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【発明の名称】 自動変速機の制御装置
【発明者】 【氏名】高萩 直矢

【氏名】黒岩 弘

【氏名】野田 淳一

【要約】 【課題】車両の停止状態における燃費の向上した自動変速機の制御装置を提供することにある。

【解決手段】状態検出手段110は、車速が0km/hであり、制動装置がオンであり、スロットル開度が全閉であり、変速機のレンジが前進レンジであるとき、運転者が発進の意図がないことを検出する。締結制御手段140は、状態検出手段110により、運転者が発進の意図がないことを検出すると、タービン回転数制御手段130は、変速機の出力軸回転数が予め算出された目標回転数となるように摩擦部材の締結力を制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】車両のエンジンの出力回転軸の出力を摩擦部材を介して変速機に伝達するとともに、上記摩擦部材の締結/解放を制御し、上記変速機を制御する自動変速機の制御装置において、運転者が発進の意図がないことを検出する状態検出手段と、この状態検出手段により、運転者が発進の意図がないことを検出した際に、上記変速機の出力軸回転数が予め算出された目標回転数となるように上記摩擦部材の締結力を制御する締結制御手段とを備えたことを特徴とする自動変速機の制御装置。
【請求項2】請求項1記載の自動変速機の制御装置において、上記状態検出手段は、車速が0km/hであり、制動装置がオンであり、スロットル開度が全閉であり、変速機のレンジが前進レンジであるとき、運転者が発進の意図がないことを検出することを特徴とする自動変速機の制御装置。
【請求項3】請求項1記載の自動変速機の制御装置において、トルクコンバータの入力トルクまたはエンジン回転数またはエンジン吸入空気量から、目標タービン回転数を求める目標タービン回転数算出手段を備え、上記締結制御手段は、上記変速機の出力軸回転数が、上記目標タービン回転数算出手段により算出された目標回転数となるように上記摩擦部材の締結力を制御することを特徴とする自動変速機の制御装置。
【請求項4】請求項3記載の自動変速機の制御装置において、上記目標タービン回転数算出手段は、自動変速機の油温により、算出する目標タービン回転数を可変することを特徴とする自動変速機の制御装置。
【請求項5】請求項3記載の自動変速機の制御装置において、上記目標タービン回転数算出手段は、算出された目標タービン回転数に見合ったフォワードクラッチへの初期油圧司令値を出力することを特徴とする自動変速機の制御装置。
【請求項6】請求項3記載の自動変速機の制御装置において、上記目標タービン回転数算出手段は、自動変速機の油温が第1の所定温度以上若しくは第2の所定温度以下の場合には、目標タービン回転数を0r/minとすることを特徴とする自動変速機の制御装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動変速機の制御装置に係り、特に、自動車のエンジンの駆動力を車軸に伝達する自動車用の自動変速機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の自動変速機の制御装置においては、車両が停止している状態で、シフトレバーがニュートラルレンジにあるときは、フォワードクラッチが締結されておらず、流体継手またはトルクコンバータの出力軸は解放されておりまた、流体継手またはトルクコンバータの入力軸と出力軸の回転数差は0r/minに近い状態である。一方、同じく車両が停止している状態であるが、シフトレバーが前進レンジにあるときは、フォワードクラッチが締結されているため、流体継手またはトルクコンバータの出力軸は0r/minになっておりまた、流体継手またはトルクコンバータの入力軸と出力軸の回転数差が生じる状態となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、従来の自動変速機の制御装置においては、前進レンジで車両停止状態では、フォワードクラッチが締結されているため、流体継手またはトルクコンバータの出力軸は0r/minになっておりまた流体継手またはトルクコンバータの入力軸と出力軸の回転数差も生じるため、燃費が悪化するという問題があった。
【0004】本発明の目的は、車両の停止状態における燃費の向上した自動変速機の制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】(1)上記目的を達成するために、本発明は、車両のエンジンの出力回転軸の出力を摩擦部材を介して変速機に伝達するとともに、上記摩擦部材の締結/解放を制御し、上記変速機を制御する自動変速機の制御装置において、運転者が発進の意図がないことを検出する状態検出手段と、この状態検出手段により、運転者が発進の意図がないことを検出した際に、上記変速機の出力軸回転数が予め算出された目標回転数となるように上記摩擦部材の締結力を制御する締結制御手段とを備えるようにしたものである。かかる構成により、トルクコンバータの入力軸と出力軸の回転数差を小さくできるので、燃費を向上し得るものとなる。
【0006】(2)上記(1)において、好ましくは、上記状態検出手段は、車速が0km/hであり、制動装置がオンであり、スロットル開度が全閉であり、変速機のレンジが前進レンジであるとき、運転者が発進の意図がないことを検出するようにしたものである。
【0007】(3)上記(1)において、好ましくは、トルクコンバータの入力トルクまたはエンジン回転数またはエンジン吸入空気量から、目標タービン回転数を求める目標タービン回転数算出手段を備え、上記締結制御手段は、上記変速機の出力軸回転数が、上記目標タービン回転数算出手段により算出された目標回転数となるように上記摩擦部材の締結力を制御するようにしたものである。
【0008】(4)上記(3)において、好ましくは、上記目標タービン回転数算出手段は、自動変速機の油温により、算出する目標タービン回転数を可変するようにしたものである。
【0009】(5)上記(3)において、好ましくは、上記目標タービン回転数算出手段は、算出された目標タービン回転数に見合ったフォワードクラッチへの初期油圧司令値を出力するようにしたものである。かかる構成により、目標タービン回転数によるフィードバックの収束を速くさせ得るものとなる。
【0010】(6)上記(3)において、好ましくは、上記目標タービン回転数算出手段は、自動変速機の油温が第1の所定温度以上若しくは第2の所定温度以下の場合には、目標タービン回転数を0r/minとするものである。かかる構成により、AT油が高温状態における摩擦部材の劣化を低減し、また、AT油が低温状態におけるフィードバック制御の応答性を向上し得るものとなる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図7を用いて、本発明の一実施形態による自動変速機の制御装置の構成について説明する。最初に、図1を用いて、本実施形態による自動変速機の制御装置を用いる車両システムの全体構成について説明する。図1は、本発明の一実施形態による自動変速機の制御装置を用いる車両システムの全体構成を示すシステムブロック図である。
【0012】エンジン10の駆動力は、自動変速機(AT)20によって変速され、プロペラシャフト30及び終減速機を兼ねる差動装置32を介して、駆動輪34に伝達される。AT20の内部は、さらに、トルクコンバータ22とギアトレイン24とに分かれている。AT20は、マイクロコンピュータ内蔵のAT電子制御装置(ATCU)100によって制御される。ATCU100は、油圧回路26の油圧制御ソレノイドバルブ28を介して、AT20を制御する。エアークリーナ40から吸入された空気の吸入量は、スロットル制御器42によって制御される。吸気マニホールド44には、インジェクタ46が取り付けられており、吸入された空気に燃料を噴射する。
【0013】マイクロコンピュータ内蔵のエンジン電子制御装置(ECU)50には、クランク角センサ60,吸入空気量を検出するエアーフローセンサ62,スロットル制御器42に取り付けられたスロットルセンサ64,図示しないエンジン冷却水温センサ,エンジン排気管中の排気ガスの酸素濃度を検出する酸素濃度センサ,排気温度センサ等のセンサ情報が入力され、エンジン回転数他の諸演算を実行して、インジェクタ46に開弁駆動信号を出力し燃料量を制御する。また、アイドルスピードコントロールバルブ(ISC)48に開弁駆動信号を出力し、補助空気量を制御し、さらに、図示しない点火プラグに点火信号を出力して点火時期を制御する等、種々の制御を実行する。
【0014】ATCU100は、タービン回転数を検出するタービンセンサ66,AT出力軸回転数を検出する車速センサ68,ATFの油温センサ70,フットブレーキが踏まれているかどうかを検出するフットブレーキSW72,パーキングブレーキが動作しているかどうかを検出するパーキングブレーキSW74,シフトレバーのレンジ位置を検出するインヒビターSW76等のセンサ情報、およびECU50からのエンジン回転数やスロットル開度等の信号等が入力され、演算を実行する。さらに、ATCU100は、最適なギヤを選択して、油圧回路26に装着された切換用ソレノイドバルブ28aに開弁駆動信号を出力し、また、摩擦要素を締結するための圧力であるライン圧PLを制御する制御ソレノイドバルブ28bに制御信号を出力する。ATCU100は、本実施形態による自動変速機の制御装置を備えている。
【0015】なお、以上の例では、エンジン吸入空気量の検出をエアーフローセンサ62により直接行う方式について示しているが、本発明はこれに限定されることなく、例えば、吸入マニホールド44内の圧力と吸入空気温度より計算により空気量を算出する方式、スロットル開度とエンジン回転数より計算により空気量を算出する方式等いずれでも良いものである。また、本例では、ATCUとECUを各々別個に設けたものを示しているが、本発明はこれに限定されることはなく、ATCUとECUを一体にしたものでもよいものである。さらに、本例では、フロントエンジン,リアドライブ方式の構成例を示したが、本発明はこれに限定されることなく、フロントエンジン,フロントドライブ方式、リアエンジン,リアドライブ方式、4輪駆動方式等いずれの方式でもよいものである。
【0016】次に、図2を用いて、本実施形態による自動変速機のギア構成について説明する。図2は、本発明の一実施形態による自動変速機のギア構成を示す模式図である。
【0017】本図は最も基本的な前進1〜4速を実現するギア構成を示しており、後退やエンジンブレーキ用のクラッチは省略してある。構成要素は、2個の遊星ギアと4個の摩擦部材である。接続としては、AT20の入力軸Pinには、ハイクラッチ20Aと、リア側サンギア20Bが接続され、ハイクラッチ20Aの逆側はフロントピニオンギア20Cと、ローワンウェイクラッチ20Dと、フォワードワンウェイクラッチ20Eが接続される。ローワンウェイクラッチ20Dは、ハイクラッチ側から正転(入力回転と同一方向)トルクが発生すると締結状態になり、結果的に回転停止状態となる。また、フォワードワンウェイクラッチ20Eの逆側は、リアインターナルギア20Fに接続されている。フロントサンギア20Gは、ブレーキドラム20Hに接続され、ブレーキドラム20Hは、バンドブレーキ20Iの締結により回転停止状態になる。また、フロントインターナルギア20Jは、リアピニオンギア20Kと、出力軸Poutに接続されている。
【0018】各摩擦部材とギア位置は、(表1)に示す締結状態である。
【0019】
【表1】

【0020】これらの状態は、ATCU100の指令を受けて、油圧制御用ソレノイドバルブ28が油圧回路26を切り換えることで実現される。
【0021】次に、図3を用いて、本実施形態による自動変速機の制御装置の構成について説明する。図3は、本発明の一実施形態による自動変速機の制御装置の構成を示すブロック図である。
【0022】本実施形態による自動変速機の制御装置は、図1に示したATCU100の中に備えられており、状態検出手段110と、目標タービン回転数算出手段120と、タービン回転数制御手段130と、締結制御手段140とから構成されている。
【0023】状態検出手段110は、運転者が発進の意図がないことを検出するものである。状態検出手段110は、インヒビターSW76によって検出されるレンジ情報により、シフトレバーが前進レンジ状態に位置していることを検出する。前進レンジ状態とは、シフトレバーが、Dレンジ、2レンジ、1レンジ等に位置している状態を意味している。また、状態検出手段110は、車速センサ68によって検出される車速が0km/hであることを検出する。なお、車速の検出方法としては、自動変速機の流体継手またはトルクコンバータの出力軸回転数または自動変速機の出力軸回転数によって検出することができる。
【0024】さらに、状態検出手段110は、スロットル開度センサ64によって検出されたスロットル開度が全閉であることを検出する。なお、スロットル開度センサ64の代わりに、アイドルSWがONになっていることを検出するようにしてもよいものである。即ち、ここでは、アクセルペダルが運転者によって踏み込まれていないことを検出している。また、状態検出手段110は、制動装置情報として、フットブレーキSW72若しくはパーキングブレーキSW74がONになっていることを検出する。
【0025】状態検出手段110は、上述の4つの条件、即ち、1)前進レンジに入っており、2)車速が0km/hであり、3)スロットル全閉であり、4)制動装置の作動ON状態であることが、全て満たされるとともに、これらの条件がある一定時間継続すると、運転者の発進意図がないことを検出する。
【0026】目標タービン回転数算出手段120は、油温センサ70によって検出された油温,または、タービンセンサ66によって検出されたタービン回転数等に基づいて算出された変速機入力トルク(流体継手入力トルク),または、クランク角センサ60によって検出されたエンジン回転数,または、エアーフローセンサ62によって検出されたエンジン吸入空気量等に基づいて、流体継手またはトルクコンバータの目標タービン回転数を求める。
【0027】タービン回転数制御手段130は、タービンセンサ66によって検出されたタービン回転数が、目標タービン回転数算出手段120によって算出された目標タービン回転数になるように、フォワードクラッチに掛かる油圧をフィードバック制御する。これによって、流体継手若しくはトルクコンバータの入力軸と出力軸の回転数差が縮小するため、燃費を向上することができる。
【0028】また、締結制御手段140は、タービン回転数制御手段130によるフィードバック制御中に、フットブレーキ及びパーキングブレーキによる制動装置の作動OFF状態、またはスロットル開度の開きまたはアイドルスイッチOFF、または車速が0km/h以上になったことを検出した場合、フォワードクラッチを締結させ、発進に備える。
【0029】次に、図4及び図5を用いて、本実施形態による自動変速機の制御装置における制御動作の詳細について説明する。図4は、本実施形態による自動変速機の制御装置における制御内容を示すフローチャートである。
【0030】図4のステップs200において、状態検出手段110は、前進レンジ状態で、自動変速機の流体継手またはトルクコンバータの出力軸回転数または自動変速機の出力軸回転数を検出する車速センサにより車速0km/hを検出し、また、スロットル開度信号からスロットル全閉またはアイドルスイッチONを検出し、同時にフットブレーキまたはパーキングブレーキによる制動装置の作動ON状態を検出する。これらの条件がある一定時間継続したら、制御開始条件成立か否か判断し、成立であれば、ステップs205以降の制御を開始する。
【0031】制御開始条件が成立した場合、ステップs205において、締結制御手段140は、NまたはPレンジを検出したか否かを判定する。検出すると、ステップs240において、締結制御手段140は、フォワードクラッチを解放する。また、検出しない場合には、ステップs210に進む。
【0032】また、Nレンジ,Pレンジを検出しない場合,即ち、前進レンジであれば、ステップs210において、締結制御手段140は、フットブレーキ及びパーキングブレーキによる制動装置の作動OFF状態、またはスロットル開度の開きまたはアイドルスイッチOFF、または車速>0km/h等の情報から制御解除条件成立するか否かを判断する。制御解除条件が成立すれば、ステップs245において、締結制御手段140は、フォワードクラッチを締結する。
【0033】一方、制御解除条件が不成立の場合には、ステップs215において、目標タービン回転数算出手段120は、油温、または変速機入力トルク、またはエンジン回転数、またはエンジン吸入空気量などから目標タービン回転数を算出する。
【0034】ここで、図5を用いて、本実施形態の目標タービン回転数算出手段120による目標タービン回転数の算出処理について説明する。図5は、本発明の一実施形態による自動変速機の制御装置に用いる目標タービン回転数算出手段による目標タービン回転数の算出処理を示すフローチャートである。
【0035】ステップs216において、目標タービン回転数算出手段120は、油温センサ70によって検出された油温が、予め設定しておいた高温値よりも高いか否かを判定する。高い場合にはステップs217に進み、高くない場合にはステップs218に進む。高い場合には、ステップs217において、目標タービン回転数算出手段120は、目標タービン回転数を0r/minとする。AT油が高温状態では、動粘度特性が小さく、摩擦部材の劣化が進むため、目標タービン回転数を0r/minとしている。
【0036】一方、所定温度よりも低い場合には、ステップs218において、目標タービン回転数算出手段120は、油温センサ70によって検出された油温が、予め設定しておいた低温値よりも低いか否かを判定する。低い場合にはステップs219に進み、低くない場合にはステップs219に進む。低い場合には、ステップs219において、目標タービン回転数算出手段120は、目標タービン回転数を0r/minとする。AT油が低温状態では、動粘度特性が大きく、フィードバック制御の応答性が遅くなるため、目標タービン回転数を0r/minとしている。
【0037】油温が、予め設定した高温値より低く、また、低温値よりも高い場合には、ステップs215xにおいて、目標タービン回転数算出手段120は、油温またはトルクコンバータの入力トルクまたはエンジン回転数またはエンジン吸入空気量(またはエンジン吸入空気量指数)から、定数テーブルまたは計算式により目標タービン回転数を求める。または、油温またはトルクコンバータの入力トルクまたはエンジン回転数またはエンジン吸入空気量(またはエンジン吸入空気量指数)から、定数テーブルまたは計算式により目標タービン回転数を求め、それらの内最も小さいものを目標タービン回転数とする。
【0038】次に、図4に戻り、ステップs220において、目標タービン回転数算出手段120は、算出された目標タービン回転数に見合ったフォワードクラッチへの初期油圧司令値またはデューティソレノイドバルブへのデューティ値を出力し、目標タービン回転数によるフィードバックの収束を速くさせる。
【0039】次に、ステップs225において、タービン回転数制御手段130は、タービン回転数を検出する。そして、ステップs230において、タービン回転数制御手段130は、タービン回転数と目標タービン回転数を比較する。一致している場合には、ステップs235に進み、フォワードクラッチの締結力を維持し、不一致の場合には、ステップs250に進む。
【0040】不一致の場合には、ステップs250において、タービン回転数制御手段130は、フォワードクラッチに掛かる油圧を調整する。このようにタービン回転数が目標タービン回転数になるようにフォワードクラッチの油圧をフィードバック制御する。
【0041】タービン回転数制御手段130は、実際のタービン回転数が目標タービン回転数より小さければ、現在のフォワードクラッチの油圧司令値からある一定の油圧司令値を減算し、実際のタービン回転数が目標タービン回転数より大きければ、現在のフォワードクラッチの油圧司令値からある一定の油圧司令値を加算し、タービン回転数が目標タービン回転数になるようにフィードバック制御する。ここで、フォワードクラッチにかかる油圧司令値は、デューティ値に変換され、フォワードクラッチをコントロールするデューティソレノイドバルブへと出力される。
【0042】または、タービン回転数制御手段130は、実際のタービン回転数が目標タービン回転数より小さければ、フォワードクラッチをコントロールするデューティソレノイドバルブの現在のデューティ値からある一定のデューティ値を減算しフォワードクラッチにかかる油圧を低下させ、実際のタービン回転数が目標タービン回転数より大きければ、フォワードクラッチをコントロールするデューティソレノイドバルブの現在のデューティ値からある一定のデューティを加算し、フォワードクラッチにかかる油圧を増大させ、タービン回転数が目標タービン回転数になるようにフィードバック制御する。
【0043】以上説明したように、本実施形態によれば、車両の停止状態には、タービン回転数を目標回転数に等しくなるように制御するため、流体継手若しくはトルクコンバータの入力軸と出力軸の回転数差が縮小するため、燃費を向上することができる。
【0044】次に、図6及び図7を用いて、本実施形態による自動変速機の制御装置における制御動作の第2の例について説明する。図6は、本実施形態による自動変速機の制御装置における制御内容の第2の例を示すフローチャートである。なお、図4と同一符号は、同一処理を示している。
【0045】図6に示す例では、図4のフローチャートとは、ステップs215A,ステップ230A,ステップs230B,ステップs250A,ステップs250Bが異なるものであり、この点を中心に説明する。
【0046】制御解除条件が不成立の場合には、図6のステップs215Aにおいて、目標タービン回転数算出手段120は、油温、または変速機入力トルク、またはエンジン回転数、またはエンジン吸入空気量などから目標タービン回転数を算出する。
【0047】ここで、図7を用いて、本実施形態の目標タービン回転数算出手段120による目標タービン回転数の算出処理について説明する。図7は、本発明の一実施形態による自動変速機の制御装置に用いる目標タービン回転数算出手段による目標タービン回転数の算出処理を示すフローチャートである。なお、図5と同一符号は、同一処理を示している。
【0048】本例では、ステップs215Yの処理が、図5に示したものとは異なっている。油温が、予め設定した高温値より低く、また、低温値よりも高い場合には、ステップs215Yにおいて、目標タービン回転数算出手段120は、油温またはトルクコンバータの入力トルクまたはエンジン回転数またはエンジン吸入空気量(またはエンジン吸入空気量指数)から、定数テーブルまたは計算式により目標タービン回転数の上下限を求める。または、油温またはトルクコンバータの入力トルクまたはエンジン回転数またはエンジン吸入空気量(またはエンジン吸入空気量指数)から、定数テーブルまたは計算式により目標タービン回転数を求め、それらの内最も小さいものを目標タービン回転数の上下限とする。
【0049】次に、図6に戻り、ステップs220において、目標タービン回転数算出手段120は、算出された目標タービン回転数に見合ったフォワードクラッチへの初期油圧司令値またはデューティソレノイドバルブへのデューティ値を出力し、目標タービン回転数によるフィードバックの収束を速くさせる。
【0050】次に、ステップs225において、タービン回転数制御手段130は、タービン回転数を検出する。そして、ステップs230Aにおいて、タービン回転数制御手段130は、検出されたタービン回転数が目標タービン回転数の下限値よりも小さいか否かを判定する。小さい場合には、ステップs250Aに進み、フォワードクラッチの油圧低下処理を行い、小さくない場合には、ステップs230Bに進む。
【0051】また、ステップs230Bにおいて、タービン回転数制御手段130は、検出されたタービン回転数が目標タービン回転数の上限値よりも大きいか否かを判定する。大きい場合には、ステップs250Bに進み、フォワードクラッチの油圧上昇処理を行い、大きくない場合には、ステップs2305に進む。
【0052】油圧上昇/下降処理は、現在のフォワードクラッチの油圧司令値にある一定の油圧司令値を加算/減算する方法と、フォワードクラッチをコントロールするデューティソレノイドバルブの現在のデューティ値にある一定のデューティ値を加算/減算し、フォワードクラッチにかかる油圧を上昇/下降させる方法がある。このように目標タービン回転数上下限の間を不感帯とし、タービン回転数を上下限の中にフィードバックする制御ようにしている。
【0053】また、実際のタービン回転数が目標タービン回転数上限より小さければ、ステップs235において、現在のフォワードクラッチの油圧司令値を現状のまま保持する。
【0054】以上説明したように、本実施形態によれば、車両の停止状態には、タービン回転数を目標回転数に等しくなるように制御するため、流体継手若しくはトルクコンバータの入力軸と出力軸の回転数差が縮小するため、燃費を向上することができる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、車両の停止状態における燃費を向上することができる。
【出願人】 【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
【識別番号】000232999
【氏名又は名称】株式会社日立カーエンジニアリング
【出願日】 平成11年5月20日(1999.5.20)
【代理人】 【識別番号】100077816
【弁理士】
【氏名又は名称】春日 讓
【公開番号】 特開2000−329221(P2000−329221A)
【公開日】 平成12年11月30日(2000.11.30)
【出願番号】 特願平11−140406