| 【発明の名称】 |
カム機構及びこれを用いたクラッチ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】山崎 伸司
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| 【要約】 |
【課題】レイアウトの自由度を向上させ、トルク源のトルクを増幅し、トルク源を停止してもカムを作動状態に保持する。
【解決手段】トルク源15のトルクによって回転するウォ−ム23と、ウォ−ム23に対する噛み合いの有効半径(r1、r2)が互いに異なったウォ−ムホイ−ル25、27と、ウォ−ム23の回転に伴って生じるウォ−ムホイ−ル25、27の回転差を受けて作動するカム19とを備えた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 トルク源のトルクによって回転するウォ−ムと、このウォ−ムとそれぞれ噛み合うと共に、ウォ−ムに対する噛み合いの有効半径が互いに異なった2枚のウォ−ムホイ−ルと、ウォ−ムの回転に伴って生じる両ウォ−ムホイ−ルの回転差を受けて作動するカムとを備えたことを特徴とするカム機構。 【請求項2】 請求項1記載の発明であって、カムが、各ウォ−ムホイ−ルの間に形成されていることを特徴とするカム機構。 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の発明であって、カムのカム面が直接噛み合っているか、あるいは、各カム面の間に転動体が配置されていることを特徴とするカム機構。 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発明であって、各ウォ−ムホイ−ルの回転中心と、この回転中心を含む平面に投影したウォ−ムの回転中心とが、互いに直角をなすか、あるいは、直角以外の角度をなすことを特徴とするカム機構。 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発明であって、トルク源が、電動モ−タであることを特徴とするカム機構。 【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のカム機構と、そのカムのスラスト力を受けて締結される摩擦クラッチとを備えたことを特徴とするクラッチ装置。 【請求項7】 請求項6記載の発明であって、摩擦クラッチが、デファレンシャル装置の差動を制限するか、あるいは、動力伝達装置で動力を断続することを特徴とするクラッチ装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、ギヤ組を介してトルク源のトルクを回転差に変換し、この回転差によってカムを作動させるカム機構と、このカム機構のカムスラスト力によって摩擦クラッチを締結させるクラッチ装置に関する。 【0002】 【従来の技術】特公平8−19971号公報に図5のような摩擦係合装置用アクチュエ−タ201が記載されている。 【0003】この摩擦係合装置用アクチュエ−タ201は、四輪駆動車のセンタ−デフに用いられた差動制限装置であり、中空軸203、205と、多板クラッチ207と、中空軸209、211と、ロ−ラカム213と、一対のギヤ組215、217と、電動モ−タ219などから構成されている。 【0004】中空軸203、205はセンタ−デフの両出力側にそれぞれ連結されており、多板クラッチ207はこれらの間に配置されている。 【0005】又、ロ−ラカム213は中空軸209、211の間に設けられている。 【0006】ギヤ組215は入力ギヤ221と出力ギヤ223から構成されており、ギヤ組217は入力ギヤ225と出力ギヤ227から構成されている。ギヤ組215、217のギヤ比は互いに異なっている。 【0007】入力ギヤ221、224は一体に形成され、電動モ−タ219の軸229に連結されている。又、出力ギヤ223は中空軸209に連結されており、出力ギヤ227は中空軸211に連結されている。 【0008】入力ギヤ221、225と出力ギヤ223、227の各回転中心は平行に配置されている。 【0009】電動モ−タ219が回転すると、入力ギヤ221、225を介してギヤ組215、217が回転し、これらのギヤ比が異なっているから、各出力ギヤ223、227の間に回転差が生じる。この回転差によるトルクが中空軸209、211を介してロ−ラカム213に掛かり、そのカムスラスト力によって多板クラッチ207が締結され、センタ−デフの差動が制限される。 【0010】図6と図7は、図4のデファレンシャル装置201と同様の押圧機構を備えた動力伝達装置231を示している。 【0011】この動力伝達装置231は、クラッチハウジング233とこれに連結された動力伝達軸235、クラッチハブ237とこれに連結された動力伝達軸239、クラッチハウジング233とクラッチハブ237の間に配置された多板クラッチ241、電動モ−タ243、一対のギヤ組245、247、ボ−ルカム249、押圧部材251などから構成されている。 【0012】ギヤ組245、247のギヤ比は互いに異なっており、ギヤ組245は入力ギヤ253と出力ギヤ255から構成され、ギヤ組247は入力ギヤ257と出力ギヤ259から構成されている。 【0013】入力ギヤ253、257はそれぞれ電動モ−タ243の軸261に連結されている。 【0014】又、ボ−ルカム249は、出力ギヤ255、259の間に形成されている。 【0015】入力ギヤ253、257と出力ギヤ255、259の各回転中心は平行に配置されている。 【0016】電動モ−タ243が回転すると、ギヤ組245、247の出力ギヤ255、259の間に生じる回転差を受けてボ−ルカム249が作動し、そのカムスラスト力により押圧部材251を介して多板クラッチ241が押圧され、動力伝達装置231が連結される。 【0017】 【発明が解決しようとする課題】上記のデファレンシャル装置201と動力伝達装置231では、カム213、249を作動させるために回転差を作りだすギヤ組215、217とギヤ組245、247が、いずれもスパ−ギヤ、又は、ヘリカルギヤで構成されている。 【0018】スパ−ギヤやヘリカルギヤで構成されたギヤ組215、217、245、247は、各ギヤの諸元を変えても、入力ギヤ221、225、253、257と出力223、227、255、259の各回転中心軸を平行以外の配置(例えば、直角配置、あるいは、食い違い配置)にすることができないから、上記のように、各入力ギヤの回転中心軸と出力ギヤの回転中心軸は平行に配置されている。 【0019】このようなレイアウト上の制限によって、図5と図6のように、電動モ−タ219、243は軸方向に突き出るように配置せざるを得ず、多板クラッチ207、241と電動モ−タ219、243との距離263、265が大きくなる。 【0020】こうして、デファレンシャル装置201や動力伝達装置231は軸方向に大型化し、広い配置スペ−スが必要になって、不利である。 【0021】又、レイアウト上の自由度が低いから、周辺部材の種々な配置に対応することが難しく、周辺部材との干渉が生じ易い。 【0022】又、スパ−ギヤやヘリカルギヤを用いたギヤ組215、217、245、247には、トルクを一方向だけに移動させるワンウェイ機能がないから、電動モ−タ219、243の電力供給を停止すると、カム213、249も作動を停止する。 【0023】このように、カム213、249を作動させている間は電動モ−タ219、243に電力を供給し続ける必要があるから、バッテリに大きな負担が掛かり、エンジンの燃費が低下する。 【0024】又、カム213、249のスラスト力を強化するには、ギヤ組215、217、245、247のギヤ比を大きくしなければならず、その結果出力ギヤが大径になり、必要な配置スペ−スが大きくなるから、レイアウトの面で更に不利になる。 【0025】そこで、この発明は、トルク源のトルクをギヤ組によって回転差に変換し、この回転差によりカムを締結するように構成されたカム機構であって、トルク源の配置方向(レイアウトの自由度)が大きいと共に、カムに大きなトルクを掛けることができ、又、トルク源を停止してもカムを作動状態に保つことができるカム機構と、このカム機構を用いたクラッチ装置の提供を目的とする。 【0026】 【課題を解決するための手段】請求項1のカム機構は、トルク源のトルクによって回転するウォ−ムと、このウォ−ムとそれぞれ噛み合うと共に、ウォ−ムに対する噛み合いの有効半径が互いに異なった2枚のウォ−ムホイ−ルと、ウォ−ムの回転に伴って生じる両ウォ−ムホイ−ルの回転差を受けて作動するカムとを備えたことを特徴とする。 【0027】このように、本発明のカム機構は、1枚のウォ−ムに2枚のウォ−ムホイ−ルを噛み合わせると共に、一方のウォ−ムホイ−ルのウォ−ムに対する噛み合い有効半径(r1)を小さくし、他方のウォ−ムホイ−ルの噛み合い有効半径(r2)をそれより大きくした。 【0028】ウォ−ムの回転に伴って、各ウォ−ムホイ−ルが回転すると、図3に示すように、それぞれの噛み合い部がウォ−ム上を等距離(L)移動するが、このとき、有効半径(r1)の小さいウォ−ムホイ−ルの回転角(θ1)は、有効半径(r2)の大きいウォ−ムホイ−ルの回転角(θ2)より大きくなる。 【0029】こうして、ウォ−ムが回転すると、大小のウォ−ムホイ−ルの間に回転差が生じ、この回転差を受けてカムが作動する。 【0030】ウォ−ムギヤは、ウォ−ムの回転中心軸とウォ−ムホイ−ルの回転中心軸の角度を、直角を中心にして自由に変えることが可能であるから、スパ−ギヤやヘリカルギヤを用いた従来例と異なって、トルク源の配置方向が自由になり、トルク源とギヤ組(ウォ−ムギヤ)とカムとをレイアウトする際の自由度が大きく向上する。 【0031】従って、例えば、トルク源の回転中心をカムの作動方向に対して直角に配置すれば、図5と図6の各従来例のようなトルク源(電動モ−タ)の突き出しが防止されるから、それだけコンパクトになり、狭いスペ−スに配置することが可能になる。このことは、車載装置で、特に、有利である。 【0032】又、レイアウト上の自由度が大きいから、周辺部材の種々な配置に対応し、周辺部材と干渉しないように組付けることができる。 【0033】こうして、広範囲で種々の装置に適用可能になる。 【0034】又、ウォ−ムギヤでは、トルクはウォ−ムからウォ−ムホイ−ルの方向に移動するが、その反対方向のトルク移動は生じにくい。このように、スパ−ギヤやヘリカルギヤと異なって、ウォ−ムギヤにはトルクを一方向にだけ移動させるワンウェイ機能がある。 【0035】このワンウェイ機能によって、カムからトルクが抜けることが防止されるから、カムを作動させた後トルク源を停止しても、カムは作動状態に保たれる。 【0036】このように、カムの作動中でもトルク源を停止することが可能になり、従来例と異なって、トルク源のエネルギ−ロスが大幅に低減されるから、大きな省エネルギ−効果が得られる。 【0037】又、ウォ−ムギヤは、ウォ−ムがウォ−ムホイ−ルを回転させるときトルクが大きく増幅されるから、カムに大きなスラスト力を与えることができる。 【0038】従って、ウォ−ムギヤとトルク源をそれだけ小型、軽量にすることが可能であり、トルク源の小型化によって省エネルギ−効果が更に向上し、ウォ−ムギヤの小型化によって配置スペ−スを更に小さくできる。 【0039】請求項2の発明は、請求項1記載のカム機構であって、カムが、各ウォ−ムホイ−ルの間に形成されていることを特徴とし、請求項1の構成と同等の効果を得る。 【0040】これに加えて、カムを各ウォ−ムホイ−ルに直接形成し、他の部材を介在させないから、部材間のガタによるカムスラスト力のレスポンス低下が防止される。 【0041】又、他の部材を用いないから、構成が簡単になって信頼性が向上し、低コストで、軽量、小型になる。 【0042】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載のカム機構であって、カムのカム面が直接噛み合っているか、あるいは、各カム面の間に転動体が配置されていることを特徴とし、請求項1又は請求項2の構成と同等の効果を得る。 【0043】これに加えて、カム面を直接噛み合わせる構成では、カムの構造が簡単になり、低コストになる。 【0044】又、カム面の間にボ−ルやロ−ラのような転動体を配置する構成では、カムの摩擦損失が低減するから、トルク源のトルクがそれだけ有効に利用され、省エネルギ−効果が向上する。 【0045】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のカム機構であって、各ウォ−ムホイ−ルの回転中心と、この回転中心を含む平面に投影したウォ−ムの回転中心とが、互いに直角をなすか、あるいは、直角以外の角度をなすことを特徴とし、請求項1乃至請求項3の構成と同等の効果を得る。 【0046】上記のように、ウォ−ムギヤは、ウォ−ムの回転中心とウォ−ムホイ−ルの回転中心とを、直角を中心にして広い角度で変えることが可能であり、自由なレイアウトを可能にする。 【0047】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発明であって、トルク源が、電動モ−タであることを特徴とし、請求項1乃至請求項4の構成と同等の効果を得る。 【0048】これに加えて、トルク源に用いた電動モ−タは、トルクを迅速に反転させることができるから、カムの作動と停止の操作を迅速に行える。 【0049】又、電動モ−タはトルクの制御が容易であり、カムのスラスト力を制御することが容易である。 【0050】又、ウォ−ムギヤによってトルクが大きく増幅される本発明では、電動モ−タの小型化と省電力が可能であり、車載機器では、バッテリの負担が軽減され、エンジンの燃費が向上する。 【0051】又、電動モ−タを用いれば、トルクの反転機構が不要であるから、それだけ構造を簡単にすることができる。 【0052】請求項6のクラッチ装置は、請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のカム機構と、そのカムのスラスト力を受けて締結される摩擦クラッチとを備えたことを特徴とする。 【0053】このクラッチ装置は、請求項1乃至請求項5のカム機構を用いたことにより、上記のように、小型のトルク源と小型のウォ−ムギヤで大きなカムスラスト力が得られ、このカムスラスト力によって大きなクラッチトルクが得られる。 【0054】又、このクラッチ装置は、小型でレイアウトの自由度が大きいカム機構を用いたことにより、軽量でコンパクトに構成される。 【0055】又、軽量でコンパクトであるから、それだけ他の装置に組付け易くなり、広範囲で種々の装置に適用可能になる。 【0056】請求項7の発明は、請求項6記載のクラッチ装置であって、摩擦クラッチが、デファレンシャル装置の差動を制限するか、あるいは、動力伝達装置で動力を断続することを特徴とし、請求項6の構成と同等の効果を得る。 【0057】これに加えて、ウォ−ムギヤによって大きなクラッチトルクが得られる本発明のクラッチ装置を用いたデファレンシャル装置は大きな差動制限力が得られ、動力伝達装置は大きな駆動力を扱うことができる。 【0058】又、小型でレイアウトの自由度が大きい本発明のクラッチ装置を用いたデファレンシャル装置と動力伝達装置は、軽量でコンパクトに構成される。 【0059】 【発明の実施の形態】図1乃至図3によって本発明の第1実施形態を説明する。 【0060】この実施形態はカム機構1を用いた動力伝達装置3(クラッチ装置)であり、カム機構1は請求項1、2、3、4、5の特徴を備え、動力伝達装置3は請求項6、7の特徴を備えている。 【0061】動力伝達装置3は、カム機構1、クラッチハウジング5、動力伝達軸7、クラッチハブ9、動力伝達軸11、多板クラッチ13(摩擦クラッチ)などから構成されている。 【0062】動力伝達軸7、11は同軸に配置されており、動力伝達軸7はクラッチハウジング5に連結され、動力伝達軸11はクラッチハブ9に連結されている。 【0063】多板クラッチ13は、クラッチハウジング5とクラッチハブ9との間に配置されている。 【0064】又、カム機構1は、電動モ−タ15(トルク源)、ウォ−ムギヤ組17、ボ−ルカム19(カム)、押圧部材21などから構成されている。 【0065】ウォ−ムギヤ組17は、ウォ−ム23と、小径と大径のウォ−ムホイ−ル25、27から構成されており、各ウォ−ムホイ−ル25、27はそれぞれがウォ−ム23と噛み合っている。 【0066】ウォ−ム23に対する各ウォ−ムホイ−ル25、27の噛み合い部の有効半径(r)は、一方のウォ−ムホイ−ル25の噛み合い部有効半径(r1)を小さくし、他方のウォ−ムホイ−ル27の噛み合い部有効半径(r2)をそれより大きくしてある。 【0067】又、ウォ−ム23は電動モ−タ15の軸29に連結されている。 【0068】ボ−ルカム19は、ウォ−ムホイ−ル25、27の間に形成されている。 【0069】図1と図2に示すように、ウォ−ム23とウォ−ムホイ−ル25、27の各回転中心は互いに直角に配置されており、電動モ−タ15は動力伝達装置3と動力伝達軸7、11に対して直角に配置されている。 【0070】電動モ−タ15が回転すると、各ウォ−ムホイ−ル25、27が回転する。 【0071】このとき、図3に示すように、各ウォ−ムホイ−ル25、27の噛み合い部はウォ−ム23上を等距離(L)だけ移動するが、有効半径(r1)の小さいウォ−ムホイ−ル25の回転角(θ1)は、有効半径(r2)の大きいウォ−ムホイ−ル27の回転角(θ2)より大きくなる。 【0072】こうして、ウォ−ム23が回転すると、ウォ−ムホイ−ル25、27の間に回転角の差(θ1−θ2)が生じる。 【0073】ボ−ルカム19はこの回転差を受けて作動し、カムスラスト力により押圧部材21を介して多板クラッチ13を押圧し、動力伝達装置3を連結させ、動力伝達装置3が連結されると動力伝達軸7、11間で動力が伝達される。 【0074】又、このように動力伝達装置3が連結された状態で電動モ−タ15を停止しても、ウォ−ムギヤ組17のワンウェイ機能によって、ウォ−ムホイ−ル25、27からウォ−ム23の方向にはトルクが戻らないから、ボ−ルカム19は作動状態に保たれ、動力伝達装置3は連結状態に保たれる。 【0075】又、電動モ−タ15を反対方向に回転させると、ウォ−ムホイ−ル25、27は回転前の位置に戻って回転角差が消失し、ボ−ルカム19の作動が停止し、動力伝達装置3の連結が解除される。 【0076】又、上記のように、電動モ−タ15は動力伝達装置3と動力伝達軸7、11に対して直角に配置されており、軸方向への突き出しが防止されているから、カム機構1はコンパクトになり、クラッチハウジング5内部の狭いスペ−スに配置することが可能になる。 【0077】又、このように電動モ−タ15が軸方向に突き出さないから、図5と図6の従来例における多板クラッチ207、241と電動モ−タ219、243との距離263、265に相当する動力伝達装置3の軸方向寸法31は、これらの距離263、265より大幅に短縮されており、動力伝達装置3はこのようにコンパクトに構成されている。 【0078】こうして、カム機構1を用いた動力伝達装置3が構成されている。 【0079】上記のように、カム機構1は、1枚のウォ−ム23に噛み合い有効半径の異なった2枚のウォ−ムホイ−ル25、27を噛み合わせたウォ−ムギヤ組17を用い、ウォ−ムホイ−ル25、27の間に生じる回転差によってボ−ルカム19を作動させ、動力伝達装置3は、ボ−ルカム19のスラスト力によって連結される。 【0080】ウォ−ムギヤ組17は、ウォ−ム23の回転中心軸とウォ−ムホイ−ル25、27の回転中心軸との角度を、直角を中心にして自由に変えることが可能であるから、スパ−ギヤやヘリカルギヤを用いた従来例と異なって、電動モ−タ15の配置方向が自由になり、電動モ−タ15とウォ−ムギヤ組17とボ−ルカム19をレイアウトする際の自由度が大きく向上する。 【0081】従って、上記のように電動モ−タ15を直角に配置することにより、カム機構1と動力伝達装置3がコンパクトになるから、例えば、動力伝達装置3を車載装置に用いた場合、狭いスペ−スに配置することができる。 【0082】このように、レイアウトの自由度が大きいカム機構1と、これを用いた動力伝達装置3は、広範囲で種々の装置に適用可能になる。 【0083】又、従来例と異なって、ウォ−ムギヤ組17のワンウェイ機能により、電動モ−タ15を停止してもボ−ルカム19が作動状態に保たれるから、電動モ−タ15の電力消費量が大幅に低減され、大きな省エネルギ−効果が得られる。 【0084】従って、動力伝達装置3を車載装置に用いた場合、バッテリの負担が軽減され、エンジンの燃費が向上する。 【0085】又、ウォ−ムギヤ組17は、ウォ−ム23がウォ−ムホイ−ル25、27を回転させるときトルクが大きく増幅されるから、ボ−ルカム19に大きなスラスト力を与えることができる。 【0086】従って、ウォ−ムギヤ組17と電動モ−タ15をそれだけ小型、軽量にすることが可能であり、電動モ−タ15の小型化によって省エネルギ−効果が更に向上し、ウォ−ムギヤ組17の小型化によって配置スペ−スを更に小さくすることができる。 【0087】又、ボ−ルカム19を各ウォ−ムホイ−ル25、27の間に直接形成し、他の部材を介在させないから、部材間のガタによるスラスト力のレスポンス低下が防止される。 【0088】又、他の部材を用いないから、カム機構1は構成が簡単であり、信頼性が向上し、低コストで、小型、軽量になる。 【0089】又、カムにボ−ルカム19を用いたことにより、カムの摩擦損失が低減するから、電動モ−タ15のトルクがそれだけ有効に利用され、省エネルギ−効果が更に向上する。 【0090】又、トルク源に用いた電動モ−タはトルクを迅速に反転させることができるから、ボ−ルカム19の作動と停止、及び、多板クラッチ13(動力伝達装置3)の連結と連結解除とを迅速に行うことができる。 【0091】又、電動モ−タ15はトルクの制御が容易であるから、ボ−ルカム19のスラスト力(多板クラッチ13の締結力)を制御することが容易である。 【0092】又、電動モ−タ15を用いたから、トルクの反転機構が不要であり、それだけ構造を簡単にすることができる。 【0093】又、多板クラッチ13は、摩擦面の面積を広くできるから充分なトルク容量が得られると共に、クラッチ板の枚数を変えることによって、トルク容量を容易に調整することができる。 【0094】上記のように、ウォ−ムギヤを用いた本発明ではトルク源の配置角度を広い範囲で自由に選択できるから、電動モ−タの配置角度は直角に限らない。 【0095】図4に示す第2実施形態はこのような例である。 【0096】この第2実施形態はカム機構33を用いた動力伝達装置35(クラッチ装置)であり、カム機構33は請求項1、2、3、4、5の特徴を備え、動力伝達装置35は請求項6、7の特徴を備えている。 【0097】動力伝達装置35は、カム機構33、クラッチハウジング5、動力伝達軸7、クラッチハブ9、動力伝達軸11、多板クラッチ13などから構成されている。 【0098】カム機構33は、電動モ−タ15、ウォ−ムギヤ組37、ボ−ルカム19、押圧部材21などから構成されている。 【0099】ウォ−ムギヤ組37は、ウォ−ム39と、これと噛み合う小径と大径のウォ−ムホイ−ル41、43から構成されている。 【0100】ウォ−ム39の回転中心軸と各ウォ−ムホイ−ル41、43の回転中心軸は、直角以外の角度(例えば、45°)にされている。 【0101】ウォ−ム39に対する各ウォ−ムホイ−ル41、43の噛み合い部有効半径(r)は、ウォ−ムホイ−ル41の噛み合い部有効半径(r1)を小さくし、ウォ−ムホイ−ル43の噛み合い部有効半径(r2)をそれより大きくしてある。 【0102】ウォ−ム39は電動モ−タ15の軸29に連結されており、第1実施形態と同様に、ウォ−ム39が回転すると、ウォ−ムホイ−ル41、43の間に回転角の差(θ1−θ2)が生じ、ボ−ルカム19が作動し、多板クラッチ13が押圧され、動力伝達装置35が連結される。 【0103】こうして、カム機構33を用いた動力伝達装置35が構成されている。 【0104】上記のように、ウォ−ムギヤはウォ−ムの回転中心軸とウォ−ムホイ−ルの回転中心軸の角度を広い範囲で選択できるから、ウォ−ムギヤ組37を用いたカム機構33はレイアウトの自由度が大きく向上する。 【0105】そこで、カム機構33は電動モ−タ15を動力伝達装置35の軸方向に対して45°に配置し、クラッチハウジング5、クラッチハブ9、多板クラッチ13のような周辺部材との干渉を防止している。 【0106】このように、レイアウトの自由度が大きいから、カム機構と動力伝達装置は、周辺部材の種々な配置に対応することが可能になり、周辺部材と干渉しないように組付けることができる。 【0107】こうして、レイアウトの自由度が大きいカム機構33と、これを用いた動力伝達装置35は、広範囲で種々の装置に適用可能になる。 【0108】これに加えて、第2実施形態のカム機構33と動力伝達装置35は、第1実施形態のカム機構1と動力伝達装置3と同等の効果を得る。 【0109】なお、本発明において、摩擦クラッチは多板クラッチに限らず、例えば、コ−ンクラッチのように他の形式の摩擦クラッチでもよい。 【0110】又、電動モ−タは、回転磁界によってトルクを取り出すモ−タの他に、パルスモ−タやステッピングモ−タなどを用いてもよい。 【0111】又、超音波モ−タをトルク源に用いてもよい。 【0112】又、本発明のクラッチ装置は、動力伝達装置の他に、デファレンシャル装置の差動制限機構に適用することができる。(請求項7) 【0113】 【発明の効果】請求項1のカム機構は、トルク源のトルクを回転差に変換するギヤ組にウォ−ムギヤを用いたことにより、従来例と異なって、レイアウト上の自由度が大きく向上する。 【0114】従って、トルク源をカムの作動方向と直角に配置し、トルク源の突き出しを防止すれば、狭いスペ−スに配置することが可能になり、特に、車載装置で有利になる。 【0115】又、レイアウトが自由になるから、周辺部材の種々な配置に対応し、周辺部材と干渉しないように組付けることができるから、広範囲で種々の装置に適用可能になる。 【0116】又、ウォ−ムギヤのワンウェイ機能によって、カムの作動中でもトルク源を停止することができるから、従来例と異なり、トルク源のエネルギ−ロスが大幅に低減され、大きな省エネルギ−効果が得られる。 【0117】又、ウォ−ムギヤには、大きなトルク増幅機能があるから、ウォ−ムギヤとトルク源をそれだけ小型、軽量にすることが可能であり、トルク源の小型化によって省エネルギ−効果が更に向上し、ウォ−ムギヤの小型化によって配置スペ−スを更に小さくできる。 【0118】請求項2の発明は、請求項1の構成と同等の効果を得ると共に、カムを各ウォ−ムホイ−ルに直接形成し、他の部材を介在させないから、部材間のガタによるレスポンスの低下が防止される。 【0119】又、他の部材を用いないから、構成が簡単になり、信頼性が向上し、低コスト、軽量、小型になる。 【0120】請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の構成と同等の効果を得ると共に、カム面を直接噛み合わせれば、カムの構造が簡単になり、低コストになる。 【0121】又、カム面の間にボ−ルやロ−ラのような転動体を配置すれば、カムの摩擦損失が低減し、トルク源のトルクがそれだけ有効に利用され、省エネルギ−効果が向上する。 【0122】請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3の構成と同等の効果を得る。 【0123】請求項5の発明は、請求項1乃至請求項4の構成と同等の効果を得ると共に、電動モ−タはトルクを迅速に反転させることができるから、カムの作動と停止の操作を迅速に行える。 【0124】又、電動モ−タはトルクの制御が容易であり、カムのスラスト力を制御することが容易である。 【0125】又、ウォ−ムギヤによってトルクが大きく増幅される本発明では、電動モ−タの小型化と省電力が可能であり、車載機器では、バッテリの負担が軽減され、エンジンの燃費が向上する。 【0126】又、電動モ−タを用いれば、トルクの反転機構が不要であり、それだけ構造を簡単にすることができる。 【0127】請求項6のクラッチ装置は、請求項1乃至請求項5のカム機構を用いたことによって、小型のトルク源と小型のウォ−ムギヤで大きなカムスラスト力が得られ、このカムスラスト力によって大きなクラッチトルクが得られる。 【0128】又、小型でレイアウトの自由度が大きいカム機構を用いたことにより、このクラッチ装置は、軽量でコンパクトに構成され、広範囲で種々の装置に適用可能になる。 【0129】請求項7の発明は、請求項6の構成と同等の効果を得ると共に、ウォ−ムギヤによって大きなクラッチトルクが得られる本発明のクラッチ装置を用いたデファレンシャル装置は大きな差動制限力が得られ、動力伝達装置は大きな駆動力を扱うことができる。 【0130】又、小型でレイアウトの自由度が大きい本発明のクラッチ装置を用いたこれらの装置は、軽量でコンパクトに構成できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000225050 【氏名又は名称】栃木富士産業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年10月7日(1998.10.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083806 【弁理士】 【氏名又は名称】三好 秀和 (外8名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−120808(P2000−120808A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月28日(2000.4.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−285567 |
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