| 【発明の名称】 |
ウォームホイール |
| 【発明者】 |
【氏名】大島 正道
【氏名】恵田 広
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| 【要約】 |
【課題】軽量化や寸法精度の向上等を図ったウォームホイールを提供する。
【解決手段】ウォームホイール41は、金属製ホイール51の外周に合成樹脂製ギヤリング53を固着して形成されている。ホイール51は、その回転中心にアウトプットシャフト17が嵌合する軸孔54を有する円筒状のハブ55と、ハブ55の外周に固着されたL字断面形状を有する板状のリム57とから構成されている。ハブ55が鋼管を素材とした切削加工品であるのに対し、リム57は鋼板を素材としたプレス成形品あるいは鍛造成形品であり、両者は溶接や加締め、接着等により強固に固着されている。また、リム57の軸方向端面には全周にわたって凹凸59が形成されている。一方、ギヤリング53は、ナイロンやポリプロピレン等を素材としており、ホイール51を図示しない金型内にセットした後、射出成形によりリム57の周囲を覆う形に形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】軸孔がその回転中心に形成された円筒状のハブと、このハブの外周面に固着された板状のリムとを有する金属製ホイールと、前記リムの外周に固着された合成樹脂製ギヤリングとを備えたことを特徴とするウォームホイール。 【請求項2】前記リムがL字断面形状またはT字断面形状に形成されたことを特徴とする、請求項1記載のウォームホイール。 【請求項3】前記リムの外周側軸方向端面に凹凸が形成されたことを特徴とする、請求項1または2記載のウォームホイール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂製の歯面を有するウォームホイールに係り、詳しくは、その軽量化や寸法精度の向上等を図る技術に関する。 【0002】 【従来の技術】自動車用の操舵系では、外部動力源を用いて操舵アシストを行わせる、いわゆるパワーステアリング装置が広く採用されている。従来、パワーステアリング装置用の動力源としては、ベーン方式の油圧ポンプが一般に用いられており、この油圧ポンプをエンジンにより駆動するものが多かった。ところが、この種のパワーステアリング装置は、油圧ポンプを常時駆動することによるエンジンの駆動損失が大きい(最大負荷時において、数馬力〜十馬力程度)ため、小排気量の軽自動車等への採用が難しく、比較的大排気量の自動車でも走行燃費が低下することが避けられなかった。そこで、これらの問題を解決するものとして、電動モータを動力源とする電動パワーステアリング装置が近年注目されている。電動パワーステアリング装置では、電動モータの電源に車載バッテリを用いるために直接的なエンジンの駆動損失が無く、電動モータが操舵アシスト時にのみに起動されるために走行燃費の低下(オルタネータに係るエンジンの駆動損失)も抑えられる他、走行速度等に応じた電子制御が極めて容易に行える等の特長を有している。 【0003】電動パワーステアリング装置では、電動モータに比較的高回転・低トルクのものが使用されるため、電動モータとステアリングシャフトとの間に減速機構が組み込まれる。減速機構としては、一組で大きな減速比が得られること等から、ウォームギヤとウォームホイールとからなるウォーム減速機構が用いられることが多い。ウォームギヤは電動モータの回転軸に連結される一方、ウォームギヤに噛み合うウォームホイールはアウトプットシャフトに外嵌され、これらがギヤボックスを兼ねたモータハウジング内に配置される。また、ウォームホイールには、駆動騒音を低減させるべく、金属製ホイール(芯金)の外周部に合成樹脂製のギヤリングを固着させたものが一般に用いられている。例えば、実用新案登録第2556890号公報(従来技術1)では、図23に示したように、鋳鉄等からなる中実な金属製ホイール51の外周に合成樹脂製のギヤリング53を嵌着させたものが提案されている。また、図24に示した例(従来技術1)では、鋼板等をプレスまたは鍛造成形したコ字断面の金属製ホイール51の外周に射出成形により合成樹脂製のギヤリング53を形成している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】近年の電動パワーステアリング装置では、省燃費対策等のために比較的大型の自動車にも採用される傾向にあり、アシスト力を大きくする為には、電動モータの出力を大きくする必要があり、ウォームホイールには、その出力に耐えられるギヤ強度が必要であり、大径の金属製ホイールに径方向寸法の小さいギヤリングを固着させたり、小径の金属製ホイールに径方向寸法の大きいギヤリングを固着させたものが製作されている。 【0005】ところが、従来技術1のウォームホイールでは、金属製ホイールを大径化すると、金属製ホイールの重量が大幅に増大し、装置全体の重量増加がもたらされるだけでなく、製造コストが上昇する問題もあった。また、ギヤリングの径方向寸法を大きくすると、寸法変化やボイド等の成形不良が発生しやすくなり、製品歩留りが低下する等の問題があった。一方、従来技術2のウォームホイールでは、軽量化を図るべく金属製ホイールの素材に板厚の小さい鋼板を用いると、出力軸(アウトプットシャフト)を圧入する際の面圧を確保することが難しくなり、圧入荷重が低下して出力軸とウォームホイールとが滑る問題があった。また、圧入荷重の低下を避けるべく金属製ホイールの素材に板厚の大きい鋼板を用いると、プレスや鍛造時における成形性が著しく悪くなると共に、金属製ホイールの重量も当然に増大することになる。本発明は、上記状況に鑑みなされたもので、軽量化や寸法精度の向上等を図ったウォームホイールを提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、請求項1の発明では、軸孔がその回転中心に形成された円筒状のハブと、このハブの外周面に固着された板状のリムとを有する金属製ホイールと、前記リムの外周に固着された合成樹脂製ギヤリングとを備えたものを提案する。この発明では、例えば、厚肉の鋼鉄製ハブに板厚の小さい鋼板製リムを溶接することなどで、十分な圧入荷重を確保しながら軽量化を図ることができる他、リムの外径を大きく設定することでギヤリングに径方向寸法の小さいものを用いることができる。 【0007】また、請求項2の発明では、請求項1のウォームホイールにおいて、前記リムがL字断面形状またはT字断面形状に形成されたものを提案する。この発明では、金属製ホイールの外周に円筒部が形成されるため、金属製ホイールと合成樹脂製ギヤリングとの間の固着面積が広くなり、金属製ホイールと合成樹脂製ギヤリングとの固着強度が向上する。 【0008】また、請求項3の発明では、請求項1または2のウォームホイールにおいて、前記リムの外周側軸方向端面に凹凸が形成されたものを提案する。この発明では、合成樹脂製ギヤリングをリムの凹凸に噛み合わせるかたちにすることにより、金属製ホイールと合成樹脂製ギヤリングとの固着強度が更に向上する。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態に係るステアリング装置の車室側部分を示す側面図であり、同図中の符号1はステアリングコラムを示す。ステアリングコラム1は、ピボットピン3とチルト調整機構5とを介して、車体側構造部材7,9に固定されている。ステアリングコラム1には、その内部にステアリングアッパシャフト11が回動自在に支持されると共に、下部に電動モータ13やギヤハウジング15,アウトプットシャフト17等からなる電動アシスト機構19が一体化されている。 【0010】ステアリングアッパシャフト11の後端にはステアリングホイール21が取り付けられており、運転者がステアリングホイール21を回動させると、その回転力が電動アシスト機構19により増大されてアウトプットシャフト17に伝達される。図1中、符号25は自在継手27を介してアウトプットシャフト17の前端に連結されたロアステアリングシャフトを示す。また、符号29はステアリングコラム1を覆うコラムカバー、符号31は車室とエンジンルームとを区画するダッシュボード、符号33はチルトレバーをそれぞれ示す。 【0011】図2(図1中のA部拡大断面図)に示したように、アウトプットシャフト17にはウォームホイール41が外嵌・固着されている。ウォームホイール41は、電動モータ13の図示しない回転軸に接続されたウォームギヤ43と噛み合っており、電動モータ43の回転が減速されてアウトプットシャフト17に伝達される。本実施形態の場合、電動モータ13は、ウォームホイール41の後方に配置されたトルクセンサの出力信号に基づき駆動されるが、ここではその説明を省略する。 【0012】第1実施形態のウォームホイール41は、図3(正面図)および図4(縦断面図)に示したように、金属製ホイール(以下、単にホイールと記す)51の外周に合成樹脂製ギヤリング(以下、単にギヤリングと記す)53を固着させることにより形成されている。本実施形態の場合、ホイール51は、図5(正面図)および図6(側面図)に示したように、その回転中心にアウトプットシャフト17が嵌合する軸孔54を有する円筒状のハブ55と、ハブ55の外周に固着されたL字断面形状を有する板状のリム57とから構成されている。ハブ55が鋼管を素材とした切削加工品であるのに対し、リム57は鋼板を素材としたプレス成形品あるいは鍛造成形品であり、両者は溶接や加締め、接着等により強固に固着されている。また、リム57の軸方向端面には全周にわたって凹凸59が形成されている。一方、ギヤリング53は、ナイロンやポリプロピレン等を素材としており、ホイール51を図示しない金型内にセットした後、射出成形によりリム57の周囲を覆う形に形成されている。 【0013】第1実施形態では、上述した構成を採ったことで、ウォームホイール41の外径を大きくしたにも拘わらず、前述した従来装置に較べて大幅な軽量化や圧入荷重の向上等を図ることができた。すなわち、ハブ55の肉厚を比較大きく設定する一方で、リム57の板厚を比較的小さくすることで、アウトプットシャフト17への圧入荷重を高めてアウトプットシャフト17とウォームホイール41との滑りトルクを十分に確保しながら、ホイール51全体としての重量は小さくできた。また、リム57の外径を大きく設定することで、ギヤリング53の径方向厚みを小さくすることができ、寸法変化やボイド等に起因する製品歩留りの低下も抑えられた。更に、本実施形態では、リム57の軸方向端面に凹凸59を設けたため、ホイール51に対するギヤリング53の分離・空転が極めて起こり難くなり、長期間に亘って所期の性能を維持することができた。 【0014】一方、第2実施形態のウォームホイール41も、図7(正面図)および図8(縦断面図)に示したように、第1実施形態と同様に、ホイール51の外周にギヤリング53を固着させることにより形成されている。本実施形態の場合、ホイール51は、図9(正面図)および図10(側面図)に示したように、その回転中心にアウトプットシャフト17が嵌合する軸孔54を有する円筒状のハブ55と、ハブ55の外周に固着されたT字断面形状を有する板状のリム57とから構成されている。リム57は、鋼材を素材とした鍛造成形品であり、ハブ55とは溶接や加締め、接着等により強固に固着されており、その軸方向両端面には全周にわたって凹凸59が形成されている。一方、ギヤリング53は、第1実施形態と同様に、ナイロンやポリプロピレン等を素材としており、ホイール51を図示しない金型内にセットした後、射出成形によりリム57の周囲を覆う形に形成されている。 【0015】第2実施形態においても、ウォームホイール41の軽量化や圧入荷重の向上等の作用は第1実施形態と略同様であるが、凹凸59がリム57の軸方向両端面に形成されていることにより、ホイール51に対するギヤリング53の分離・空転が更に起こり難くなっている。 【0016】図11〜図16はそれぞれ第1実施形態の変形例であり、リム57とギヤリング53との接合形態を様々に変え、更に図16のものでは凹凸59も省略している。これらの変形例によれば、ギヤリング53の素材費を少なくしたり、成形金型等の簡素化を図ることが可能となる。 【0017】また、図17〜図19にしめしたウォームホイール41は、第1実施形態に対して、リム57をハブ55の端面(図中、右側)まで移動させたもので、リム57の曲げ部にはギヤリング53の脱落を防止するべく係止凹部61が形成されている。 【0018】図20〜図22はそれぞれ第2実施形態の変形例であり、リム57とギヤリング53との接合形態を様々に変え、更に図22のものでは凹凸59も省略している。これらの変形例によれば、ギヤリング53の素材費を少なくしたり、成形金型等の簡素化を図ることが可能となる。 【0019】以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様は上記実施形態に限られるものではない。例えば、上記各実施形態は、電動パワーステアリング装置用のウォームホイールに本発明を適用したものであるが、他の装置に用いられるウォームホイールに適用してもよい。また、ホイールやギヤリングの具体的形状等やそれらの素材についても、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば、適宜変更可能である。更に、上記各実施形態ではリムとギヤリングとを溶着(射出成形)により一体化させるようにしたが、化学反応を利用して固着・一体化させるような方法を採ってもよい。 【0020】 【発明の効果】以上述べたように、本発明に係るウォームホイールによれば、軸孔がその回転中心に形成された円筒状のハブと、このハブの外周面に固着された板状のリムとを有する金属製ホイールと、前記リムの外周に固着された合成樹脂製ギヤリングとを備えるようにしたため、例えば、厚肉の鋼鉄製ハブに板厚の小さい鋼板製リムを溶接することなどで、十分な圧入荷重を確保しながら軽量化を図ることができる他、リムの外径を大きく設定することでギヤリングに径方向寸法の小さいものを用いることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000004204 【氏名又は名称】日本精工株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年5月20日(1999.5.20) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100077919 【弁理士】 【氏名又は名称】井上 義雄
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| 【公開番号】 |
特開2000−329217(P2000−329217A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月30日(2000.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願平11−140385 |
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