| 【発明の名称】 |
メカニカルシール |
| 【発明者】 |
【氏名】高橋 秀和
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| 【要約】 |
【課題】デッドエンド方式のシングルシールで負圧の軸封部に適用可能なメカニカルシールを提供する。
【解決手段】ハウジング19側にシールリング5を取り付け、回転軸18側にメイティングリング10を取り付け、両者のシール端面6、11を相互に接触させる。メイティングリング10の後方の回転軸18の部分にポンピングリング14を取り付ける。ポンピングリング14の複数箇所に機内21側と軸封部20側とを相互に連通するポンピング孔15を設ける。ポンピング孔15の後方のポンピングリング14の外周面とハウジング19の内周面との間で微小隙間の絞り部17を形成する。機内21側の流体はポンピング孔15を介して軸封部20に押し込まれ、軸封部20が昇圧させられる。軸封部20の流体は絞り部17によって機内21側に漏れ出るのが防止される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ハウジングと回転軸との間に形成した軸封部に装着されて、ハウジングと回転軸との間をシールするメカニカルシールであって、前記ハウジング側にベローズ等を介して取り付けられるとともに、前記回転軸の軸線に垂直なシール端面を有し、かつ、回転軸の軸線方向に変位可能なシールリングと、前記回転軸側に取り付けられるとともに、前記シールリングのシール端面と接触する前記回転軸の軸線に垂直なシール端面を有するメイティングリングとを具え、該メイティングリングの後方の前記回転軸の部分にポンピングリングを取り付けて、該ポンピングリングの外周側を軸封部側に位置させ、内周側を機内側に位置させるとともに、該ポンピングリングに、内周側から外周側に貫通するポンピング孔を複数箇所に設けて、該ポンピング孔を介して機内側と軸封部側とを相互に連通し、かつ、該ポンピング孔の後方のポンピングリングの外周面とハウジングの内周面との間で微小隙間の絞り部を形成したことを特徴とするメカニカルシール。 【請求項2】 前記絞り部にねじを設けた請求項1記載のメカニカルシール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明はメカニカルシールに関し、特に、軸封部の圧力が負圧(真空)でも適用可能なデッドエンド方式のシングル形のメカニカルシールに関するものである。 【0002】 【従来技術およびその問題点】回転軸とハウジングとの間に形成した軸封部に装着されて、回転軸とハウジングとの間をシールするメカニカルシールにあっては、ハウジング側にベローズ等を介して取り付けられるとともに、回転軸の軸線に垂直なシール端面を有する回転軸の軸線方向に変位可能なシールリングと、回転軸側に取り付けられるとともに、シールリングのシール端面に接触する回転軸の軸線に垂直なシール端面を有するメイティングリングとを具えている。 【0003】そして、回転軸の回転時に、シールリングのシール端面とメイティングリングのシール端面とが相互に摺動接触することによって、回転軸とハウジングとの間がシールされるものである。 【0004】そして、上記のような構成のメカニカルシールを、例えば石油精製プラントの減圧蒸留設備の熱油ポンプの負圧の軸封部にシングルシールとして用いる場合には、軸封部に適宜の液体を注入するとともに、メイティングリングの後方(機内側)に絞り部を設けて軸封部を昇圧させる必要がある。昇圧させないと、シールリングとメイティングリングとの摺動面にエアー等を噛み込んでしまい、摺動面が損傷したり、早期に摩耗したりする不具合が生じるからである。 【0005】このため、軸封部に液体を注入するフラッシングが必要となるので、フラッシング用の配管が必要となり、装置全体としてコスト高となる。また、熱油の場合には、ダイレクトフラッシングでは軸封部の熱負荷が高くなるため、クーラーで冷却した液体でフラッシングする必要があり、クーラー及びその付帯設備によって装置全体としてコスト高となる。また、冷却した液体が配管系内に入ることにより系内の熱効率が低下することになる。 【0006】この発明は前記のような従来のもののもつ問題点を解決したものであって、石油精製プラントの減圧蒸留設備の熱油ポンプの負圧の軸封部等にシングルシールとして用いた場合であっても、フラッシングが不要で、フラッシング配管が不要であるとともに、クーラーが不要で、軸封部の熱負荷を下げることができ、さらに、ポンプ及びプラントの効率を高めることができるメカニカルシールを提供することを目的とするものである。 【0007】 【問題点を解決するための手段】上記の問題点を解決するためにこの発明は、ハウジングと回転軸との間に形成した軸封部に装着されて、ハウジングと回転軸との間をシールするメカニカルシールであって、前記ハウジング側にベローズ等を介して取り付けられるとともに、前記回転軸の軸線に垂直なシール端面を有し、かつ、回転軸の軸線方向に変位可能なシールリングと、前記回転軸側に取り付けられるとともに、前記シールリングのシール端面と接触する前記回転軸の軸線に垂直なシール端面を有するメイティングリングとを具え、該メイティングリングの後方の前記回転軸の部分にポンピングリングを取り付けて、該ポンピングリングの外周側を軸封部側に位置させ、内周側を機内側に位置させるとともに、該ポンピングリングに、内周側から外周側に貫通するポンピング孔を複数箇所に設けて、該ポンピング孔を介して機内側と軸封部側とを相互に連通し、かつ、該ポンピング孔の後方のポンピングリングの外周面とハウジングの内周面との間で微小隙間の絞り部を形成した手段を採用したものである。また、前記絞り部にねじを設けた手段を採用したものである。 【0008】 【作用】この発明は前記のような手段を採用したことにより、ポンピングリングの複数のポンピング孔によって機内側の流体を軸封部側に押し込むことができるとともに、ポンピングリングとハウジングとの間の絞り部によって軸封部内の流体が機内側に漏れ出るのを防止することができることになる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図面に示すこの発明の実施の形態について説明する。図1には、この発明によるメカニカルシールの一実施の形態が示されていて、この実施の形態によるメカニカルシールは、回転軸18とハウジング19との間に形成した軸封部20に装着されて、回転軸18とハウジング19との間をシールするメカニカルシールであって、ハウジング19側に取り付けられるカラー1と、カラー1に連結されるベローズ3と、ベローズ3に連結されるアダプタ4と、アダプタ4に嵌合されるシールリング5と、回転軸18側に取り付けられるメイティングリング10と、メイティングリング10の後方の回転軸18の部分に取り付けられるポンピングリング14とを具えている。 【0010】カラー1は、金属から形成される筒状をなすものであって、環状のガスケット2を介してハウジング19側に取り付けられるようになっている。 【0011】ベローズ3は、打抜き加工等によって波形環状に形成した金属製のダイアフラム板を複数枚一列に並べて、隣接するダイアフラム板の外径部間及び内径部間をガス溶接等によって交互に連結して、全体を蛇腹筒状に形成したものであって、一端がカラー1側にガス溶接等によって一体に連結されるようになっている。 【0012】アダプタ4は、金属から形成される筒状をなすものであって、一端部内周面側にはシールリング5の外周側が嵌合されるようになっている。アダプタ4にはベローズ3の他端がガス溶接等によって一体に連結されるようになっている。 【0013】シールリング5は、カーボンから形成される筒状をなすものであって、外周側をアダプタ4の内周側に嵌合させることで、アダプタ4に一体に取り付けられるようになっている。シールリング5の軸線方向の一端面は回転軸18の軸線に垂直なシール端面6に形成されている。 【0014】シールリング5、アダプタ4、ベローズ3及びカラー1の内周側には所定の間隔をおいて筒状のバッファスリーブ7が取り付けられ、このバッファスリーブ7によってクエンチング液が摺動面に確実に導かれるようになっている。 【0015】回転軸18には筒状をなすスリーブ8が嵌合されている。スリーブ8の外周面には鍔部9が設けられ、鍔部9の右側の部分にはメイティングリング10がリテーナ12及びパッキン13を介して取り付けられ、鍔部9の左側の部分にはポンピングリング14が取り付けられるようになっている。 【0016】メイティングリング10は、カーボンから形成される筒状をなすものであって、軸線方向の一端面はシールリング5のシール端面6と接触する回転軸18の軸線に垂直なシール端面11に形成されている。 【0017】ポンピングリング14は、金属から形成される筒状をなすものであって、内周面側が機内21側に位置し、一端部外周面側が軸封部20側に位置するように、取り付けられている。ポンピングリング14には、内周面側から一端部外周面側に貫通するポンピング孔15が複数箇所に穿設され、このポンピング孔15を介して機内21側と軸封部20側とが相互に連通するようになっている。 【0018】ポンピングリング14の他端部外周面は他の部分よりも一段高い突出部16に形成され、この突出部16の外周面とハウジング19の内周面との間で、微小隙間である絞り部17が形成されるようになっている。 【0019】なお、23はホルダー、22はホルダー23とスリーブ8との間をシールするクエンチシールである。 【0020】そして、上記のように構成したこの実施の形態によるメカニカルシールを例えば石油精製プラントの減圧蒸留設備の熱油ポンプの負圧の軸封部にシングルシールとして使用し、回転軸18を回転させると、熱油が機内21側から各ポンピング孔15を介して軸封部20側に押し込まれるとともに、ポンピングリング14の突出部16とハウジング19内周面との間の絞り部17によって軸封部20側から機内21側に熱油が漏れ出るのが防止されることになる。 【0021】したがって、軸封部20内を昇圧させることができ、軸封部20内を正圧にすることができるので、シールリング5とメイティングリング10との摺動面にエアー等が噛み込むことがなくなり、摺動面が損傷したり、早期に摩耗したりすることがなくなる。 【0022】また、クーラーが不要であるとともに、フラッシングの配管も不要であるので、省コスト化を図ることができる。さらに、ポンプ、プラントの効率を高めることができる。さらに、軸封部20の熱負荷を下げることもできることになる。 【0023】そして、上記のように構成したメカニカルシールで試験を行った結果、軸封部20は、−0.6(Kgf/cm2 )であったものが約1.0(Kgf/cm2)昇圧して0.4(Kgf/cm2 )となった。 【0024】なお、前記の説明においては、ポンピングリング14の突出部16の外周面をフラットな面としたが、突出部16の外周面をねじ(図示せず)に形成してもよいものであり、ねじとすることによって、軸封部20の流体が機内21側に漏れるのを更に効果的に防止することができるものである。 【0025】 【発明の効果】この発明は前記のように構成したことにより、フラッシングを行わない状態で、軸封部を昇圧させることができることになる。したがって、シールリングとメイティングリングとの摺動面にエアー等が噛み込むことがなくなり、摺動面が損傷したり、早期に摩耗したりすることがなくなる。また、クーラーが不要であるとともに、フラッシングの配管も不要であるので、省コスト化を図ることができることになる。さらに、ポンプ、プラントの効率を高めることもできることになる。さらに、軸封部の熱負荷を下げることもできることになる。そして、絞り部にねじを設けたことにより、軸封部からの漏れを更に効果的に防止することができ、更に効果的に軸封部内を昇圧させることができることになる等の優れた効果を奏するものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000101879 【氏名又は名称】イーグル工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年7月29日(1998.7.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100088074 【弁理士】 【氏名又は名称】中林 幹雄
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| 【公開番号】 |
特開2000−46198(P2000−46198A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【出願番号】 |
特願平10−213856 |
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