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【発明の名称】 樹脂成形2段ギヤ
【発明者】 【氏名】大舘 勲

【氏名】前原 敏夫

【要約】 【課題】本発明はレーザービームプリンタ等に使用される回転ドラムを駆動する減速機構に使用される樹脂成形2段ギヤの歯ピッチ誤差を低コストで減少させ回転ドラムの回転ムラを減少させるのが課題である。

【解決手段】本発明においては、樹脂成形2段ギヤの従動側大ギヤと駆動側小ギヤとで、夫々のピッチ誤差疎密の位置を互いに相殺する位置に合わせて一体成形するようにすることで解決する
【特許請求の範囲】
【請求項1】一定速度で回転するモータと、該モータの回転を樹脂成形により成るギヤを複数個配列して減速し、感光ドラムを一定速度で回転駆動させるレーザービームプリンタプリンタ或いはレーザービームコピー機のギヤ機構で、前記ギヤは従動側の大ギヤと駆動側の小ギヤを同心で有する2段形状に一体成形されているものにおいて、該2段ギヤの従動側大ギヤの噛み合いピッチ誤差の疎側或いは密側が噛み合っているときに、駆動側小ギヤの噛み合いピッチ誤差の密側或いは疎側が噛み合うように形成されていること、を特徴とする樹脂成形2段ギヤ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーレーザービームプリンタなどに使用する感光ドラムを安定に駆動するためのギヤ機構に関するものである。
【0002】従来から実施されている樹脂成形ギヤにおいては歯車を成形するための金型の製作精度や、成形後の樹脂収縮の偏りなどのより、成形された歯車の噛み合いピッチには疎或いは密の個所が生じる。歯車はピッチ円上で噛み合い伝達を行うため、このピッチ円の周長に対するピッチの疎密の割合がギヤの回転ムラとなって現れる。樹脂成形ギヤは上述のように金型の精度や成形条件等により、1回転の中で歯車ピッチに疎或いは密の個所が生じてしまう。ギヤが平均角速度ωで回転しているとき、ピッチの疎部が噛み合った場合はそのピッチ誤差分回転が遅くなり、その時の変差角速度をΔωとすると合計角速度はω+Δωとなる。一方密部が噛み合った時は回転が遅くなり、合計の角速度はω―Δωとなる。このような歯車の噛み合い誤差が感光ドラムに伝達されて画像ムラの原因となっている。したがって従来技術においては、ギヤ製作に使用する金型の精度を高くしたり、成形時の冷却時間を長くする等の管理手段で対応していたので、製作コストが高くなる問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような回転ドラムの回転ムラの原因となる歯車の成形時に発生する歯ピッチ誤差を減少して低いコストで高精度の樹脂成形2段歯車を得て回転ドラムの回転ムラを減少させるのが課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明においては、従動側大ギヤと駆動側小ギヤが一体に形成されている2段ギヤの構成で、従動側大ギヤのピッチ誤差の疎側或いは密側が噛み合っている時に、駆動側小ギヤの密側或いは疎側を噛み合わせることにより、従動側大ギヤ側から生じる回転ムラと駆動側小ギヤ側から生じる回転ムラが相殺され、金型の精度や成形時の管理精度を必要以上に高くしなくても、一体成形された2段ギヤの合成回転ムラを低減できる。そこで、従動側大ギヤと駆動側小ギヤとの夫々のピッチ誤差疎密の位置を互いに相殺する位置に合わせて一体成形するようにすることで解決する。
【0005】
【実施例】以下図面により本発明の実施例を説明する。図1は2段ギヤを中間に挟んだ減速機の構成略図で、1は駆動用ギヤ、1―0はその中心、2は2段ギヤで従動側大ギヤ2―1と駆動側小ギヤ2―2が同心に一体形成され、2―0はその中心、該駆動側小ギヤ2―2が被駆動側ギヤ3、3―0はその中心、と噛み合って駆動用ギヤ1から被駆動側ギヤ3に回転を伝達している。
【0006】ここで、駆動側ギヤ1の中心1―0と被駆動側ギヤ3の中心3―0との位置関係をA度、従動側大ギヤ2―1と駆動側小ギヤ2―2との歯ピッチの疎側同士或いは密側同士の位相差をB度とし(図1においては従動側大ギヤ2―1の密側2―3と、駆動側小ギヤ2―2の密側2―4とが中心2―0との間に成す角B度がしめされている。)、従動側大ギヤ2―1のピッチ周長に対する変動の割合をK1、駆動側小ギヤ2―2のピッチ周長に対する変動の割合をK2とすると合成された変動の割合Kは、K=K1・Sinθ+K2・Sin(θ+A―B)
と表すことができるのでA―Bの位置関係を180度と設定すればK1とK2が相殺され合成された回転ムラを軽減することができる。
【0007】図1において、駆動側ギヤ1の中心1―0と被駆動側ギヤ3の中心3―0と2段ギヤ2の中心2―0とは設計上定まった既定位置であるから、駆動側ギヤ1と被駆動側ギヤ3との位置関係の角度A度は既定の値となるので、Bの角度をB=(A―180度)となるようにすれば良いことになる。
【0008】樹脂成形ギヤは金型により成形するので或金型で或条件で成形されたギヤのピッチ誤差とその疎密の方向はほぼ一定していることが経験的に判っているから、従動側大ギヤ2―1と駆動側小ギヤ2―2のピッチ誤差とその疎密の方向は夫々ほぼ一定している。そこで、従動側大ギヤ2―1と駆動側小ギヤ2―2とを夫々のピッチ誤差が疎、或いは密となる位置の角度を上記のBの角度となるようにして一体成形すれば良い。
【0009】上記のように樹脂成形2段ギヤを構成した結果、図1に示した前記樹脂成形2段ギヤを挟んだ構成の減速機において、該樹脂成形2段ギヤの従動側大ギヤの噛み合いピッチ誤差の疎側或いは密側が噛み合っているときに、駆動側小ギヤの噛み合いピッチ誤差の密側或いは疎側が噛み合うように形成されていることに成る。
【0010】図2は上記のようにして成形された2段ギヤの従動側大ギヤと駆動側小ギヤの回転ムラを測定した試験データで、従動側大ギヤと駆動側小ギヤ夫々の回転ムラは大きいが180度の位相差で発生しているのでその合成回転ムラは相殺されて小さくなっている。
【0011】
【発明の効果】本発明に成る樹脂成形2段ギヤは上記のような構成であるから、構成する各ギャのピッチ誤差疎密の方向を、該疎密が相殺するような位置に合わせて成形することにより、金型の精度と成形時の管理精度を必要以上に高くしないで低コストで回転ムラの少ない樹脂成形2段ギヤを得ることができるので回転ドラムの回転ムラを低減できる効果がある。
【出願人】 【識別番号】000228730
【氏名又は名称】日本サーボ株式会社
【出願日】 平成11年5月21日(1999.5.21)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−329215(P2000−329215A)
【公開日】 平成12年11月30日(2000.11.30)
【出願番号】 特願平11−140871