| 【発明の名称】 |
ロックアップクラッチ付流体伝動装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】渡辺 久志
【氏名】鈴木 秀之
【氏名】入谷 昌徳
【氏名】黒石 真且
【氏名】大澤 正敬
【氏名】小嶋 昌洋
【氏名】武内 博明
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| 【要約】 |
【課題】逆駆動時における締結を促進し、締結応答性向上を達成すること。
【解決手段】ポンプ羽根車2とタービン羽根車1とステータ羽根車3およびロックアップピストン51を備えたロックアップクラッチ付流体伝動装置において、流路を形成するフロントカバー100に突設した第1の凸部71と、前記ロックアップピストン51の締結作動時の前記流路における前記第1の凸部71の下流側において前記ロックアップピストン51に前記第1の凸部71に対して流れの方向におけるわずかなクリアランスを設けて突設した第2の凸部72とを備え、前記ロックアップピストン51の締結作動時に前記第1および第2の突部が相対的に接近し、両凸部間の絞りを強くするように構成したロックアップクラッチ付流体伝動装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポンプ羽根車とタービン羽根車とステータ羽根車およびロックアップピストンを備えたロックアップクラッチ付流体伝動装置において、流路を形成するフロントカバーと前記ロックアップピストンとのいずれか一方に突設した第1の凸部と、前記流路における前記第1の凸部の下流側において前記フロントカバーと前記ロックアップピストンの他方に前記第1の凸部に対して流れの方向におけるわずかなクリアランスを設けて突設した第2の凸部とを備えたことを特徴とするロックアップクラッチ付流体伝動装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ポンプ羽根車とタービン羽根車とステータ羽根車およびロックアップピストンを備えたロックアップクラッチ付流体伝動装置において、流路を形成するフロントカバーと前記ロックアップピストンとにそれぞれわずかなクリアランスを設けて第1および第2の凸部を突設して、該第1および第2の凸部の前後における発生差圧を増加させ、ロックアップピストン前後の締結方向への推力を増大させ、締結が促進される逆駆動時の締結応答性向上を達成するロックアップクラッチ付流体伝動装置に関する。 【0002】 【従来の技術】従来のトルクコンバータのロックアップ機構(特開平7−259953)は、図13に示されるようにロックアップピストンPの外周端に対向するコンバータカバーCに規制部材としてのスナップリングSが固定され、前記ロックアップピストンPの外周端とスナップリングSとの間に前記コンバータカバーCの内径より小さな外径と前記ロックアップピストンPの外径より小さな内径を有する環状薄板Aを介挿して、作動油の流れや圧力損失(圧力差)によって軸方向に移動可能で、前記ロックアップピストンPの外周端との間の隙間gが最大から閉塞状態までの間で変化する可変オリフィス部Vを新たに付加することにより、ロックアップ締結領域の拡大と締結ショックの軽減を図るものであった。 【0003】すなわち、前記可変オリフィス部Vにより生じる圧力損失により、前記環状薄板Aが前記ロックアップピストンPに吸い寄せられ、その結果、ピストン前後に圧力差が生じ締結するものである。また前記隙間gが締結まで一定であるため、締結時のショックが小さい。 【0004】また従来のトルクコンバータのロックアップ装置(特開平4−4356)は、トルクコンバータのロックアップ装置において、ロックアップクラッチピストンPの外周面およびカバーCの内周面のいずれか一方または図14に示されるように双方の対向する位置に、締結油圧室Tと解除油圧室Rとを連通する間隙Oを形成する間隙部材Pを設け、前記締結油圧室Tと解除油圧室Rとの間のオイルの流れに圧力損失を生じさせ、ロックアップ締結領域を拡大するとともに、締結ショックを軽減するものであった。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】上記従来のトルクコンバータのロックアップ機構は、以下の理由により、締結時の応答性が良好でないという問題があった。 【0006】前記可変オリフィス部Vを通る流体の圧力差により、まず第1ステップとして、前記環状薄板Aが軸方向へ移動し、第2ステップとして、その後に前記ロックアップピストンPがその前後の圧力差により締結するものであり、上述のように2ステップを要する。 【0007】また作動油を流したときに生じる圧力差を前記環状薄板Aの軸方向推力とするものであるため、その値が小さい。 【0008】上記従来のトルクコンバータのロックアップ装置は、図14に示されるようにロックアップクラッチピストンPの外周面およびカバーの内周面の双方の対向する位置に設けられた前記間隙部材Pの前記間隙Oにより、前記締結油圧室Tと解除油圧室Rとの間のオイルの流れに圧力損失を生じさせ、ロックアップ締結領域を拡大するとともに、締結ショックを軽減するものであるが、対向する前記間隙部材Pおよび前記間隙Oのみによりオイルの流れに圧力損失を生じさせるものであるため、圧力損失が不足し、逆駆動時における締結を促進して締結応答性を充分向上できるものではないという問題があった。さらに、前記間隙Oはピストン締結過程でほとんど変化しないので、ピストン締結応答性の向上は期待できないという問題があった。 【0009】そこで本発明者は、研究開発を重ねた結果、逆駆動時における締結が促進され締結応答性向上を達成するという目的を達成する本発明に到達した。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明(請求項1に記載)のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、ポンプ羽根車とタービン羽根車とステータ羽根車およびロックアップピストンを備えたロックアップクラッチ付流体伝動装置において、流路を形成するフロントカバーと前記ロックアップピストンとのいずれか一方に突設した第1の凸部と、前記流路における前記第1の凸部の下流側において前記フロントカバーと前記ロックアップピストンの他方に前記第1の凸部に対して流れの方向におけるわずかなクリアランスを設けて突設した第2の凸部とを備えたものである。 【0011】(発明の作用)上記構成より成る本発明のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、前記ポンプ羽根車と前記タービン羽根車と前記ステータ羽根車および前記ロックアップピストンを備えたロックアップクラッチ付流体伝動装置において、前記フロントカバーと前記ロックアップピストンとの間に形成される前記流路に相前後して対向して突設された前記第1の凸部および前記第2の凸部にそれぞれオリフィスを形成するととも前記第1の凸部および前記第2の凸部の周りにジグザグ状の流路を形成して、複数のオリフィスが形成されたジグザグ状の流路を流れる作動油の流れが繰り返し絞られるとともに流れの方向が変わることにより、前記第1および第2の凸部の前後における発生差圧を上記従来装置に比べて増加させ、前記ロックアップピストン前後の締結方向への推力を増大させる。 【0012】 【発明の効果】上記作用を奏する本発明のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、ロックアップクラッチ付流体伝動装置は、複数のオリフィスが形成されたジグザグ状の流路を流れる作動油の流れが繰り返し絞られるとともに流れの方向が変わることにより、前記第1および第2の凸部の前後における発生差圧を上記従来装置に比べて増加させ、前記ロックアップピストン前後の締結方向への推力を増大させるので、逆駆動時における前記ロックアップピストンの締結が促進され、締結応答性を向上するという効果を奏する。 【0013】 【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につき、図面を用いて説明する。 【0014】(第1実施形態)本第1実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、図1ないし図3に示されるようにポンプ羽根車2とタービン羽根車1とステータ羽根車3およびロックアップピストン51を備えたロックアップクラッチ付流体伝動装置において、流路を形成するフロントカバー100に突設した第1の凸部71と、前記ロックアップピストン51の締結作動時の前記流路における前記第1の凸部71の下流側において前記ロックアップピストン51に前記第1の凸部71に対して流れの方向におけるわずかなクリアランスを設けて突設した第2の凸部72とを備え、前記ロックアップピストン51の締結作動時に前記第1および第2の突部が相対的に接近し、両凸部間の絞り効果を強くするように構成したものである。 【0015】前記流体伝動装置としてのトルクコンバータは、図2に示されるようにエンジン(図示せず)によって回転駆動されるポンプ2と、変速機入力軸1Nに一体的に形成され同軸的に回転可能に配設されたタービン1と、変速機ケースに固定されたステータ軸11にワンウェイクラッチ31を介して連結されタービン1とポンプ2との間に配設されるステータ羽根車3とから成る。 【0016】前記ロックアップクラッチは、図1および図3に示されるようにロックアップピストン51と、該ロックアップピストン51の締結面に配設された前記第2の凸部としての矩形断面形状の摩擦部材54と、該摩擦部材54に当接するフロントカバー100とから構成される。 【0017】前記ロックアップピストン51は、図1および図3に示されるように軸方向に屈曲延在するとともにタービンハブ10の中央軸端の環状凹部101に介挿されたL字状の内周端511と、軸方向に屈曲延在して半径方向において前記フロントカバー100の内周壁に対向するL字状の外周端512とを備えている。 【0018】前記ダンパー6は、図1および図3に示されるようにタービン1の内周側に固着されたロケーションディスク61と、ロケーションディスク61の外周側に配設されたダンパースプリング62とから成る。 【0019】前記第1の凸部71は、前記フロントカバー100の締結面の前記ロックアップピストン51に対向する外周側の平坦面において、前記流路における前記第2の凸部72としての前記摩擦部材54の締結時、上流側においてわずかなクリアランスを設けてリング状に突設され、矩形断面形状の前記第1の凸部71の厚さは、前記摩擦部材54の厚さと同じになるように設定されている。 【0020】前記わずかなクリアランスは、後述する堰止め効果の観点および生産性を考慮して最適な寸法に設定される。 【0021】前記第2の凸部72は、前記ロックアップピストン51の前記フロントカバー100に対向する外周側の平坦面に配設された所定の厚さの摩擦材より成る環状の前記摩擦部材54によって構成されている。 【0022】上記構成より成る第1実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、逆駆動時においては、前記ロックアップピストン51の周りの圧力分布のアンバランスにより、前記ロックアップピストン51には開放方向への推力が働いている。 【0023】このとき、前記ロックアップピストン51上の前記摩擦部材54によって構成される前記第2の凸部72の上流側の前記フロントカバー100の部位に配設された矩形断面形状の前記第1の凸部71によって、前記フロントカバー100と前記ロックアップピストン51との間に形成される前記流路内を流れる作動油の流れが、図3に示されるように堰止め効果により堰止められ流れの方向が変えられる。 【0024】堰止められ流れの方向が変えられた前記作動油の流れは、図3に示されるように前記フロントカバー100に配設された前記第1の凸部71と前記ロックアップピストン51上の前記摩擦部材54とによって形成されるわずかなすき間による絞り効果によって絞られるとともに、前記摩擦部材54の表面に沿うように流れの方向が変えられる。 【0025】したがって本第1実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、図3に示されるように前記フロントカバー100に配設された前記第1の凸部71による堰止め効果と前記ロックアップピストン51上の前記摩擦部材54によって構成される前記第2の凸部72による絞り効果およびジグザグ状の流れの方向変化とによって、前記第1の凸部71および前記第2の凸部72(前記摩擦部材54)の前後での発生差圧が上記従来装置に比べて増加して、前記ロックアップピストン51の前後の締結方向への推力が増大し、締結が促進される。 【0026】上記作用を奏する第1実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、逆駆動時における前記ロックアップピストン51の締結が促進され、締結応答性を向上するという効果を奏する。 【0027】すなわち逆駆動時には、前記ロックアップピストン51周りの圧力分布のアンバランスにより、前記ロックアップピストン51には開放方向への推力が働いているので、前記ロックアップピストン51上の前記摩擦部材54と前記フロントカバー100の前記第1の凸部71とのわずかなすき間形成による絞り効果と前記フロントカバー100の前記第1の凸部71と前記フロントカバー100の曲率に沿った流れの堰止め効果(図3)により、前記摩擦部材54前後における発生差圧が増加し、前記ロックアップピストン51の前後の締結方向への推力が増大し、締結が促進されるので、図4に示されるように締結応答および締結可能範囲が向上する。 【0028】(第2実施形態)本第2実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、図5に示されるように前記フロントカバー100の前記第1の凸部71を前記ロックアップピストン51上の第2の凸部72としての前記摩擦部材54と同等の摩擦材料によって構成する点が、前記第1実施形態との相違点であり、以下相違点を中心に説明する。 【0029】本第2実施形態においては、前記フロントカバー100の前記第1の凸部71を前記摩擦部材54と同等の摩擦材料によって構成されるので、該摩擦材料より成る第1の凸部71が前記ロックアップピストン51に接触して、該ロックアップピストン51に摩擦を付与する摩擦面を付加するとともに、熱移動経路を増やすことになる。 【0030】すなわち前記第1の凸部71を摩擦材と同等の材料により構成するので、前記第2の凸部72を構成する前記摩擦部材54による前記フロントカバー100における摩擦面積に加えて、前記ロックアップピストン51に摩擦面を付加することになるため、その分の摩擦面積を増やすことになる。 【0031】上記作用を奏する第2実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、前記摩擦部材54による前記フロントカバー100における摩擦面積に加えて、摩擦材の前記第1の凸部71により前記ロックアップピストン51に摩擦面を付加することになるため、その分の摩擦面積を増やすとともに、熱移動経路が増えるので、図6に示されるように摩擦面の冷却性能を向上させるとともに、伝達トルクを同一にした場合は前記摩擦面の温度を低下させるという効果を奏する。 【0032】また第2実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、前記フロントカバー100における摩擦面積に加えて、前記ロックアップピストン51に摩擦面を付加することになるため、その分の摩擦面積を増やすことになるため、図7に示されるように摩擦面温度が同じ場合の伝達トルクを向上するとともに、トルク容量を向上させるという効果を奏する。 【0033】(第3実施形態)本第3実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、図8ないし図10に示されるように本発明を多板のロックアップクラッチを備えたロックアップクラッチ付流体伝動装置に適用したものである。 【0034】すなわちロックアップピストン51の外周側部位に平坦な環状凹部513を形成し、該環状凹部513の外周側肩部に固着部514が固着され、略逆J字状横断面の環状プレート515の外周側の端部が前記固着部514に固着されている。 【0035】前記環状プレート515には、その前記フロントカバー100側の平坦面の略全域に及ぶ部位に第1の環状の摩擦部材541が配設されるとともに、前記ロックアップピストン51側の平坦面の内周側部位に第2の凸部72としての第2の環状の摩擦部材542が配設される。 【0036】フロントカバー100には、L字状の横断面の固着部111が固着され、略J字状横断面の環状プレート112の内周側端部が前記固着部111に固着されている。 【0037】前記環状プレート112には、その前記フロントカバー100側の平坦面の外周側部位に前記第2の凸部72としての前記第2の環状の摩擦部材542に対してわずかなクリアランスを設けて第1の凸部71としての第3の環状の摩擦部材543が配設されるとともに、前記ロックアップピストン51側の平坦面の略全域に及ぶ部位に第4の環状の摩擦部材544が配設される。 【0038】上記構成より成る第3実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、前記ロックアップピストン51に固着された前記環状プレート515上の前記第2の摩擦部材542によって構成される前記第2の凸部72の上流側の前記フロントカバー100に固着された前記環状プレート112に配設された前記第1の凸部71としての前記第3の摩擦部材543によって、前記環状プレート112と前記環状プレート515との間に形成される前記流路内を流れる作動油の流れが、図10に示されるように堰止め効果(図10中Sで示す)により堰止められ流れの方向が変えられる。 【0039】堰止められ流れの方向が変えられた前記作動油の流れは、図10に示されるように前記環状プレート112に配設された前記第1の凸部71しての第3の摩擦部材543と前記環状プレート515上の前記第2の凸部72としての前記第2の摩擦部材542とによって形成されるわずかなすき間による絞り効果によって絞られるとともに、前記第2の摩擦部材542の表面に沿うように流れの方向が変えられる。 【0040】したがって本第3実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、図10に示されるように前記環状プレート112に配設された前記第1の凸部71による堰止め効果と前記ロックアップピストン51上の前記摩擦部材54によって構成される前記第2の凸部72による絞り効果およびジグザグ状の流れの方向変化とによって、前記第1の凸部71および前記第2の凸部72(前記摩擦部材54)の前後での発生差圧が増加して、前記ロックアップピストン51の前後の締結方向への推力が増大し、締結が促進される。 【0041】上記作用を奏する第3実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、前記堰止め効果(S)および前記絞り効果(T)によって前記第1および第2の凸部71、72の前後における発生差圧を増加させ、前記ロックアップピストン51前後の締結方向への推力を増大させるので、逆駆動時における前記ロックアップピストン51の締結が促進され、締結応答性を向上するという効果を奏する。 【0042】また第3実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、前記第1および第2の凸部71、72をともに前記第3の摩擦部材543および前記第2の摩擦部材542によって構成するので、熱移動が適正配分されるので、摩擦面の冷却性能を向上させるとともに、伝達トルクを同一にした場合は前記摩擦面の温度を低下させて熱吸収量が増える分、伝達トルクを向上できる。 【0043】しかも第3実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、面積の大きな第1および第3の摩擦部材541、544を備えているので、摩擦面積を増やすとともに、熱移動が適正配分されるので、摩擦面の冷却性能を向上させるとともに、伝達トルクを同一にした場合は前記摩擦面の温度を低下させるという効果を奏するとともに、伝達トルクを向上するとともに、トルク容量を向上させるという効果を奏する。 【0044】(第4実施形態)本第4実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、図11に示されるように前記フロントカバー100の前記環状プレート112に配設された前記第1の凸部71としての第3の摩擦部材を2個に分割して、分割された2個の第3の摩擦部材5431、5432の間に対応する位置の前記ロックアップピストン51の前記環状プレート515に前記第2の凸部72としての第2の摩擦部材542をわずかなクリアランスを設けて配設する点が、前記第3実施形態との相違点であり、以下相違点を中心に説明する。 【0045】上記構成より成る第4実施形態においては、分割された2個の前記第3の摩擦部材5431、5432および前記第2の摩擦部材542の外周側の外周面における堰止め効果と上流側の前記第3の摩擦部材5431と前記第2の摩擦部材542および前記第2の摩擦部材542と下流側の前記第3の摩擦部材5432とによる絞り効果および多数のジグザグ状の流れの方向変化とによって、2個の前記第1の凸部71および前記第2の凸部72(前記摩擦部材54)の前後での発生差圧が増加して、前記ロックアップピストン51の前後の締結方向への推力が増大し、締結が促進される。 【0046】上記作用を奏する第4実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、逆駆動時における前記ロックアップピストン51の締結が促進され、締結応答性を向上するという効果を奏する。 【0047】しかも第4実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、前記第1および第2の凸部71、72をともに分割された前記第3の摩擦部材543および前記第2の摩擦部材542によって構成するので、熱移動が適正配分されるので、摩擦面の冷却性能を向上させるとともに、伝達トルクを同一にした場合は前記摩擦面の温度を低下させて熱吸収量が増える分、伝達トルクを向上できる。 【0048】(第5実施形態)本第5実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、図12に示されるように前記ロックアップピストン51に固着された前記環状プレート515と前記フロントカバー100側の平坦面のとの間に介挿される第1の環状の摩擦部材541を、内周側部材5411および外周側部材5412に分割して前記環状プレート515と前記フロントカバー100側の平坦面とにそれぞれ配設される。 【0049】また前記フロントカバー100に固着された前記環状プレート112と前記ロックアップピストン51の前記環状凹部513との間に介挿される第4の環状の摩擦部材544を、内周側部材5441および外周側部材5442に分割して前記環状プレート112と前記環状凹部513の平坦面とにそれぞれ配設される。 【0050】さらに前記フロントカバー100に固着された前記環状プレート112には、その前記フロントカバー100側の平坦面の内周側部位に前記第1の凸部71としての前記第3の環状の摩擦部材545が配設され、前記ロックアップピストン51に固着された前記環状プレート515には、その前記ロックアップピストン51側の平坦面の外周側部位に前記第1の凸部72としての前記第2の環状の摩擦部材546が配設されている。 【0051】上記構成より成る第5実施形態においては、前記フロントカバー100に固着された前記外周側部材5412と前記環状プレート515に固着された前記第2の環状の摩擦部材546と前記ロックアップピストン51に固着された前記外周側部材5442の外周側の外周面において、堰止め効果による作用が奏される。 【0052】また前記フロントカバー100と前記環状プレート515との間(第1流路)に介挿された前記内周側部材5411と外周側部材5412と、前記環状プレート515と前記環状プレート112との間(第2流路)に介挿された前記第3の環状の摩擦部材545と前記第2の環状の摩擦部材546と、および前記環状プレート112と前記ロックアップピストン51との間(第3流路)に介挿された外周側部材5442と内周側部材5441との各間において、流路を流れる作動油の流れが絞り効果により絞られる。 【0053】上述した前記堰止め効果および絞り効果および第1ないし第3の複数の流路における多数のジグザグ状の流れの方向変化とによって、前記第1の凸部71および前記第2の凸部72を構成する前記各摩擦部材54の前後での発生差圧が増加して、前記ロックアップピストン51の前後の締結方向への推力が増大し、締結が促進される。 【0054】上記作用を奏する第5実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、分割された第1ないし第3の流路における前記第1および第2の凸部としての相前後してわずかなクリアランスを設けて配設された各摩擦部材の周りに連続して形成されるジグザグ状の流路に作動油が流れることにより、前記堰止め効果および前記絞り効果を前記第3実施形態より一層有効に作用させることによって、分割された2個の前記第1の凸部71および第2の凸部72の前後における発生差圧を増加させ、前記ロックアップピストン51の前後の締結方向への推力を増大させるので、逆駆動時における前記ロックアップピストン51の締結が促進され、締結応答性を向上するという効果を奏する。 【0055】しかも第5実施形態のロックアップクラッチ付流体伝動装置は、分割された第1ないし第3の流路にそれぞれ配設された前記第1および第2の凸部をいずれも摩擦部材によって構成するので、各熱移動経路への熱移動配分の適正化が図られるという効果を奏する。 【0056】上述の実施形態は、説明のために例示したもので、本発明としてはそれらに限定されるものでは無く、特許請求の範囲、発明の詳細な説明および図面の記載から当業者が認識することができる本発明の技術的思想に反しない限り、変更および付加が可能である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003609 【氏名又は名称】株式会社豊田中央研究所 【識別番号】000003207 【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年9月16日(1998.9.16) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083046 【弁理士】 【氏名又は名称】▲高▼橋 克彦
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| 【公開番号】 |
特開2000−88079(P2000−88079A) |
| 【公開日】 |
平成12年3月28日(2000.3.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−281985 |
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