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【発明の名称】 回転操作装置
【発明者】 【氏名】中田 直樹

【要約】 【課題】小型で耐久性に優れ、逆転防止機構が不要で、駆動対象からの振動等を操作側へ伝えない回転操作装置の提供。

【解決手段】駆動側かさ歯車12と従動側かさ歯車13とを回転軸を直交させてケーシング11内で噛み合わさせ、従動側かさ歯車13に一体回転するナット14を設ける。ナット14のめねじと噛み合わせさせたギヤードケーブル20を、従動側かさ歯車13及びナット14の軸芯に貫通させて、ギヤードケーブルケーブル20の末端を船外機3と接続する。ハンドル2を回転させて駆動側かさ歯車12を回転させると、従動側かさ歯車13がナット14とともに回転し、軸芯のギヤードケーブル20をねじ運動によって押し引きし、それにより、船外機3の舵の向きが変わる。ギヤードケーブル20のギヤ部には曲がり応力が掛からないため、曲げ疲労が生じず、耐久性に優れる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転操作されるハンドル等の回転操作手段の回転により、駆動用ケーブルの押し引きを行って、該駆動用ケーブルに連結された駆動対象を駆動操作する回転操作装置において、前記回転操作手段の回転操作により回転する駆動側歯車と、前記駆動側歯車に噛み合い前記駆動側歯車の回転に応じて回転する歯車であって、同一回転軸で一体回転するめねじを備えた従動側歯車と、前記駆動対象を駆動操作する前記駆動用ケーブルであって、前記従動側歯車の軸芯を貫通して配され前記めねじと噛み合うギヤ部を備え、前記従動側歯車及び前記めねじの回転に伴うねじ運動によって前記めねじの回転軸方向の押し引きによって前記駆動対象を駆動するギヤードケーブルとからなることを特徴とする回転操作装置。
【請求項2】 前記駆動側歯車及び前記従動側歯車は、それぞれ互いに噛み合うかさ歯車であることを特徴とする請求項1記載の回転操作装置。
【請求項3】 前記各かさ歯車は、各回転軸が直交して配され、該各かさ歯車により前記回転操作手段の回転入力を90度偏向することを特徴とする請求項2記載の回転操作装置。
【請求項4】 前記めねじが形成されためねじ部材が、前記従動側部材の軸方向に配列されて前記従動側歯車と一体回転するように連結されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の回転操作装置。
【請求項5】 前記駆動対象が舵付船外機であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の回転操作装置。
【請求項6】 前記駆動対象が窓の開閉装置であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の回転操作装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、船外機の舵取り装置や、窓の開閉装置など、手動によるハンドル等の回転操作によって、ケーブルを介して駆動対象を駆動する回転操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、窓の開閉装置、船外機の舵取り装置など、ハンドル操作を行ってケーブルを介して駆動対象を駆動するものにおいては、(1)ハンドルの回転により回転するドラムに、駆動対象と連結されたプッシュプルケーブルを巻き付けて、ハンドル操作によりドラムを回転させてプッシュプルケーブルの巻き取り及び繰り出しを行うことによって駆動操作を行うもの、(2)歯車の外周にギヤードケーブルを巻き付けて、歯車の回転によってギヤードケーブルを駆動するもの、(3)ハンドルの回転をラックアンドピニオンを用いてプッシュプルケーブルへ伝え、さらにプッシュプルケーブルによって駆動対象を駆動操作させるものなどがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した(1)〜(3)のものでは、いずれもケーブルの曲げ疲労が大きく、耐久性に難点があるとともに、操作ハンドルに駆動対象からの逆入力が加わる恐れがあり、一方向クラッチなどの逆転防止機構が別途必要となる。また、(3)のものでは大きな設置スペースが必要であり、小型、軽量化の障害となるなどの問題がある。
【0004】本発明は、小型で耐久性に優れるとともに、逆転防止機構が不要で、駆動対象からの振動等を操作側へ伝えない操作性に優れた回転操作装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、請求項1では、回転操作されるハンドル等の回転操作手段の回転により、駆動用ケーブルの押し引きを行って、該駆動用ケーブルに連結された駆動対象を駆動操作する回転操作装置において、前記回転操作手段の回転操作により回転する駆動側歯車と、前記駆動側歯車に噛み合い前記駆動側歯車の回転に応じて回転する歯車であって、同一回転軸で一体回転するめねじを備えた従動側歯車と、前記駆動対象を駆動操作する前記駆動用ケーブルであって、前記従動側歯車の軸芯を貫通して配され前記めねじと噛み合うギヤ部を備え、前記従動側歯車及び前記めねじの回転に伴うねじ運動によって前記めねじの回転軸方向の押し引きによって前記駆動対象を駆動するギヤードケーブルとからなることを特徴とする。
【0006】請求項2は、請求項1において、前記駆動側歯車及び前記従動側歯車は、それぞれ互いに噛み合うかさ歯車であることを特徴とする。請求項3は、請求項2において、前記各かさ歯車は、各回転軸が直交して配され、該各かさ歯車により前記回転操作手段の回転入力を90度偏向することを特徴とする。
【0007】請求項4は、請求項1から3において、前記めねじが形成されためねじ部材が、前記従動側部材の軸方向に配列されて前記従動側歯車と一体回転するように連結されていることを特徴とする。請求項5は、請求項1から4において、前記駆動対象が舵付船外機であることを特徴とする。請求項6は、請求項1から4において、前記駆動対象が窓の開閉装置であることを特徴とする。
【0008】
【発明の作用・効果】この発明では、回転操作手段が回転操作されると、その回転が駆動側歯車によって従動側歯車へ伝達され、めねじが備えられた従動側歯車が回転する。従動側歯車の軸芯には、ギヤードケーブルが貫通して配され、そのギヤ部はめねじと噛み合っている。従動側歯車およびめねじが回転すると、ギヤ部がねじ運動によって軸方向に押し引きされてギヤードケーブルの軸方向に進退し、駆動対象が駆動される。駆動対象を駆動するギヤードケーブルは、ギヤ部がめねじとのねじ運動によって押し引きされるだけであり、ギヤードケーブルに曲げ応力が加わらない。従って、ギヤ部に曲げ疲労などが生じることがなく、ケーブルを曲げて使うものに比べて、耐久性が優れる。また、ギヤードケーブルを用いるに当たって、ギヤードケーブルのギヤ部のピッチ角を小さく設定することによって、駆動対象側からの振動が回転操作手段がわへ伝わらないようにすることができるため、逆転防止機構が不要となり、小型で安価な装置とすることができる。
【0009】請求項2、3では、駆動側歯車と従動側歯車とがともにかさ歯車であるため、ハンドルなどの回転操作手段の回転軸の向きと、ギヤードケーブルによって伝達される駆動方向の向きとを容易に偏向できる。
【0010】請求項4では、ギヤードケーブルと噛み合うめねじをめねじ部材に形成し、このめねじ部材を従動側歯車の軸方向に配列して連結するため、それぞれの従動側歯車とめねじ部材の加工が容易となり、安価に製造できる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の回転操作装置10を用いた船外機付ボート1を示す。船外機付ボート1において、2は、船の運転席に設けられたハンドル、3は、舵を備えた船外機、10は、船外機付ボート1の進行方向を操作するための回転操作装置10であり、回転操作装置10と船外機3との間は、船外機3の舵を駆動するためのギャドケーブル20によって連結されている。
【0012】回転操作装置10は、ケーシング11に、駆動側かさ歯車12と従動側かさ歯車13とが、それぞれ軸受けによって回転自在に支持されている。駆動側かさ歯車12は、図2、図3に示すように、ハンドル2の回転軸2aによって直接回転駆動され、従動側かさ歯車13は、駆動側かさ歯車12に比べてその径が小さく設定されて駆動側かさ歯車12と噛み合うに設けられている。ここでは、従動側かさ歯車13の回転軸は、駆動側かさ歯車12の回転軸に対して90度偏向した方向に設けられている。
【0013】従動側かさ歯車13には、その回転軸方向にナット14が連結されている。従動側かさ歯車13とナット14とは、例えば、従動側かさ歯車13の中心に形成したほぞ付の貫通穴内にナット14を挿入、嵌合させて、溶接等によって結合させて、従動側かさ歯車13とナット14とを一体回転するようにしてあり、ナット14の中心には、後述するギャドケーブル20と噛み合うめねじ15が形成されている。
【0014】ギャドケーブル20は、ケーブル軸21に対してねじ部形成線材である外装ワイヤー22を巻き付けた周知のもので、外装ワイヤー22の巻き付け時のケーブル軸21の塑性変形によって、一体化されている。尚、23は、ギャドケーブル20の外側に設けられたアウターケーブルである。
【0015】以上の構成からなる回転操作装置10は、船外機付ボート1の運転席に配置され、船尾に設けられた舵付の船外機3との間を、上述のギャドケーブル20によって連結され、ハンドル2の操作に応じて船外機3の方向を変更する。この操作において、駆動側かさ歯車12が回転すると、従動側かさ歯車13が噛み合いによって回転し、同時に、ナット14が回転する。ナット14の軸芯を貫通したギャドケーブル20は、ナット14の回転に伴うねじ運動によって、ナット14の軸方向に移動し、ギャドケーブル20を押し引きすることによって、船外機3の方向を操作する。
【0016】回転操作装置10において、ギャドケーブル20は、ナット14の軸芯で直線状に配置されているため、ねじ運動する際には、ギャドケーブル20は、曲げ疲労を生じない。従って、耐久性に優れる。また、船外機3は機関を有し、振動が発生するが、ギャドケーブル20において、外装ワイヤー22のピッチ角を小さく設定することで、振動の伝達が抑制され、船外機3からの逆入力がハンドルに伝わることを防止できる。これに伴い、例えば、一方向クラッチなどの逆転防止装置を設ける必要がない。
【0017】以上の実施例では、駆動側歯車と従動側歯車として、中心軸が90°で交差する二つのかさ歯車を噛み合わせたものを示したが、90°以外の角度で噛み合うかさ歯車でもよい。また、歯の向きが中心軸方向に向いたものを示したが、まがりかさ歯車でもよい。また、歯車は、かさ歯車以外でもよい。
【0018】上記実施例では、船外機付ボートを示したが、図4に示すような、窓装置100を折り畳み式の手回しハンドル200の遠隔操作によって開閉する窓の開閉装置110などでもよい。この場合、ハンドルとしては、折り畳み式の他に、上記実施例の船外機付ボート1の場合と同様に、環状のハンドルを用いることもできる。
【出願人】 【識別番号】000210986
【氏名又は名称】中央発條株式会社
【出願日】 平成11年5月18日(1999.5.18)
【代理人】 【識別番号】100080045
【弁理士】
【氏名又は名称】石黒 健二
【公開番号】 特開2000−329210(P2000−329210A)
【公開日】 平成12年11月30日(2000.11.30)
【出願番号】 特願平11−136632