| 【発明の名称】 |
密封装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小林 直人
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| 【要約】 |
【課題】ハウジングから取り外す(引き抜く)際の作業性の向上を図った密封装置を提供する。
【解決手段】ガイド4は、ハウジング10に対して装着の際や使用時などに位置決めする機能を持たす役割を果たすもので、ハウジング10の内周10dに当接する程度に設定されており、締めしろはなく、シールリップ5はハウジング10の内周10dに密接して密封機能を持たす役割を果たすもので、締めしろを有し、抜き空間Sの近傍でハウジング10の内周10dに密接させるようにしている。また、抜き空間Sに収められた密封装置のフランジ部は、この抜き空間Sを形成する壁のうちハウジング10側の壁から逃げる逃げ部を有するように構成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】軸に同心的に設けられたハウジングと、該ハウジングのカバーと、により形成された環状溝内に嵌め込まれ、該ハウジングおよびカバーにより軸方向に挟持固定される固定部を備えると共に、前記ハウジングと軸との間の隙間を密封する密封装置において、前記固定部は、前記ハウジングとカバーとの接合部付近に設けられた抜き空間に向かって延び、かつ、抜き空間を形成する壁のうちハウジング側の壁から逃げる逃げ部を有したフランジ部と、前記抜き空間近傍で環状溝内周に密着するシールリップと、前記環状溝内周に対して位置決めされるガイド部と、を備えたことを特徴とする密封装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車のアクスル部等に用いる密封装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、この種の密封装置としては、たとえば、図2に示すものがある。 【0003】図2は従来技術に係る密封装置の使用状態を示す概略構成断面図である。 【0004】図2に示したように、密封装置100は、軸111とハウジング104との間の環状の隙間をシールするものであり、また、ハウジング104の端面106側に、カバー107が取り付けられることで、ハウジング104とカバー107とにより軸方向に挟持されて固定されるものである。 【0005】この密封装置100は、概略、金属環102と、この金属環102に一体成形や焼き付け等により固定されたゴム状弾性体製のシール本体101と、から構成される。 【0006】そして、シール本体101の外周側には、環状の固定部103が設けられている。 【0007】一方、ハウジング104に段部108を設けることで、ハウジング104にカバー107を取り付ける(例えばボルト等によって、両者を締めつける)と、環状溝105が形成される。 【0008】すなわち、上述した固定部103は環状溝105内に嵌め込まれて固定されるもので、固定部103をハウジング104の段部108に配置させた後に、カバー107を取り付けることにより、固定部103は、段部108とカバー107の端面107aにより軸方向(図中上下方向)に挟持されて固定される(図中カバー107がD方向に荷重が加えられる)。 【0009】また、シール本体101の内周側には主シールリップ109,副シールリップ110とを設けており、いずれも軸111に密封接触している。 【0010】このようにして、図中A側には油が、また、B側はグリースが封入されて、それぞれが反対側へ侵入するのを防止している。 【0011】また、固定部103の外周は環状溝105の内周に密着しており、外部Eから、すなわち、ハウジング104とカバー107との間から侵入したダストなどの異物が内部のB側へと侵入するのを防止している。 【0012】さらに、固定部103のカバー107側に設けられた突起112がカバー107に密着することで、同様に外部EからA側への異物の侵入を防止している。 【0013】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。 【0014】上述した従来技術の構成の場合には、常時外部EとB側とが密封された状態となり、B側は冷却されて負圧の状態となり、密封装置100はハウジング104側に吸着された状態となる。 【0015】その結果、環状溝105に対する固定部103の嵌合力と、上述の吸着力とが相まって、密封装置100は強固にハウジング104に固定される。 【0016】すると、メンテナンス(軸111のベアリング点検等)の際など、密封装置100をハウジング104から取り外す場合に、容易に抜き取ることができず、作業性が悪かった。 【0017】本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ハウジングから取り外す(引き抜く)際の作業性の向上を図った密封装置を提供することにある。 【0018】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明にあっては、軸に同心的に設けられたハウジングと、該ハウジングのカバーと、により形成された環状溝内に嵌め込まれ、該ハウジングおよびカバーにより軸方向に挟持固定される固定部を備えると共に、前記ハウジングと軸との間の隙間を密封する密封装置において、前記固定部は、前記ハウジングとカバーとの接合部付近に設けられた抜き空間に向かって延び、かつ、抜き空間を形成する壁のうちハウジング側の壁から逃げる逃げ部を有したフランジ部と、前記抜き空間近傍で環状溝内周に密着するシールリップと、前記環状溝内周に対して位置決めされるガイド部と、を備えたことを特徴とする。 【0019】したがって、密封装置を取り外す場合には、カバーを取り外し、抜き空間部からフランジ部を引き抜くことで、容易に密封装置をハウジングから引き抜くことができる。 【0020】また、環状溝内周に密着するシールリップは抜き空間近傍で密着しているので、少し密封装置を引き抜けば、シールリップと環状溝内周とに隙間ができて、内部の負圧状態が解消されるので、一層容易にハウジングを引き抜くことができる。 【0021】さらに、密封装置はガイド部により環状溝に対して位置決めされるので、シールリップが抜き空間近傍でのみ環状溝内周に密着する構成としても安定した状態を維持できる。 【0022】 【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。 【0023】図1を参照して、本発明の実施の形態に係る密封装置について説明する。 【0024】本実施の形態に係る密封装置は、軸(不図示)と軸と同心的に設けられたハウジング10との間の環状の隙間をシールするものであり、また、ハウジング10の端面10a側に、カバー20が取り付けられることで、ハウジング10とカバー20とにより軸方向に挟持されて固定されるものである。 【0025】なお、本実施の形態に係る密封装置は、上述の従来技術の中で説明したハウジング10とカバー20とが取り付けられることで形成される環状溝Kに嵌合固定される固定部1に特徴を有するものであり、軸側のシール等の構成については、上述した図2を参照して説明した構成や、その他の各種公知技術を適用すれば良いので、その説明は省略する。 【0026】したがって、図1では本発明の実施の形態に係る密封装置の主要部である固定部付近のみを示す。 【0027】なお、図1においては、説明簡単のため(シールリップなどの締めしろを分かりやすくするため)、密封装置については、装着前の状態における、その固定部付近の概略構成断面図を示し、ハウジング10とカバー20については、密封装置を装着した場合の位置を示す外形線のみを示す。 【0028】本実施の形態に係る密封装置は、概略、金属環2と、この金属環2に一体成形等により固定されるゴム状弾性体製のシール本体3と、から構成される。 【0029】そして、密封装置の外周側には、図1に示すように、環状の固定部1が設けられている。 【0030】一方、ハウジング10に段部10eを設けることで、ハウジング10にカバー20を取り付ける(例えばボルト等によって、両者を締めつける)と、環状溝Kが形成される。 【0031】すなわち、上述した固定部1は環状溝K内に嵌め込まれて固定されるもので、固定部1をハウジング10の段部10eに配置させた後に、カバー20を取り付けることにより、固定部1は、段部10eとカバー20の端面20aにより軸方向(図中上下方向)に挟持されて固定される(図中カバー20が下方向に荷重が加えられる)。 【0032】各構成について、より詳しく説明すると、金属環2には、内周方向から外周方向かつ、ハウジング10の段部10eに向かって延びて、段部10eに支えられる支持部2aと、外周側で、支持部2aからほぼ垂直に延びて環状溝K内周に支えられる円筒部2bと、円筒部2bからさらに外周に向かって延びるフランジ部2cと、を有する。 【0033】したがって、ハウジング10にカバー20が取り付けられた場合には、支持部2aがハウジング10の段部10eに支えられて、フランジ部2cがカバー20に押えつけられる(実際には、後述のようにゴム状弾性体製のシール本体3の一部を介して押えつけられる)ことで、軸方向(図中上下方向)に挟持固定されることになる。 【0034】また、シール本体3には、金属環2の円筒部2b外周に位置する複数(図では2個)のガイド4と、同じく金属環2の円筒部2b外周に位置し、ガイド4よりもカバー20側に位置するシールリップ5と、金属環2のフランジ部2cのカバー20側に位置する2つの突起6,7と、を有する。 【0035】ここで、ガイド4は、ハウジング10(環状溝K)に対して装着の際や使用時などに位置決めする機能を持たす役割を果たすもので、ハウジング10の内周(環状溝Kの内周)10dに当接する程度に設定されており、締めしろはない。 【0036】シールリップ5はハウジング10の内周10dに密接して密封機能を持たす役割を果たすもので、締めしろを有している。 【0037】なお、シールリップ5は、後述する抜き空間Sの近傍でのみハウジング10の内周10dに密接させるようにしている。 【0038】また、突起6,7についても、ハウジング10にカバー20が取り付けられた場合に、カバー20押圧されて密封機能を持つように、それぞれ締めしろを有している。 【0039】そして、ハウジング10とカバー20との接合部付近には、密封装置のフランジ部を配置させるための抜き空間Sが形成されており、この抜き空間S内に密封装置のフランジ部が納まるように、前述の金属環2のフランジ部2cやその外周のシール部(突起6など)が配置される。 【0040】ここで、この抜き空間Sに収められた密封装置のフランジ部は、この抜き空間Sを形成する壁のうちハウジング10側の壁から逃げる逃げ部を有するように構成される。 【0041】すなわち、図1に示すように、抜き空間Sの外周側の壁10bとの間には隙間が設けられており、かつ、カバー20と対向する壁10c側には、シールに面取りを設けてテーパ部8を形成させている。 【0042】以上のような構成により、まず、各部を組み立てる際には、ハウジング10に密封装置を図中上から下方向に装着させる。 【0043】この際には、上述のように、ガイド4がハウジング10の内周10dに当接して位置決めされながら装着されるため、適正な位置に装着される。 【0044】そして、カバー20を取り付けることで、突起6,7が押圧されて、カバー20の端面20aとの間で密封部が形成され、また、密封装置の固定部1はハウジング10とカバー20とにより軸方向に挟持されて固定される。 【0045】ここで、シール本体3のうちフランジ部については、上述の突起6が押圧されることで、図中下方向に押されることになるが、テーパ部8が形成されているため、壁10cに密着してしまうようなことはない。 【0046】このように、シールリップ5により、外部Eから、すなわち、ハウジング10とカバー20との間から侵入したダストなどの異物が内部のB側へと侵入するのを防止すると共に、突起6,7により外部EからA側への異物の侵入を防止している。 【0047】次に、メンテナンス(軸のベアリング点検等)の際など、密封装置をハウジング10から取り外す場合について説明する。 【0048】まず、カバー20を取り外す。 【0049】すると、抜き空間Sが開放され、この抜き空間Sから密封装置のフランジ部を引き抜く。 【0050】この場合、フランジ部は上述のように、抜き空間Sを形成するハウジング10側の壁からは逃げるように形成されている、すなわち、壁10bおよび壁10cとの間に隙間が形成されているため、簡単にフランジ部を引き抜くことができる。 【0051】なお、引き抜きに際しては、適当な治具等を用いても良い。 【0052】そして、少し引き抜いた状態で、抜き空間Sの近傍でハウジング10の内周10dに密接させたシールリップ5の密着状態が解消されるため、B側に負圧が発生していたとしても、B側は大気と同じ気圧となり(ガイド4は内周10dに当接する程度のため負圧を発生する原因とはならない)、負圧が解消されてより一層容易に密封装置を引き抜くことが可能となる。 【0053】このように、密封装置をハウジングから取り外す(引き抜く)際の作業性が向上する。 【0054】また、ハウジングとのシールについては、抜き空間Sの近傍でのみシールリップを密着させた構成であるが、ガイドを設けているので、密封装置自体は十分に位置決めされて、安定した状態となるため、密封性能も維持される。 【0055】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ハウジングから密封装置を取り外す場合には、カバーを取り外し、抜き空間部からフランジ部を引き抜くことで、容易に密封装置を引き抜くことができ、作業性が向上する。 【0056】また、環状溝内周に密着するシールリップは抜き空間近傍で密着しているので、少し密封装置を引き抜けば、シールリップと環状溝内周とに隙間ができて、内部の負圧状態が解消されるので、一層容易にハウジングを引き抜くことができ、作業性が向上する。 【0057】さらに、密封装置はガイド部により環状溝に対して位置決めされるので、シールリップが抜き空間近傍でのみ環状溝内周に密着する構成としても安定した状態を維持でき、密封性能を維持できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004385 【氏名又は名称】エヌオーケー株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年7月24日(1998.7.24) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085006 【弁理士】 【氏名又は名称】世良 和信 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−46186(P2000−46186A) |
| 【公開日】 |
平成12年2月18日(2000.2.18) |
| 【出願番号】 |
特願平10−225411 |
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