| 【発明の名称】 |
オイルシール |
| 【発明者】 |
【氏名】西野 正俊
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| 【要約】 |
【課題】オイルシールと固定部材との間から、油等が漏れることがある。
【解決手段】本オイルシール1では、外周に圧接面1bを弾性部材で形成した。この圧接面1bが、固定部材としての周囲部材3の孔3aの内周面3bに圧入される。内周面3bに接して封止する自封性のリップ18aを設けた。リップ18aは、圧接面1bに対して傾斜して突出する固定側シール部18の先端縁に形成されている。自封性のリップ18aは、内圧に感応して確実に封止でき、しかも装着し易い。圧接面1bとリップ18aの間に環状溝20を設けて、リップ18aの背圧を抑制して、自封性の低下を防止する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】軸とこの軸を取り囲み軸に対して相対移動する周囲部材との間を封止するオイルシールであって、上記軸および周囲部材の何れか一方からなる固定部材と接し、密封空間の内圧によって封止力を高める自封性のリップを備えたことを特徴とするオイルシール。 【請求項2】請求項1に記載のオイルシールにおいて、上記リップよりも反密封空間側で、固定部材の全周に圧接される環状の圧接面と、リップにかかる反密封空間からの背圧を抑制する背圧抑制手段とをさらに備えたことを特徴とするオイルシール。 【請求項3】請求項2に記載のオイルシールにおいて、上記背圧抑制手段は、圧接面とリップとの間に形成され、固定部材との間に環状の空間を区画する環状溝を含むことを特徴とするオイルシール。 【請求項4】請求項2に記載のオイルシールにおいて、上記背圧抑制手段は、リップの背面と固定部材との間に区画される環状の空間を圧接面で隔たる反密封空間に連通する連通溝を含むことを特徴とするオイルシール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、オイルシールに関する。 【0002】 【従来の技術】オイルシールは、例えば、可動部材である回転軸と、その周囲にあって固定部材としてのハウジングに形成された孔の内周面との間に配置され、回転軸とハウジングとの間で、ハウジング内の油等を封止するものである。オイルシールは、環状の金属製の本体と、この本体の内周に環状に設けられて回転軸の外周面と摺接して封止するシールリップと、このシールリップの外側から内側へ緊縛力を作用させる環状のばねとを有している。シールリップは、弾性部材で形成され、これとともに一体に、本体の外周面も弾性部材で形成されている。 【0003】装着時、オイルシールの本体の外周面はハウジングの孔の内周面に圧入されており、外周面の弾性部材が圧縮変形して内外を封止している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところが、ハウジングの孔とオイルシールの本体の外周面との間を、確実に封止できない場合がある。例えば、高い圧力がかかる場合や、温度変化により圧入の締め代が低下する場合である。このような場合であっても確実に封止するためには、圧入の締め代を大きくすることが考えられるが、これに伴い圧入時に過大な荷重がオイルシールにかかることが想定される。過大な荷重がかかると、オイルシールを装着し難くなるうえに、本体の外周面の弾性部材にかじりが生じて、その結果、かえって封止性能が低下することもある。 【0005】このように、オイルシールの装着し易さと封止の確実性とを両立することは困難であった。そこで、本発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、装着が容易で、固定部材との間を確実に封止できるオイルシールを提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、請求項1に記載の発明のオイルシールは、軸とこの軸を取り囲み軸に対して相対移動する周囲部材との間を封止するオイルシールであって、上記軸および周囲部材の何れか一方からなる固定部材と接し、密封空間の内圧によって封止力を高める自封性のリップを備えたことを特徴とする。 【0007】この構成によれば、固定部材に容易に装着できるような柔軟な材料のリップを用いたとしても、リップの自封性により、内圧の上昇時にもオイルシールと固定部材との間を確実に封止することができる。請求項2に記載の発明のオイルシールは、請求項1に記載のオイルシールにおいて、上記リップよりも反密封空間側で、固定部材の全周に圧接される環状の圧接面と、リップにかかる反密封空間からの背圧を抑制する背圧抑制手段とをさらに備えたことを特徴とする。 【0008】この構成によれば、油等がリップの背後に侵入する場合であっても、背圧が抑制されるので、リップの自封性の低下を防止することができる。請求項3に記載の発明のオイルシールは、請求項2に記載のオイルシールにおいて、上記背圧抑制手段は、圧接面とリップとの間に形成され、固定部材との間に環状の空間を区画する環状溝を含むことを特徴とする。 【0009】この構成によれば、圧接面によって、反密封空間側からリップの背後への油等の侵入を防止できる。また、万一、多少の油等が侵入するとしても、環状溝が区画する環状の空間を広くできるので、ここに上述の油等を溜めることができる結果、上述の背圧を抑制できる。請求項4に記載の発明のオイルシールは、請求項2に記載のオイルシールにおいて、上記背圧抑制手段は、リップの背面と固定部材との間に区画される環状の空間を圧接面で隔たる反密封空間へ連通する連通溝を含むことを特徴とする。 【0010】この構成によれば、環状の空間が連通溝を通じて反密封空間へ開放できるので、環状の空間での背圧の上昇を抑制することができる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態のオイルシールを、添付図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態を示すオイルシールの断面図である。本オイルシール1は、移動部材として回転する回転軸2と、この回転軸2を取り囲む固定部材としての周囲部材3との間を封止する環状のシール装置である。周囲部材3には孔3aが形成され、この孔3aの内部に本オイルシール1は装着されている。本オイルシール1のシールリップ12aが、回転軸2の軸方向に、密封空間である油室S1と、反密封空間S2とを仕切っている。オイルシール1は、油室S1にかかる内圧によって封止力を高めて、周囲部材3と回転軸2との間を確実に封止できるように構成されている。 【0012】本オイルシール1は、孔3b内に圧縮力を受けつつ嵌合される圧接面1bを外周に有する環状のシール本体17と、このシール本体17の内周から油室側に延設された環状の内周シール部12とを有している。この内周シール部12とシール本体17とは、ゴムや樹脂材料等の弾性部材で一体に形成されて断面略C字状の環状をなしている。シール本体17には、環状の金属製の芯金11の一部が埋設されている。 【0013】芯金11は、反密封空間S2側に配置されてオイルシール1の端面1cを形成する円板部11fと、この円板部11fの外周縁部から軸方向に延びる筒部11gとを有している。この筒部11gがシール本体17に埋設されている。内周シール部12は、内周面に、互いに反対方向に傾斜した油室側傾斜面12bおよび反密封空間側傾斜面12cを有し、断面くさび状に形成されている。これら2つの傾斜面12b,12cが交差する先端にシールリップ12aが形成されている。このシールリップ12aが、回転軸2の外周面と摺接して封止し、密封空間である油室S1と、その反対側にある反密封空間S2とを仕切っている。シールリップ12aに対応して内周シール部12の外周には、ばね13が設けられている。このばね13は、内周シール部12に径方向の内方への予め定める緊縛力を作用させ、シールリップ12aを回転軸2に押圧する。また、シールリップ12aよりも反密封空間側には、内周シール部12の内周および芯金11の円板部11fの内周寄り部分に沿って、バックアップリング14が設けられている。 【0014】油室S1に内圧がかかると、内周シール部12の外周面12dを介して、内周シール部12を径方向の内方に押圧し、シールリップ12aを回転軸2に締めつける。このように、オイルシール1は、内圧に応じて緊縛力を増して、確実に封止することができる。ところで、油室S1の内圧が高い場合には、孔3aの内周面3bと圧接面1bとの間から、内圧がかかった油の漏れや染み出しが生じる場合がある。このような油の漏れ等を防止すべく、本オイルシール1は、周囲部材3の孔3aの内周面3bと接するリップ18aを備えている。 【0015】以下、詳細に説明する。本オイルシール1は、その外周の端縁から径方向の外方に向けて傾斜状に延設された環状部分である固定側シール部18を有している。この固定側シール部18の外周側の先端に、上述のリップ18aが形成されている。このリップ18aが内周面3bと接することにより、密封空間としての油室S1と、反密封空間として環状の空間S4とが仕切られている。固定側シール部18の反密封空間側には、空間S4を区画する環状溝20と、圧接面1bが軸方向に並んで設けられている。 【0016】固定側シール部18は、シール本体17と一体に、油室S1に臨んで設けられている。固定側シール部18は、外径寄り部分ほど、軸方向に関して密封空間側へ向かうように傾斜し、内周に密封空間からの内圧を受ける傾斜状の受圧面18dを有している。また、固定側シール部18の外周面は、互いに反対方向に傾斜する第1傾斜面18bおよび第2傾斜面18cを有し、第1傾斜面18bおよび第2傾斜面18cが互いに交差する外径側の先端縁に、リップ18aが形成される。このリップ18aを挟んで密封空間側に第1傾斜面18bがあり、反密封空間側に第2傾斜面18cがあり、第2傾斜面18cがリップ18aの背面を形成している。 【0017】ここで、密封空間とは、リップ18aにより仕切られて内圧のかかる側の空間であり、反密封空間とは、リップ18aにより密封空間と反対側に仕切られている空間である。リップ18aは、密封空間としての油室S1の内圧によって封止力を高める自封性を有している。リップ18aは、全周にわたり内周面3bを自身の弾性力により押圧しつつ接している。リップ18aは、受圧面18dで受けた密封空間としての油室S1からの内圧により、内周面3bへ押圧されるように配置されている。これにより、リップ18aは、内圧が高くなると緊縛力が増すように、内圧に感応して確実に封止する。 【0018】なお、リップ18aは、上述の構成に限らない。例えば、上述の2つの傾斜面が交差する端縁が断面円形のアール面で形成されて、このアール面がリップとされて内周面3bと接していてもよい。また、上述の端縁が細い環状の帯に形成されて、この帯がリップとされて内周面3bと接してもよい。圧接面1bは、オイルシール1の外周に設けられ、シール本体17と一体に弾性部材で形成された環状部分であり、リップ18aよりも反密封空間側に設けられている。圧接面1bは、内周面3bの内径よりも所定量大径に形成され、装着時に、周囲部材3の孔3aの内周面3bに全周に圧入状態で圧接されている。 【0019】ところで、オイルシール1を孔3a内に装着する際に、圧接面1bとリップ18aとの間に油等が閉じ込められると、リップ18aにかかる反密封空間側からの背圧が高まることがあり、この背圧が高まると、リップ18aの自封性が低下することが想定される。これに加えて、内圧が高くなると、油等がリップ18aから漏れ出して、上述の背圧をより一層高めることが想定される。本オイルシール1では、上述の背圧を抑制する背圧抑制手段を有している。これにより、背圧が抑制されるので、リップ18aの自封性の低下を防止することができる。 【0020】背圧抑制手段は、圧接面1bとリップ18aとの間に形成される上述の環状溝20を含んでいる。環状溝20は、リップ形成のために通常必要である断面V字形形状の環状溝(例えば、別実施例である図2の環状溝22を参照。)を、十分な容積が得られるように、例えば、断面台形形状に拡張して得られるものである。 【0021】環状溝20は、全周にわたって形成され、その台形断面の底面は円周面からなっている。環状溝20の密封空間側部分は、リップ18aの背面で形成されている。また、環状溝20の反密封空間側は、圧接面1bに隣接している。環状溝20は、周囲部材3との間に環状の空間S4を区画している。この空間S4内に、リップ18aの自封性を維持すべく、予め想定される油量を溜められるように、環状溝20の大きさが設定されている。上述の油量としては、装着動作時にオイルシール1や孔3a内に付着する油量を例示できる。 【0022】なお、環状溝20は、固定側シール部18からシール本体17の外周面にまたがって凹状に設けられていてもよいし、固定側シール部18の第2傾斜面18cに設けられていてもよい。また、環状溝20は、後述する環状溝22と、その一部を軸方向に拡張した室とで構成されるものでもよい。本オイルシール1の装着動作の際には、オイルシール1を周囲部材3の孔3a内に圧入する。このとき、先ず、圧接面1bが圧縮変形しつつ圧接され、次に、リップ18aが撓みつつ、自身の弾性力により孔3aの内周面3bに押圧力を作用させながら嵌められる。また、シールリップ12aが回転軸2の外周面に緊縛力を作用させつつ嵌められる。 【0023】使用時には、固定側シール部材18の撓みによる弾性復元力により、リップ18aと内周面3bとが接して、その間が封止されている。また、圧接面1bと内周面3bとの間が、圧接状態で封止されている。本オイルシール1に油室S1からの内圧が作用すると、この内圧は固定側シール部18の受圧面18dにかかり、固定側シール部18は弾力的に撓んで、リップ18aが径方向の外方に押圧される。その結果、リップ18aと内周面3bとがより強く密着して、密封空間としての油室S1と反密封空間との間が確実に封止される。 【0024】また、仮に、油室1の内圧が高くて漏れ出した油や、装着動作時に使用された油が、リップ18aの背後にある場合には、上述の油を、これに対して十分に広い環状溝20に溜めることができるので、この油が高圧になり難い。その結果、リップ18aの自封性を維持することができる。なお、環状溝20にある油は、圧接面1bと孔3aの内周面3bとの間で封止されているので、漏れる心配はない。 【0025】このように本実施の形態によれば、固定部材としての周囲部材3に容易に装着できるような柔軟な材料のリップ18aを用いたとしても、リップ18aの自封性により、密封空間からの内圧の上昇時にもオイルシール1と固定部材との間を確実に封止することができる。例えば、高圧時の密封空間側からのにじみを防止できる。 【0026】このように、自封性のリップ18aでは、封止性を確保しつつ、装着動作時に過大な荷重が負荷されるのを回避できるので、リップ18aにかじりが生じる虞がない。また、オイルシール1の装着動作時には、まだ内圧はかかっておらず、それに伴い、自封性のリップ18aと周囲部材3の内周面3bとの間に働く荷重も小さいので、オイルシール1を装着し易い。 【0027】しかも、自封性のリップ18aでは、装着の容易性を確保しつつリップ18aの締め代(寸法D参照)を大きくできるので、温度変化が大きい場合であっても、確実な封止性を得ることができる。例えば、熱変形が相対的に大きいゴムからなるリップ18aと、熱変形が相対的に小さい金属製の周囲部材3の孔3aの内周面3bとの接触を、低温時に確実に確保することができる。 【0028】また、全周にわたる圧接面1bが、反密封空間側からリップ18aの背後への油等の侵入を防止できるので、リップ18aにかかる背圧が高まる虞が少なく、リップ18aの自封性の低下を防止することができる。また、万一、多少の油等がリップ18aの背後に侵入したとしても、背圧抑制手段としての環状溝20により背圧を抑制できる。 【0029】また、台形等の断面略四角形形状の環状溝20は、断面三角形形状のものに比べて、環状の空間S4を大きく確保できるので、背圧を確実に抑制できる。また、環状溝20が、固定側シール部18の根元にあることで、固定側シール部20の可撓性が高まり、リップ18aを内周面3bに接し易くできる。その結果、リップ18aによる封止性を高めつつ、オイルシール1をより一層装着し易くできる。 【0030】また、環状溝20は、複数が軸方向に並んで設けられていてもよい。この場合には、反密封空間側からリップ18aの背後に侵入しようとする油は、複数の環状溝により侵入を妨げられるので、リップ18aの背圧が高まり難い。このように、リップ18aの自封性により、オイルシール1の装着し易さと封止の確実性とを両立することができる。 【0031】次に、第2の実施の形態を説明する。第2の実施の形態では、図2に示すように、背圧抑制手段は、圧接面1bに形成された連通溝21を含んでいる。なお、第1の実施の形態と同様の部分については同じ符号を付して説明を省略する。本オイルシール1は、リップ18aの背後に、上述の断面略台形形状に拡張された環状溝20に代えて小断面の環状溝22を有している。この環状溝22は、リップ形成のために通常必要である断面V字形形状の環状溝であり、その密封空間側の一辺はリップ18aの背面で形成されている。環状溝22と周囲部材3の内周面3bとの間に、環状の空間S5が区画されている。 【0032】連通溝21は、円筒面からなる圧接面1bに形成され、環状溝22から軸方向に沿って反密封空間側に向けて直線状に延びている。すなわち、連通溝21は、環状の空間S5と、圧接面1bよりも反密封空間S2側にあり反密封空間S2との間で空気のやりとりができる環状の空間S3とを連通している。この空間S3は、孔3aの隅とオイルシール1の角とにより区画されている。 【0033】また、端面1cと孔3aの端面3cとの間が封止されて、空間S3と反密封空間S2とが仕切られている場合には、万一、油等が上述の空間S3に流出したとしても、漏れる心配はない。また、この場合にも、空間S5と空間S3とが連通することで、空間が広がり、背圧を抑制できる。また、連通溝21は、弾性部材で形成された圧接面1bが孔3a内に圧接された状態で、連通溝21の周囲の弾性部材により塞がれないような大きさで形成されている。このように連通溝21は、一端から他端への連通を確実に確保することができる。 【0034】また、連通溝21は、周方向の複数箇所に設けられており、確実な連通を確保している。ここで、連通溝21は少なくとも一つあればよい。なお、連通溝21は、途中で屈曲したり湾曲してもよい。このように本実施の形態によれば、環状の空間S5が連通溝21を通じて反密封空間としての空間S3へ開放できるので、環状の空間S5での背圧の上昇を抑制することができる。 【0035】このように、背圧抑制手段としての連通溝21により、リップ18aの背圧が抑制されるので、リップ18aの自封性の低下を防止することができる。なお、上述の実施の形態では、リップ18aは、孔3aの内周面3bとの間を封止していたが、これには限定されない。例えば、図3に示すように、リップ18aは、孔3aの端面3cと当接して封止してもよい。オイルシール1の端面1cに、固定側シール部18が、シール本体17と一体に設けられている。この固定側シール部18は、軸方向に反密封空間S2側に向けて突出する環状部分であり、その突出する先端にリップ18aが形成されている。固定側シール部18は、シール本体17寄りにあって径方向外方の受圧面18dと、先端寄りにあって互いに反対方向に傾斜する第1傾斜面18bおよび第2傾斜面18cとを有し、第1傾斜面18bおよび第2傾斜面18cが互いに交差する先端縁に、リップ18aが形成されている。リップ18aは、周囲部材3の端面3cに接して封止する。リップ18aは、径方向の外方にある密封空間としての環状の空間S6と、径方向の内方にある反密封空間S2とを仕切っている。リップ18aは、密封空間からの内圧によって封止力を高める自封性を有している。 【0036】このように、図3に示すリップ18aの場合には、装着時にリップ18aと内周面3bとを擦らずに済み、オイルシール1を装着し易い。また、圧接面1bと内周面3bとの間が封止されている場合、密封空間としての空間S6にかかる内圧は、油室S1にかかる内圧よりも低圧となるので、リップ18aによる封止も確実である。また、リップ18aの背後は開放されており、リップ18aの背圧が高まる虞もないので、リップ18aの自封性が低下する虞もない。従って、図3のオイルシール1には、上述の背圧抑制手段は設けられていない。なお、リップ18aの径方向位置は、孔3aの端面3cと当接できればよい。また、図3のリップ18aが、上述した図1や図2に示すオイルシール1に設けられていてもよい。 【0037】また、固定側シール部18は、上述の構成に限定されない。例えば、固定側シール部18は、装着前の状態では傾斜していなくても、装着することにより傾斜状になるものでもよいし、内圧を受けて傾斜状になるものでもよい。また、リップ18aと受圧面18dとの相互の位置関係は、自封性を実現できればよい。また、背圧を抑制するための構成を、例えば、周囲部材3の孔3aに設ける場合には、オイルシール1から背圧抑制手段を省略することも考えられる。 【0038】また、芯金11、シール本体17や内周シール部12等の、移動部材との間を封止するための構成は上述のものに限定されない。また、オイルシール1は、固定部材としての軸と、この軸を取り囲み相対移動する移動部材としての周囲部材3との間に配置されるものでもよい。また、上述の移動部材としては、回転軸2や周囲部材3の他、軸方向に変位する軸や周囲部材3であってもよい。要は、軸とこの軸を取り囲み軸に対して相対移動する周囲部材との間を封止するオイルシールであればよく、リップ18aが接する固定部材は、軸および周囲部材の何れか一方であればよい。 【0039】その他、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。 【0040】 【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、固定部材と接する自封性のリップにより、内圧が高い場合であっても固定部材とオイルシールとの間を確実に封止することができる。請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、万一、油等がリップの背後に侵入する場合であっても、背圧抑制手段により背圧を抑制でき、リップの自封性の低下を防止することができる。 【0041】請求項3に記載の発明によれば、圧接面により反密封空間からリップの背後への油等の侵入を防止できる。また、万一、多少の油等が侵入するとしても、この油等を広い環状溝内に溜めて、上述の背圧を抑制できる。請求項4に記載の発明によれば、環状の空間が連通溝を通じて反密封空間へ開放できるので、環状の空間での背圧の上昇を抑制することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001247 【氏名又は名称】光洋精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年9月14日(1998.9.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075155 【弁理士】 【氏名又は名称】亀井 弘勝 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−88109(P2000−88109A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月31日(2000.3.31) |
| 【出願番号】 |
特願平10−260350 |
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