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【発明の名称】 プラスチック材でできたケ―シング部品及びその使用法と製造法
【発明者】 【氏名】マーク・ドウモント

【要約】 【課題】プラスチック材でできたケーシング部品とその使用法及び製造法を提供する。

【解決手段】プラスチック材でできたこのケーシング部品であって、プラスチックまたはプラスチック以外の材料でできた他の部品との耐密組立て用のものであり、平面性と剛性を補強すべきケーシング部品の少なくとも1つの壁面内に、少なくとも1つの中空チャネル(24)の部分を有し、望ましい耐密性を得ることができるように、要求された特徴に応えるために必要な場所だけで、ケーシング部品内に1つまたは複数の中空チャネルの部分を配置するために、1つまたは複数の中空チャネル(24)の部分は、ケーシング部品の成型の際に気体の注入によって形成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 プラスチック材でできたケーシング部品であって、プラスチックまたはプラスチック以外の材料でできた他の部品と耐密組立てするためのものであり、平面性と剛性が補強されなければならないケーシング部品の少なくとも1つの壁面内に、少なくとも1つの中空チャネル(24)の部分を有し、望ましい耐密性を得ることができるように、要求された特徴に応えるために必要な場所においてのみ、ケーシング部品内に1つまたは複数の中空チャネルの部分を配置するために、1つまたは複数の中空チャネル(24)の部分は、ケーシング部品の成型の際に気体の注入によって形成されることを特徴とするケーシング部品。
【請求項2】 耐密組立てが、継手、溶接、接着または機械的固定方法で得られることを特徴とする請求項1に記載のケーシング部品。
【請求項3】 ケーシング部品が、下縁が耐密の継手(5)を収納するための周囲溝(25)を備えた周囲ベースプレート(21)によって延在するキャップの形状を有し、ケーシング部品が、他の部品(1)上にキャップの固定箇所(223a、223b)を形成するために、周囲ベースプレート(21)内に配置された孔(23)を有し、さらに1つまたは複数のチャネル(24)が、少なくとも固定箇所(223a、223b)間で継手(5)の周囲溝(25)に垂直に位置することを特徴とする請求項1に記載のプラスチック材でできたケーシング部品の使用法。
【請求項4】 継手の硬度が、ハニカム材料でできた継手の硬度より大きいことを特徴とする請求項3に記載のプラスチック材でできたケーシング部品の使用法。
【請求項5】 キャップが、補足的な機能を果たす他のエレメントと単一成型され、および/または、チャネル(24)が、キャップと隣接しない部分によってこのエレメントを迂回することを特徴とする請求項4に記載のプラスチック材でできたケーシング部品の使用法。
【請求項6】 少なくとも1つの材料排出点に向けて1つまたは複数のチャネルから材料を排出するために、キャップを形成する1つまたは複数のチャネル(24)の外壁に隣接する金型の内壁の少なくとも1カ所において、プラスチック材で金型全体を充填し、金型の壁面と接触する材料がある程度硬化した後に、圧力下で気体を注入することによって、ケーシング部品のベースプレート(21)の上方に形成された1つまたは複数のチャネル(24)が得られることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載のプラスチック材でできたケーシング部品の使用法。
【請求項7】 ベースプレート(21)の上方に形成されたチャネル(24)が、金型の内壁に向かって気体を注入することによって材料を押し出しながら、キャップ内に形成された1つまたは複数のチャネル(24)の外壁を形成する金型の内壁の少なくとも1カ所において、圧力下で気体を注入し、プラスチック材で金型を部分的に充填することによって得られることを特徴とする請求項1または2に記載のプラスチック材でできたケーシング部品の製造法。
【請求項8】 1つまたは複数の材料の排出点が、キャップの反対側の外壁上に位置することを特徴とする請求項7に記載のプラスチック材でできたケーシング部品の製造法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケーシング部品と、その使用法及び製造法に関するものである。本発明は、たとえば、特に熱機関のシリンダヘッドカバー用のプラスチック材でできたエンジンフードの下の部品に、あるいはまた他の分野では、特定の使用条件を満たすシールボックスを形成するために適用される。
【0002】
【従来の技術】熱機関付き車両のエンジンフードの下の部品がすでに知られているが、それらは、振動や、エンジンの多少なりとも近くに存在していることによる部品の温度上昇や、特定の圧力または耐密条件を受ける。
【0003】このようなケーシング部品にプラスチック材料を使用しようとするとき、当業者はさまざまな問題に直面する。
【0004】図4Aに見られるように、たとえば、シリンダヘッド(1)とプラスチック材でできたシリンダヘッドカバー(2)との間ですぐれた耐密性を得ようとすると、当業者は、シリンダヘッドカバーの周辺に沿って規則正しい間隔で配置された一定数のリブ(20)または補強材を備える。それら補強材は、シリンダヘッドカバーのシリンダヘッド(1)と接触する面(21)の変形を防ぐことにより、その接触面の平面性の問題を制限するためのものである。そうした変形は、一方では、成型法に原因があるプラスチック材の内部応力と、継手によってシリンダヘッドカバーに加えられる反作用に起因する。実際に、継手のこの反作用力は、この場合、さまざまな場所でプラスチックのシリンダヘッドカバーを変形させ、とりわけ、シリンダヘッドカバーの固定点間にたわみを形成する傾向を有する。
【0005】このことは、熱機関付き車両の分野における当業者が、ナットを収納するために、シリンダヘッドカバーのベースプレート(21)の孔(23)を貫通するシリンダヘッドに固定された植込みボルト(3)の数を限定することによって、シリンダヘッドへのシリンダヘッドカバーの固定箇所を限定することを求めているだけに、いっそう重要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、当業者は、溶接、接着または他の機械的な固定方法による継手を介して、耐密性を保つように組立てできるようにするために、壁面に剛性をもたせ、形状の幾何学的安定性と、少なくともその中の1つはプラスチック材でできている部品の平面性を改善することが必要になることがある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のこの目的は、プラスチック材でできたケーシング部品であって、プラスチックまたはプラスチック以外でできた他の部品と耐密組立てするためのものであり、平面性または剛性を補強すべきケーシング部品の少なくとも1つの壁面内に、少なくとも1つの中空チャネルの部分を備え、望ましい耐密性を得ることができるように、要求された特徴に応えるために必要な場所にだけ、ケーシング部品内に1つまたは複数の中空チャネルの部分を配置するために、1つまたは複数の中空チャネルの部分は、ケーシング部品の成型の際に気体の注入によって形成されることを特徴とすることによって達成される。
【0008】他の特徴によれば、この耐密組立ては、継手、溶接、接着または機械的固定方法によって得られる。
【0009】本発明の他の目的は、他の部品との耐密性を必要とする用途において、このようにして得られた部品の使用法を提案することにある。
【0010】この目的は、ケーシング部品が、主要目的によれば、下縁が耐密の継手を収納するための周囲溝を備えた周囲ベースプレートによって延長されたキャップの形状を有し、ケーシング部品は、他の部品へのキャップの固定箇所を形成するために周囲ベースプレート内に配置された孔を有し、さらに1つまたは複数のチャネルは、少なくとも固定箇所の間で、継手の周囲溝に垂直に位置することを特徴とすることによって達成される。
【0011】他の特徴によれば、継手の硬さはハニカム材料でできた継手より硬い。
【0012】他の特徴によれば、キャップは、補足的機能を果たす他のエレメントと一体成型され、1つまたは複数のチャネルは、キャップに隣接していない部分によってこのエレメントを迂回する。
【0013】他の特徴によれば、材料の少なくとも1つの排出点に向けて1つまたは複数のチャネルから材料を排出するためにキャップを形成する1つまたは複数のチャネルの外壁に隣接する金型の内壁の少なくとも1カ所において、プラスチック材で金型全体を充填し、金型の壁面と接触する材料がある程度硬化した後に、圧力下で気体を注入することによって、部品のベースプレートの上方に形成された1つまたは複数のチャネルが得られる。
【0014】本発明の最後の目的は、製造法を提案することにある。
【0015】この目的は、ベースプレートの上方に形成されたチャネルが、金型の内壁に向かって気体を注入することによって材料を押し出しながら、キャップの中に形成された1つまたは複数のチャネルの外壁を形成する金型の内壁の少なくとも1箇所において、圧力下で気体を注入することによって、プラスチック材で金型を部分的に充填することによって得られる。
【0016】他の特徴によれば、1つまたは複数の材料の排出点は、キャップの反対側の外壁上に位置する。
【0017】添付の図面を参照した以下の説明によって、本発明の他の特徴及び利点がより明確になるだろう。
【0018】
【発明の実施の形態】従来の技術によれば、図4A及び図4Bに示されているように、シリンダヘッドカバー(2)は、キャップ(2)の側縁の周囲に、継手(5)用の溝を備えた周囲ベースプレート(21)を形成することによって作製されていた。このベースプレート(21)は、外側に向かって延び、規則正しい間隔で、シリンダヘッド(1)にキャップを固定するための植込みボルトまたはネジ(3)を通す孔(23)を備えていた。
【0019】固定点間の距離が大きくなると、継手の反作用に起因する変形と工程に起因する変形との問題によって、製造者は、変形問題の是正を試みるために、規則正しい間隔で配置されるリブ(20、図4A及び図4B)を作製するようになった。
【0020】他の解決策はまた、従来の技術においては、キャップの周囲を形成する壁面(26)に平行な外壁(27)を作製することからなり、この外壁(27)は、キャップから隔てられ、垂直なリブ(28)を介して規則正しい間隔をあけてキャップにつながっていた。このようにして、部品に剛性を持たせ、一定の厚みを保つことが可能になるが、このことは、成型工具をより複雑にするとともに、調整を非常に難しくする。
【0021】したがって、このことから、当業者はシリンダヘッドカバーの作製を複雑化する結果となり、そのため、たとえばプラスチック材の使用によって得られる利点が小さくなってしまう。構造の安定性と剛性付与へのこうした配慮は、エンジンフードの下の部品全体に関連することもある。プラスチック材で図2A〜図2Cに示されているような部品を製造する場合も同様である。これらの部品は、たとえば、先端が輪金(31)に接続された曲管であり、それはまた、他の同じ部品あるいは異なる部品上にこの輪金によって溶接される。部品が、2つの外側表面(32、33)間にチャネルを作製する仕切隔壁(32、33、34)を備えていない場合、特に、突端部が溶接されなければならない部品に輪金(31)を押し付けるように圧力を加えるために、管の直線的先端(30)に寄りかかる場合に、このような部品は、大きな幾何学的安定性を有さない。このようにして、本発明は、部品内に、部品の2つの外壁(32、33)間で1つまたは複数のチャネル部分を作製することからなる。チャネルは、仕切隔壁(32、33)と垂直仕切隔壁(34)と曲管のエルボ(30)とによって形成される体積空間内に含まれる材料が完全に固化する前に、部品の成型の際に気体を注入することによって形成される。気体の注入は、たとえば、壁面(33)と、壁面(32)による材料の排出口とによって行うことができる。気体を注入した後、図2Aから図2Cに示されているように、部品は成型され、突端部に剛性を持たせることのできる中空チャネルを有する。このことから、エルボに単純に寄りかかることによって、他の部品への溶接を容易にするのに十分な力で輪金(31)を押し付けることができる。
【0022】本発明の他の使用法を、図1Aから図1Cに関して以下に説明する。
【0023】本発明は、垂直壁面(246)によって形成される内側側面(26)が、エンジンのシリンダヘッド(1)とのシール表面を構成するベースプレート(21)によって外周に向かって延長されたキャップで構成される。このベースプレート(21)の上方には、一方では1つの先端によってベースプレート(21)に、他方では他の先端によって、シリンダヘッドカバーの内側周囲面(26)を構成する垂直壁面(246)に接続された、L字断面を形成する2つの表面(240、241)が作製される。このように形成された壁面(240、241、246、21)は、キャップの各側からチャネル(24)を規定し、そのチャネルは、図1Bに示されているように、キャップの内側隔壁(26)の寸法のより大きな側をたどり、その結果、中空の容積空間を形成する。200ミリメートル未満の距離に対応する規則正しい間隔で、小突起(22)または突出部が配置され、それらの中に、シリンダヘッド(1)に固定される植込みボルト(3)の通路を構成する孔(23)が形成され、これらの孔に、シリンダヘッド(1)上にシリンダヘッドカバー(2)を固定するためのナット(4)が固定される。
【0024】チャネル(24)の下方に位置するベースプレート(21)部分は、溝(25)を備え、その中に環状耐密継手(5)が配置される。プラスチック材でできたシリンダヘッドカバー内に継手が取り付けられると、連結点を介して、継手上にシリンダヘッドカバーのキャップによって加えられる圧力が、固定点間で、シリンダヘッドとの耐密性を確立しなければならないシリンダヘッドカバーの表面の座屈変形を引き起こす傾向を有する継手の部分の反作用を発生させる。本発明におけるこの不都合を解消するために、継手の材料は、たとえば、一般にプラスチック製でないシリンダヘッドの継手のために使用され、硬度が、50から60ショアA未満であることが可能であり、しかもどんな場合にもハニカム継手の硬度よりは大きいエラストマのような材料の中から選択される。この硬度は、たとえば30から40ショアA未満を選択することもできる。通常使用されている60ショアAより低い値の範囲では、発明者は、この継手が、固定点間のたわみ作用を減少させることにより、シリンダヘッドとプラスチック材のシリンダヘッドカバーとの間で優れた耐密性を得るのに寄与できることを確認した。このたわみ作用の減少は、チャネル(24)を形成するプラスチック材料によって得られるビーム作用によるものでもある。
【0025】図3Aから図3Dによる他の変形形態においては、シリンダヘッドにシリンダヘッドカバーを固定するための延長用小突起(22)は、より大きな厚みを有し、さらに、たとえば図3Bに示されているように、孔に対して内側にとどまる継手(5)のラインに対して、孔(23)の外側を通りながら孔(23)を少なくとも部分的に取り囲むチャネル(24)を有する。
【0026】シリンダヘッドへの固定手段と、キャップ(26)によって覆われなければならないシリンダヘッドのロッカーアームとの間で使用可能な場所からみて、キャップの壁面(26)が、図3Cに示されているような壁面(26)内に継手(5)の溝を備えるために、十分に広いものとなることが不可能なとき、チャネル(24、図3B)は、孔(23)を外側から迂回する。この場合、継手(5)はチャネル(24、図3B)の道筋をたどるが、固定手段(3、4)は、環状継手(6)とスリーブ(7)によって形成された耐密性を備えていなければならない。
【0027】反対に、図3Cの変形形態においては、継手(5)の道筋が、キャップ(2)の内縁(26)に平行なラインをたどりながら、固定箇所に対して内側に留まるので、固定用ネジのレベルにチャネルを備える必要がない。図3Dに示されているように、チャネルは、外側仕切隔壁のレベルでは、たとえば気体の注入点(248、242)によって、また孔(23)のレベルでは、その孔の両側に、チャネルの各部分の排出点(それぞれ249、245)を備えた2つの部分で構成される。
【0028】図1Bの左部分に見られるように、シリンダヘッドカバーのキャップが、ヘッドに唯1本のカム軸を有する、すなわち幅の狭いシリンダヘッドを対象としている場合には、固定箇所(223a、223b)は、キャップの幅の両側に位置することができ、その場合、チャネル(24)はキャップの幅内に存在しない。幅がより小さい側と、1つの側で形成されるチャネル(24)の入り口と、他の側から材料を排出する口とを形成する外壁上でチャネルの一部を停止させるだけでよい。シリンダヘッドカバーが、幅がより大きいシリンダヘッドカバーを必要とする、図1Bの右部分に示されているようなヘッドに二重カム軸を有するエンジン用の場合には、幅の中心における固定箇所(223c)を備えることができる。しかしながら、チャネル(24)が、この固定点の両側で停止し、その分連続的な輪郭を形成することもないように、中央のネジまでチャネルが来るようにすることもできる。
【0029】同様に、図3Dに示されている変形形態においては、シリンダヘッドカバーのキャップが、シリンダヘッドカバーに沿った側の両端(242)で停止するチャネル(24)を備えることがわかる。シリンダヘッドカバーは、たとえば1つの側において、キャップと同時に直接成型で得られた補足エレメント(8)を有する。このエレメント(8)は、たとえば、ロックアームのオイルの循環路を介してエンジン内にオイルを入れるためのアクセスプラグのような、シリンダーヘッドカバーのキャップに付加された補足的な機能を果たすことができる。従来の技術の問題を解決するために、その機能エレメント(8)は、この場合、チャネル(24)によって迂回されることも可能であり、そのようにして、シリンダヘッドカバーのキャップの長手方向側に小さな部分(50)を残し、その中で継手(5)がチャネル(24)によって張り出すことはない。この場合、その部分(50)は寸法が小さいので、部品の座屈変形の危険も実際には存在しない。
【0030】このようにして、ベースプレート(21)の優れた平面性と優れた幾何学的安定性を得るために、有利な場所で部品に剛性を持たせるためのビームを構成するチャネルを有するエンジンフードの下の部品の圧力による気体注入を使用して、単純で費用のほとんどかからない製造法が実施されたことがわかる。本発明は、たとえば、優れたシール機能性を保証しながらも、ほとんど費用がかからないようにシリンダヘッドを製造する手段である。そのことはまた、固定箇所間の距離を増大させることも可能にする。このようにして、固定箇所数の減少は、エンジンのアセンブリ時間を短縮し、さらに必要な固定エレメントやシリンダヘッドの穿孔及びネジ立ての数を減らすことによって、コストを削減することもできる。
【0031】例として、本発明は、エンジンのシリンダヘッドカバーのような、さまざまなタイプのシールケースに適用することができるが、さらにまた液体ポンプまたは空気ポンプ、サーモスタットボックス等のような、シールされなければならないアセンブリ部品全体にも適用することができる。
【0032】当業者によって可能な他の変更もまた、本発明の精神を為す。
【出願人】 【識別番号】595107472
【氏名又は名称】メカプラスト・エス・アー・エム
【出願日】 平成11年7月22日(1999.7.22)
【代理人】 【識別番号】100062007
【弁理士】
【氏名又は名称】川口 義雄 (外2名)
【公開番号】 特開2000−46190(P2000−46190A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平11−208220