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【発明の名称】 歯車式無段自動変速機
【発明者】 【氏名】佐々木 洋雄

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】エンジンからの駆動力は入力ギヤ(2)に入る。入力ギヤはリングギヤ(3)の外接歯車と噛み合っている。リングギヤはピニオンギヤ(4),ピニオンギヤ(5)と連動しており、ビニオンギヤ(4),ピニオンギヤ(5)はサイドギヤ(6),サイドギヤ(7)と歯車で噛み合っている。サイドギヤ(7)は、この装置の出力軸(8)と一体化しており、もう一方のサイドギヤ(6)は、作用軸(9)と一体化している。
【請求項2】作用軸(9)にギヤA(10)は固定されている。ギヤAは、ギヤB(11)が1個,ギヤC(12)が1個を1組として各々が噛み合っている。ギヤCは、リングギヤの内接歯車と噛み合っている。図2では、ギヤB,ギヤCは2組となっているが力学的強度を考慮すれば組数の増減は可能である。ギヤA,ギヤB,ギヤCは作用軸の駆動トルクをリングギヤへ戻す。即ち作用軸の回転数をギヤA,ギヤB,ギヤCで順次増速してリングギヤにトルクを戻すように歯数を設定した増速機構となっている。(図3) この増速機構により作用軸の駆動トルクをリングギヤに戻すと共にギヤA,ギヤB,ギヤCにより、作用軸に高負荷をかけて回転数を低速に維持し出力軸が高速回転をするように作用する。
【請求項3】トルクコンバータは回転式流体ポンプを利用する。(この例ではワンケル型ロータリーエンジンの機構をトルクコンバータとして利用しているが、内外歯車式,ギヤ式,ベーン式等の各ポンプでも吐出性能が充たされればどれでも良い。)
図2においてトルクコンバータ(14)はギヤ軸受板(13)に固定されており、そのトルクコンバータを作用軸は貫通している。図4において作用軸は作用軸ギヤ(17)とも固定されている。作用軸ギヤはローター(19)の内接歯車であるローターギヤ(18)と噛み合っている。トルクコンバータの吐出側のポートb(21)はパイプb(25)に、ポートd(23)はパイプd(27)に連結されており、パイプb,パイプdはE・Bバルブ(33)を経由して流量調整弁(28)の入力側と連結している。またトルクコンバータの吸入側のポートa(20)はパイプa(24)に、ポートc(22)はパイプc(26)に連結されそれぞれのパイプは流量調整弁の出力側に連結されている。これによりトルクコンバータの液体の流路の閉回路が出来上がる。
【発明の詳細な説明】【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車のエンジンの駆動力を全て従来の遊星歯車方式と同様にトルクコンバータと歯車により伝達しているが、変速のための歯車の組合せ変更がないため変速ショックがなく、それに回転式流体ポンプのトルクコンバータ(後述)を使用しているため高トルクの伝達容量を有している。高トルクの伝達容量を有しているのでエンジン排気量の小さい小型車は勿論、排気量の大きい中・大型車においても使用が可能な自動車の歯車式無段自動変速機である。
【0002】
【従来の技術】自動車の自動変速機で現在実用化されているものに遊星歯車方式とベルトドライブ方式がある。ベルトドライブ方式の変速機は従来の遊星歯車方式の自動変速機と違って出力ロスが少なく変速用の歯車を使っていないので変速ショックも少ない等の利点がある。それにドライブプーリーとドリブンプーリーの溝幅を油圧や電動等により制御し、プーリーの半径比を変更することによって無段階に変速比を変更することが可能である。ベルトドライブ方式は遊星歯車方式の自動変速機と比べてベルトによる駆動トルクの伝達ということでは、伝達トルクの容量に限界があるため排気量の大きな車には、現在のところ利用されていない。この他にもトロイダル方式も研究されているが、この方式も現在のところ実用化はされていない。遊星歯車方式の自動変速機は、基本的には車速、アクセル開度、加速、減速等、各々の条件をコンピューターで処理し、ただ人間が介在せずに油圧で各々の遊星歯車にブレーキを掛けたり開放したりして組合せを変更しているだけである。速度変化に対して歯車の組合せを変更するのでどうしても構造上、変速ショックは避けられない。遊星歯車方式の自動変速機は、フルードカップリング式のトルクコンバータを使っており、また歯車の組合せ変更には油圧を利用しているのでマニュアル変速機よりも燃費が悪く、また構造やシステムがより複雑になっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ベルトドライブ方式のように無段階で自動変速し、変速ショック及び出力ロスの少ない変速機で、また遊星歯車方式のように伝達トルク容量が大きく、しかも制御機器や構造の簡素化を目的とした歯車式無段自動変速機である。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を達成するために、以下のような構造の変速機を発明した。まずエンジンからの駆動力は入力ギヤ(2)に入る。入力ギヤはリングギヤ(3)の外接歯車と噛み合っている。リングギヤはピニオンギヤ(4),ピニオンギヤ(5)と連動しており、ピニオンギヤ(4),ピニオンギヤ(5)はサイドギヤ(6),サイドギヤ(7)と歯車で噛み合っている。サイドギヤ(7)は、この装置の出力軸(8)と一体化しており、もう一方のサイドギヤ(6)は、作用軸(9)と一体化している。
【0005】この作用軸にギヤA(10)は固定されている。ギヤAは、ギヤB(11)が1個,ギヤC(12)が1個を1組として各々が噛み合っている。図2では、ギヤB,ギヤCは2組となっているが力学的強度を考慮すれば組数の増減は可能である。ギヤCは、リングギヤの内接歯車と噛み合っている。図2においてギヤB,ギヤCはギヤ軸受板(13)に取り付けられており、ギヤA、ギヤB,ギヤCは作用軸の駆動トルクをリングギヤへ戻す。即ち作用軸の回転数をギヤA、ギヤB,ギヤCで順次増速してリングギヤにトルクを戻すように歯数を設定した増速機構となっている。この増速機構により作用軸の駆動トルクをリングギヤに戻すとともにギヤA,ギヤB,ギヤCにより、作用軸に高負荷をかけて回転数を低速に維持し出力軸が高速回転をするように作用する。作用軸はトルクコンバータ(14)を貫通し、ミッションケーシング(1)の軸受(15)で支持されている。
【0006】このトルクコンバータは回転式流体ポンプを利用する。(この例ではワンケル型ロータリーエンジンの機構をトルクコンバータとして利用しているが、内外歯車式,ギヤ式,ベーン式等の各ポンプでも吐出性能が充たされれぱどれでも良い)図2においてトルクコンバータ(14)はギヤ軸受板(13)に固定されており、そのトルクコンバータを作用軸は貫通している。図4において作用軸は作用軸ギヤ(17)とも固定されている。作用軸ギヤはローター(19)の内接歯車であるローターギヤ(18)と噛み合っている。トルクコンバータの吐出側のボートb(21)はパイプb(25)に、ポートd(23)はパイプd(27)に連結されており、パイプb,パイプdはE.Bバルブ(33)を経由して流量調整弁(28)の入力側と連結している。またトルクコンバータの吸入側のポートa(20)はパイプa(24)に、ポートc(22)はパイプc(26)に連結されそれぞれのパイプは流量調整弁の出力側に連結されている。これによりトルクコンバータの液体の流路の閉回路が出来上がる。
【0007】E・Bバルブは、エンジンブレーキをかけるときにのみ液体の流れをストップさせるバルブである。図5の流量調整弁は、弁体(30)をスプリング(32)で弁ケーシング(31)に押しつけて流体に一定の負荷をかける。
【0008】
【作用】入力ギヤ(2)はリングギヤ(3)を駆動し、リングギヤはビニオンギヤ(4),ピニオンギヤ(5)を公転及び自転させる。ピニオンギヤ(4)とピニオンギヤ(5)は、出力軸(8)の負荷と作用軸(9)の負荷の大小により、公転とともに左回転又は右回転の自転を行ってサイドギヤ(6),サイドギヤ(7)に回転の駆動力を伝えている。出力軸(8)の駆動力は、駆動輪の差動装置(図6参照)へ出力される。
【0009】リングギヤ(3),出力軸(8),作用軸(9)の各々の回転数による相関関係は下記の通りとなる。
1.出力軸に作用軸より高負荷がかかると、出力軸はリングギヤより低速回転になり、作用軸はリングギヤより高速回転になる。
2.出力軸と作用軸の負荷が同一になった場合は出力軸、作用軸、リングギヤの回転数及び回転方向は同一となる。
3.出力軸の負荷より、作用軸に高負荷がかかると、出力軸はリングギヤより高速回転になり、作用軸はリングギヤより低速回転になる。

以上のことから出力軸の回転数×出力軸側負荷=作用軸の回転数×作用軸側負荷=θとなる。(以後 等式θと略す)
【0010】図2はトルク・フィードバック・ユニット(以後TFUと略す)の正面図と側面図であるが、【0005】項で説明したようにこの図ではギヤ軸受板(13)には、回転式流体ポンプのトルクコンバータ(14)から常に右回転の力(流量調整弁がオイルを制限することによる反作用=以後トルクαと略す)が働いている。ギヤ軸受板には、ギヤB(11),ギヤC(12)の中心軸が固定されており、ギヤCはギヤB,ギヤA(10)によりリングギヤを右回転させる力が働いている。ギヤ軸受板が左回転するということは、このギヤ軸受板に固定されているトルクコンバータが左回転をし、出力軸ギヤ(17)との回転数の差が大きくなる。即ち出力軸の負荷が小さく回転数が大きくなると【0009】の3により作用軸の回転数が小さくなる。尚この出力軸と作用軸の負荷の関係が進むと、作用軸は左回転をするようになる。作用軸側の駆動力をリングギヤに戻す役割をする機構がTFUである。また、その反作用として出力軸(8)に同等のトルク(以後トルクβと略す)が発生する。
【0011】トルクコンバータとしての回転式流体ポンプについて図4で説明する。このポンプは、ワンケル型ロータリーエンジンの動作原理を利用したものである。作用軸(9)は作用軸ギヤ(17)と固定されており、作用軸が図4の矢印の方向に右回転すれば、作用軸ギヤも右回転する。作用軸ギヤとローターギヤ(18)は噛み合っており、作用軸の回転によりローターも右回転をする。ローターの回転によりポートa(20),ポートb(21),ポートc(22),ポートd(22)は、A〜Dの各工程においては以下のような状態になる。
A工程ポートa、ポートcは吸入工程に、ポートb、ポートdは吐出工程にあるB工程ポートa、ポートcは吸入工程に、ポートb、ポートdは吐出工程にあるC工程ポートa、ポートcは吸入工程に、ポートb、ポートdは吐出工程にあるD工程ポートa、ポートcは吸入工程に、ポートb、ポートdは吐出工程にある以上のようにこのポンプは常時ポートa,ポートcは吸入しておりポートb,ポートdは吐出している。パイプa(24)とパイプc(26)の吸入側パイプは流量調整弁(28)の出力側に、パイプb(25)とパイプd(27)の吐出側パイプは流量調整弁の入力側に各々連結する。以上の構造の回転式流体ポンプをトルクコンバータとしてギヤ軸受板(13)に固定してトルクαを伝えている。上記説明は前進のみであるが、後退の場合は逆回転になり吸入側と吐出側が入れ替わるが機能そのものについては変化はない。
【0012】図5の流量調整弁は、液体の流量を制限することによってトルクコンバータのポートの吐出側を高圧にする。高圧になれば、ローターの回転を阻害する方向にはたらく。回転式流体ポンプの回転数が高くなって液体の流量が多くなると吐出側が高圧になり、スプリング(32)で押された弁体(30)を押し上げて流量を増やすため、ローターの回転を阻害する方向へより大きなトルクが発生する。ローターの回転数(液体の流量)と、ローターの回転を阻害する方向へ発生するトルク(トルクα)の大きさの関係は、ローターの回転数が高くなるに従ってトルクも大きくなる。 この弁の圧力の初期設定は、エンジンのアイドリング時の回転数で出力軸(8)が少し回転する状態(クリープ現象)が起こる圧力に調整されている。前進の場合はaの経路を液体が流れ、後進の場合はbの経路を液体が流れる。液体の流れる方向が変化するだけで機能としては全く変化はない。
【0013】
【実施例】上記のように構成された無段自動変速機の動作は、下記のようになる。図6の機能要素概念図のように、エンジンの駆動力は切替機構を経て図1の入力ギヤ(2)へ入力される。エンジンの駆動力は入力ギヤ(2)を介してリングギヤ(3)を駆動する。始めに、アイドリング時から発進し、加速するまでを説明する。アイドリング時であるので、エンジンは低速回転をしている。切替機構で、中立から前進に切替えると、エンジンの駆動力は変速機へと伝えられる。入力ギヤ(2)から入力された駆動力はリングギヤを経て出力軸(8)と作用軸(9)へと分配される。停止状態でかつブレーキが踏まれている状態であるので、出力軸(8)の回転数はゼロである。出力軸の回転数がゼロのため、反作用として出力軸にはトルクβが発生しているが駆動力はすべて作用軸(9)へ出力される。しかし、【0012】の説明によりトルクβは、クリープ現象を起こさせる程度に流量調整弁(28)のスプリング(32)で弁圧を調整している。この状態でブレーキを開放すると、出力軸にはトルクβが発生しているので車はゆっくりと動き始める。(クリープ現象が生じる状態)
次にアクセルを踏んで加速する。エンジンの回転数が高速になるとリングギヤ(3)の回転数が高速になる。加速のために負荷が大きくなるが出力軸(8)の回転数は急には上らない。出力軸側が低速高負荷になると作用軸は高速回転をしてトルクβは大きくなる。トルクβが大きくなるため出力軸の回転数も次第に高くなり、現時点のエンジン回転数での最大出力走行まで加速される。(等式θの出力軸側と作用軸側が等しくなるまで加速される。)
後退の場合は、全て逆回転するだけで機能としては変化はしない。
【0014】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成されているので以下に記載するような効果を発揮する。
1.高トルク容量の駆動力伝達が可能なため、中・大型車にも利用できる。
2.変速用の多段歯車が無い構造のため、変速ショックが少しも無い。
3.ベルトドライブ方式と同様にエンジンの出力に対して常に最高速度を維持する機構になっているので、燃費が良い。
4.従来の遊星歯車方式の自動変速機と違い、構造が非常に簡単に出来ている。
5.構造が簡単なため製造コストが安く、また燃費が良いので燃料費が安くなり、経済的効果が大きい。
【0012】
【出願人】 【識別番号】395001895
【氏名又は名称】佐々木 洋雄
【出願日】 平成11年4月22日(1999.4.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−304111(P2000−304111A)
【公開日】 平成12年11月2日(2000.11.2)
【出願番号】 特願平11−155597