| 【発明の名称】 |
遊星ローラ式動力伝達装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】川瀬 達夫
【氏名】福島 茂明
【氏名】牧野 智昭
【氏名】阪東 広道
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| 【要約】 |
【課題】高精度の穴加工や小さなボールの取り扱いをなくし、低コスト化、組立の容易化を図る。
【解決手段】高速軸1に同心状に外挿される固定輪2と、高速軸1と固定輪2との間に圧接状態で介装される複数の遊星ローラ3と、有底の円筒部分4aを有し、各遊星ローラ3を回転自在にかつ円周方向で等間隔に保持するキャリア4とを備え、キャリア4のうちの円筒部分4aの底部4a1を高速軸1および低速軸7のそれぞれの軸端間に配置した遊星ローラ式動力伝達装置において、高速軸1および低速軸7の軸端をキャリア4の底部4a1に直接接触させる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 同軸配置された高速軸と低速軸との間で動力伝達を行うものであって、高速軸に同心状に外挿される固定輪と、高速軸と固定輪との間に圧接状態で介装される複数の遊星ローラと、有底の円筒部を有し、各遊星ローラを回転自在にかつ円周方向で等間隔に保持するキャリアとを備え、キャリアのうちの円筒部底部を高速軸および低速軸のそれぞれの軸端間に配置したものにおいて、高速軸および低速軸のうち、少なくとも何れか一方の軸の軸端をキャリアの底部に直接接触させたことを特徴とする遊星ローラ式動力伝達装置。 【請求項2】 互いに接触する軸端およびキャリア底部のそれぞれの接触面のうち、少なくとも何れか一方の接触面を接触相手側に突出させたことを特徴とする請求項1記載の遊星ローラ式動力伝達装置。 【請求項3】 互いに接触する軸端およびキャリア底部のそれぞれの接触面のうち、少なくとも何れか一方の接触面を凸球面状に形成した請求項1記載の遊星ローラ式動力伝達装置。 【請求項4】 同軸配置された高速軸と低速軸との間で動力伝達を行うものであって、高速軸に同心状に外挿される固定輪と、高速軸と固定輪との間に圧接状態で介装される複数の遊星ローラと、有底の円筒部を有し、各遊星ローラを回転自在にかつ円周方向で等間隔に保持するキャリアとを備え、キャリアのうちの円筒部底部を高速軸および低速軸のそれぞれの軸端間に配置したものにおいて、高速軸および低速軸のうち、少なくとも何れか一方の軸の軸端とキャリアの底部との間に板状の支持部材を介装し、当該軸端と支持部材とを直接接触させたことを特徴とする遊星ローラ式動力伝達装置。 【請求項5】 互いに接触する軸端および支持部材のそれぞれの接触面のうち、少なくとも何れか一方の接触面を接触相手側に突出させたことを特徴とする請求項4記載の遊星ローラ式動力伝達装置。 【請求項6】 互いに接触する軸端および支持部材のそれぞれの接触面のうち、少なくとも何れか一方の接触面を凸球面状に形成した請求項4記載の遊星ローラ式動力伝達装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、遊星ローラがキャリアとすべり接触することで遊星ローラの公転をキャリアに伝達する遊星ローラ式動力伝達装置に関する。 【0002】 【従来の技術】遊星歯車を構成する各歯車をローラまたはリング状部材に置き換えた遊星ローラ式動力伝達装置として、例えば図4に示す装置が公知である(特開平9-152003号参照)。これは、軸心を一致させて配置された高速軸1およびリング2と、この高速軸1とリング2の間の空間に配置された複数の遊星ローラ3と、この遊星ローラ3を円周方向に等間隔かつ回転自在に保持するキャリア4とで構成される。キャリア4は有底円筒状をなし、そのうちの円筒部4aにローラ式一方向クラッチ6を介して低速軸7が挿入されている。円筒部4aの底部4a1の中心付近に設けられた貫通穴20には硬質部材21が圧入され、この硬質部材21を間に挟んで高速軸1および低速軸7の軸端が対向している。高速軸1および低速軸7は、その先端にはめ入れたボール23を硬質部材21に当接させることにより、軸方向で位置決めされている。この装置においては、例えばリング2の円周方向の回転を規制することで、高速軸1とキャリア4との間で動力伝達が行われる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記のようにボール23との当接部位に硬質部材21を配設する場合、キャリア4の底部4a1には、硬質部材21を収容する貫通穴20を形成するために精度の良い穴加工を必要とし、これがコストアップの要因となる。また、組立時には小さなボール23を取り扱う必要があり、工程が煩わしくなる。 【0004】そこで、本発明では、さらなる低コスト化、組立の容易化を図ることを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明にかかる遊星ローラ式動力伝達装置は、同軸配置された高速軸と低速軸との間で動力伝達を行うものであって、高速軸に同心状に外挿される固定輪と、高速軸と固定輪との間に圧接状態で介装される複数の遊星ローラと、有底の円筒部を有し、各遊星ローラを回転自在にかつ円周方向で等間隔に保持するキャリアとを備え、キャリアのうちの円筒部底部を高速軸および低速軸のそれぞれの軸端間に配置したものにおいて、高速軸および低速軸のうち、少なくとも何れか一方の軸の軸端をキャリアの底部に直接接触させたものである。 【0006】互いに接触する軸端およびキャリア底部のそれぞれの接触面のうち、少なくとも何れか一方の接触面を接触相手側に突出させると、突出部の軸方向の寸法精度を出しやすくなる。また、少なくとも何れか一方の接触面を凸球面状に形成すると、動力の摩擦損失を減じることができる。 【0007】また、本発明にかかる遊星ローラ式動力伝達装置は、同軸配置された高速軸と低速軸との間で動力伝達を行うものであって、高速軸に同心状に外挿される固定輪と、高速軸と固定輪との間に圧接状態で介装される複数の遊星ローラと、有底の円筒部を有し、各遊星ローラを回転自在にかつ円周方向で等間隔に保持するキャリアとを備え、キャリアのうちの円筒部底部を高速軸および低速軸のそれぞれの軸端間に配置したものにおいて、高速軸および低速軸のうち、少なくとも何れか一方の軸の軸端とキャリアの底部との間に板状の支持部材を介装し、当該軸端と支持部材とを直接接触させたものである。 【0008】この場合、上記と同様に、互いに接触する軸端および支持部材のそれぞれの接触面のうち、少なくとも何れか一方の接触面を接触相手側に突出させたり、あるいは少なくとも何れか一方の接触面を凸球面状に形成することができる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1乃至図3および図5、6に基いて説明する。 【0010】図1(a)(b)に示すように、本発明にかかる遊星ローラ式動力伝達装置は、従来装置と同様に、太陽軸1(高速軸)、高速軸1に外挿される固定輪2、高速軸1と固定輪2との間に圧接状態で配置された複数の遊星ローラ3、各遊星ローラ3を回転自在に保持するキャリア4を主要構成要素とする。キャリア4は有底円筒状の円筒部4aを有し、円筒部4aの内空部にはローラ式一方向クラッチ6が収容され、さらにその内周部には高速軸1と同軸配置された低速軸7が挿入されている。円筒部4aは開口部を軸方向の一方(低速側)に向けて配置され、円筒部4aの底部4a1は、互いに対向する高速軸1と低速軸7の軸端間に配置されている。円筒部4aの他端側(高速側)には、各遊星ローラ3を収容するポケット40を円周方向の等配位置に備えた保持部4bが設けられている。 【0011】本発明では、図1(b)に示すように、高速軸1および低速軸7の軸端をキャリア底部4a1に直接接触させて、両軸1、7およびキャリア4の軸方向の位置決めを図ることとした。この場合、従来品のようにボール23および硬質部材21を使用する場合に比べると、硬質部材21を収容する貫通穴20を形成するための精密な孔加工が不要となり、また、小さなボール23を取り扱う必要もないので、組立上の煩わしさを回避することができる。 【0012】図2(a)〜(c)は図1(b)図のC部分を拡大したもので、上記接触部の具体例を示している。(a)図は互いに接触する高速軸1および低速軸7とキャリア底部4a1との双方の接触面を平坦面としたもので、精度のよい接触面を容易に加工することができ、さらに接触面圧を小さくできる利点を有する。(b)図はキャリア底部4a1の軸心近傍に、相手部材(軸)側に突出する凸状の突出部10(端面は平坦面)を形成し、この突出部10と高速軸1および低速軸7の端面とを直接当接させることでキャリア4の軸方向の移動を規制する構造を示している。この場合、突出部10の軸方向幅を一定の公差内に加工することが容易となるので、位置決め精度の向上が図れる。(c)図は突出部10を凸球面状に形成したもので、接触部における摩擦損失の低減が図られる。 【0013】図3(a)(b)は、高速軸1および低速軸7の軸端とキャリア4の底部4a1との間に円板状の支持部材11を介装し、当該軸端と支持部材11とを直接接触させることで両軸1、7およびキャリア4の軸方向の位置決めを図るものである。(a)図は各接触面を平坦面とした場合、(b)図は支持部材11の接触面を凸球面状に形成した場合である。この場合、支持部材11が円板状であるから従来品で用いたボールに比べて組立上の取り扱いが容易であり、工程の簡略化が図られる。両支持部材11の素材として、硬質部材(例えばSUSJ2に熱処理したもの)を用いれば耐摩耗性を改善することができ、また、含油材、例えば焼結剤に潤滑油を含浸させたものや樹脂材を用いれば、接触部での摩擦損失を抑えることができる。 【0014】以上の説明では、高速軸1と低速軸7の双方の軸端をキャリア底部4a1もしくは支持部材11に直接接触させているが、何れか一方の軸端のみをキャリア底部4a1や支持部材11に接触させ、他方の軸端を従来品と同様にボール23を介して位置決めしてもよい。また、突出部10はキャリア4側に設けるだけでなく、軸側に設けてもよい。 【0015】図1に例示したキャリア4は、図6に概略図示するようにキャリア4に設けたポケット40に遊星ローラ3を収容することにより、キャリア4を遊星ローラ3の外周面に接触させたものであるが、図4あるいは図5に示すようにキャリア4に突設した支持軸9を遊星ローラ3に挿入することにより、キャリア4を遊星ローラ3の内周面に接触させるものであってもよい。 【0016】 【発明の効果】本発明によれば、キャリアの底部に硬質部材を収容するための精度の良い穴加工が不要となり、コストの低減を図ることができる。また、組立時には小さなボールを取り扱う必要がなく、工程の簡略化が図られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000102692 【氏名又は名称】エヌティエヌ株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年10月14日(1998.10.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064584 【弁理士】 【氏名又は名称】江原 省吾 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−120819(P2000−120819A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月28日(2000.4.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−292543 |
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