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【発明の名称】 金属ベルト動力伝達機構
【発明者】 【氏名】李 鍾完

【要約】 【課題】多数の薄い金属ベルトによって駆動プーリと従動プーリとを連結し、各金属ベルトが同じ角速度でプーリを回る曲線運動によって、変速比に関係なく大きな動力を効率よく伝達できる金属ベルト動力伝達機構を提供する【解決手段】 駆動軸の軸方向に沿って前進後退運動ができるように設けられた、第1及び第2ベルト案内部が相対して各々形成されている第1駆動プーリ片及び第2駆動プーリ片を具備する駆動プーリと、駆動軸と平行に配置された従動軸の軸方向に沿って前進後退運動ができるように設けられた、第3及び第4ベルト案内部が相対して各々形成されている第1従動プーリ片及び第2従動プーリ片を具備する従動プーリと、駆動プーリ及び従動プーリのベルト案内部を巻き回りながら相互に干渉することなく走行可能な少なくとも二つのベルトとを具備し、駆動プーリと従動プーリとの速度比が任意のときに、少なくとも二つのベルトの全てのベルトの角速度が同一になり、各ベルト案内部は、所定曲率を有する傾斜面からなっている金属ベルト動力伝達機構。

【解決手段】駆動軸の軸方向に沿って前進後退運動ができるように設けられた、第1及び第2ベルト案内部が相対して各々形成されている第1駆動プーリ片及び第2駆動プーリ片を具備する駆動プーリと、駆動軸と平行に配置された従動軸の軸方向に沿って前進後退運動ができるように設けられた、第3及び第4ベルト案内部が相対して各々形成されている第1従動プーリ片及び第2従動プーリ片を具備する従動プーリと、駆動プーリ及び従動プーリのベルト案内部を巻き回りながら相互に干渉することなく走行可能な少なくとも二つのベルトとを具備し、駆動プーリと従動プーリとの速度比が任意のときに、少なくとも二つのベルトの全てのベルトの角速度が同一になり、各ベルト案内部は、所定曲率を有する傾斜面からなっている金属ベルト動力伝達機構。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 駆動軸の軸方向に沿って前進後退運動ができるように前記駆動軸に設けられた、第1及び第2ベルト案内部が相対して各々形成されている第1駆動プーリ片及び第2駆動プーリ片を具備する駆動プーリと、前記駆動軸と平行に配置された従動軸の軸方向に沿って前進後退運動ができるように前記従動軸に設けられた、第3及び第4ベルト案内部が相対して各々形成されている第1動プーリ片及び第2従動プーリ片を具備する従動プーリと、前記駆動プーリ及び前記従動プーリの前記ベルト案内部を巻き回りながら相互に干渉することなく走行可能な少なくとも二つのベルトとを具備し、前記駆動プーリと前記従動プーリとの速度比が任意のときに、前記少なくとも二つのベルトの全てのベルトの角速度が同一になり、各ベルト案内部は、所定曲率を有する傾斜面からなっていることを特徴とする金属ベルト動力伝達機構。
【請求項2】 前記第1、第2ベルト案内部、および、第3及び第4ベルト案内部は、それぞれ、凹状の曲線型傾斜面を形成し、駆動プーリと従動プーリに同一形態に形成され、前記曲線型傾斜面の曲率半径は各プーリの半径方向の外側にいくほど大きくなって、運転時に、ベルトがベルト案内部に沿ってプーリの半径方向の外側にいくほどベルト間の隔離距離が大きくなり、半径方向の内側にいくほどベルト間の隔離距離が小さくなることを特徴とする、請求項1に記載の金属ベルト動力伝達機構。
【請求項3】 前記第1ベルト案内部及び第4ベルト案内部はそれぞれ直線型傾斜面の形態を成し、第2ベルト案内部及び第3ベルト案内部はそれぞれ凹状曲線型の傾斜面の形態を成し、第2及び第3ベルト案内部の曲面形状はプーリの半径方向の外側にいくほど曲率半径が大きくなることを特徴とする、請求項1に記載の金属ベルト動力伝達機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は伝動ベルトを用いた動力伝達機構に関し、より詳細には、伝動ベルトとして相異なるサイズの多数の金属ベルトを、駆動プーリと従動プーリに連結して構成した金属ベルト動力伝達機構に関する。
【0002】
【従来の技術】動力を伝達するためのいろいろな種類の伝動装置の一つであるベルト伝動装置は、駆動プーリの回転力をベルトを用いて従動プーリに伝達する装置であって、ベルトは普通伸縮性と弾力のあるゴム材質のものを多用してきた。しかし、このように構成された従来のゴムベルト伝動装置は、変速によって大きい動力が伝達できなかった。即ち、Vベルトのように幅に比べて厚さの大きいベルトは、ベルトが駆動プーリまたは従動プーリに接して曲線運動する時に厚さのためベルトが変形される。これは曲線走行によってベルトの外側面は伸び、ベルトの内側面は縮むことによって発生するのでこのような変形が発生するベルトを使用した変速装置では、大きな動力を伝達することができない。
【0003】また金属ベルトを重畳した形態では、ベルトの伸縮量が制限され、ベルトが切断されたり、プーリとのすべりが発生して効率が低下するという問題がある。即ち速度比が1でないときは、金属ベルトがプーリを巻き回るときの、金属ベルトの厚さ方向における角速度が相異なるので、プーリと金属ベルトとの間に力とすべりが発生してベルトが破損される恐れがあり、動力伝達効率が大きく劣化する。
【0004】更に、金属製プッシュブロックを積層して構成した金属ベルトが提案されている。この金属ベルトは非常に精密に製作された数百個のプッシュブロックを一つ一つ積層して構成したベルトであるが、一つのベルトを得るために数百個の精密なプッシュブロック及び各プッシュブロックを支持する金属積層ベルトを組立てなければならないので、製作が難しく、非常に高コストであるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】本発明は、前記のような問題点を解決するために創出されたものであって多数の薄い金属ベルトによって駆動プーリと従動プーリとを連結し、運転時に各金属ベルトが同じ角速度でプーリを回って曲線運動できるようにすることによって、変速比に関係なく大きな動力を効率よく伝達できるように構成された金属ベルト動力伝達機構を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために本発明は、駆動軸の軸方向に沿って前進後退運動ができるように設けられた、第1及び第2ベルト案内部が相対して各々形成されている第1駆動プーリ片及び第2駆動プーリ片を具備する駆動プーリと前記駆動軸と平行に配置された従動軸に設けられ、従動軸の軸方向に沿って前進後退運動ができ、第3及び第4ベルト案内部が相対して各々形成されている第1従動プーリ片及び第2従動プーリ片を具備する従動プーリと、前記駆動プーリ及び従動プーリのベルト案内部を巻き回りながら相互干渉なしに走行可能な少なくとも二つのベルトとを具備し、駆動プーリと従動プーリとの任意の速度比で全てのベルトの角速度が同一に、各ベルト案内部は所定曲率を有する傾斜面よりなることを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面を参照して、望ましい実施例によって、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施例に係る金属ベルト動力伝達機構の構成を説明するための概略図である。
【0008】図1に示すように、本実施例に係る金属ベルト動力伝達機構は、駆動軸11から動力を伝達されて回転すると同時に駆動軸11の軸方向に沿って前進後退運動ができる第1駆動プーリ片13及び第2駆動プーリ片15と、前記駆動軸11から所定距離だけ離隔して平行に配置された従動軸19に設けられた、従動軸19の軸方向に沿って前進後退運動ができる第1従動プーリ片21及び第2従動プーリ片23と、そして、駆動軸11の回転力を従動軸19に伝達する二つの金属ベルト27とを具備する。
【0009】前記金属ベルト27として、本実施例では内側ベルト45と外側ベルト47の二つを適用したが、実施態様に従って三つ以上のベルトを適用する場合もある。前記第1駆動プーリ片13及び第2駆動プーリ片15は、相対して対を成して、一つの駆動プーリ15を形成し、第1従動プーリ片21及び第2従動プーリ片23は、相対して対を成して、一つの従動プーリ25を形成する。
【0010】前記駆動プーリ17及び従動プーリ25は、それぞれ、相互に対応した形状のプーリ片を有し、プーリー片の各対向面には、ベルト案内部14、16、22、24が各々形成される。即ち、駆動プーリ17に関して、第1駆動プーリ片13には第1ベルト案内部14が形成されそして、第2駆動プーリ片15には第2ベルト案内部16が形成されており、第1ベルト案内部14と第2ベルト案内部16は同一形状を有し、且つ、それぞれ対応するように対向して配置されている。
【0011】同様に、従動プーリ25に関しては、第1従動プーリ片21には第3ベルト案内部22が形成され、そして、第2従動プーリ片23には第4ベルト案内部24が形成されている。第3ベルト案内部22と第4ベルト案内部24は同一形状を有し、且つ、それぞれ対応するように対向して配置されている。
【0012】前記ベルト案内部14、16、22、24は、金属ベルト27が掛かって支持される部位であって、概略凹状曲面の傾斜部である。前記ベルト案内部14、16、22、24の曲面の特性を得るための方法は後述する。前記金属ベルト27は、剛性及び引張力を具備した薄い金属帯であって駆動プーリ17と従動プーリ25のベルト案内部14、16、22、24に両側エッジ部49が接して支持される。前記内側ベルト45及び外側ベルト47は長さ及び幅が相異なる。従って運転中には、各々の金属ベルト27が駆動プーリ17と従動プーリ25とを旋回移動する時に、お互いに接触することなく離隔した状態で旋回移動して、お互い干渉することなく走行することができる。金属ベルト27が、三つ以上のベルトからなっているときにも、各金属ベルトは、お互いに接触することなく離隔した状態で回転しながら、動力を伝達することができる。
【0013】更に、前記金属ベルト27の両側エッジ部49がベルト案内部14、16、22、24に接触した状態で、駆動プーリ17、従動プーリ25が回転するので、第1駆動プーリ片13と第2駆動プーリ片15が、矢印aで示す方向に相互近接すれば、第1、第2ベルト案内部14、16に支持された金属ベルト27は矢印cに示す方向に移動して、回転半径が広まり、逆に、第1、第2駆動プーリ片13、15が矢印bに示す方向に相互に離隔すれば、金属ベルト27は矢印dに示す方向に移動して、回転半径が縮まる。
【0014】このような運動は、駆動プーリ17と従動プーリ25によって、同じ方式で遂行されて、駆動プーリ17の第1、2ベルト案内部14、16が離隔すれば、従動プーリ25の第3、4ベルト案内部22、24は接近し、駆動プーリ17の第1、2ベルト案内部14、16が接近すれば、従動プーリ25の第3、4ベルト案内部22、24は離隔して、ベルト18は常に拮抗状態を維持しながら回転して円滑な変速がなされる。
【0015】即ち、前記駆動プーリ17の第1、2ベルト案内部14、16の前進後退運動と、従動プーリ25の第3、4ベルト案内部22、24の前進後退運動とは同時になされるが、前進後退方向がそれぞれ反対になされる。従って、駆動プーリ17及び従動プーリ25の各プーリ片の対向面の間の距離を調節することによって、駆動プーリ17及び従動プーリ25にかかっている金属ベルト27の半径を変化させて、速度比を変更することができる。
【0016】一方、図面から明らかなように、減速運転時に駆動プーリ17にかかっている内側ベルト45と外側ベルト47との間隔であるS1より、従動プーリ25にかかっている内側ベルト45と外側ベルト47との間隔S2は大きいことが分かる。その理由は、駆動プーリ17及び従動プーリ25に巻きついて旋回運動する内側ベルト45および外側ベルト47の角速度を、一致させるためであって、後述する方法によって、各ベルト案内部を設計してはじめて可能になる。
【0017】プーリ17、25に巻きついて旋回する金属ベルト27間の間隔S1、S2が上記のように調節されることは、各ベルト案内部14、16、22、24が形成する曲面傾斜部が、本発明の計算法に従う一定の曲面であることによってはじめて可能になる。即ち、第1、2、3及び第4ベルト案内部14、16、22、24が計算によりデザインされた曲面を有するので、変速比が変わるときにも、プーリ17、25に対して金属ベルト27のすべりが発生せず、円滑な動力伝達が遂行される。
【0018】更に、本実施例においては、金属ベルト27として、二つのベルトからなる金属ベルトを適用したが、金属ベルトの個数を変化させて、伝動力を多様に変化させることができ、金属ベルトの個数を増やすことによってさらに大きな動力を伝達することができる。図2は本発明の一実施例に係る金属ベルト動力伝達機構にベルトが掛かっている様子を、例示的に概略示す図であり、図3及び図4は、ベルト案内部をなす曲面傾斜部の曲線関数値を求めるためにプーリの断面を座標化した図面である。
【0019】図2を参照すれば、駆動プーリ17にかかっている金属ベルト27がなす半径r1、r2よりも、従動プーリ25にかかっている金属ベルト27の半径r3、r4の方が大きいことから、減速運転であることが分かる。ベルト案内部14、16、22、24の曲面特性を得るために、駆動プーリ17と従動プーリ25との間で直線運動する金属ベルト27が水平面に対してなす傾斜角をθと定め、駆動プーリ17にかかっている内側ベルト45の回転半径をγ1、外側ベルト47の回転半径をγ2と定める。また従動プーリ25にかかっている内側ベルト45の回転半径をγ3と定め、外側ベルト47の回転半径をγ4と定義する。
【0020】この状態で、金属ベルトの長さと傾斜角を数学式に整理できる。
【数1】

【数2】

【0021】ここで、軸間距離は、駆動軸11と従動軸19との間の距離を意味する。ベルト案内部14、16、22、24がなす曲面形状を決定するために、図3に一方の側のプーリのベルト案内部50の断面をグラフに適用して座標化したグラフ上でベルト案内部50の曲線特性を有する関数式を求めるために下記のような任意の初期条件を定める。
【0022】初期条件(1)駆動プーリ17側の内側ベルト45の半径γ1はx=0の時に45であり駆動プーリ17側の外側ベルト47の半径γ2はx=4の時に51と定める。
(2)駆動プーリ17と従動プーリ25との軸間距離は165と定める。
(3)駆動プーリ17と従動プーリ25との速度比は1.6:1と定める。
(4)外側ベルト47と内側ベルト45との幅差は8と定める。
前記初期条件により、従動プーリ25に巻かれている内側ベルト45及び外側ベルト47の半径を求めることができる。
【0023】即ち、駆動プーリ17側のベルト回転半径×速度比=従動プーリ25側の回転半径であるので、従動プーリ25にかかっている内側ベルト45の回転半径γ3と外側ベルト47の回転半径γ4は次のように求めることができる。
γ3=γ1×1.6=45×1.6=72γ4=γ3×1.6=51×1.6=81.6このように、駆動プーリ17と従動プーリ25の速度比により、従動プーリ25にかかっている内側ベルト45及び外側ベルト47のx値は分からないが、r値は分かる。
【0024】引続き、初期条件と前記駆動プーリ17及び従動プーリ25に設けられている金属ベルト45、47の回転半径値を、数学式2と数学式1に代入して内側ベルト45と外側ベルト47の長さを求めると、次の通りである。即ち、内側ベルト45の長さを求めるためにまず角θを求める。
【数3】

内側ベルト45の長さはL=2×165×cosθ+72(π+2θ)+45(π−2θ)701.9944612である。
【0025】また外側ベルト47がなす角θを求めば、【数4】

で、外側ベルト47の長さは、L=2×165×cosθ+81.6(π+2θ)+51(π−2θ)752.26653である。
【0026】一方、ベルト案内部50の曲面をなす曲線式を得るためにベルト案内部の曲線関数式を数学式で示して、【数5】

とすれば、前記初期条件により次のような数学式を得ることができる。
【数6】

【0027】初期条件から変速が必要なので駆動プーリ17の第1駆動プーリ片13及び第2駆動プーリ片15が相互に近接すれば、駆動プーリ17にかかっている内側ベルト45及び外側ベルト47の回転半径γ1及びγ2は増加し、同時に従動プーリ25にかかっている内側ベルト45及び外側ベルト47の回転半径γ3及びγ4は減少する。
【0028】初期条件に定めたように、内側ベルト45と外側ベルト47との幅差は8であるので、図3で+x方向の長さ差は4である。従って、プーリが移動してベルト案内部50に接触支持されている内側ベルト45がベルト案内部50に沿って+x方向に4だけ移動すると、内側ベルト45は初期状態の外側ベルト47がかかっていた地点に移動して、内側ベルト45の回転半径が51に増加する。更に、外側ベルト47はx=8の地点に移動するが、この際の外側ベルト47の回転半径r値は後述の方法により求める値である。
【0029】即ち、前記変速により駆動プーリ17にかかっている内側ベルト45の半径が45から51に増加すれば、外側ベルト47の回転半径も51から未知値rに増加する。駆動プーリの外側ベルト47の半径はベルトの長さが一定である点を利用して後述のように求める。
【0030】まず、駆動プーリ17側の内側ベルト45の回転半径が51の時、従動プーリ25側の内側ベルト45の直径をγ3´とし、この際の水平面に対するベルトの角を求める。前記数学式2に基づいて水平面に対する内側ベルト45の角【数7】

を得りうる。
【0031】前記θ値及び内側ベルト45の長さ値を数学式1に代入すれば、【数8】

であるので、【0032】前記計算式から従動プーリ側の内側ベルト45の半径γ3´=66.9202を求めることができる。合わせて、駆動プーリ17側の内側ベルト45の半径が51のときに、従動プーリ25側の内側ベルト45の半径が66.9202であるので、速度比は1.31216:1であることが分かる。
【0033】この時、前記速度比による駆動プーリ17側の外側ベルト47の半径をrとすれば、従動プーリ25側の外側ベルト47の半径はγ4´=1.31216rとすることができる。従って、駆動プーリ17及び従動プーリ25にかかっている外側ベルト47の水平面に対する傾斜角は、数学式2により次のように求められる。
【数9】

【0034】前記θ値及び外側ベルト47の長さ値を数学式1に代入すれば、【数10】

であり、前記計算式からr=57.8600181が得られる。即ち、図3で駆動プーリ17側の外側ベルト47のx値が8の時の回転半径は57.8600181である。
【0035】前記と同じ方法で、駆動プーリ17側の外側ベルト47のx値が12の場合の回転半径が65.67802であることが分る。このような結果を数学式3に代入すれば、【数11】

【数12】

を得る。
【0036】前記数学式4、数学式5、数学式6を連立して解けばa=1.400661;b=0.0238144;c=0.0002551を得、結局次のようにベルト案内部50の曲線を規定する数学式を求める。
【数13】

が得りうる。
【0037】一方、前記数学式7は、駆動プーリ17及び従動プーリ25ベルト案内部14、16、22、24の曲線を規定し、特に図3に示されたベルト案内部50の、図面上概略中間部の下側を規定するのに適している。続けて、図3または図4に示したベルト案内部50の図面上概略中間部の上側を規定する曲線関数式を得るために、ベルト案内部50の縁部先端に該当するx値をpとする。
【0038】初期条件で従動プーリ25にかかっている外側ベルト47の回転半径はx=pで81.6であり、内側ベルト45と外側ベルト47との幅差は変わらないので、内側ベルト45はx=p−4で回転半径が72である。この状態で、従動プーリ25がx方向に+4だけ移動すれば、従動プーリ25にかかっているベルトが、プーリに対して相対的にx方向に−4だけ移動し、外側ベルト47は内側ベルト45がかかっていた地点に移動して回転半径が72となる。また内側ベルト45の回転半径は外側ベルト47と速度比が同一で、ベルトの長さが一定だという条件を利用してx=p−8の時63.4385372を得る。内側ベルト45の回転半径を得る方法は前記の方法と同じである。
【0039】得ようとする曲線関数式を次のように任意に定める。
【数14】

前記数学式8に前記条件を代入すれば次の式を得る。
【数15】

【数16】

【数17】

【0040】前記数学式7との連続性を勘案してx=12の時r=65.67802であることを数学式8に代入すれば次の式を得る。
【数18】

続けて、前記数学式8、数学式9、数学式10、数学式11からa、b、c、pの値を求めて、a=45.3725;b=2.3027;c=0.023245423;p=18.90534を得、【0041】数学式8に代入して【数19】

を得る。結局、駆動プーリ17及び従動プーリ25のベルト案内部50の形状は数学式7及び数学式13により決定されるが、xが0から12までの時は数学式7により、xが12から18.90534までの時は数学式13により決定する。x=12は、駆動プーリ17及び従動プーリ25の速度比が1:1の時に、内側ベルト45がベルト案内部50と接する位置のx値と、外側ベルト47がベルト案内部50と接する位置のx値との概略中間に該当する位置である。前記数学式7及び数学式13を満足するように形成されたプーリのベルト案内部14、16、22、24は、各プーリ17、25による変速が遂行されてもプーリ17、26でベルト27の滑りやその他雑力が発生しなくて動力伝達を正確にすることができる。
【0042】一方、前記のように、内側ベルト45と外側ベルト47との間には多数のベルトを設けることができるが、例えば、一つの中間ベルトが外側ベルト47と内側ベルト45との中間に設けられている場合、内側ベルト45がx=0の時に中間ベルトはx=2の位置にある。この位置で前記数学式7により中間ベルトの回転半径r=47.8986で、中間ベルトの長さは726.2613であることが計算できる。
【0043】このような初期状態でベルトがx方向に4だけ移動すれば、中間ベルトはx=6、r=54.31637であり、ベルトの長さを求めれば726.2907であって前記の計算値の726.2613より0.0294だけさらに長い値を得る。またベルトがx方向に4だけさらに移動すれば、ベルトの長さは0.069だけさらに長く計算される。更に、中間ベルトの従動プーリ側半径が決定された時、回転半径に対応するx値は従動プーリ25の内側ベルト45のx値より2だけ大きいことが正常であるが、計算上では0.013だけの誤差が発生する。このような誤差により一部ベルトに加わる力は動力伝達のために加わる引張力に比べて無視できる程度に過ぎないので、実用上には問題にならない。合わせてプーリベルト案内部14、16、22、24の傾斜角を大きくしたり軸間距離を小さくすれば、このような誤差はさらに小さくなり、変速範囲が小さい時にも誤差は小さくなる。
【0044】図5は本発明の第2実施例に係る金属ベルト動力伝達機構の構成を説明するための概略図である。前記の図面符号と同じ図面符号は同じ機能の同じ部材を示す。図5に示すように、本実施例に係る金属ベルト動力伝達機構は、前記の第1実施例の金属ベルト動力伝達機構に比べてプーリの対向面の形状が変わった。
【0045】即ち、駆動プーリ51をなす第1駆動プーリ片37及び第2駆動プーリ片39の対向面に形成されたベルト案内部29、31は同じ形状を取らない。第1駆動プーリ片37の内向面に形成された第1ベルト案内部29は平らな直線型の傾斜面であり、第2駆動プーリ片39の内向面に形成された第2ベルト案内部31は凹状曲線型の傾斜面である。前記平らな第1ベルト案内部29は対向面12から所定角度に平らに傾斜しているし、金属ベルト27の一側エッジ部49を支持する。前記第1ベルト案内部29と対向して形成される第2ベルト案内部31は凹状曲線型の傾斜面であって、前記第1ベルト案内部29と対向して金属ベルト27を支持する。
【0046】このような形状を有する第1、2駆動プーリ片37、39のベルト案内部29、31の形状は駆動プーリ片37、39の対向状態で、一側プーリ片のベルトがかかるベルト案内部の形状を変形しただけ、対向するプーリ片のベルト案内部の形状を補償する方式よりなる。従動プーリ53をなすプーリ片41、43は駆動プーリ51のプーリ片37、39の配列と反対の配列を有するように構成される。即ち、前記駆動プーリ51とは反対に曲線型の傾斜面を有する第1従動プーリ片41が図面上の上部に位置し、平らな傾斜面を有する第2従動プーリ片43が下部に位置して駆動プーリ51と従動プーリ53の位置は相互対称をなす。
【0047】このようになされる本実施例に係る金属ベルト動力伝達機構の第1、2、3及び第4ベルト案内部29、31、33、35は、前記の第1実施例のように各プーリの回転速度に従ってベルトの回転半径が調節できるように形成され、動作するベルトの回転半径が異なっても同じ角速度が提供できる。前記の説明では2次関数式と3次関数式を使用したが、条件式の数に従って関数式の次数は変わることはもちろん、各関数式は商用化したソフトウェアによって容易に解くことができる。
【0048】
【発明の効果】上記のようになされる本発明の金属ベルト動力伝達機構は、駆動プーリと従動プーリを連結するベルトとして多数の金属ベルトが使われて大きい動力が伝達できる。また各金属ベルトはプーリで同じ速度比に回転するので各プーリで金属ベルトの角速度が同一で、プーリと金属ベルトとの滑りがないので動力損失や摩耗が非常に少ない。かつ金属ベルトとプーリの噛合いが連続してなされるので騷音がないし、各々の金属ベルトが隣接した金属ベルトに対して離隔するので、ベルトの長さ公差が厳しくなくて長さに対応する幅に整えるだけですむので簡単に製作できる効果がある。
【0049】本発明は図面に添付された一実施例を参照して説明されたが、これは例示的なことに過ぎなく、該当技術分野の通常の知識を有する者であればこれより多様な変形及び均等な他の実施例が可能だという点が理解できるはずである。従って本発明の真の保護範囲は請求範囲により決まるべきである。
【出願人】 【識別番号】599098655
【氏名又は名称】李 鍾完
【出願日】 平成11年7月13日(1999.7.13)
【代理人】 【識別番号】100101764
【弁理士】
【氏名又は名称】川和 高穂
【公開番号】 特開2000−120817(P2000−120817A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平11−198924