状凹部の軸方向両側にそれぞれ位置する上記内筒面と回転軸外径面とからなる隙間部の隙間量、その隙間部の幅、及び環状凹部の側壁形状のうちの少なくとも一つを調整することで、各環状凹部に供給された圧縮空気が、それぞれその環状凹部が属する区分に近い上記ハウジング内の空間側に向けて流出するように、各環状凹部の軸方向両側の上記隙間部に圧力差を生じさせたことを特徴とするエアシール装置を提供するものである。 【0011】本発明によれば、軸方向に並んだ複数の環状凹部を二つに区分けし、ハウジング内の2つの空間のうちそれぞれ近い側のハウジング空間に圧縮給気が流れるように各環状凹部の軸方向両側に圧力差を生じさせることで、たとえハウジング内の上記2つの空間内の各圧力が異なっていても、各区分からの圧縮空気によって個々独立に対応して、上記一の空間の流体が他方の空間側に流れることが防止される。この結果、上記2つの空間に供給した2つの流体の混合を確実に防止し、別々に回収することが可能となる。 【0012】なお、ハウジング内に存在する互いに異なる性質の流体に温度差が生じている場合、複数個形成した各環状凹部に供給する圧縮空気温度を隣接する各々の流体温度と極力同等にすることによって、流体温度を変化させずに回収することができる。 【0013】 【発明の実施の形態】以下に、本発明の第1の実施形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態に係るシール装置を説明するための側面断面図であり、図2は、その圧縮空気供給部の正面断面図である。図3は、本実施形態のシール装置を用いたスピンドルの側面断面図である。 【0014】その装置構成を説明すると、図1及び図2に示すように、回転軸1の外周に当該回転軸1の外径面を覆うようにしてハウジング2が配置され、そのハウジング2の外周は、オーバーハウジング3(オーバシャフト)で覆われている。 【0015】上記ハウジング2には、上記回転軸1の外径面に同軸状態で近接する円筒面を持つ円筒部2aを有していて、その円筒部2aの位置(シール部分)を境に、ハウジング2内は第1サンプ室4及び第2サンプ室5に区画されている。 【0016】なお、個々の流体供給路30,31を通じて、第1サンプ室4に第1流体が供給され、第2サンプ室5に第2流体が供給されると共に(図3参照)、ハウジング2及びオーバハウジング3にそれぞれ形成された第1流体回収口27及び第2流体回収口28を通じて、各サンプ室4,5内の流体が個別にハウジング2から排出されるようになっている。 【0017】上記ハウジング2の円筒面には、溝が円周方向に延在する環状凹部6,7が軸方向に並んで二つ形成されている。ここで、本実施形態は、環状凹部6,7が2つのため、一方の環状凹部が一の区分に属し、他方の環状凹部が他の区分に属する。両者6,7を区別する場合には、第1サンプ室4側の環状凹部6を第1環状凹部と、第2サンプ室5側の環状凹部7を第2環状凹部と呼ぶ。 【0018】また、両環状凹部6,7間に位置する円筒面と回転軸1外径面からなる第1の隙間部26の隙間量をD1、その隙間部26の幅をH1とし、第1環状凹部6よりも第1サンプ室4側の第2の隙間部22における隙間量をD2、その隙間部22の幅をH2とし、また、第2環状凹部7の第2サンプ室5側の第3の隙間部23における隙間量をD3、その隙間部23の幅をH3とすると、本実施形態では、下記の関係を満足するように、各隙間部26,22,23の隙間量D1,D2,D3及び幅H1,H2,H3が設定されている。 【0019】D1≦D2D1≦D3H2≦H1H3≦H1また、ハウジング2における円筒部2aの外周面には、各環状凹部6,7に対応させて2つの環状溝14,15が形成され、図2に示すように、各環状凹部6,7と環状溝14,15とは、放射状に配置された複数本の給気路10,11を通じて連通することで、環状凹部6,7内の圧力をそれぞれ周方向で極力均等となるようにしている。 【0020】また、オーバハウジング3には、上記各環状溝14,15に連通する給気孔18,19が開設され、その給気孔18,19には、それぞれ給気管40,41を通じてコントロールバルブやコンプレッサ等からなる圧縮空気供給手段43,44が接続されていて、各圧縮空気供給手段43,44が作動することで、給気孔18,19、環状溝14,15、給気路10,11を通じて各環状凹部6,7に所定圧力の圧縮空気が個別に供給されるようになっている。なお、上記圧縮空気供給手段43,44のコンプレッサ等を一台であって、コントロールバルブ等で圧力を制御しても良い。 【0021】また、各給気管40,41の途中には、ヒータ等の温度調整手段(不図示)が介装されていて、各環状凹部6,7に供給する圧縮空気の温度が個々に調整可能となっている。 【0022】ここで、第1サンプ室4の圧力がP1で流体温度がT1、また第2サンプ室5の圧力がP2で流体温度がT2の場合として、以下説明する。そして、各圧縮空気供給手段43,44及び温度調整手段を制御することで、第1環状凹部6では、空気圧力がP3に、空気温度がT3に維持されるように調整され、また、第2環状凹部7では、空気圧力がP4に、空気温度がT4に維持されるように調整されている。 【0023】そして、本実施形態では、各圧力P1〜P4の関係が下記式の関係を満足するように、各環状凹部6,7に供給される圧縮空気の各圧力P3及びP4が調整されている。 【0024】P1≦P3P1≦P4P2≦P3P2≦P4なお、上記各環状凹部6,7に供給される圧縮空気の各圧力P3及びP4は、一定値でも良い。この場合には、各サンプ室4,5で取りうる圧力の範囲の最大値をP1及びP2とする。また、上記圧縮空気の各圧力P3及びP4は、直接各サンプ室4,5の圧力を計測して動的に変化させるようにフィードバック制御を行ってもよい。 【0025】また、本実施形態では、T1≒T3、T2≒T4となるように、各環状凹部6,7に供給される圧縮空気の温度T3及びT4が制御されている。次に、上記構成のシール装置の作用・効果等について説明する。 【0026】上記構成のシール装置を、図3に示すようなスピンドル装置に組み込んだ場合で説明する。回転軸1を支承する2つの軸受32,33に異なる成分の流体(潤滑剤)を供給するために円筒部2aの位置を挟んで二つのサンプ室4,5(ハウジング2内の空間)が形成され、その二つのサンプ室4,5は、円筒部2aの位置(シール部)を境にエアシールで隔離されている。そして、第1サンプ室4内に流体供給路31を通じて第1流体が供給され、第2サンプ室5内に流体供給路30を通じて第2流体が供給され、それぞれの回収口27,28から排出されるようになっている。 【0027】そして、第1サンプ室4内に有る第1流体が第1環状凹部6内に侵入しようとしても、P1≦P3及びP1≦P4となっているので、第1環状凹部6では、第1の隙間部26の方が第2の隙間部22よりも圧力が高くなっているために、第1環状凹部6の圧縮空気が第1サンプ室4側に流れて、第1流体が第1環状凹部6に侵入することができない。たとえ、一時的に第1環状凹部6内に第1流体が侵入しても、第2環状凹部7に流れることなく、第1環状凹部6の圧縮空気流と一緒に第1サンプ室4側に戻される。 【0028】同様に、第2サンプ室5内に有る第2流体が第2環状凹部7に侵入しようとしても、P2≦P4及びP2≦P3となっているので、第2環状凹部7では、第1の隙間部26の方が第3の隙間部23よりも圧力が高くなっているために、第2環状凹部7の圧縮空気が第2サンプ室5側に流れて、第2流体が第2環状凹部7に侵入することができない。たとえ、一時的に第2環状凹部7内に第2流体が侵入しても、第1環状凹部6に流れることなく、第2環状凹部7の圧縮空気流と一緒に第1サンプ室4側に流れる。 【0029】この結果、両サンプ室4,5に圧変動等が生じても、各環状凹部6,7から流出する圧縮空気の流れは、一方のサンプ室にある流体を他のサンプ室側に誘導する流れとなることがなく、確実に第1流体と第2流体とを混合することが防止される。 【0030】このとき、供給する圧縮空気がP1=P3=P2=P4で、各隙間部22,23,26の幅がH1=H2、H1=H3の場合であっても、各隙間部22,23,26の隙間量をD1<D2、及びD1<D3と選定することで、第1環状凹部6では、第1の隙間部26の方が第2の隙間部22よりも圧力が高くなり、且つ、第2環状凹部7では、第1の隙間部26の方が第3の隙間部23よりも圧力が高くなって、各環状凹部6,7両端部の隙間部22,23,26に目的とする所望の圧力差が生じて、確実にシールされる。 【0031】また、供給する圧縮空気がP1=P3=P2=P4で、各隙間部22,23,26の隙間量がD1=D2、D1=D3の場合でも、各隙間部22,23,26の幅をH2<H1、及びH3<H1となるように選定することで、第1環状凹部6では、第1の隙間部26の方が第2の隙間部22よりも圧力が高くなり、且つ、第2環状凹部7では、第1の隙間部26の方が第3の隙間部23よりも圧力が高くなって、各環状凹部6,7両端部の隙間部22,23,26に目的とする所望の圧力差が生じて、確実にシールされる。 【0032】また、本実施形態では、第1流体と第2流体に温度差が生じている場合、第1環状凹部6から流れてくる圧縮空気の温度T3と第1流体の温度T1、及び第2環状凹部7から流れてくる圧縮空気の温度T4と第2流体の温度T2を近づけているために、各流体の温度T1,T2を低下、また上昇させることなく回収することができる。 【0033】また、流体の温度T1,T2が目標温度と異なっていても、目標温度となっている各圧縮空気が、個々に各サンプ室4,5側に流れることで、流体の温度T1,T2が目標温度に近づく。また、流体が目標温度よりも加熱し易い環境の場合には、その流体側に流れる圧縮空気の温度を低く設定して、流体の温度上昇を抑えるようにしてもよい。このようにしても、各サンプ室4,5に流れる圧縮空気は別であるので問題はない。 【0034】ここで、通常は、P3=P4となるように圧縮空気の圧力を設定すれば良いが、2つの流体の成分の関係から、例えば第2流体が第1流体に決して混合させてはならない場合には、P1<P3、P2<P4で且つ、P4<P3となるように圧縮空気の圧力P3,P4を調整すれば、より確実に第2流体が第1流体に混合することが回避される。また、供給する圧縮空気の圧力P3,P4が同一圧でも、隙間部22,23,26の隙間量をD1<D2、D1<D3で且つD2<D3、又は、隙間部22,23,26の幅をH2<H1、H3<H1で且つH3<H2とすることにより、第1の隙間部26における圧力を第2環状凹部7側よりも第1環状凹部6側を高く設定して、第2環状凹部7の圧縮空気を第1環状凹部6に流さないようにすると良い。 【0035】また、本実施形態では、回転軸1が低速回転時又は停止時においても、圧縮空気の供給を続けることによって、シール効果、各流体の温度維持効果を持続することができる。 【0036】また、本実施形態は、第1サンプ室4が大気開放されているハウジング2及び回転軸1の端部に設置することによって、潤滑油の漏出防止機構としても使用することもできる。 【0037】ここで、ハウジング2内に供給される特性の異なる二つの流体とは、サンプ室4,5の温度に応じて使用される成分が違う潤滑油、切削油、海水、コンタミ入り潤滑油等、流体の種類は限定されない。 【0038】また、本発明の実施形態では、ハウジング2の外周にオーバハウジング3が形成されているが、オーバハウジング3を形成せずに、直接、給気路10,11に圧縮空気を供給してもよい。 (第2実施形態)次に、第2の実施形態を図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1の実施形態と同様な部材等については同一の符号を付して、その詳細は省略する。 【0039】本実施形態の基本構成は、図4に示すように、上記第1の実施形態と同様であるが、ハウジング2の円筒面に対し、4列の環状凹部6,7,8,9を形成した場合の例である。 【0040】即ち、上記第1環状凹部6と第2環状凹部7との間に、さらに、第3環状凹部8及び第4環状凹部9を設け、その各環状凹部8,9に圧縮空気を供給するための給気路12,13、ハウジング2外周の環状溝16,17、及びオーバハウジング3の圧縮空気供給孔20,21等を別途,設けたものである。 【0041】そして、第1サンプ室4側の第1環状凹部6及び第3環状凹部8で一の区分を構成し、第2環状凹部7及び第4環状凹部9で他の区分を構成するように環状凹部を2分する。 【0042】ここで、第3環状凹部8の空気圧力をP5、空気温度をT5とし、第4環状凹部9の空気圧をP6空気温度をT6とする。また、第1環状凹部6と第3環状凹部8との間の隙間部24における隙間量をD4、その隙間部24の幅をH4と、第4環状凹部9と第2環状凹部7との間の隙間部25における隙間量をD5、その隙間部25の幅をH5とし、また、第3環状凹部8と第4環状凹部9との間の隙間部は、上記第1の隙間部26として隙間量をD1、幅をH1とすると、下記の条件を満足するように、各圧縮空気の圧力P3〜P6、隙間部22〜26の隙間量及び幅及が設定されている。 【0043】P1≦P3≦P5P2≦P4≦P6D1≦D4≦D2D1≦D5≦D3H2≦H4≦H1H3≦H5≦H1このように設定することで、第1及び第3環状凹部6,8に供給された圧縮空気は、共に第1サンプ室4側に流れるように、且つ第2及び第4環状凹部7,9に供給された圧縮空気は、共に第2サンプ室5側に流れるように、各環状凹部6〜9の両側の隙間部の圧力差が設定されて、各流体毎に独立して2列のシール部が形成されることで、第1の実施形態よりもシール効果を高めることができる。 【0044】また、各環状凹部6〜9への供給圧縮空気の温度T3〜T6をT1≒T3≒T5、T2≒T4≒T6に設定することにより、第1サンプ室4及び第2サンプ室5内の流体の温度が圧縮空気の流入によって変化することが極力抑えられる。 【0045】このように、環状凹部の数を増やすほど、シール効果が高くなる。ここで、上記実施形態では、環状凹部6〜9を2分する区分けを、軸方向中央部で分けて二つずつ割り当てた場合で説明しているが、例えば、一の区分を第1環状凹部6だけとし、他の区分を第2〜第4環状凹部7,8,9のように設定してもよい。 【0046】この場合には、下記の範囲となるように適当に設定すればよい。 P1≦P3P2≦P4≦P6≦P5D1≦D4D4≦D1≦D5≦D3H2≦H4H3≦H5≦H1≦H4(第3実施形態)次に、第3の実施形態を図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1の実施形態と同様な部材等については同一の符号を付して、その詳細は省略する。 【0047】本実施形態の基本構成は、図5に示すように、上記第1の実施形態と同様であるが、第1環状凹部6と第2環状凹部7の間にラビリンスシール29を配置したところが異なる。 【0048】各環状凹部6,7での空気圧力P3,P4、空気温度T3,T4、環状凹部6,7の両側の隙間部22,23,26の隙間量D1,D2,D3及び隙間幅H1,H2,H3を、上記第1実施形態で示した関係の範囲に調整することにより、第1実施形態のシール効果にラビリンスシール29の効果が加味して、より一層シール効果を高めることができる。 【0049】他の作用効果及び構成は、上記第1及び第2実施形態と同様である。 (第4実施形態)次に、第4の実施形態を図面を参照しつつ説明する。なお、上記第1の実施形態と同様な部材等については同一の符号を付して、その詳細は省略する。 【0050】本実施形態の基本構成は、図6に示すように、上記第1の実施形態と同様であるが、各環状凹部6,7における、対応するサンプ室4,5に近い側の側壁6a,7aは、その回転軸1側(凹部の入口側)が当該対応するサンプ室4,5側に傾いたテーパ形状となっているところが異なる。 【0051】このように環状凹部6,7の側壁6a,7aを上記のようなテーパ形状にすることによって、環状凹部6,7内に供給された圧縮空気は、それぞれ、テーパ状の側壁6a,7aに案内されて、対応するサンプ室4,5側に円滑に流れ易くなって、より一層シール効果を高めることができる。 【0052】なお、テーパ形状は、直線状でなくても良い。 【0053】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のエアシール装置を採用すると、ハウジング内に存在する互いに異なる性質の流体を混合させることを確実に防止できるというシール効果を発揮する。 【0054】また、エアシール装置は機械的な接触部が無く摩耗等が生じないことから、半永久的にシール効果が持続することが可能であり、しかも、従来と異なり隔離する二つの流体に応じて環状凹部(圧縮空気)を2分して、個々独立した圧縮空気でシールする構成であるので、当該二つの流体に圧力差などが生じたりしていても、確実にシールすることができる。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】000004204 【氏名又は名称】日本精工株式会社
|
| 【出願日】 |
平成10年9月11日(1998.9.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100066980 【弁理士】 【氏名又は名称】森 哲也 (外2名)
|
| 【公開番号】 |
特開2000−88114(P2000−88114A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月31日(2000.3.31) |
| 【出願番号】 |
特願平10−258443 |
|