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【発明の名称】 グラファイトフィルムと金属フィルムとからなるパッキン素材
【発明者】 【氏名】オスウィン エッチンガー

【氏名】ベルント シェレンベルガー

【要約】 【課題】少なくとも2つの帯材からなるパッキン素材において、特別な補強材を使用しないでも充分に引き裂き強度が大きく、加工性が良く、そして最小の簡単な工程で作れるものを提供する。

【解決手段】積層材の帯材は最大で5mmの幅を持ち、可撓性グラファイト1の少なくとも1枚の層と、少なくとも250MPaの引っ張り強度を持つ金属フィルム3の少なくとも1枚の層とから構成されている。グラファイトフィルム1の層と金属フィルム3の層は接着剤により或いは接着剤状でない接着媒体によって接合されている。帯材9は積層材10から分割により作られ、この工程は、好ましくは連続的に行われる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】互いに接合されている少なくとも2枚の平面状材料が交互に配置された層からなり、即ち、一つは可撓性グラファイトの少なくとも1枚の層と、もう一つは補強材の少なくとも1枚の層とからなり、その上側及び下側の層の両方の外側平面が可撓性グラファイトからなるか、これらの平面の1つだけが可撓性グラファイトからなるか、或いはまたこれらの平面のいずれもが可撓性グラファイトからならない積層材の、撚糸製造方法に従って互いに結合された少なくとも2つの帯材からなるパッキン素材において、積層材からなる帯材(9、9’、9'')が5mmを超えない幅を持ち、1mmを超えない厚さと0.7から1.8g/cm3 の範囲のかさ比重とを持つ可撓性グラファイト(1、1’、1'')の層と、5から50μmの範囲の厚さと少なくとも250MPaの引っ張り強度とを持つニッケル,ニッケル合金,鉄,鉄合金,鋼,特殊鋼,銅,銅合金,アルミニウムおよびアルミニウム合金からなる群から選んだ金属フィルム(3、3’、3'')の層とからなることを特徴とするパッキン素材。
【請求項2】その両平面の少なくとも1つの面において少なくとも1枚の補強材に接合されている可撓性グラファイトの層からなる積層材の、撚糸製造方法に従って互いに結合された少なくとも2つの帯材からなり、積層材からなる帯材(9、9’、9'')が5mmを超えない幅を持ち、1mmを超えない厚さと0.7から1.8g/cm3 の範囲のかさ比重とを持つ可撓性グラファイト(1)の層と、5から50μmの範囲の厚さと少なくとも250MPaの引っ張り強度とを持つニッケル,ニッケル合金,鉄,鉄合金,鋼,特殊鋼,銅,銅合金,アルミニウムおよびアルミニウム合金からなる群から選ばれた金属フィルム(3、3’)の層とからなることを特徴とするパッキン素材。
【請求項3】積層材からなる帯材(9、9’、9'')が付加的に少なくとも1枚のプラスチックフィルム(21、21’、21'')を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のパッキン素材。
【請求項4】積層材からなる帯材(9、9’、9'')が付加的にフッ素重合体からなる少なくとも1枚のプラスチックフィルム(21、21’、21'')を有することを特徴とする請求項3に記載のパッキン素材。
【請求項5】金属フィルム(3、3’、3'')が純ニッケル或いはステンレス鋼からなることを特徴とする請求項1乃至4の1つに記載のパッキン素材。
【請求項6】積層材からなる帯材(9、9’、9'')がその長手延び方向に対して直角方向に波付けされていることを特徴とする請求項1乃至5の1つに記載のパッキン素材。
【請求項7】パッキン素材(15、17)が少なくとも2つの帯材(9、9’、9'')からなり、その中の少なくとも1つが少なくとも2つの帯材(9、9’、9'')を1つのパッキン素材(15、17)に加工する前にそれ自体撚られていることを特徴とする請求項1乃至6の1つに記載のパッキン素材。
【請求項8】積層材からなる帯材(9、9’、9'')が3mmを超えない幅を持ち、この帯材(9、9’、9'')の中にあるグラファイトフィルム(1、1’、1'')が0.5mmを超えない厚さを持っていることを特徴とする請求項1乃至7の1つに記載のパッキン素材。
【請求項9】積層材からなる帯材(9、9’、9'')が2mmを超えない幅を持ち、この帯材(9、9’、9'')の中にあるグラファイトフィルム(1、1’、1'')が0.35mmを超えない厚さを持っていることを特徴とする請求項1乃至7の1つに記載のパッキン素材。
【請求項10】可撓性グラファイトの層或いはフィルム(1、1’、1'')を補強する少なくとも1枚の金属フィルム(3、3’、3'')が10から30μmの範囲の厚さを持っていることを特徴とする請求項1乃至9の1つに記載のパッキン素材。
【請求項11】積層材からなる帯材(9、9’、9'')の上側及び下側に接するフィルムの外側に向いた2つの平面の少なくとも1つがペルフルオル化された重合体炭化水素,ポリエステル,ポリイミドからなる群から選ばれたプラスチックフィルム(21、21’、21'')で覆われ、これに接合されていることを特徴とする請求項1乃至10の1つに記載のパッキン素材。
【請求項12】可撓性グラファイト(1、1’、1'')が少なくとも96重量%の炭素含有量を持っていることを特徴とする請求項1乃至11の1つに記載のパッキン素材。
【請求項13】可撓性グラファイト(1、1’、1'')が少なくとも99重量%の炭素含有量を持っていることを特徴とする請求項12に記載のパッキン素材。
【請求項14】補強的に作用する金属フィルム(3、3’、3'')が可撓性グラファイト(1、1’、1'')に接着剤(2、2’、2''、2''' )によって接合されていることを特徴とする請求項1乃至13の1つに記載のパッキン素材。
【請求項15】補強的に作用する金属フィルム(3、3’、3'')が可撓性グラファイト(1、1’、1'')に接着剤を使用することなく接合されていることを特徴とする請求項1乃至13の1つに記載のパッキン素材。
【請求項16】補強的に作用する金属フィルム(3、3’、3'')が可撓性グラファイト(1、1’、1'')にヨーロッパ特許第0616884号の方法に従って接合されていることを特徴とする請求項15に記載のパッキン素材。
【請求項17】少なくとも2つの、撚糸製造方法に従って互いに結合された積層材の帯材からなるパッキン素材が、少なくとも2つの互いに異なる積層材(9、9a)、即ち、一つは少なくとも1枚の可撓性グラファイト(1、1’、1'')からなるフィルムと請求項1乃至16の1つに記載の少なくとも1枚の金属フィルム(3、3’、3'')とからなり、もう一つは少なくとも1枚の可撓性グラファイト(1、1’、1'')からなるフィルムと少なくとも25MPaの引っ張り強度と少なくとも0.4GPaの弾性率とを持つ少なくとも1枚のプラスチックフィルム(21、21’、21'')とから構成されている積層材からなることを特徴とするパッキン素材。
【請求項18】互いに撚り合わされた積層材の帯材(9、9’、9''、9a)からなることを特徴とする請求項1乃至17の1つに記載のパッキン素材。
【請求項19】12を超えない数の、互いに撚り合わされた積層材の帯材(9、9’、9''、9a)からなることを特徴とする請求項1乃至18の1つに記載のパッキン素材。
【請求項20】互いに撚り合わされた帯材(9、9’、9''、9a)の各々が4枚までの重ねて配置された可撓性グラファイト(1、1’、1''、1''' )の層からなり、その中の各層が少なくとも1枚の補強金属フィルム(3、3’、3'')或いはプラスチックフィルム(21、21’、21'')に接合されていることを特徴とする請求項1乃至19の1つに記載のパッキン素材。
【請求項21】その両平面の少なくとも1つの面において補強材に接合されている可撓性グラファイトの層からなる積層材の少なくとも2つの帯材からなるパッキン素材の製造方法において、第一の工程において、可撓性グラファイト(1)の帯材がその平面の少なくとも1つにおいてニッケル,ニッケル合金,鉄,鉄合金,鋼,特殊鋼,銅,銅合金,アルミニウムおよびアルミニウム合金からなる群から選ばれた、5から50μmの範囲の厚さと少なくとも250MPaの引っ張り強度とを備えた金属フィルム(3、3’)の少なくとも1つの層に接合され、第二の工程において、可撓性グラファイト(1)の層とこの可撓性グラファイト(1)に接合された少なくとも1枚の金属フィルム(3、3’)とからなるフィルム積層材が5mmを超えない幅の帯材(9、9’、9'')に切断され、第三の工程において、第二の工程で得られた帯材(9、9’、9'')の少なくとも2つが繊維加工方法に従って1つのパッキン素材(15、17)に加工されることを特徴とするパッキン素材の製造方法。
【請求項22】互いに接合されている少なくとも2つの平面状材料が交互に配置された層からなる積層材、即ち、一つは可撓性グラファイトからなる少なくとも1枚の層と、もう一つは補強材の少なくとも1枚の層とから構成されている積層材からなり、この積層材の上側及び下側の層の両方の外側平面が可撓性グラファイトからなるか、これらの平面の1つだけが可撓性グラファイトからなるか、或いはまたこれらの平面のいずれもが可撓性グラファイトからならない積層材の少なくとも2つの帯材からなるパッキン素材の製造方法において、第一の工程において、可撓性グラファイト(1)の1枚以上の層がその平面の少なくとも1つにおいて、ニッケル,ニッケル合金,鉄,鉄合金,鋼,特殊鋼,銅,銅合金,アルミニウムおよびアルミニウム合金からなる群から選ばれた、5から50μmの範囲の厚さと少なくとも250MPaの引っ張り強度とを持つ金属フィルム(3、3’、3'')の少なくとも1枚の層にその平面で重ねられ、互いに接合され、グラファイト(1、1’、1'')の層の、このフィルム積層材の内部にある平面の各々が各1つの金属フィルム(3、3’、3'')に接合され、このフィルム積層材の2つの外側にある平面のいずれも金属フィルム(3、3’)に接合されないか或いはその1つ或いは両者がこれに接合され、第二の工程において、可撓性グラファイト(1、1’、1'')の層と1枚の金属フィルム(3)或いは複数の金属フィルム(3、3’、3'')とからなるフィルム積層材が5mmを超えない幅の帯材(9、9’、9'')に切断され、第三の工程において、第二の工程により得られた帯材(9、9’、9'')の少なくとも2つが繊維加工方法に従って1つのパッキン素材(15、17)に加工されることを特徴とするパッキン素材の製造方法。
【請求項23】第三の工程の後に得られたパッキン素材(15)が円形、長円形,楕円形或いは矩形断面に仕上げられることを特徴とする請求項21又は22に記載のパッキン素材の製造方法。
【請求項24】第一の工程において或いは第一の工程の後、しかし第二の工程の前に積層材において付加的に可撓性グラファイト(1、1’、1'')のフィルムの露出平面の少なくとも1つが或いは/及び金属フィルム(3、3’、3'')の、可撓性グラファイト(1、1’、1'')と接合されていない平面の少なくとも1つがフッ素重合体,ポリエステルおよびポリイミドからなる群から選ばれたプラスチックフィルム(21、21’、21'')に接合されることを特徴とする請求項21、22又は23の1つに記載のパッキン素材の製造方法。
【請求項25】第一の工程の後に得られた積層材或いは第二の工程の後に得られた帯材(9、9’、9'')がその長さの延び方向に対して直角方向に走る筋或いは溝(19)を設けられることを特徴とする請求項21乃至24の1つに記載のパッキン素材の製造方法。
【請求項26】パッキン素材(15、17)の製造工程が連続的方法に構成されることを特徴とする請求項21乃至25の1つに記載のパッキン素材の製造方法。
【請求項27】可撓性グラファイト(1、1’、1'')からなる層と金属フィルム(3、3’、3'')の層とを接合するために及びプラスチックフィルム(21、21’、21'')とグラファイトフィルム(1、1’、1'')の少なくとも1つの露出平面及び/又は金属フィルム(3、3’、3'')の少なくとも1つの露出平面と接合するために、アクリル酸,ポリシロキサン,ポリウレタン,ポリアミド,アセテートおよびエポキシ樹脂からなる群から選ばれた接着剤が使用されることを特徴とする請求項21乃至26の1つに記載のパッキン素材の製造方法。
【請求項28】可撓性グラファイト(1、1’、1'')の層と金属フィルム(3、3’、3'')の層との接合及びプラスチックフィルム(21、21’、21'')とグラファイトフィルム(1、1’、1'')の少なくとも1つの露出平面及び/又は金属フィルム(3、3’、3'')の少なくとも1つの露出平面との接合が接着剤を使用することなく行われることを特徴とする請求項21乃至26の1つに記載のパッキン素材の製造方法。
【請求項29】可撓性グラファイト(1、1’、1'')の層がプラスチックフィルム(21、21’、21'')に接着剤なしでヨーロッパ特許第0616884号による方法に従って接合されることを特徴とする請求項28に記載のパッキン素材の製造方法。
【請求項30】第三の工程において、第二の工程で得られた帯材(9、9’、9'')の少なくとも3つが編み合わされて1つのパッキン素材(15)に加工されることを特徴とする請求項21乃至29の1つに記載のパッキン素材の製造方法。
【請求項31】第三の工程において、第二の工程で得られた帯材(9、9’、9'')の少なくとも2つが撚り合わされて1つのパッキン素材(15)に加工されることを特徴とする請求項21乃至29の1つに記載のパッキン素材の製造方法。
【請求項32】少なくとも2つの帯材(9、9’、9'')の少なくとも1つがパッキン素材(15)への繊維加工のためにこのパッキン素材(15)への繊維加工前でかつ帯材(9、9’、9'')へのフィルム積層材の分割の後にそれ自体撚られることを特徴とする請求項21乃至31の1つに記載の方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この特許出願の基になる発明は、互いに接合されている少なくとも2枚の平面状材料が交互に配置された層からなる、即ち、一つは可撓性のグラファイトからなる少なくとも1枚の層と、もう一つは補強材の少なくとも1枚の層とからなる積層材の、少なくとも2つの、撚糸製造方法に従って互いに結合された帯材からなり、この積層材の可撓性グラファイトの上側及び下側の層の両方の外側の平面が可撓性グラファイトからなるか或いはこの平面の1つだけが可撓性グラファイトからなるか、或いはまたこの平面のいずれもが可撓性グラファイトからならないパッキン素材に関する。このパッキン素材の1つの実施例は、その平面の少なくとも1つにおいて少なくとも1枚の補強材に接合されているただ1枚の可撓性グラファイトの層から構成された積層材の少なくとも2つの互いに撚り合わされた帯材からなる。
【0002】
【従来の技術】前述の種類のパッキン素材は、シール装置、特に軸やスピンドルの貫通部をシールするためのパッキンを作るために使用される。このために公知の方法によれば、2つ或いはそれ以上のパッキン素材が、例えば編み合わせのような繊維加工方法に従って紐状或いは弁髪状にまとめられ、しかるのち、この紐状或いは弁髪状の素材を一定の規定長さに切断した部片が適当なプレス型においてパッキンリングに圧縮される。このようなパッキンリングの数個をパッキン箱の相応したパッキン空間に装着したときグランドパッキンを形成する。他の公知の方法によれば、パッキン素材から作られた紐或いはこのように作られた弁髪状の素材が特定のパッキン空間の寸法に一致する長さに切断され、この切断された部片が直接このパッキン空間に装着され、このようにして作られた、なお大きく圧縮可能なパッキン素材がパッキングランドによってパッキン装置のシールを保つまで締め付けられる。第三の方法によれば、糸状パッキン素材或いはこれから作られた紐状或いは弁髪状パッキン素材が、直接、その貫通部がシールされる軸或いはスピンドルの回りに、必要なパッキンを作るために必要な量の糸状或いは紐状パッキン素材が巻回され、このようにして作られた巻回物がパッキン空間に埋め込まれた後パッキングランドによりパッキン装置のシールが保たれるまで締め付けられる。
【0003】上述の種類のパッキン素材は、特に、可撓性グラファイト或いは膨張グラファイトを使用して作られる。膨張グラファイトはグラファイト塩或いはグラファイトを含む化合物を短時間加熱することによりスポンジ状、ウォーム状物質の形で得られる。このようにして得られた膨張グラファイトを圧縮することにより、一般にグラファイトのフィルム或いは平板の形で可撓性グラファイトが得られる(例えば、米国特許第3404061号明細書を参照)。撚糸状パッキン素材或いは紐状或いは弁髪状パッキン素材を例えば編んだり、撚り合わせたりする工程により作るには、グラファイトフィルムは特定の幅の細片或いは帯材に切断され、これらの細片は次にパッキン素材に、そしてこれらが紐,弁髪或いは綱状にさらに加工される。可撓性グラファイトからなるこれらの細片或いは帯材は、ある程度の可撓性があるにもかかわらずこれらの加工プロセスの際に、特にその引っ張り強度が小さ過ぎるので、切れたり、折れたりする。従って、可撓性グラファイトからなるパッキン材料を作る際の上述の難点を克服するために、多数の方法が提示されてきた。
【0004】この問題の一群の解決方法においては、充分大きな引っ張り強度を持ち、接着媒体、例えば接着剤を備えている基板を使用し、この基板に膨張グラファイトを貼りつけ、この膨張グラファイトを基板と共に加圧する。基板としては各種の種類の金属線,人造,天然繊維或いは糸,織物やフィルムが使用される。このようにして得られた細片或いは帯材は、それから、必要に応じてさらに、例えば編み返したり或いは織り返したりすることによって或いはさもなくば他の方法で付加的に糸,繊維或いはワイヤーで補強し、編み合わせのような公知の加工方法によってパッキン用の前製品にさらに加工する(ヨーロッパ特許第0388481号=米国特許第4961988号明細書、ヨーロッパ特許第0466923号=米国特許第5370405号明細書)。
【0005】他の群の解決方法においては、細片に切断されたグラファイトフィルムから出発する。ヨーロッパ特許第0253031号=米国特許第4705722号明細書にはこのために、5mmを超えない幅を持つ可撓性グラファイトからなる帯材を重ね合わせ、繊維材料からなる織物或いは編み物で取り囲むことが記載されている。このようにして得られた帯材は、次にさらに、パッキンを作るための出発材料として適している組み紐に編まれる。ヨーロッパ特許第0466923号=米国特許第5370405号明細書によれば5mmを超えない幅を持つグラファイトフィルムの細片に接着剤により有機,無機或いは金属の補強繊維が接合され、この補強されたフィルム片を編んだりして組み紐に加工され、この組み紐が、それがパッキンに加工される前に、さらに補強された繊維の編み物で取り巻かれる。ヨーロッパ特許第0681125号明細書によれば、幅の広いグラファイトフィルムのロールをそれより幅の狭いロールに切断し、このようにして得られたフィルムのロールに直角方向に延びる刻み或いは筋を設け、この波形にしたフィルムの帯材を約2mm幅の比較的狭い細片に切断し、この狭い波形にした細片を綱状にまとめ上げ、補強性の繊維の編み物で囲むことが開示されている。ヨーロッパ特許第0340303=米国特許第5240769号明細書及び米国特許第5134030号明細書によれば5mmを超えない幅に切断されたグラファイトフィルムの細片に有機,無機或いは金属性の糸,繊維或いはフィルムを装着し、これにより補強し、この補強されたグラファイトフィルムの細片を編み合わせ或いは撚り合わせ可能なパッキン素材にさらに加工する際にさらに繊維からなる補強材が備えられる。この技術的解決方法においてはグラファイトフィルムの多くの細片を互いに重ねて加工することもできる。ヨーロッパ特許出願公開第0794367号明細書によれば6mm以上の幅を持つグラファイトフィルムの帯材が、例えば無機,金属性或いは有機材料からなるワイヤー,テープ,糸のような多数の材料で補強され、それから紐状或いは組み紐状パッキン素材に編まれる。グラファイトフィルムは、この場合、またプラスチックを表面被膜することにより或いはプラスチックで積層することによって補強される。この補強されたグラファイトフィルムの帯材では、その幅が5mm以上であるので、編んだり或いは織ったりするためにまたパッキンを作るために、ヨーロッパ特許第0253031号或いはヨーロッパ特許第0340303号明細書の開示内容から明らかように、好ましくないという欠点がある。このようなフィルムは加工しにくく、密度の小さい構造の紐状パッキンが生ずる。
【0006】それ故、グラファイトフィルムの比較的幅の広い帯材や層を加工する際には特に折りたたみ技術が適用される。例えばヨーロッパ特許出願公開第0444456号明細書には、個々の或いは多数の互いに重ねられたフィルムの帯材がその長手の延び方向に対して直角方向に折りたたまれ、この折りたたまれた物から直接に或いはこの折りたたまれた物に糸,繊維或いはワイヤーを編み返した後にパッキンリングが得られることが記載されている。この折りたたみの前にフィルムの帯材は補強のためになお糸,繊維或いは織物と結合され、或いはこの補強材が折りたたみの前にフィルム層の間に配置される。特に、例えばポリテトラフロオロエチレンのフィルムのように、滑り性を付加的に備えた耐食性のプラスチックフィルムを挿入することも記載されている。これらのプラスチックフィルムは、しかしながら、この場合、補強の目的には役立っていない。米国特許第5605341号及び第5549306号明細書によれば、幅の広いグラファイトフィルムの帯材がその長手方向に沿ってS字形に或いは渦巻き状に折りたたまれ、この折りたたみの前に或いはそれと同時に繊維補強材が挿入される。このようにして得られた綱状の物は、その後さらに、パッキンを作るのに適するようにするため、繊維で編み返したり織り込まれたりして補強される。米国特許第5225262号明細書には、グラファイトフィルムに縦溝を刻み、このように準備されたグラファイトフィルムを少なくとも1回この縦溝の延び方向に対して平行に折りたたむことが記載されている。この折りたたまれて形成された物は、しかる後、特にインコネル(商標)からなる糸で、例えば編んだり、織ったりすることにより取り囲まれ、そして仕上げられる。このようにして得られた綱状の物は、その後、紐状パッキン素材に編まれ、これが仕上げられ、その後、もう一度耐熱性で、高強度の糸で編み返される。英国特許出願公開第2285067号明細書は、接着剤が貼りつけられるグラファイトフィルムの帯材が数層に互いに重ねられ、この積層体の表面の少なくとも1つに、積層体の長手方向に対して平行に延び、交叉することのない繊維或いは糸を貼りつけることを開示している。しかる後、この繊維が貼りつけられたフィルム積層体は、この繊維或いは糸に対して平行に細片に切断され、このようにして得られた綱状体が、その1つが長手方向に平行に延びる繊維或いは糸からなる外部被覆を備えたグラファイトフィルムの芯となるように折りたたまれ或いは丸められる。この繊維或いは糸による外部被覆は圧力をかけた際にフィルム状のグラファイトが外側に出るのを阻止するものである。ヨーロッパ特許第0601670号明細書にはグラファイトフィルムの帯材を使用してパッキン素材或いはパッキンテープを製造する方法が記載されている。この方法においてはグラファイトフィルムの帯材はその表面の1つに先ず接着剤の層が設けられ、これに補強材として作用する糸が取付けられる。この補強糸を備えたグラファイトフィルムの帯材は、しかる後、円錐状の先細のノズルを通して引かれ、2つのローラーの間で平に加圧される。この工程の際この帯材は先ず丸められ、補強の糸が入れ込まれ、グラファイトフィルムの内部にある面が相互に接着して編み合わせ可能な帯材に形成され、パッキンを作るための前製品或いは直接パッキンに加工される。接着剤の被着は両側面に接着剤を塗布したフィルムで行うことができる。このフィルムは、しかしながら、補強の目的のためには役立っていない。
【0007】糸状,紐状,テープ状パッキン素材或いはパッキン自体を作るための前述の方法においては、引っ張り強度の弱いグラファイトフィルム並びにグラファイトフィルムからなる帯材の補強のために繊維が使用されるか、或いはこの繊維補強とフィルムとの組合せが使用されている。繊維をグラファイトフィルムに狙いの通りに被着し、摩擦力を利用して強く結合することは比較的難しく、グラファイトフィルム或いはグラファイトフィルムの帯材をその外側面で編み返すことも比較的面倒であり、殆どこれら全ての場合、グラファイトフィルムの帯材を引っ張りに対して充分に強くし、かつその結果生ずるパッキン素材に良好な利用性を与えるためには、少なくとも2つの補強をグラファイトフィルムの帯材に組み込むことが必要である。グラファイトフィルムの帯材の補強材として異なる材料からなるフィルムが選択されるときには、糸,繊維或いはワイヤーによる付加的な補強が必要になるが、或いはまたヨーロッパ特許第0794367号明細書の場合のように、6mm或いはそれ以上の幅のグラファイトフィルムの帯材を使用することが必要である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この特許出願の基となった発明の課題は、上述の欠点を取り除くことにある。特に、この課題は、殆ど大部分が加工性のあるグラファイトからなり、その際、補強材としての繊維,糸或いはワイヤーを含まず、高度に引き裂きに強く、撚り,編み及び織り工程を含む全ての慣用の方法により良好にパッキンに加工することができ、そしてその製造を最小の簡単な工程で可能とするようなパッキン素材を提供することにある。さらに、この発明のもう1つの課題は、上述のようなパッキン素材を製造する方法を提示することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】この課題は、特許請求の範囲の請求項1によれば、互いに接合されている少なくとも2つの平面状材料が交互に配置された層の、即ち、一つは可撓性のグラファイトからなる少なくとも1枚の層と、もう一つは補強材の少なくとも1枚の層とからなり、その上側及び下側の層の両方の外側平面が可撓性グラファイトからなるか、これらの平面の1つだけが可撓性グラファイトからなるか、或いはまたこれらの平面のいずれもが可撓性グラファイトではない積層材の、撚糸製造方法に従って互いに結合された少なくとも2つの帯材からなるパッキン素材において、積層材からなる帯材が5mmを超えない幅を持ち、1mmを超えない厚さと0.7から1.8g/cm3 の範囲のかさ比重とを持つ可撓性グラファイトの層と、5から50mmの範囲の厚さと少なくとも250MPaの引っ張り強度とを持つ、ニッケル,ニッケル合金,鉄,鉄合金,鋼,特殊鋼,銅,銅合金,アルミニウムおよびアルミニウム合金からなる群から選んだ金属フィルムの層とからなることを特徴とするパッキン素材を提供することにより解決される。この課題のさらにもう1つの解決方法は、請求項2によれば、その両平面の少なくとも1つの面において補強材に接合されている可撓性グラファイトの層からなる積層材の、撚糸製造方法に従って互いに結合された少なくとも2つの帯材からなり、この積層材からなる帯材が5mmを超えない幅を持ち、1mmを超えない厚さと0.7から1.8g/cm3 の範囲のかさ比重とを持つ可撓性グラファイトの層と、5から50mmの範囲の厚さと少なくとも250MPaの引っ張り強度とを持つ、ニッケル,ニッケル合金,鉄,鉄合金,鋼,特殊鋼,銅,銅合金,アルミニウムおよびアルミニウム合金からなる群から選んだ金属フィルムの層とからなることを特徴とするパッキン素材を提供することにある。さらに、この発明の方法に関する課題は、上記の種類のパッキン素材の製造方法として挙げる方法により解決される。なおそれらに続く特許請求の範囲の請求項はこの発明による解決方法の好ましい構成例を示す。
【0010】この発明によるパッキン素材は、例えば編んだり、織ったり、織り込んだり或いは撚り合わせたりする繊維加工方法に従って互いに1つの糸或いは綱に結合されている、2つ或いは2つ以上の帯材から構成されている。この場合、良好な製品品質の達成と共にその簡単さと少ない経費とにより撚り合わせが特に好ましい。パッキン素材に纏められるべき少なくとも2つの帯材は、特に、矩形或いは正方形断面を持ち、撚られていないのがよい。しかしながら、その中の少なくとも1つはパッキン素材の加工前にそれ自体撚られていることもできる。グラファイト及び金属フィルムから構成される帯状の積層材は、しばしば比較的硬い。それ故、多くの場合、この帯材にパッキン素材に加工する前に或いは既に出来上がった積層材に、これを帯材に分割する前に帯材或いはその後にできる帯材の長手延び方向に対して直角方向の筋或いは溝を、好ましくは、型押しプロセスでつけるのが有効である。1つのパッキン素材に纏められる帯材の数は適用される作業方法によってその上限が限定されている。一般には、12個までの帯材を1つのパッキン素材に纏めることができる。しかしながら、好ましくは、2から6個までの帯材を互いに撚り合わせるのがよい。1つのパッキン素材に纏められるべき帯材の数はこの帯材の幅及び厚さにも関係する。この幅は、高品質のパッキン素材を得るためには、5mmを超えることはできない。多くの加工方法及び適用例に対して帯材の幅は3mmを超えず、厚さは2mmを超えないのがよいことが実証されている。特に細い或いは可撓性のパッキン素材が作られねばならないときには、2mmを超えない幅と1mmを超えない厚さとを持つ帯材を使用することが薦められる。ここに挙げた幅と厚さの関係は好ましい帯材断面を表す。全ての帯材に対してこれらの値の間の関係は成立しない。極端な場合には5mmの幅と0.35mmの厚さを持つ帯材でも使用することができる。これらの帯材は、概して上述の方法の1つに従って加工されるためには、ある最小の引っ張り強度を持たねばならず、また糸状,紐状,弁髪状パッキン素材或いはまたパッキン自体への加工のためにも、それ相応の引っ張り強度を持たねばならず、またそれから作られたパッキンに、以下になお詳しく説明される特定の性質も付与せねばならない。グラファイトフィルムだけでは、またグラファイトフィルムだけで作られた帯材は、全く不充分な引っ張り強度と引き裂き強度しか持っていないので、この発明として記載された積層材からなる帯材の引っ張り強度は、グラファイトフィルムに接合される金属フィルムの引っ張り強度により定まる。パッキン素材への加工に好適とされるべき帯材においては、本発明者の認識によれば、どのような金属フィルムを使用することでも充分ではない。この発明の目的には、寧ろ、一定の厚さを超えず、一定の最小引っ張り強度を持ち、そして何らかの方法でグラファイトフィルムに接合することのできる金属フィルムが選択されねばならない。この金属フィルムの引っ張り強度は、従って、少なくとも250MPa、好ましくは、400MPaでなければならない。パッキン素材において使用される各金属フィルムの厚さは、最高でも50μmでなければならない。特にその厚さは10μmから30μmの範囲にあるのがよい。しかし、5μmより薄くてもいけない。積層材及びこの積層材から帯材を作るために使用されるグラファイトフィルムは余りに柔らかに構成されてもならず、又余りに硬くあってもならない。グラファイトフィルムが積層材の帯材において金属フィルムと結合される際に余りに柔らかすぎ或いは機械的強度が小さいと、剥げ落ちる傾向が非常に強い。余りに硬すぎると、その加工に対してもまた使用に対しても柔軟性がない。グラファイトフィルムは、それが充分に柔軟性であるためには、余り厚すぎてもいけない。それ故、その厚さは最高でも2mm、特に1mm以下で、そのかさ比重は0.7から1.8g/cm3 、特に1.0から1.4g/cm3 に制限されるのがよい。パッキン素材を作るための積層材の帯材は、問題なく互いに前述した繊維加工方法で、特に撚り合わせ或いは編み合わせによって加工されるようにするためには、5mmより、特に3mmより幅広くあってはならない。大多数の使用例に対しては2mm或いはそれ以下の幅でも有効である。
【0011】パッキン素材の高温耐性を確保し、この発明によるパッキン素材からなるパッキンに接する材料の腐食を回避するために、パッキン素材中の可撓性グラファイトは僅かな不純物成分しか含むことができない。一般にグラファイトフィルムの炭素含有量は少なくとも96重量%、望ましくは少なくとも99重量%であらねばならない。
【0012】パッキン素材を繊維加工方法に従って作るための帯材は、グラファイトフィルムの1枚の層と、このグラファイトフィルムに接合された金属フィルムの1枚の層とからなることができる。しかしながら、1枚以上の層の可撓性グラファイトフィルムと1枚以上の層の金属フィルムとを組み合わせて1つの積層材とすることが、しばしばより好ましい。このような積層材においては各層のグラファイトフィルムの上に1枚の層の金属フィルムが続き、全てのフィルムは互いに接合されている。幾つのフィルムが互いに重ねられて配置されるかは、その都度の実際の条件及び製造コストに応じて決まる。一般には4を超えない数のグラファイトフィルムが適当な方法で金属フィルムと組み合わされて1つの積層材とされる。好ましい積層材としては2乃至3枚のグラファイトフィルムを含む。積層材のグラファイトフィルムの外側の平面には如何なる被覆をも設けなくともよい。しかしながら、この2つの平面の1つ並びに両方が金属フィルムを備え、これと接合されているようにすることもできる。この3つの変形例の中何れが選択されるかは、パッキン素材により作られるパッキンのその後の使用目的に関係する。その中の各々がグラファイト並びに金属からなる積層材の外側にあるグラファイトフィルムの外側にある平面の1つ或いは両方をペルフルオル化された重合体炭化水素,ポリエステルおよびポリイミドからなる群から選んだプラスチックフィルムで覆い、接合することも可能である。ペルフルオル化された重合体炭化水素の中ポリテトラフルオロエチレン及びテトラフルオロエチレンとペルフルオル化プロピレンの共重合体塩が特に好ましい。これらの材料からなるフィルムは、化学薬品に対する耐性に優れ、耐熱性が良く、滑り性に優れている。これらの材料は、それ故、上述の積層材の性能スペクトルに良好に適合すると共にグラファイトパッキンがパッキン空間に接する材料に接着するのを阻止することに貢献する。
【0013】補強作用するフィルムとしては、引っ張り強度について前記した条件を満たし、充分に耐食性があり、グラファイトフィルムに接合され得る全ての金属フィルムが適している。これらの金属フィルムは、金属或いは金属合金が上述の材料特性を持っている場合には、以下のこれらの金属或いは金属合金の群から、即ち、ニッケル,ニッケルを主成分とするニッケル合金,鉄,鉄を主成分とする鉄合金,特殊鋼,銅,銅を主成分とする銅合金,アルミニウム,アルミニウムを主成分とするアルミニウム合金からなる。特に好ましくは、特に電気分解によって得られた純ニッケルからなる、或いはステンレス鋼からなる金属フィルムを使用する。パッキン材に成分として含まれた上述の金属フィルムは、さらに、グラファイトフィルムの場合のように、殆ど質量損失のないことと共に高温、非常に高温の使用条件に対してもその耐性があるという利点を持っている。それ故、グラファイトフィルムと金属フィルムとからなるパッキン素材からこの発明に従って作られたパッキンは、極端な使用条件の下でも使用可能であり、かかる使用条件において良好な圧縮性及び復元性にもかかわらず全く或いは僅かにしかへたりを示さない。
【0014】特定の特性の調整、例えば積層材の加工性或いはパッキン素材やこの素材から作られたパッキンの滑り特性の点に関しての調整が必要な場合には、積層材及びこれから作られた帯材は1枚の或いは複数枚の層のプラスチックフィルムを含むことができる。特に、このために使用されるプラスチックフィルムはペルフルオル化された重合体炭化水素、ポリエステル或いはポリイミドからなるのがよい。好ましくは、この場合、ペルフルオルされたされた重合体炭化水素からなるフィルムが使用される。プラスチックフィルムは、この場合、グラファイトフィルムの平面に直接或いは金属フィルムの平面に接合される。このようにして、積層材の内部に向かい合った、グラファイトフィルムの任意の平面を基準にして、以下の順番のフィルム層、即ち、グラファイトフィルム−金属フィルム−プラスチックフィルム−グラファイトフィルム−金属フィルム、金属フィルム−グラファイトフィルム−プラスチックフィルム−グラファイトフィルム−金属フィルム、グラファイトフィルム−金属フィルム−プラスチックフィルム−金属フィルム−グラファイトフィルムの積層フィルムを実現することができる。これら全ての事例において所定の積層材の各グラファイトフィルムはその平面の1つにおいて補強性の金属フィルムと接合されねばならない。
【0015】この発明の他の変形例によれば、撚糸製造方法に従って結合された、特に撚り合わされた少なくとも2つの帯材からなるパッキン素材は少なくとも2つの異なる積層材からなることができる。この帯材の第一の型は、その場合、上述されたように、少なくとも1枚のグラファイトフィルムと、少なくとも1枚の金属フィルムとからなる積層材からなり、他の型の帯材は、少なくとも1枚のグラファイトフィルムと、少なくとも1枚のプラスチックフィルムとからなる積層材からなり、その場合、このプラスチックフィルムは少なくとも25MPaの引っ張り強度と、少なくとも0.4GPaの弾性率とを持つ。第二の型の帯材は、時期的に同じドイツ特許出願第19828789.5号明細書に記載されたような積層材から作られる。
【0016】金属フィルムはグラファイトフィルムに接着剤によって或いは接着剤を使用することなく接合される。この接合方式の何れを個々の事例において選択するかは専門家により簡単に行われる試験によって求められねばならない。接着剤は、グラファイトフィルム及び金属フィルムの表面に濡れるものであればどのようなものでも使用することができる。しかしながら、接着によって得られた接合強度は、少なくとも、この接着によって作られる積層材の帯材への加工、さらにこの帯材のパッキン素材への加工が行える程度に強くなければならない。接着剤としては、例えばアクリル酸、ポリアミド、ポリシロキサン、ポリウレタンを基材とする接着剤並びにエポキシ樹脂及びフェノール樹脂の接着剤が使用できる。この型のパッキン素材からなるパッキンは、高温の下での使用に際して僅かな重量低下しか示さないので、これはパッキングランドを僅かに締めつけることにより補償することができる。
【0017】グラファイトフィルムは金属フィルムに、ヨーロッパ特許第0616884号明細書の方法によっても接合することができる。この方法では、接着剤を使用することなく行えるが、しかし特別な接着媒体が使用される。本発明の意味においては、グラファイトフィルムを金属フィルムに接合するこの方法は、また接着剤を使用しない方法として適用される。この型のパッキン素材からなるパッキンは、前述のパッキン素材やパッキンと同様に、耐食性があり、また高温に対して耐性があり、非常に高い使用温度においても全く減たりを示さず、かつその質量損失が無視することができる程度に少ない。グラファイトフィルムとプラスチックフィルムとの接合は、同時期のドイツ特許出願第19828789.5号明細書に従って前述した接着剤を使って接着により、或いは接着剤を使用することなく、プラスチックフィルムの軟化温度範囲に近い或いはその範囲にある温度において、同時に少なくとも0.1MPa、好ましくは、0.5乃至6MPaの緩和されたプレス圧を適用して溶着により、或いはまたヨーロッパ特許第0616884号明細書の方法によって接合することができる。この方法では、接着剤を使用することなく行われるが、しかし特別な接着媒体が使用される。金属フィルムはプラスチックフィルムに上述の接着剤により或いは溶着により上記の条件の下で接合される。既にその平面の1つに接着剤が被膜された金属フィルムをグラファイトフィルムと金属フィルムとからなる積層材を作る際に使用することもできる。
【0018】2つ或いはそれ以上の積層材の帯材を例えば編み合わせたり或いは特に撚り合わせたりする繊維加工方法によって得られたパッキン素材は直接さらにパッキン自体に加工することができる。しかしまた、このパッキン素材を例えば撚り合わせ或いは編み合わせによって先ず紐状パッキン素材に加工し、これから公知の方法でパッキンを作ることができる。ほぼ平らな表面を持つ積層材の帯材を糸状パッキン素材の製造のために使用する代わりに、平らな表面を持つこのような帯材を互いに編み合わせたり或いは撚り合わせる前に、先ず各々をそれだけで撚り、しかる後、このように既に撚られた帯材だけを或いは撚られていない帯材と混ぜてパッキン素材に加工することもできる。
【0019】パッキン素材の表面が、その形成後、例えば撚り合わせ或いは編み合わせにより、充分に均一ではないときには、それらはさらに加工する前に仕上工程に付される。この仕上げ工程は公知の装置により行われるが、その際パッキン素材及びその中において積層材の帯材はさらに圧縮されて、パッキン素材はその後の使用に対して必要な或いは望ましい断面、特に円形,長円形,楕円形,矩形或いは正方形断面を得る。このように仕上げられたこの型のパッキン素材は、特に、広い幅の及び/又はかなりの数の積層材の帯材から構成されているときには、比較的硬い。この型のパッキン素材は、それ故、必要なときにのみ、仕上げされる。
【0020】
【実施例】以下に、この発明を実施例を参照してさらに説明する。
実施例1500mm幅、50m長、0.2mm厚で、1.2g/cm3 のかさ比重を持つグラファイトフィルムの帯材を準連続的にラミネート機械(製造業者:ビルヘェーファー機械製作所、在ニュルンベルク)でその平面の1つに接着剤塗布ローラー及びストリッピング・ドクターにより、レシピにより定まる規定量の硬化剤を含む水溶性の2成分アクリル酸接着剤(在ブレーメンのモルトン・インターナショナル社の接着剤及び硬化剤)を均一に被着した。この硬化剤を含む接着剤で被層されたグラファイトフィルムの帯材は、次に、接着剤を備えた側において同じ装置で同様に500mm幅、13μm厚のニッケルフィルム(純ニッケル、供給社:英国のインコ・アロイ・インターナショナル社)で全面を覆った。このグラファイトフィルムとニッケルフィルムとからなる積層フィルム材は、次に、約70℃に加熱された硬化ローラーを介して導き、しかる後、フィルムを圧着ローラーによりグラファイトフィルムに接合した。このようにして作られた積層材の帯材を、次いでその接着剤で覆われていないニッケル平面に同じ方法に従って、前述の第一のグラファイトフィルムと同じ第二のグラファイトフィルムに接合し、最終品として50mの全長、500mmの幅及び約0.4mmの厚さを持つ積層材の帯材で、次の積層構造、即ち、1:グラファイトフィルム、2:ニッケルフィルム、3:グラファイトフィルムを持つものを得た。この積層材の帯材は、それから約1mmの幅の狭い帯材に分割された。このために、500mmの幅の帯材は先ず縦切り機械(製造業者:HSM社、バート・オェインハウゼン在)で50mm幅の帯材に、次にロールカッターを備えた切断機(JORMOTextiltechnikGmbH、エッシュヴェーゲ在)で約1mm幅の帯材に切断された。これと同じ方法は、以下の実施例においても、積層材の帯材を幅の狭い帯板に分割するために適用された。縦に切断した後直ちにこの幅の狭い積層材の帯材は一対の型押しローラーを通し、これにより両側に、帯材の長手方向に対して直角方向に延びる微細な溝を設けた(直角方向の波付け)。パッキン素材を作るためにこの1.0mm幅の積層材の帯材の6つを撚糸機械(アルマ社、AZBTタイプ、ケンプトン在)により1mの撚糸につき約30巻きとなるように撚糸に撚り合わせた。できあがった撚糸につき引っ張り試験をしたところ68Nの引き裂き強度が測定された。その場合、試験片の長さは800mm、自由クランプ長は200mm、そして繰り出し速度は50mm/minであった。この測定は、ウルムに所在するツヴィック社の引っ張り試験機で、8314型の引っ張りヘッド(製造業者:ツヴィック社)を使用して行われた。撚糸の引き裂き強度を求めるためのこの方法は、質量損失を求めるための、後に説明する方法と同様に、以下の実施例で記載する撚糸についても適用された。比較的高い温度における質量損失を求めるために約1m長の撚糸の部片を空気循環炉において1時間の間300℃の高温空気にさらした。これによると質量損失は約1.3%であった。さらにこの条件で1時間処理したところ質量損失は0.25%以下であった。
【0021】実施例2さらに加工してパッキン素材を作るための積層材の帯材は、この実施例では、次の層順、即ち、1:PTFEフィルム、2:グラファイトフィルム、3:特殊鋼フィルム、4:グラファイトフィルム、5:PTFEフィルムの層構成を持っていた。この製造は、この例では2つの互いに異なるプロセス工程で行われた。第一のプロセス工程で1430mm幅、0.2mm厚で、1.2g/cm3 のかさ比重を持つグラファイトフィルムは、同じく50μm厚のPTFEフィルム、TFM1700型(供給社:デュネオン社、ブルクキルヒェン在)で全面を覆い、ツインプレスにより溶着された。このプレスのクッション圧は備えた20バール、クッション温度は370℃、そしてプレスにおける通過速度は2m/minであった。この方法で1面側がPTFEフィルムで被膜されているグラファイトフィルムの2つの帯材が作られた。第二のプロセス工程で、予め作られた、グラファイトとPTFEとからなる2つの積層フィルムがその覆われていないグラファイト平面側に25μm厚の特殊鋼フィルム(材料番号1.4401、ユージーン社、フランス)にヨーロッパ特許第0616884号の方法に従って接合された。このために、特殊鋼のフィルムは先ずシロキサンと油脂アルコールとの混合物からなる接着媒体溶液(供給社:ワッカー・ヒェミー、在ミュンヘン)の槽に通され、この金属フィルムの両側面にある接着媒体がストリップ棒及び分配ローラーにより均一に薄い層で金属フィルムの両平面に分配し、次に熱線で乾燥した。しかる後、特殊鋼フィルムはその両平面においてPTFEフィルムとグラファイトフィルムとからなる、第一のプロセス工程で作られた両方の積層材の帯材のグラファイト平面側で全面を覆い、重ねられている層がツインプレスにおいて170℃の温度で互いに接合された。第一のプロセス工程でPTFEフィルムにグラファイトフィルムを接合する場合と同様に、この場合もクッション圧は20バールで、通過速度は2m/minであった。この多層積層材は、実施例1で記載されたように、2つの段階で1.5mmの幅に縦方向に分割された。このようにして得られた帯材は0.5mmの厚さを持っていた。このような帯材3つを直角方向の溝或いは筋をつけることなく、しかしその他の点では実施例1に記載された方法に従って、メートル当たり約30捻り回転を持つパッキン素材に撚り合わされた。この素材は90Nの引き裂き強度を持っていた。空気循環炉において300℃で1時間処理した後の質量損失は0.1%以下であった。
【0022】実施例3この実施例では、1.0g/cm3 のかさ比重を持ち、500mm幅、0.25mm厚、50m長のグラファイトフィルムの3つが、同様に500mm幅、50m長で、しかし13μm厚の2つのニッケルフィルム(供給社:インコ・アロイ・インターナショナル社、英国)に、2つのニッケルフィルムの各平面が全面グラファイトフィルムに覆われるように、互いに接合された。この積層工程は、準連続的に、実施例1に記載された方法に従って、ラミネート機械(製造業者:ビルヘェーファー機械製作所、在ニュルンベルク)により、しかしながらポリイミド接着剤(AQナイロン、供給社:東レ、日本)を使用して行われた。このように作られた、グラファイトフィルム/ニッケルフィルム/グラファイトフィルム/ニッケルフィルム/グラファイトフィルムからなる積層構造を持つ積層材の帯材が実施例1に記載された方法に従って2つの段階で1.5mmの最終幅を持つ帯材に分割された。この帯材は約0.7mmの厚さを持っていた。1.5mm幅の帯材は、最後の切断工程に続いて、型押しローラーにより横方向の溝が付けられた。しかる後、この帯材の3つが実施例1に示した撚糸製造機械により、メートル当たり20捻りを持つ1つの撚糸に撚り合わされた。この撚糸の引き裂き強度は42Nであった。空気循環炉において300℃の空気中で1時間処理した後の質量損失は0.4%であった。
【0023】実施例4この実施例では、実施例1に記載された方法を原理的に適用してグラファイトフィルム/金属フィルム/グラファイトフィルムの積層構造を持つ積層材の帯材が作られた。実施例1と異なり、この場合、金属フィルムとして25μm厚の特殊鋼フィルム(購入源:ユージーン社、フランス)が、接着剤として実施例3においても使用されたポリイミド系接着剤が使用された。2つの使用されたグラファイトフィルムの各々の厚さは0.5mm、かさ比重は1.0g/cm3 であった。3つのフィルム帯材を接合して50m長、500mm幅、1mm厚の積層材の帯材が提供された。この帯材は前述の方法に従って2.5mm幅の帯材に分割された。この帯材は、それから、2つの型押しローラーを通し、これにより横方向の筋を付けた。次に波付けされた帯材のそれぞれ2つを撚糸機械により、メートル当たり20捩りを持つパッキン素材に撚り合わされた。この素材の平均引き裂き強度は76N、空気循環炉において空気中で1時間処理した後の質量損失は0.4%であった。
【0024】実施例1乃至4により作られたパッキン素材は全て通常の方法で紐状パッキン素材に撚り合わせ或いは編み合わせることも、また直接それらからパッキン自体を巻回することもできた。
【0025】以下に、パッキン素材の一般的な製造工程を、表1に示されたグラファイトフィルムと金属フィルムとからなるパッキン素材の製造工程を表す概略を参照して説明する。
【表1】
パッキン素材の製造方法の概略説明────────────────────────────────────段階I フィルムを繰り出す フィルムに接着剤或いは接着媒体を塗布する フィルムを積み重ねる フィルムを積層材に接合する (圧力+必要に応じて温度)
変形例1:接着剤による接合 変形例2:ヨーロッパ特許第0616884号による 接着媒体による接合 ───────────────────────────────────段階II 積層材を帯材に切断 必要に応じて筋/溝を型押し────────────────────────────────────段階III 帯材をパッキン素材に加工────────────────────────────────────【0026】一般的に製造工程は3つの段階からなる。第一の段階において積層材が作られ、この積層材から第二の段階で帯材が作られ、この帯材が第三の段階でパッキン素材に作られる。第一の段階でグラファイトフィルムの層が、補強性の金属フィルムの層と、異なるフィルム種類からなる層が常に完全に覆われるように、規則的に繰り返して重ねて配置される。このために、好ましくは、金属フィルムとグラファイトフィルムとは、ローラーから繰り出され、一定の長さの部片に切断することなく、連続的にさらに加工される。しかしながら、これはまた一定の長さの帯材に切断し、不連続的に或いは準不連続的にパッキン素材にさらに加工することもできる。しかしながら、最後の方法は比較的大規模にパッキン素材を作るためには稀にしか適用されない。
【0027】フィルム層が接着剤によって互いに接合される場合には、重ね合わす前に互いに接合されるべき2つのフィルム面の少なくとも1つに接着剤が被着されねばならない。接着剤はできるだけ薄く面に被着されねばならない。接着剤としては、特にアクリル酸,ポリシロキサン,ポリウレタン,ポリアミド,アセチル化有機重合体,エポキシ及びフェノール樹脂が適している。接合するために積層フィルムは少なくとも0.1MPa、最高でも5MPaの圧力に、そして熱硬化性の接着剤を使用する場合には必要な温度にさらされねばならない。接合がヨーロッパ特許第0616884号明細書による方法により行われるときには、接合されるフィルムの少なくとも1つに接着媒体物質が被着される。この被着の際に、しかしながら、接着媒体物質の非常に薄い層を作り、特にそれを均一に分布するように注意しなければならない。接合自体はこの方法において少なくとも0.5MPaの圧力と130℃の最低温度の下で行われる。
【0028】この発明の変形例の1つにより、補強の目的で互いに接合されたグラファイトフィルムと金属フィルムに付加的にグラファイト或いは金属フィルムの平面がプラスチックフィルムに接合されている積層材が作られるときには、原理的には、先にグラファイト及び金属フィルムに対して記載されたものと同様な接合技術が適用される。勿論、この変形例においては、プラスチックフィルムをグラファイト或いは金属フィルムに溶着することも付加的に可能である。その場合、接合されるフィルムは接合される表面に接着剤或いは接着媒体を貼りつけることなく必要な温度と圧力の条件で接合される。グラファイト或いは金属フィルムを高品質のポリエステルのフィルムに接合する際には、240乃至270℃の範囲の温度と、少なくとも0.1MPa、特に3MPaの圧力を適用する。グラファイト或いは金属フィルムがポリイミド及びペルフルオル化された重合体炭化水素の群のプラスチックフィルムに接合されるときには、350から380℃の範囲の温度及び少なくとも0.1MPa、特に2から3MPaの圧力が必要である。
【0029】段階1で作られた積層材は段階2において例えばロールカッターのような切断装置により縦方向に、段階3でさらに加工するために必要な幅の積層材の帯材に切断される。このようにして作られた帯材は直接連続法でさらに加工するか、個々に或いは数個を纏めてコイルに巻回される。積層材の帯材に繊維加工方法によりパッキン素材に加工するために充分な可撓性を与えるために、帯材に分割する前の積層材は或いは、特に帯材自体が、その長手方向に対して直角方向に筋或いは溝を付けられる。これは、公知の型押し機械或いは例えば型押しローラーのような型押し工具で行われる。
【0030】段階3で段階2で作られた帯材が公知の方法に従ってパッキン素材に加工される。特にこの場合、撚り合わせを適用するのがよい。しかしながら、必要な場合には、編み合わせ或いは他の方法を適用することもできる。いわゆるハイブリッド撚糸、即ち、この発明の意味では、異なる層構成の積層材から構成されている撚糸を作るためには、一つには、主としてグラファイトと金属フィルムとからなる帯材と、他には、グラファイトとプラスチックフィルムとからなる帯材とが特定の関係及び/又は配置でその製造の際に集められて、パッキン素材に加工される。このようにしてこのようなハイブリッド撚糸の特性はその中に存在する帯材の数及び構成に応じて所期の通りに調整される。このようにして作られたパッキン素材は、一般には、直接紐状パッキン素材に或いはパッキンを作るための他の前製品に、或いはまた直接パッキンに加工される。望ましい場合或いは必要な場合には、このパッキン素材はなお特定の断面に仕上げられる。パッキン素材の表面はこれにより平滑にされ、素材自体はさらに圧縮される。勿論、これによりパッキン素材はその柔軟性の一部を失う。
【0031】以下に、この発明を、寸法的には忠実でないが、図面により概略的にさらに説明する。図1は、この発明によるパッキン素材を連続的に或いは部分的に連続的に製造する方法を概略図で示す。図2は、可撓性グラファイトの1枚の層と1枚の金属フィルムとから接合された積層材の帯材の断面を示し、この場合、各部分の間の接合は接着媒体により作られている。図3は、可撓性グラファイトの2枚の層と3枚の金属フィルムとが接合された積層材の帯材の断面を示し、フィルムは接着剤により接着されている。図4は、可撓性グラファイトの3枚の層と、この間に2枚の金属フィルムが配置され、これらが接着剤により接着されている積層材の断面を示す。図5は、可撓性グラファイトの1枚の層と金属フィルムの1枚の層とからなり、両外側の平面に各1つのプラスチックフィルムが接合されている積層材の帯材の断面を示す。図6は、可撓性グラファイトフィルムの2枚の層と、金属フィルムの2枚の層と、プラスチックフィルムの2枚の層とからなり、金属及びプラスチックフィルムの層の各1枚が内部に配置され、プラスチックと金属フィルムの2枚の他の層は外側の平面にある積層材の断面を示す。図7は、2つの異なる積層材の帯材、即ち、第一はグラファイトと金属フィルムからなる帯材と、第二はグラファイトとプラスチックフィルムとからなる帯材により構成されたパッキン素材の断面を示す。
【0032】図1による良好に適用された連続的或いは部分連続的方法においては互いに接合されるべきグラファイトフィルム1、1’及び金属フィルム3、3’は、ローラースタンド5に適当な形に配置されているローラー4、4’、4''、4''’から、フィルム1、1’、3、3’が正確に重なり、互いに接合されるように同期して繰り出される。この接合が接着剤により或いはヨーロッパ特許第0616884号明細書による方法に従って行われるような場合に対して、フィルム1、1’、3、3’を重ねる前にそれぞれ互いに接合されるべき2つの表面の少なくとも1つの面に接着剤或いは接着媒体の薄い膜が被着されねばならない。これは、例えば噴霧或いはワイパー装置6により、或いは塗布ローラーによるか、またこれらの組合せにより行われる。接着剤或いは接着媒体の安定性が許す場合には、この被着は、ここでは図示されていないが、浸漬によって行うこともできる。同様に図示されていない溶着により接合する場合には、そしてこの溶着はグラファイトフィルムと金属フィルムとからなる積層材の特定の平面に付加的にプラスチックフィルムが接合される変形例に対してのみ問題となるが、この場合にはこのような被着装置は省略される。グラファイトフィルムと金属フィルムとの接合は、ローラースタンド或いはバンドプレス7により行われる。これらの装置は、必要な場合には、それ自体加熱可能であるか、或いはその前に例えば炉のような加熱装置8が配置され、これによりフィルム1、1’、3、3’或いはフィルム1、3、1’、3’のフィルム積層体を接合のために必要な温度に加熱する。グラファイト及び金属フィルムのかなりの数の層からなる積層材を作るために、或いは例えばプラスチックフィルムを積層材の中に取り入れる場合のように、他の理由から有力である場合には、その前工程において少数のフィルム層からなる積層材を作り、その後、このような半完成の積層材を接合することによって帯材に加工するための積層材を作ることもできる。グラファイトフィルム1、1’及び金属フィルム3、3’からなる積層材10の帯材9、9’、9''を作るために、それぞれの積層材10は表1による第二の段階において普通の切断機11により所望の幅、好ましくは5mm以下の幅の帯材9、9’、9''に長手方向に切断される。連続的な方法においてはこの切断工程はフィルム1、1’、3、3’からなる積層材10を作る先行のプロセスと直接に結合されている。実際上の理由から、撚糸を作るために望ましい幅を持つ帯材への分割は、特にかなり広い幅の積層材の場合、2つの段階で行われる。即ち、積層材の帯材は先ず中程度の大きさの幅に分割され、次にこの中程度の幅の帯材が所望の最終の幅の帯材に切断される。最後の方法は図1には示されていない。この切断は通常の切断装置11、特にローラーカッターにより連続的に行われる。特に積層材10は帯材9、9’、9''に分割する前に、或いは既に中間の幅に或いは最終の幅に分割された帯材9、9’、9''は少なくとも1つの適当に装備された型押しローラー18を備えた型押し装置を通過させ、これによりその長手方向に対して直角方向に延びる筋或いは溝19を付ける。図1ではこの型押しローラー18は好ましい実施例として切断装置11の後に配置されている。このようにして作られた帯材9、9’、9''はコイル12に巻回され、次の切り離された工程でさらに加工されるようにするか、図1には示されていないが、直接連続的に、表1による第三の段階において、編み合わせ、織り込み或いは、好ましくは、撚り合わせによるそれに続く繊維的加工のために必要な数の帯材に纏められ、パッキン素材15に加工される。この繊維加工が撚り合わせにより行われるときには、既に切断の後に撚り合わせに必要な数の帯材9、9’、9''を1つのコイル、場合によってはそれに応じて分割されたコイル12に巻回するのが有利である。撚り合わせの際に、その場合、所定の数の帯材9、9’、9''からなるかせ糸13がコイル12から繰り出され、撚り合わされねばならない。この撚り合わせは、例えばザイルや撚糸を作るために慣用されている装置14により行われる。このようにして作られたパッキン素材15からパッキンが作られる。特別の場合、帯材9、9’、9''の繊維結合の後に得られたパッキン素材15は、しかしながら、普通の公知の装置16により厳しく定義された表面形状と一定の撚糸断面を持つパッキン素材17に仕上げられる。パッキン素材はこれによりその柔軟性の一部を失う。
【0033】図2における積層材の帯材の断面は、0.5mm厚で、1.0g/cm3 のかさ比重を持つ可撓性グラファイト1の1枚の層がその平面の1つにヨーロッパ特許第0616884号明細書の方法に従って、シロキサンと油脂アルコールとの混合物を接着媒体物質として使用して、25μm厚の電解ニッケルからなるフィルム3に接合されたものを示す。グラファイトフィルム1の他の平面は如何なる被覆物にも覆われていない。
【0034】図3は、0.5mm厚で、1.0g/cm3 のかさ比重を持つ2つのグラファイトフィルム1、1’と、35μm厚の、電解ニッケルからなる3つの金属フィルム3、3’、3''とからなる積層材の断面を示す。グラファイトフィルム1、1’は金属フィルム3、3’、3''にエポキシ樹脂接着剤2、2’、2''、2''' により接合されている。この積層材においてはグラファイトフィルム1、1’の両方の外側の平面は金属フィルム3、3''で覆われている。
【0035】図4は、0.20mm厚で、1.2g/cm3 のかさ比重を持つグラファイトフィルムの上の層1、中間の層1''、下の層1’と、50μm厚の純アルミニウムからなる2つのフィルム3、3’とからなる積層材の断面を示す。金属フィルム3、3’はグラファイトフィルム1、1’、1''の間にあって、これにアクリル酸接着剤2、2’、2''、2''' により接合されている。従って、グラファイト1、1’の両方の外側の平面は被覆されていない。
【0036】図5には、グラファイトフィルム1と、ここでは特殊鋼からなる金属フィルム3とに付加して、さらにポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる2つのプラスチックフィルム21、21’を有する型の積層材の帯材が断面で示されている。上側のPTFEフィルム21及び下側のPTFEフィルム21’はそれぞれそれに接している金属フィルム3からなる下敷及びグラファイトフィルム1からなる下敷に接着剤なしで溶着されている。PTFEフィルム21とこれに接合された金属フィルム3との上側の組合せは、グラファイトフィルム1とPTFEフィルム21’との下側の組合せと全く同様に別々の生産工程で作られた。しかる後、これらの両方の組合せはそのプラスチックフィルムで覆われていない平面においてヨーロッパ特許第0616884号明細書の方法に従って全面で接合された。このような方法は適当に変形し、他に構成された積層材を作るのに適用することができる。この方法は特に多数のグラファイト,金属,場合によってはプラスチックフィルムからなる積層材を作るのにも適している。グラファイトフィルム1は、0.5mmの厚さと1.2g/cm3 のかさ比重とを持っている。金属フィルム3は25μmの厚さを、PTFEフィルムは3積みの厚さを持っている。このような積層材の帯材は、特にそれに筋を備えたときに、非常に加工性が良くなり、これから作られたパッキン素材は非常に良いシール性を持ち、腐食及び温度に対して強く、さらに滑り性がある。
【0037】図6は、0.2mmの厚さと1.1g/cm3 のかさ比重とを持つ2枚のグラファイトフィルム1、1’と、2枚の金属フィルム3、3’と、2枚のプラスチックフィルム21、21’とからなる積層材の帯材の断面を示す。プラスチックフィルム21、21’の一方のフィルム21はPTFEからなり、積層材の帯材の1つの外側面を形成し、グラファイトフィルム1に溶着されている。このフィルム21は50μm厚である。他方のプラスチックフィルム21’は12μm厚で、ポリエステルからなる。このフィルム21’は、積層材の帯材の内部において50μm厚の純アルミニウムからなる金属フィルム3とグラファイトフィルム1’との間に配置され、これらのフィルム3、1’にアクリル酸接着剤2’、2''により接合されている。2枚の金属フィルム3、3’の一方のフィルム3’は積層材の帯材の第二の外側面を形成している。これは純ニッケルからなり、13μm厚で、グラファイトフィルム1’からなる下敷にアクリル酸接着剤2''' により接合されている。グラファイトフィルム1も同質の接着剤2でアルミニウムフィルム3に接合されている。
【0038】図7は、2つの異なる型の積層材の帯材9、9a、即ち、一つは少なくとも1枚のグラファイトフィルム1、...と少なくとも1枚の金属フィルム3、..とからなる帯材9と、もう一つは少なくとも1枚のグラファイトフィルム1、...と少なくとも1枚のプラスチックフィルム21...とからなる帯材9aとにより構成された、俯瞰図で表したパッキン素材15、17、(ハイブリッド撚糸)の構成を断面で示す。この実施例ではこのような2つの帯材9、9aが1つのパッキン素材に撚り合わされている。一方の積層材の帯材9は、2枚のグラファイトフィルム1、1’と、2枚の電解ニッケルからなる金属フィルム3、3’とからなり、これらのフィルムが交互に配置され、ヨーロッパ特許第0616884号明細書の方法に従って接着媒体としてシロキサンと油脂アルコールとの混合物を使用して互いに接合されている。他方の積層材の帯材9aは、2枚のグラファイトフィルム1、1’からなり、その各々のグラファイトフィルム1、1’はその外側の平面にPTFEからなるプラスチックフィルム21、21''に溶着されている。積層材9aの内部にはポリイミドの第三のプラスチックフィルム21’が2つのグラファイト1、1’の間に配置され、その各々1、1’に溶着されている。このようにしても特別な加工性と利用性とを備えたパッキン素材及びこれからなるパッキンが創られる。
【0039】図2乃至7に提示された実施例を変形してなお多くの型の積層材をこの発明の教示に従って形成することができることを認識することは容易である。従ってこの発明は図示の実施例に限定されるものではない。それ故、専門家がこの開示により提供される情報を基にして作ることができ、さらにこれをパッキン素材に加工することのできる図示されていない積層材もまたこの特許出願に包含されるものとする。
【出願人】 【識別番号】395023679
【氏名又は名称】エスゲーエル テヒニク ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】SGL TECHNIK GMBH
【出願日】 平成11年6月22日(1999.6.22)
【代理人】 【識別番号】100075166
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 巖
【公開番号】 特開2000−46191(P2000−46191A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平11−175491