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【発明の名称】 耐摩環
【発明者】 【氏名】中村 義勝

【氏名】高橋 輝夫

【要約】 【課題】ピストンリングへのアルミ凝着の問題、トップリング溝の摩耗を低減し、熱伝導性等の問題を解決する耐摩環の提供。

【解決手段】耐摩環10はピストン3とは異種材料であり、ピストンリング溝8面全体に固着され、ピストンリング7を装着する。製造に際し、溶融したアルミニウム−珪素合金を噴霧化し急冷凝固させて粉末を製造する。この粉末は押出成形され管状となり、これをベースに耐摩環が構成される。耐摩環の組成は珪素15〜40重量%、鉄1.0〜10.0重量%、銅0.5〜5重量%、マグネシウム0.1〜3.0重量%、ジルコニウム、ニッケル、マンガン及び亜鉛の合計で3重量%未満、硬質粒子1〜10重量%、固体潤滑剤1〜10重量%、残部アルミニウムであり、硬質粒子、固体潤滑剤の平均粒径はそれぞれ5μmである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内燃機関のピストンとは異なる材料で形成され、ピストンリング溝面全体に固着されてシリンダライナに対して摺動するピストンリングを装着する耐摩環において、組成が、珪素を15〜40重量%、鉄を1.0〜10.0重量%、銅を0.5〜5重量%、マグネシウムを0.1〜3.0重量%、ジルコニウム、ニッケル、マンガン及び亜鉛の合計が3.0重量%未満、残部アルミニウムであるアルミニウム合金体からなり、該アルミニウム合金体は、上記組成からなる溶融したアルミニウム合金を急冷凝固させてアルミニウム合金粉末を製造し、次に該アルミニウム合金粉末を押出成形させることにより製造されることを特徴とする耐摩環。
【請求項2】 前記アルミニウム合金粉末には、炭化珪素及びアルミナからなる硬質粒子の合計が1〜10重量%含有され、該炭化珪素、アルミナの平均粒径は5μm以下であることを特徴とする請求項1記載の耐摩環。
【請求項3】 前記アルミニウム合金粉末には、グラファイト、硫化物及びフッ化物からなる固体潤滑剤の合計が1〜10重量%含有され、該グラファイト、硫化物、フッ化物の平均粒径は5μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の耐摩環。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐摩環に関し、特にディーゼルエンジン用及び高出力ガソリンエンジン用の耐摩環に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のエンジンの軽量化及び放熱性を高める目的から、アルミニウム合金製のエンジンが一般化しつつあり、ピストンもアルミニウム合金製としている。一方で、エンジン高出力化の要請に伴い、エンジンは高温の燃焼温度にさらされ、またピストンリング材にも厳しい耐摩耗性が要求されている。そのためピストンリングを装着するためのピストンリング溝は、硬度の高いピストンリングの端面で叩きを受けるので、通常のアルミ合金ではピストンリング溝のへたりや変形が生じるおそれがある。特にディーゼルエンジンのトップリングは、燃焼圧が直接作用するので、トップリング溝はピストンリングの衝撃の繰り返しでへたり摩耗が生じ、ガス漏れやオイル漏れが生じると、エンジン出力の低下を来たすこととなる。
【0003】この問題を解決するために、ピストンリング溝にピストン材料よりは高強度の材料にて耐摩環を固着し、ピストンリングを耐摩環により支持する構成が提案されている。例えば、ディーゼルエンジン用のトップリング溝には、ニレジスト合金により構成されるインサート(耐摩環)を鋳ぐるんだピストンが提案されており、この耐摩環によってシリンダ内におけるピストン摺動時のピストンリング溝の摩耗を防止している。
【0004】また特開昭58−93835号公報では、アルミナ−シリカ繊維を複合化したアルミニウム基MMC材(金属マトリックス複合材)からなる耐摩環が提案されており、また特開平6−264079号公報では、炭素質粉末と金属で被覆した固体潤滑材とアルミニウム基金属からなる摺動部材が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしニレジスト合金により耐摩環を構成する場合には、鋳造品であるため材料費が高くなりかつ歩留まりが悪く加工性も悪く、総合的にコスト高となっていた。さらに鋳ぐるみ性を向上させるためにアルミナイズ処理が必要不可欠であり、また鉄合金のため密度が高くなりエンジン性能の低下を招いていた。また熱伝導率も今一つ不充分であった。
【0006】一方特開昭58−93835号公報に記載されているように、アルミニウム基MMC材により耐摩環が構成される場合には、近年のディーゼルエンジンの出力向上とそれに伴うピストンリング溝部の温度上昇により、ピストンリング溝とピストンリングとの間で相互に発生する凝着(アルミ凝着)が生じていた。即ちピストンリング溝が高温と叩きとにより軟化してピストンリングの端面に固着することである。この現象は特に、ピストンリングの下面側(燃焼室と対向していない側)で顕著である。
【0007】また特開平6−264079号公報に記載されている材料では、トップリング溝用の耐摩環としては耐熱性が十分でなく、また強度も十分ではなかった。
【0008】そこで本発明は、ピストンリングへのアルミ凝着の問題が生じず、トップリング溝の摩耗を低減し、熱伝導性、加工性等の問題を解決する耐摩環を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、内燃機関のピストンとは異なる材料で形成され、ピストンリング溝面全体に固着されてシリンダライナに対して摺動するピストンリングを装着する耐摩環において、組成が、珪素を15〜40重量%、鉄を1.0〜10.0重量%、銅を0.5〜5重量%、マグネシウムを0.1〜3.0重量%、ジルコニウム、ニッケル、マンガン及び亜鉛の合計が3.0重量%未満、残部アルミニウムであるアルミニウム合金体からなり、該アルミニウム合金体は、上記組成からなる溶融したアルミニウム合金を急冷凝固させてアルミニウム合金粉末を製造し、次に該アルミニウム合金粉末を押出成形させることにより製造される耐摩環を提供している。
【0010】ここで、前記アルミニウム合金粉末には、炭化珪素及びアルミナからなる硬質粒子の合計が1〜10重量%含有され、該炭化珪素、アルミナの平均粒径は5μm以下であるのが好ましい。また、前記アルミニウム合金粉末には、グラファイト、硫化物及びフッ化物からなる固体潤滑剤の合計が1〜10重量%含有され、該グラファイト、硫化物、フッ化物の平均粒径は5μm以下であるのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態による耐摩環について図1乃至図3に基づき説明する。
【0012】図1はディーゼルエンジンの要部を示しており、鋳造されたクランクケース2内にシリンダライナ6を内周面側に圧入したライナ4が設けられ、このシリンダライナ6内にアルミ合金製のピストン3が摺動可能に案内されている。クランクケース2内でシリンダ胴4の周りには、シリンダ冷却用ウォータージャケット5が形成されている。またクランクケース2の上部には、シリンダヘッド1が設けられ、ピストン3の上面との間で燃焼室が画成される。またピストンの上部側には複数のピストンリング7が装着されている。
【0013】図2に示されるように、ピストンリング7を装着するためのリング溝8が、ピストン3の外周面に環状に形成されている。リング溝8は上面、下面、底面からなる断面コの字状をしており、リング溝8にはピストンより高強度材料により形成される断面コの字状の耐摩環10が固着されている。ピストン3の摺動に伴いピストンリングとリング溝8との間に相対的移動が生じるが、耐摩環10によりピストンリング溝の摩耗やへたり、変形が防止できる。
【0014】次に耐摩環10の組成及びその製造方法について説明する。耐摩環10の材料は、重量%で次の組成を有している。
珪素 15〜40%鉄 1.0〜10.0%銅 0.5〜5%マグネシウム 0.1〜3.0%ジルコニウム、ニッケル、マンガン、亜鉛の合計 3.0%未満アルミニウム 残部【0015】珪素については、微細な初晶珪素粒子が耐摩耗性を高める。含有率が15重量%未満であるとその効果が認められない。一方、含有率が40重量%を超えると粉末が硬くなり過ぎ、耐摩環の製造過程で後述する押出成形を行う際に、押出形成性が悪くなる。
【0016】鉄は、耐熱性を高める効果がある。含有率が1.0重量%未満ではその効果が認められない。一方、含有率が10重量%を超えると高融点成分が増えることになり、後述するアルミニウム合金粉末製造の際のアトマイズ工程における噴霧性を低下させる。
【0017】銅は、時効硬化性を付与し、機械的強度、硬度、耐摩耗性を改善する効果がある。含有率が0.5重量%未満ではその効果は認められない。一方、含有率が5重量%を超えると強度、伸びが低下する。
【0018】マグネシウムは、銅とともに時効硬化性を付与し、機械的強度、硬度、耐摩耗性を改善する効果があるが、含有率が0.1重量%未満ではその効果が認められない。一方、含有率が3.0重量%を超えると、熱膨張が増加する。
【0019】ジルコニウム、ニッケル、マンガン、亜鉛は、高温強度、熱膨張を改善する効果があるが、これらの合計の含有率が3.0重量%を超えると、強度、伸びが低下する。
【0020】次に耐摩環10の製造過程について説明する。
【0021】はじめに、アトマイズ法により、アルミニウム−珪素合金の粉末を製造する。一般にアトマイズ法とは溶解した金属を細いノズルから流出させ、高圧の不活性ガス雰囲気の室の中に霧状に滴化することをいう。ガスアトマイズされた金属溶滴が飛行中に急冷凝固することにより、マクロ偏析がなく、微細均一等方性の組織、微細に析出した組織、低酸素含有量、熱間加工性の良好な粉末が得られる。
【0022】本実施の形態においては、アルミニウムマトリックス中に初晶珪素が形成され、合金マトリックス内において、硬質の粒子が細かく分散した分布及び均質な分布が得られる。
【0023】具体的には、アトマイズされた溶湯滴は、高速のガスにより急速に加速され、飛行速度が急激に上昇し、ついにはガス速度と等しくなり、最高速度は溶湯滴の径によっても異なるが30〜100m/秒となる。またアトマイズされた粒子はガスによって冷却され、温度が急激に低下する。この冷却の速度は、103K/S以上であり、粒子は固化して粉末状になる。この粉末状のものは、珪素の含有率の高いアルミ合金であり、初晶珪素をはじめとする析出物が微細化されたものである。
【0024】即ち、アトマイズされた溶湯滴は、ガスによって急速に冷却され過冷されて、凝固し粉末状となる。凝固までの冷却速度は最後まで変化はなく、均一な微細組織を有する粉末が得られる。特に急冷凝固により微細な凝固組織が得られ、析出物の微細化、均一化が達成される。また偏析が低減されるとともに、非晶質相、過飽和固溶体等の準安定相が出現するという効果がある。
【0025】アトマイズ後には、得られた粉末を押出成形法によって管状に成形する。この押出成形法は、管状等の形状の製品を成形する際に、極めて有効な方法である。
【0026】ここで、押出成形を行う前に、必要に応じて硬質粒子又は個体潤滑剤の粒子を粉末に添加し混合わせる。硬質粒子、固体潤滑剤はそれぞれ、粒子の平均粒径が5μm以下のものであり、粉末中で含有率がそれぞれ1〜10重量%となる量だけ添加される。硬質粒子は耐摩耗性に効果があるが、含有率が1重量%未満では効果がなく、一方、含有率が10重量%を超えると加工性が悪化する。硬質粒子の平均粒径が5μmを超えると、耐摩環として使用された際に、相手材であるピストンリングを過度に摩耗させる。固体潤滑剤は、耐摩耗性を向上させる効果があるが、含有率が1重量%未満では効果がなく、一方、含有率が10重量%を超えると強度が低下する。固体潤滑剤の平均粒径が5μmを超えると、さらに強度が低下する。硬質粒子としては、炭化珪素(SiC)、アルミナ(Al23)等が挙げられ、また、固体潤滑剤としては、グラファイト、二硫化モリブデン(MoS2)、硫化タングステン(WS2)、硫化マンガン(MnS)等の硫化物、フッ化カルシウム(CaF2)、フッ化リチウム(LiF)等のフッ化物等が挙げられる。これらの硬質粒子、固体潤滑剤は、1種類、若しくは2種類以上添加される。
【0027】その後、粉末を冷間静水圧プレスで圧縮成形し、円柱状のコンパクトを作成する。このコンパクトが、図3に示されるような押出機によって熱間押出成形に供される。
【0028】押出機11は、押出室13を画成するとともに、押出室内には押出棒14が移動可能に設けられている。押出室13の開口端には金型12が配置され、金型12を囲むように管状成形部材16が設けられている。金型12は円形開口部を画成し、管状成形部材16も金型12の円形開口部と同軸の円形開口部が形成されている。押出棒14内には、それと同軸の断面円形のガイド穴14aが形成され、ガイド穴14a内には断面円形のロッド17が延び、該ロッド17は、金型12の円形開口及び管状成形部材16の円形開口とも同軸に固定されている。従ってロッド17の先端部と管状成形部材16の円形開口部とによって管状空間をなす押出口15が画成される。押出室13の断面積とこの押出口15の断面積は、押出の断面収縮率が約20対1となるように形成されている。
【0029】押出成形を行っている間、押出室13内の温度は、約500℃の高温に維持されている。この高温下で押出棒14が、押出室13内で図3の矢印の方向に摺動され、溶融した粉末を押出口15より押出す。押出口15からは、管状に成形され固形化された、SiC(炭化珪素)粒子分散型のアルミ合金基複合材料である押出材18が得られる。
【0030】押出成形後、得られた押出材18に必要に応じて鍛造(ハンマリング)を行い、最後に軸方向で所定幅毎にスライスしてリング状部材を得て、リング溝8に嵌着させる。嵌着後、ピストン全体を切削機にセットして、リング溝8に嵌着されたリング状部材に対して環状溝加工を行うことにより、耐摩環10が製造される。
【0031】アトマイズ法による製造方法により耐摩環を製造し、耐摩環の材料組成を上述のように構成することにより、ピストンリングへの耐摩環のアルミ凝着を低減させ、またリング溝特にトップリング溝の摩耗を低減させることができる。また従来問題となっていた熱伝導性、加工性を大幅に改善することができる。さらに押出成形法による製造方法により、粉末から有形固形物を成形することを容易にしている。
【0032】次に本実施の形態による耐摩環の試験方法及び試験結果について図4及び表1に基づき説明する。
【0033】図4は耐摩環についての試験機19を示す。試験機19は高温弁座摩耗試験機を用いた。耐摩環10に対応するピストン側材21を試験機19に対して軸方向に移動不能に固定し、ピストンリング7に対応するリング材20をピストン側材21に同心に装着し、リング材20の内周面側にシリンダライナに対応する鋳鉄製円柱棒23を軸方向に往復動作させ、ピストン側の摩耗量(耐摩環材21の摩耗量)、リング摩耗量(リング材20の摩耗量)、リング材へのアルミ凝着性について試験を行った。試験機19は加熱するためのヒーター22を有しており、実際には燃料の燃焼を行わなくともエンジン内の燃焼時の高温状態を作り出すことができ、耐摩環の状態変化を試験することができる。
【0034】試験条件は次のとおりであった。
ピストン側材温度 340℃繰返し数 1500回/分ローテーション 3.0rpm面圧 20kg/cm2試験時間 10Hrなお、ローテーションとはリング材の回転数のことである。
【0035】試験片としては本発明によるピストン側材21として、組成を表1のように異ならせた本発明材1乃至5を用意した。比較材1は表1の組成を有するアルミニウム鋳造引抜き材であり、比較材2はアルミニウム材(JISAC8A)、比較材3はアルミニウム材(JISAC8A)をアルマイト処理したもの、比較材4はニレジストから構成されるものである。
【0036】一方リング材20としては、リング材1乃至3の3種を用意した。リング材1はFCDを母材として、外周面をクロムでメッキしたもの、リング材2は珪素−クロム鋼を母材として、外周面をクロムでメッキしたもの、リング材3は17クロムステンレス鋼をガス窒化したものである。なお、FCDとは、球状黒鉛鋳鉄品のことであり、JIS G 5502に規定されるものである。また表1において、アルミ凝着の欄のAは「アルミ凝着なし且つ表面状態良好」を意味し、Bは「アルミ凝着なし」を意味する。又Cは「アルミ凝着あり」を意味する。
【0037】
【表1】

【0038】試験結果は表1に示されるとおりであり、珪素、鉄、銅、マグネシウム、ジルコニウム、ニッケル、マンガン、亜鉛、アルミニウムの比率が本発明の重量%に収まっている本発明材1乃至5の場合には、ピストン側摩耗、リング側摩耗、アルミ凝着のいずれをとっても試験結果は良好であった。ピストン側摩耗についてはリング材1〜3のどの場合でも2.0〜5.0mgの範囲に収まっており、比較材1〜4を試験した場合のピストン側摩耗の範囲である6.8〜23.0mgを大きく下回っていることが判る。また、硬質粒子、固体潤滑剤が添加されている本発明材2〜4は、これらが添加されていない本発明材1よりも、ピストン側摩耗がさらに少ないことが判る。リング材摩耗についても本発明材では、5.0〜10.5mgであるのに対して、比較材1〜4では4.8〜15.0mgとばらつきが大きく、本発明による耐摩環がピストンリング7の摩耗の改善にも寄与していることが判る。
【0039】更に、アルミ凝着は、本発明による耐摩環の場合には全く生じなかった。一方比較材については、比較材1及び2ではアルミ凝着が生じており、また比較材3ではアルミ凝着は生じないものの、耐摩環及びピストンリング表面の状態は良好ではなかった。
【0040】以上の試験結果から、本発明による耐摩環はピストン側摩耗性、リング側摩耗性及びアルミ凝着のどの特性をとっても良好であることが判明した。
【0041】本発明は上述した実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された範囲で種々の変形が可能である。例えば、上述した実施の形態では、押出成形後、得られた押出材に必要に応じて鍛造(ハンマリング)を行い、軸方向で所定幅毎にスライスしてリング状部材を得たが、押出形成後にT6(焼入後焼もどし処理)等の時効硬化処理を加えてもよい。
【0042】
【発明の効果】請求項1記載の耐摩環によれば、耐摩環自体の耐摩耗性が向上するばかりか、ピストンリング自体の摩耗量を低下させ、またアルミ凝着の発生を防止することができる。また、溶融したアルミニウム合金を103K/S以上の速度で急冷凝固することができ、この急冷凝固により耐摩環用の合金粉末を形成するので、微細均一等方性の組織、微細に析出した組織、低酸素含有量、熱間加工性の良好な合金組織が得られる。得られた良好な合金組織を有する粉末を押出形成し、耐摩環として使用することにより、工程の簡素化等の改善を図ることができる。また、押出形成により、アルミニウム合金粉末を容易に固形化できる。
【0043】請求項2記載の耐摩環によれば、硬質粒子を粉末に混ぜて押出形成することにより耐摩環を製造するため、より耐摩耗性に優れた耐摩環とすることができる。
【0044】請求項3記載の耐摩環によれば、固体潤滑剤を粉末に混ぜて押出形成することにより耐摩環を製造するため、より耐摩耗性に優れた耐摩環とすることができる。
【出願人】 【識別番号】390022806
【氏名又は名称】日本ピストンリング株式会社
【出願日】 平成10年9月18日(1998.9.18)
【代理人】 【識別番号】100094983
【弁理士】
【氏名又は名称】北澤 一浩 (外2名)
【公開番号】 特開2000−88102(P2000−88102A)
【公開日】 平成12年3月31日(2000.3.31)
【出願番号】 特願平10−264377