| 【発明の名称】 |
ヘリカルギヤ差動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】ギャレット ダブリュ ゲージ
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| 【要約】 |
【課題】機能、コストおよび簡単な組立体であるという点で優れている、差動装置に使用するためのワンピースケーシングを提供することにある。
【解決手段】平行軸差動装置用のワンピース差動装置ケーシングを提供する。一体ケーシングは、内部チャンバを形成するドラムセグメントと、該ドラムセグメントの外周部から半径方向に延びているフランジセグメントと、ドラムセグメントの対向端壁から軸線方向に延びておりかつ内部チャンバに連通する共軸上の車軸開口を形成する1対の管状トラニオンとを有している。ケーシングは更に、ドラムセグメントを貫通しかつチャンバと連通する窓孔と、サイド・ギヤを回転可能に支持すべく車軸開口に形成された1対のソケットと、対をなすギヤポケットの組とを有している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】共通回転軸線を共有する1対の車軸を相互連結する差動装置において、1対の車軸の回りで回転でき、かつ内部チャンバを形成するドラムセグメントと該ドラムセグメントの第1および第2端壁を貫通して形成された第1および第2車軸開口とを備えたワンピースケーシングを有し、第1および第2車軸開口が内部チャンバに連通しておりかつそれぞれの車軸の端部を受け入れ、ケーシングが更に、ドラムセグメントを貫通しかつ内部チャンバに連通している窓孔と、対応する車軸開口と内部チャンバとの間で第1および第2端壁にそれぞれ形成された第1および第2ソケットと、ドラムセグメントの第1端壁を貫通する第1開口を備えたブラインド・ボアとして形成されかつ内部チャンバに連通している第1ピニオンポケットと、ドラムセグメントの第2端壁を貫通する第2開口を備えたブラインド・ボアとして形成されかつ内部チャンバに連通している第2ピニオンポケットとを備え、前記窓孔を通して内部チャンバ内に配置されかつ第1ソケット内に座合される第1サイド・ギヤを有し、該第1サイド・ギヤは一方の車軸と一緒に回転するように取り付けられ、前記窓孔を通して内部チャンバ内に配置されかつ第2ソケット内に座合される第2サイド・ギヤを有し、該第2サイド・ギヤは他方の車軸と一緒に回転するように取り付けられ、第1ギヤセグメントおよび第1支柱セグメントを備えた第1ピニオンを有し、該第1ピニオンは、第1ギヤセグメントが第1サイド・ギヤと噛み合いかつ第1支柱セグメントが第2サイド・ギヤから間隔を隔てるようにして、前記第1開口を通して第1ピニオンポケット内に配置され、第2ギヤセグメントおよび第2支柱セグメントを備えた第2ピニオンを有し、該第2ピニオンは、第2ギヤセグメントが第2サイド・ギヤおよび第1ピニオンの第1ギヤセグメントと噛み合いかつ第2支柱セグメントが第1サイド・ギヤから間隔を隔てるようにして、前記第2開口を通して第2ピニオンポケット内に配置され、第1および第2ピニオンポケットを閉じかつ第1および第2ピニオンを前記ケーシング内に保持すべく第1および第2開口内に配置される栓を更に有することを特徴とする差動装置。 【請求項2】前記第1および第2ピニオンの回転軸線は、サイド・ギヤおよびケーシングの共通軸線に対して平行であることを特徴とする請求項1記載の差動装置。【請求項3】前記栓は、前記開口内に着脱可能に固定されることを特徴とする請求項1記載の差動装置。 【請求項4】前記栓は更に環状支持フランジを有し、該支持フランジ内で、第1ピニオンの支柱セグメントの端部が回転可能にジャーナル支持されることを特徴とする請求項1記載の差動装置。 【請求項5】前記ケーシングのドラムセグメントに周方向に形成された対をなす付加組の第1および第2ピニオンポケットと、該付加組のピニオンポケット内に配置される同数の第1および第2ピニオンとを更に有することを特徴とする請求項1記載の差動装置。 【請求項6】前記ケーシングは更に、ドラムセグメントの周囲から半径方向に延びたフランジセグメントを有し、該フランジセグメントは、共通軸線の回りでケーシングを駆動する回転駆動部品を固定するための取付け孔を備えていることを特徴とする請求項1記載の差動装置。 【請求項7】前記フランジセグメントは、ドラムセグメントの第1および第2端壁の一方と同一平面内にあることを特徴とする請求項6記載の差動装置。【請求項8】前記第1ピニオンは、第1支柱セグメントの端面が前記栓に近接しかつ第1ギヤセグメントの端面が第1ピニオンポケットの端面に近接するようにして第1ピニオンポケット内に配置されることを特徴とする請求項1記載の差動装置。 【請求項9】前記第1ピニオンは、第1ギヤセグメントの端面が前記栓に近接しかつ第1支柱セグメントの端面が第1ピニオンポケットの端面に近接するようにして第1ピニオンポケット内に配置されることを特徴とする請求項1記載の差動装置。 【請求項10】前記ドラムセグメントの第1端壁から軸線方向に延びかつ第1車軸開口を形成する第1管状車軸トラニオンと、前記ドラムセグメントの第2端壁から軸線方向に延びかつ第2車軸開口を形成する第2管状車軸トラニオンとを更に有することを特徴とする請求項1記載の差動装置。 【請求項11】ドラムセグメントを形成するケーシングを有し、該ケーシングが、内部チャンバと、第1車軸の端セグメントを回転可能に支持する第1車軸開口であって、内部チャンバからドラムセグメントの第1端壁を貫通しかつドラムセグメントの一軸線に沿って延びている第1車軸開口と、第2車軸の端セグメントを回転可能に支持する第2車軸開口であって、内部チャンバからドラムセグメントの第2端壁を貫通しかつドラムセグメントの前記軸線に沿って延びている第2車軸開口と、ドラムセグメントを貫通して形成された少なくとも1つの窓孔と、少なくとも2つのピニオンボアの組とを有し、各ピニオンボアの組が、前記第1端壁の開口を貫通しかつドラムセグメントの前記軸線に対して平行な一軸線に沿ってドラムセグメント内に延びている第1ピニオンポケットと、該第1ピニオンポケットにオーバーラップしかつ前記第2端壁の開口を貫通しかつドラムセグメントの前記軸線および第1ピニオンポケットの前記軸線に対して平行な一軸線に沿ってドラムセグメント内に延びている第2ピニオンポケットとを備え、ドラムセグメントの前記軸線に沿って第1車軸開口および内部チャンバに隣接して配置された第1サイド・ギヤソケットと、ドラムセグメントの前記軸線に沿って第2車軸開口および内部チャンバに隣接して配置された第2サイド・ギヤソケットとを更に有し、第1および第2車軸と一緒に回転するように内部チャンバ内で回転可能に支持された第1および第2サイド・ギヤと、第1ピニオンポケット内に取り付けられかつ第1サイド・ギヤと噛み合う第1ピニオン、および第2ピニオンポケット内に取り付けられかつ第2サイド・ギヤと噛み合う第2ピニオンを備えた少なくとも2つの互いに噛み合うピニオンの組とを備えたギヤセットと、第1および第2端壁の前記開口内に取り付けられる栓とを更に有することを特徴とする差動装置。 【請求項12】前記ケーシングは更に、ドラムセグメントの周囲から半径方向に延びたフランジセグメントを有し、該フランジセグメントは、共通軸線の回りでケーシングを駆動する回転駆動部品を固定するための取付け孔を備えていることを特徴とする請求項11記載の差動装置。 【請求項13】前記フランジセグメントは、ドラムセグメントの第1および第2端壁の一方と同一平面内にあることを特徴とする請求項12記載の差動装置。【請求項14】前記栓は更に環状支持フランジを有し、該支持フランジ内で、第1ピニオンの一端部が回転可能にジャーナル支持されることを特徴とする請求項11記載の差動装置。 【請求項15】前記ドラムセグメントの第1端壁から軸線方向に延びかつ第1車軸開口を形成する第1管状車軸トラニオンと、前記ドラムセグメントの第2端壁から軸線方向に延びかつ第2車軸開口を形成する第2管状車軸トラニオンとを更に有することを特徴とする請求項11記載の差動装置。 【請求項16】ドラムセグメントが一体成形された差動装置ケースを有し、該ケースは、中空内部と、該中空内部からドラムセグメントの第1端壁を貫通して延びかつドラムセグメントの一軸線上に中心をもつ第1車軸開口と、中空内部からドラムセグメントの第2端壁を貫通して延びかつドラムセグメントの前記軸線上に中心をもつ第2車軸開口と、少なくとも2つのピニオンボアの組とを有し、各ピニオンボアの組が、前記第1端壁の開口を貫通しかつドラムセグメントの前記軸線に対して平行な一軸線に沿ってドラムセグメント内に延びている第1ピニオンポケットと、該第1ピニオンポケットにオーバーラップしかつ前記第2端壁を貫通しかつドラムセグメントの前記軸線および第1ピニオンボアの前記軸線に対して平行な一軸線に沿ってドラムセグメント内に延びている第2ピニオンポケットとを備え、ドラムセグメントの前記軸線に沿って第1車軸開口および中空内部に隣接して配置された第1サイド・ギヤソケットと、ドラムセグメントの前記軸線に沿って第2車軸開口および中空内部に隣接して配置された第2サイド・ギヤソケットとを更に有し、中空内部の中に配置されかつドラムセグメントの前記軸線の回りで回転できるように第1サイド・ギヤソケット内に座合される第1サイド・ギヤと、中空内部の中に配置されかつドラムセグメントの前記軸線の回りで回転できるように第2サイド・ギヤソケット内に座合される第2サイド・ギヤと、少なくとも2つの遊星ギヤセットとを有し、各遊星ギヤセットが、1つの前記第1ピニオンポケット内に配置されかつ第1サイド・ギヤと噛合い係合する第1ピニオンと、対応する第2オーバーラップピニオンソケット内に配置されかつ第2サイド・ギヤおよび第1ピニオンと噛合い係合する第2ピニオンとを備え、第1および第2ピニオンポケットの各々の開口端内に配置されかつ第1および第2端壁に固定される栓とを更に有することを特徴とする差動装置。 【請求項17】少なくとも1つの前記栓が、溶接により前記差動装置ケーシングに固定されることを特徴とする請求項16記載の差動装置。 【請求項18】少なくとも1つの前記栓が、ステーキングにより前記差動装置ケーシングに固定されることを特徴とする請求項16記載の差動装置。 【請求項19】少なくとも1つの前記栓が、圧嵌めにより前記差動装置ケーシングに固定されることを特徴とする請求項16記載の差動装置。 【請求項20】前記栓が、前記開口内に着脱可能に固定されることを特徴とする請求項16記載の差動装置。 【請求項21】前記栓は更に環状支持フランジを有し、該支持フランジ内で、第1ピニオンの支柱セグメントが回転可能にジャーナル支持されることを特徴とする請求項16記載の差動装置。 【請求項22】前記ケーシングは更に、ドラムセグメントの周囲から半径方向に延びたフランジセグメントを有し、該フランジセグメントは、共通軸線の回りでケーシングを駆動する回転駆動部品を固定するための取付け孔を備えていることを特徴とする請求項16記載の差動装置。 【請求項23】前記フランジセグメントは、ドラムセグメントの第1および第2端壁の一方と同一平面内にあることを特徴とする請求項22記載の差動装置。【請求項24】前記第1ピニオンは、支柱セグメントの端面が前記栓に近接しかつギヤセグメントの端面が第1ピニオンポケットの端面に近接するようにして第1ピニオンポケット内に配置されることを特徴とする請求項16記載の差動装置。 【請求項25】前記ドラムセグメントの第1端壁から軸線方向に延びかつ第1車軸開口を形成する第1管状車軸トラニオンと、前記ドラムセグメントの第2端壁から軸線方向に延びかつ第2車軸開口を形成する第2管状車軸トラニオンとを更に有することを特徴とする請求項16記載の差動装置。 【請求項26】チャンバと、該チャンバに連通している1対の整合した車軸開口と、ケーシングの第1端壁を貫通してチャンバ内に延びている1組の第1ピニオンボアと、ケーシングの第2端壁を貫通してチャンバ内に延びている1組の第2ピニオンボアとを形成する差動装置ケーシングと、差動装置ケーシングの車軸開口を貫通して延びかつチャンバ内に配置される端セグメントを備えている1対の車軸と、チャンバ内に配置されかつ車軸の端セグメントに取り付けられる1対のサイド・ギヤと、第1および第2ピニオンボア内に回転可能に取り付けられ第1および第2の対をなす組のピニオンであって、互いに噛み合いかつ一方のサイド・ギヤとも噛み合うピニオンと、第1および第2ピニオンボアを閉じて、第1および第2ピニオンを第1および第2ピニオンボア内に保持するための、第1および第2端壁に形成された開口内に取り付けられる栓とを有することを特徴とする差動装置。 【請求項27】前記栓が、前記開口内に着脱可能に固定されることを特徴とする請求項26記載の差動装置。 【請求項28】前記栓は更に環状支持フランジを有し、該支持フランジ内で、第1ピニオンの支柱セグメントの端部が回転可能にジャーナル支持されることを特徴とする請求項26記載の差動装置。 【請求項29】前記ケーシングは更に、ドラムセグメントの周囲から半径方向に延びたフランジセグメントを有し、該フランジセグメントは、共通軸線の回りでケーシングを駆動する回転駆動部品を固定するための取付け孔を備えていることを特徴とする請求項26記載の差動装置。 【請求項30】前記第1ピニオンは、支柱セグメントの端面が前記栓に近接しかつギヤセグメントの端面が第1ピニオンボアの端面に近接するようにして第1ピニオンボア内に配置されることを特徴とする請求項26記載の差動装置。 【請求項31】前記ケーシングの第1端壁から軸線方向に延びかつ第1車軸開口を形成する第1管状車軸トラニオンと、前記ケーシングの第2端壁から軸線方向に延びかつ第2車軸開口を形成する第2管状車軸トラニオンとを更に有することを特徴とする請求項26記載の差動装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、広くは自動車の動力伝達系統に使用する差動装置に関し、より詳しくは、ワンピース差動装置ケーシングを備えたヘリカルギヤ(はすば歯車)差動装置に関する。 【0002】 【従来の技術】自動車の動力伝達系統に使用される多くの差動装置は、1対の出力軸の間に相対回転(すなわち、差動速度)を生じさせるべく差動装置ケーシング内に支持された遊星ギヤセットを有している。例えば、平行軸差動装置では、ギヤセットは、一般に、車軸の端部にスプライン係合される1対のヘリカルサイド・ギヤを有しており、該ヘリカルサイド・ギヤは、差動装置ケーシング内に形成されたギヤポケット内にジャーナル支持された対をなすヘリカルピニオンセットと噛み合っている。ギヤポケットは差動装置ケーシングの回転軸線に対して平行であるので、各ピニオンは車軸とサイド・ギヤとの共通軸線に対して平行な軸線上で回転する。知られているように、サイド・ギヤとピニオンとの噛合い係合を介して伝達されるトルクは、ギヤポケットの壁面および差動装置ケーシング内の他のスラスト面に対してギヤ部品により加えられる推力を発生し、このため、車軸間の差動速度およびトルク比が摩擦力によって制限される。 【0003】ギヤセットセットの組立てを容易にするため、差動装置ケーシングは、カバープレートに取り付けられる細長いドラムハウジングを備えたツーピース組立体からなる。一般に、ギヤセットはドラムハウジング内に形成された内部チャンバ内に取り付けられ、ドラムハウジングは、次にカバープレートにより包囲される。組み立てられたとき、ドラムハウジングのラジアル取付けフランジは、カバープレートのリムセグメントと係合する。慣用的に行われているように、取付けフランジおよびリムセグメントの整合ボア内に取り付けられるボルトを介して、リングギヤがドラムハウジングに固定される。慣用のヘリカル平行軸差動装置に付随する1つの問題は、差動装置ケーシングとギヤセットとの適正な整合を維持することである。この問題は、ケース部品が適正に整合せず、そのため車軸ボアが互いに整合せずかつ取付けフランジに対しても整合しないときに、ツーピース差動装置ケーシングに頻繁に生じる。 【0004】種々の回転部品の軸線間に過度の不整合を内包する差動装置が製造されないようにするため、幾つかの製造業者は、製造工程中に、2つのケース部品を一体に組み立て、次にユニットとして機械加工するという組立て段階を導入している。この組立て段階は或る程度の成功を収めているが、この方法は、ギヤセットの装着のためにケーシングを後で分解しなければならないのでコストが嵩む。また、ツーピースケーシングの分解後に部品の正確な整合は保証されないため、或る程度の不整合は不可避である。従って、ヘリカル平行軸差動装置の技術分野では、差動装置ケースと、車軸と、ギヤセットのギヤとの間の相対整合を改善する手段が要望されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的は、機能、コストおよび簡単な組立体であるという点で慣用のツーピースケース組立体より優れている、差動装置に使用するためのワンピースケーシングを提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、平行軸差動装置用のワンピース差動装置ケーシングが提供される。一体ケーシングは、内部チャンバを形成するドラムセグメントと、該ドラムセグメントの外周部から半径方向に延びているフランジセグメントと、ドラムセグメントの対向端壁から軸線方向に延びておりかつ内部チャンバに連通する共軸上の車軸開口を形成する1対の管状トラニオンとを有している。ケーシングは更に、ドラムセグメントを貫通しかつチャンバと連通する窓孔と、サイド・ギヤを回転可能に支持すべく車軸開口に形成された1対のソケットと、対をなすギヤポケットの組とを有している。より詳しくは、1組の第1ピニオンポケットが細長い円筒状ボアとして形成されており、該ボアは、内部チャンバに連通し、ドラムセグメントの一方の端壁を貫通する開口を有し、かつラジアル端面に終端している。また、1組の第2ピニオンポケットが細長い円筒状ボアとして形成されており、該ボアは、内部チャンバに連通し、ドラムセグメントの反対側の端壁を貫通する開口を有し、かつラジアル端面に終端している。第1および第2ピニオンポケットは互いにオーバーラップした対をなす組として配置されており、各ピニオンポケットは、車軸開口の軸線に対して平行な軸線を有している。第1および第2ピニオンポケットの開口を通してピニオンが配置されると、これらの開口内には栓が取り付けられてポケットを閉じ、これにより内部ケーシング内にピニオンを保持する。 【0007】 【発明の実施の形態】本発明の他の適用領域は、以下に述べる詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、本発明の好ましい実施形態を示す詳細な説明および特定例は、例示を目的とするに過ぎず、この詳細な説明から、当業者には本発明の精神および範囲内の種々の変更および修正が明らかになるであろう。 【0008】本発明は、以下に述べる詳細な説明および添付図面からより詳しくは、完全に理解されよう。 【0009】添付図面を参照して、自動車用の差動装置10を充分詳細に示し、ユニークなワンピースすなわち「一体」ケーシング構造の構造および機能を説明する。差動装置10は、自動車の動力伝達系統に使用されるヘリカル平行軸型のものが示されているが、本発明のワンピースケーシングは種々の多くの差動装置10に使用できるものであり、従って図示の特定構造は単なる例示に過ぎないことを理解すべきである。 【0010】差動装置10に関連する構成部品を説明する前に、差動装置10が装備された自動車用の例示動力伝達系統を、特に図1に関連して説明する。より詳しくは、図示の自動車の動力伝達系統は、エンジン12と、トランスミッション14と、後車軸組立体16と、トランスミッション14から後車軸組立体16に駆動トルクを供給するプロペラシャフト18とを有している。後車軸組立体16は、差動装置キャリヤ20内で回転可能に支持された差動装置10を有している。差動装置10のケーシング24にはリングギヤ22が固定されており、該リングギヤ22は、ピニオン軸28に固定された駆動ピニオン26と噛み合っている。かくして、エンジン出力はトランスミッションにより伝達され、ケーシング24を回転駆動する。更に詳細に説明するように、ギヤセット30はケーシング24内に支持されかつ1対の車軸32、34に連結されており、これらの車軸32、34はそれぞれホイール36、38に連結されている。 【0011】差動装置10は一体(すなわちワンピース)のケーシング24を有し、該ケーシング24は、ギヤセット30を支持する内部チャンバ40を形成する。より詳しくは、ケーシング24は、ドラムセグメント42および該ドラムセグメント42の第1端部から半径方向に延びている端フランジセグメント44を有し、該端フランジセグメント44は周方向に整合した取付け孔46を有している。ケーシング24は、鋳鉄またはマグネシウムから作られた鋳物または成形部品であるのが好ましい。知られているように、リングギヤ22はラジアルフランジセグメント44に固定され、回転出力(すなわち駆動トルク)を差動装置ケーシング24に伝達する。またケーシング24は管状車軸トラニオン48、50を有し、該車軸トラニオン48、50はそれぞれ、チャンバ40と連通する軸線方向に整合した車軸開口52、54を形成している。車軸トラニオン48は、はドラムセグメント42の第1端部から外方に延び、一方、車軸トラニオン50はドラムセグメント42の第2端部から外方に延びている。車軸開口52、54は車軸32、34を受け入れかつ該車軸32、34の端セグメントが構造線「A」で示す中心回転軸線の回りで回転できるように支持する。また、チャンバ40に隣接する車軸開口52、54内には、ギヤセット30の構成部品を回転可能に支持するための環状ソケット56、58が形成されている。ラジアルフランジセグメント44と車軸トラニオン48との間で、ドラムセグメント42の第1端部には、差動装置ケーシング24の剛性を高めるための一連のラグ59が設けられている。 【0012】前述のように、差動装置10は、車軸32、34の間に差動速度およびトルクバイアスを付与する態様で、ケーシング24からの駆動トルクを両車軸32、34に伝達すべく作動する遊星ギヤセット30を有している。ギヤセット30はチャンバ40内に取り付けられかつ1対のヘリカルサイド・ギヤ60a、60bを有している。これらのサイド・ギヤ60a、60bは、車軸32、34の対応端セグメント32、34の外歯スプラインと噛み合う内歯スプラインを有している。また、サイド・ギヤ60a、60bはそれぞれ第1アキシャルハブ62a、62bを有し、これらの第1アキシャルハブはケーシング24内に形成された対応環状ソケット56、58内に座合される。またサイド・ギヤ60a、60bは、それぞれ第2アキシャルハブ64a、64bを有している。整合した軸溝32a、34aおよび第2アキシャルハブ64a、64b内には、ケーシング24の端壁面と車軸32、34の端セグメントとの間でサイド・ギヤ60a、60bを軸線方向に位置決めしかつ拘束するためのC型リテーナスプリングすなわちC型クリップが保持されている。ギヤセット30は更に、サイド・ギヤ60a、60bおよび車軸32,34を互いに軸線方向に間隔を隔てた関係に維持すると同時にC型クリップが溝32a、34aから不意に外れることを防止するためのスペーサブロック組立体68を有している。ひとたび取り付けられると、スペーサブロック組立体68は、車軸32、34およびケーシング24に対して自由に回転できる。 【0013】図3および図4から最も良く理解されるように、ヘリカルギヤセット30はまた、ケーシング24に形成された第1ポケット72内にジャーナル支持された1組の第1ヘリカルピニオン70と、ケーシング24に形成された第2ポケット76内にジャーナル支持された1組の第2ヘリカルピニオン74とを有している。図示の差動装置10は各2つの第1ピニオン70および第2ピニオン74を有するものであるが、これに限定されるものではない。ポケット72、76は部分円筒状の細長いボアであり、かつチャンバ40と連通するように1対の組をなして形成されている。また、ポケット72、76は、第1ピニオン70のピニオン回転軸線「B」および第2ピニオン74の回転軸線「C」(これらの回転軸線B、Cは回転軸線「A」に対して平行である)を形成するように、等間隔を隔てて周方向に整合して配置されている。 【0014】図10および図11から最も良く理解されようが、各第1ポケット72は、ドラムセグメント42の第1端壁77を貫通して開口78を形成しかつラジアル端面80に終端するブラインドボアである。これに対し、各第2ポケット76は、ドラムセグメント42の第2端壁82を貫通して開口84を形成しかつラジアル端面86に終端するブラインドボアである。差動装置ケーシング24のフランジセグメント44と、ドラムセグメント42の端壁とが同一平面内にあるものが図示されているが、これは必須のものではない。ケーシング24のドラムセグメント42には、少なくとも1つ、好ましくは2つの大きな窓孔88が形成されている。窓孔88はチャンバ40およびポケット72、76の一部と連通しており、ケーシング24の機械加工のためのアクセスを可能にしかつサイド・ギヤ60a、60bの取付けを容易にする。ケーシング24のこの一体構造により、サイド・ギヤソケット56、58およびピニオンポケット72、76を1回の機械加工段取りで機械加工でき(すなわち、前述の特徴を機械加工するのに、ケーシング24を1回だけ固定すればよい)、このため、機械加工の労力を軽減できると同時に、中心軸線「A」に対するピニオン70、74の回転軸線の整合性を向上させることができる。 【0015】図3および図4に示す構成によれば、サイド・ギヤ60a、60bは、窓孔88を通して中空内部40内に入れられ、それぞれ、第1および第2サイド・ギヤソケット56、58内に配置される。車軸32、34は対応する車軸トラニオン48、50内に通され、かつ対応サイド・ギヤ60a、60bにスプライン係合される。次に、両サイド・ギヤ60a、60bの間にスペーサブロック組立体68が配置される。第1ピニオン70が、第1ピニオンポケット72の開口78を通って差動装置ケーシング24内に配置される。図示の特定実施形態では、第1ピニオン70の支柱セグメント70aが最初に開口78内に導入され、かつその終端面70bがポケット72の端面80に当接または近接するまでポケット72内に滑入される。これにより、第1ピニオン70のヘリカルギヤセグメント70cがサイド・ギヤ60aと噛み合わされ、一方、支柱セグメント70aはサイド・ギヤ60bから間隔を隔てている。同様に、第2ピニオン74が第2ピニオンポケット76の開口84内に導入され、かつ支柱セグメント74aの終端面74bがポケット76の端面86に当接または近接するまでポケット76内に滑入される。これにより、第2ピニオンギヤ74が差動装置ケーシング24内に配置され、そのヘリカルギヤセグメント74cが第2サイド・ギヤ60bおよび1つの第1ピニオンギヤ70のギヤセグメント70cと噛み合わされ、一方、支柱セグメント74aはサイド・ギヤ60aから間隔を隔てている。ピニオン70、76が差動装置ケーシング24に装着されたならば、栓90が開口78、84内に配置され、螺着、圧嵌め、ステーキング、溶接または他の適当な保持手段により開口78、84内に保持される。栓90は、差動装置10のサービス時にピニオンを容易に取り外すことができるようにするため、着脱可能であることが好ましい。栓90は、ポケット72、76の開口端部閉じる機能、従って、差動装置ケーシング24から第1および第2ピニオンギヤ70、74が抜け出ることを防止する機能を有する。 【0016】任意の構造として、図3および図4に示したピニオン70、74の装着方向を反転させ、支柱セグメント70a、74aの終端面70b、74bが栓90に近接するように構成できる。このような別のギヤ構成を使用する場合には、図12に示す栓190を使用できる。各栓190には支柱セグメント70a、74aをジャーナル支持するための環状ハブ192が設けられており、ポケット72、76内でのピニオン70、74の揺動を更に制限できる。 【0017】以上、幾つかの実施形態に関して明細書で説明しかつ添付図面に示したが、当業者ならば、特許請求の範囲に記載の本発明の範囲から逸脱することなく種々の変更をなし得るであろうし、構成部品を均等物に置換できるであろう。また、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、本発明の教示に特定状況または材料を適用できるであろう。従って、本発明は、本発明を実施する上で現在考えられる最良の形態として添付図面に示しかつ明細書で説明した特定実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲の記載に包含されるあらゆる実施形態を含むものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】596105150 【氏名又は名称】アメリカン アクセル アンド マニュファクチュアリング インコーポレイテッド
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| 【出願日】 |
平成12年5月8日(2000.5.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100095614 【弁理士】 【氏名又は名称】越川 隆夫
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| 【公開番号】 |
特開2000−329213(P2000−329213A) |
| 【公開日】 |
平成12年11月30日(2000.11.30) |
| 【出願番号】 |
特願2000−134725(P2000−134725) |
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