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【発明の名称】 Vリブドベルト
【発明者】 【氏名】高橋 長

【氏名】藤本 浩

【要約】 【課題】VリブドベルトBに対し、そのベルトBの張力管理やアイドラプーリを要することなく、VリブドベルトB自体により走行時の振動や振動による騒音を発生し難くする。

【解決手段】VリブドベルトBの心体2の底側位置からリブ部3の底部までの寸法H1を1.0〜2.0mmとして、ベルトBの底部側の厚さを増大させ、ベルトBが振動してプーリを叩いたときの衝撃を小さくする。また、心体2の底側位置からリブ部3の先端部までの寸法H2を3.0〜4.0mmとし、又はリブ部3の数が5であるときのβ法−曲げ剛性試験による曲げ剛性を4.0kg・cm2以上とし、ベルトBの曲げ剛性を増大させる。或いは、リブ部3の数が5であるときのα法−動的特性試験による動的ばね定数を850N/mm以上として、ベルトBのばね定数を増大させる。さらには、リブ部3の数が5であるときのα法−動的特性試験による動的減衰率を0.065N・S/mm以上とし、ベルトBの減衰率を増大させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に心体が埋設され、底面にベルト長さ方向に互いに平行に延びる複数のリブ部が形成されたVリブドベルトにおいて、上記心体の底側位置からリブ部の底部までが1.0〜2.0mmであることを特徴とするVリブドベルト。
【請求項2】 内部に心体が埋設され、底面にベルト長さ方向に互いに平行に延びる複数のリブ部が形成されたVリブドベルトにおいて、上記心体の底側位置からリブ部の先端部までが3.0〜4.0mmであることを特徴とするVリブドベルト。
【請求項3】 内部に心体が埋設され、底面にベルト長さ方向に互いに平行に延びる複数のリブ部が形成されたVリブドベルトにおいて、上記リブ部の数が5であるときのベルトのα法−動的特性試験による動的ばね定数が850N/mm以上であることを特徴とするVリブドベルト。
【請求項4】 内部に心体が埋設され、底面にベルト長さ方向に互いに平行に延びる複数のリブ部が形成されたVリブドベルトにおいて、上記リブ部の数が5であるときのベルトのα法−動的特性試験による動的減衰率が0.065N・S/mm以上であることを特徴とするVリブドベルト。
【請求項5】 内部に心体が埋設され、底面にベルト長さ方向に互いに平行に延びる複数のリブ部が形成されたVリブドベルトにおいて、上記リブ部の数が5であるときのベルトのβ法−曲げ剛性試験による曲げ剛性が4.0kg・cm2以上であることを特徴とするVリブドベルト。
【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1つのVリブドベルトにおいて、心体は、エチレン−2,6−ナフタレート繊維であることを特徴とするVリブドベルト。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Vリブドベルトに関し、特にその振動や騒音を低減するための技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のVリブドベルトはよく知られ、エンジンの補機駆動用ベルト等として広く一般に用いられている。例えば特開平9―236156号や特開平9―273607号の各公報に示されるものでは、Vリブドベルトに埋設される心体(心線)としてエチレン−2,6−ナフタレート繊維(PEN繊維)を用いることにより、ベルトの屈曲疲労性を高め、又はスリップ率を低減することが提案されている。
【0003】ところで、近年、車両用エンジンの静粛性が大幅に改善されてきており、その分、エンジンの補機駆動装置での振動やその振動による騒音が相対的に顕著に現れるという問題がある。
【0004】そして、上記振動や騒音を低減するために、従来、Vリブドベルトの張力を増大させ、或いはベルトのスパンを背面からアイドラプーリで押圧する等、ベルトの使用方法やレイアウトの調整によって振動・騒音の低減を図ることが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般に、伝動ベルトはその心体のクリープやベルト自体の摩耗等により張力の低下を起こす特性を有しており、上記従来の如くベルト張力を増大させるように調整する場合、その張力管理のためにメンテナンス回数が増加する等して面倒になり、それを通常のユーザに要求することは実質的に不可能に近い。
【0006】一方、ベルトのスパンを押圧するアイドラプーリを配置する場合、レイアウト上、そのアイドラプーリを支持するためのスペースを要し、コストアップを招くという問題がある。
【0007】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、上記Vリブドベルトの形状や材質等の諸特性を適正に設定することにより、ベルトの張力管理やアイドラプーリを要することなく、Vリブドベルト自体により走行時の振動や振動による騒音を発生し難くしようとすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく、この発明では、Vリブドベルトの心体を高ばね定数もしくは高減衰率とし、又はベルトの曲げ剛性を増大させることで、ベルトスパンの振動を少なくするか、或いはベルトのゴム部分を増大させてベルトがプーリを叩いたときの衝撃を緩和させるようにした。
【0009】具体的には、請求項1の発明では、内部に心体が埋設され、底面にベルト長さ方向に互いに平行に延びる複数のリブ部が形成されたVリブドベルトにおいて、上記心体の底側位置からリブ部の底部までを1.0〜2.0mmとする。
【0010】上記の構成により、Vリブドベルトの底部側の厚さが増大するので、ベルトが振動してプーリを叩いたときの衝撃が小さくなり、その振動による騒音(プーリを叩いたときの騒音)を低減することができる。上記心体の底側位置からリブ部の底部までの寸法は、1.0mm未満であると、上記衝撃の緩和効果が良好に得られない一方、2.0mmを越えると、ベルトの屈曲疲労性が低下してベルト寿命が短くなるので、1.0〜2.0mmとされている。
【0011】請求項2の発明では、上記請求項1の発明の前提と同様のVリブドベルトにおいて、その心体の底側位置からリブ部の先端部までを3.0〜4.0mmとする。このことで、ベルトの曲げ剛性が増大するので、ベルトのプーリ間のスパンが振動し難くなり、ベルトの振動ないし該振動による騒音を低減することができる。上記心体の底側位置からリブ部の先端部までの寸法は、3.0mm未満であると、上記曲げ剛性を十分に増大できない一方、4.0mmを越えると、ベルトの屈曲疲労性が低下してベルト寿命が短くなるので、3.0〜4.0mmとされている。
【0012】請求項3の発明では、同様のVリブドベルトにおいて、そのリブ部の数が5であるときのベルトのα法−動的特性試験による動的ばね定数を850N/mm以上とする。このことで、ベルトのばね定数が増大するので、ベルトのスパンが振動し難くなり、ベルトの振動ないし振動による騒音を低減することができる。上記動的ばね定数は850N/mmよりも小さい場合、上記ベルトの振動低減効果が不足するので、850N/mm以上とする。
【0013】請求項4の発明では、同様のVリブドベルトにおいて、そのリブ部の数が5であるときのベルトのα法−動的特性試験による動的減衰率を0.065N・S/mm以上とする。こうすると、ベルトの減衰率が増大するので、ベルトスパンが振動し難くなり、ベルトの振動ないし振動による騒音を低減することができる。上記動的減衰率は0.065N・S/mmよりも小さいと、ベルトの振動低減効果が不足するので、0.065N・S/mm以上とされる。
【0014】請求項5の発明では、同様のVリブドベルトにおいて、そのリブ部の数が5であるときのベルトのβ法−曲げ剛性試験による曲げ剛性を4.0kg・cm2以上とする。このことで、上記請求項2の発明と同様に、ベルトの曲げ剛性が増大するので、ベルトのスパンが振動し難くなり、ベルトの振動・騒音を低減できる。上記曲げ剛性は4.0kg・cm2未満であると、上記曲げ剛性を十分に増大できないので、4.0kg・cm2以上とされている。
【0015】請求項6の発明では、上記心体は、エチレン−2,6−ナフタレート繊維とする。このことで、上記請求項1〜5の発明の効果が有効に発揮される最適な心体が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1及び図2は本発明の実施形態に係るVリブドベルトBを示し、このベルトBは例えば5PK型と呼ばれるもので、リブ数5で厚さHを有する。1はエンドレスのゴムからなるベルト本体で、このベルト本体1には、ベルト背面から例えば0.95mmの位置を中心位置とする外径C(=1.0mm)の心体2(心線)がベルト幅方向(図1で左右方向)にピッチp(=1.15mm)で螺旋状に配置されて埋設されている。この心体2は、エチレン−2,6−ナフタレート繊維(以下、PEN繊維ともいう)やポリエチレンテレフタレート繊維(PET繊維)、ポリビニールアルコール繊維(PVA繊維)、アラミド繊維等が用いられている。
【0017】上記ベルト本体1の底面には、ベルト長さ方向に互いに平行に延びる高さhr(=2.0mm)及び幅d(=3.56mm)の例えば5つの断面略台形状のリブ部3,3,…がベルト幅方向に一定ピッチをあけて形成されている。一方、ベルト本体1の背面には背面布4が設けられている。
【0018】そして、上記心体2の底側位置からリブ部3の底部までの寸法H1はH1=1.0〜2.0mmとされている。また、上記心体2の底側位置からリブ部3の先端部までの寸法H2がH2=3.0〜4.0mmとされている(H2=H1+hr)。
【0019】さらに、上記各リブ部3の数が5であるときのベルトBのα法−動的特性試験による動的ばね定数は850N/mm以上とされている。また、同じα法−動的特性試験による動的減衰率は0.065N・S/mm以上とされている。また、リブ部3の数が5であるときのベルトBのβ法−曲げ剛性試験による曲げ剛性は4.0kg・cm2以上とされている。
【0020】したがって、この実施形態においては、VリブドベルトBの心体2の底側位置からリブ部3の先端部までの寸法H2がH2=3.0〜4.0mmであるので、ベルトBの曲げ剛性が増大する。しかも、リブ部3の数が5であるときのベルトBのβ法−曲げ剛性試験による曲げ剛性が4.0kg・cm2以上であるので、上記ベルトBの曲げ剛性がさらに増大する。このようなベルトBの曲げ剛性の増大により、ベルトBのプーリ間にあるスパンが振動し難くなり、ベルトBの振動を低減することができる。
【0021】また、リブ部3の数が5であるときのベルトBのα法−動的特性試験による動的ばね定数が850N/mm以上であるので、ベルトBのばね定数も増大し、このことで、上記ベルトBのスパンがさらに振動し難くなり、ベルトBの振動をより一層低減することができる。
【0022】さらに、リブ部3の数が5であるときのベルトBのα法−動的特性試験による動的減衰率が0.065N・S/mm以上であるので、ベルトBの減衰率が増大し、ベルトスパンがより一層振動し難くなってベルトBの振動を低減することができる。
【0023】そして、VリブドベルトBの心体2の底側位置からリブ部3の底部までの寸法H1がH1=1.0〜2.0mmであるので、ベルトBが振動したとしてもそのプーリを叩いたときの衝撃を小さくでき、その振動による騒音(プーリを叩いたときの騒音)を低減することができる。
【0024】尚、上記実施形態では、心体2の底側位置からリブ部3の底部までの寸法H1をH1=1.0〜2.0mmとする構成、心体2の底側位置からリブ部3の先端部までの寸法H2をH2=3.0〜4.0mmする構成、リブ部3の数が5であるときのベルトBのα法−動的特性試験による動的ばね定数を850N/mm以上とする構成、リブ部3の数が5であるときのベルトBのα法−動的特性試験による動的減衰率を0.065N・S/mm以上とする構成、リブ部3の数が5であるときのベルトBのβ法−曲げ剛性試験による曲げ剛性を4.0kg・cm2以上とする構成をいずれも満たすようにしているが、そのうちのいずれか1つのみ又は複数を満たすようにしてもよい。
【0025】
【実施例】次に、具体的に実施した実施例について説明する。上記実施形態の構造の「5PK1130」のVリブドベルトB(リブ数5PK)に対し、心体2の種類、ベルトBの厚さH、心体2の底側位置からリブ部3の底部までの寸法H1、心体2の底側位置からリブ部3の先端部までの寸法H2を変えて、3つの本発明例1〜3と2つの比較例1,2との各試験片(以下、ベルトともいう)を作製した。その詳細を下記の表1に示す。尚、ベルトBの心体2はいずれも、1000デニールの繊維(PEN繊維又はPET繊維)を2×3の撚り構成としたものである。
【0026】
【表1】

【0027】(ベルトのα法−動的特性試験)以上の各試験片に対し、α法−動的特性試験を行った。その試験装置は、図3に示すように、固定体10に固定された上側チャック11と、この上側チャック11の下側に150mmの間隔をあけて配置される下側チャック12とを有し、これら両チャック11,12間に、展開したベルトB(試験片)の上下端部を挟み、下側のチャック12に対し図外のサーボモータにより50±15kgfの振幅荷重を50Hzの加振周波数f(f=50Hz)で与えてベルトBを上下方向(ベルトBの長さ方向)に振動させた。雰囲気温度は室温であった。
【0028】そして、そのときの伸び(単位:mm)と荷重(単位:N)とを座標にすると、図4に示すようなヒステリシス曲線が得られる。このヒステリシス曲線に対し、荷重の最大値及び最小値の差aと伸びの最大値及び最小値の差bとに基づいて以下の式により動的ばね定数及び動的減衰率を算出した。その結果を下記の表2に示す。尚、動的減衰率の計算式中のtanδは、ゴムの動的粘弾性試験における損失係数である。
【0029】動的ばね定数(単位:N/mm)=a/b動的減衰率(単位:N・S/mm)=(a/b)×(tanδ/2πf)
【0030】(β法−曲げ剛性試験)一方、各ベルトに対し、β法−曲げ剛性試験を行った。その試験装置は、図5に示すように、上下の押圧板14,15を左右のリンク16,16により各々で平行四辺形をなすように平行に支持してなるもので、これら上下の押圧板14,15間にベルトB(5PK1130)を配置し、上側の押圧板14上に荷重W=0.7kgfを載せてベルトBを扁平状に変形させ、そのときのベルトBの上下スパンの心体2,2間の距離l(単位:cm)に基づいて下記の式により曲げ剛性を計算した。その結果を表2に示す。
【0031】曲げ剛性EI(単位:kg・cm2)=0.174×W×l2【0032】(γ法−振動異音試験)そして、上記ベルトの各々を実際のエンジン補機駆動装置に装着してγ法−振動異音試験を行った。このエンジン補機駆動装置は、図6に示すように、互いに直交するxy座標(単位:mm)における位置(0,0)に配置された中心を持つプーリ径130mmのVリブドプーリからなるクランクプーリ18と、位置(140,330)に配置された中心を持つプーリ径57.5mmのVリブドプーリからなるオルタネータプーリ19とを備え、上記クランクプーリ18は図外のエンジンのクランク軸に、またオルタネータプーリ19は負荷としての図外のオルタネータの入力軸にそれぞれ取り付けられている。位置(165,85)にはプーリ径140mmのVリブドプーリからなる第1アイドラプーリ20が、また位置(190,215)にはプーリ径80mmの平プーリからなる第2アイドラプーリ21がそれぞれ配置されている。これらのプーリ18〜21に対し各ベルトB(5PK1130)を、クランクプーリ18、オルタネータプーリ19及び第1アイドラプーリ20にあってはリブ面に当たるように、また第2アイドラプーリ21にあっては背面に当たるようにそれぞれ巻き掛け、そのベルトBに張力60kgfを付与した状態でクランクプーリ18をアイドラプーリ20,21側のベルトスパンが張り側になる方向に1500rpm付近で回転させる。そして、クランクプーリ18とオルタネータプーリ19との間のベルトBの緩み側スパンB1の振れ量(単位:mm)を図外のセンサにより測定した。また、上記オルタネータに、クランクプーリ18とオルタネータプーリ19との間のベルト緩み側スパンB1と平行な方向(図で矢印gの方向)の加速度を検出する加速度ピックアップ(図示せず)を取り付けて、そのピックアップにより緩み側スパンB1の振れに伴うオルタネータの振動の大きさ(単位:加速度G)を測定した。さらに、ベルト緩み側スパンB1のオルタネータプーリ19進入側手前部分の側方50mmの位置に騒音計(図示せず)を配置して騒音レベルを測定した。また、このときの騒音(オルタネータプーリ19に対する叩き音)の聴感上の性質(どのような音か)や大きさレベルを評価した。これらの結果も表2に示す。
【0033】(ベルトの屈曲寿命試験)最後に、上記ベルトの各々を屈曲寿命試験装置に装着してベルトBの屈曲寿命を調べた。この試験装置は、図7に示すように、上下に配置されたプーリ径120mmのVリブドプーリからなる駆動及び従動プーリ23,24と、これら駆動及び従動プーリ23,24間に配置されたプーリ径55mmのVリブドプーリからなる第1アイドラプーリ25、及びプーリ径55mmの平プーリからなる第2アイドラプーリ26とを備え、これらプーリ23〜26に各ベルトBを、駆動及び従動プーリ23,24と第1アイドラプーリ25とにあってはリブ面に当たるように、また第2アイドラプーリ26にあっては背面に当たるように、かつ各アイドラプーリ25,26とベルトBが90°で接触するようにそれぞれ巻き掛け、第1アイドラプーリ25に85kgfの荷重SWを加えてベルト張力を付与し、従動プーリ24に16PSの負荷を与えた状態で駆動プーリ23を4850rpmで回転させ、ベルトBにクラックが発生するまでの寿命(単位:H=時間)を測定した。尚、雰囲気温度は85±3°であった。その結果を表2に示す。
【0034】
【表2】

【0035】この表2の結果を考察するに、ベルトBの心体2の底側位置からリブ部3の底部までの寸法H1が1.0mm以上である本発明例2又は3を、同寸法H1が1.0mm未満である本発明例1又は比較例1と比較したとき、前者は後者に比べ相対的に見てベルトの騒音が低いことが判る。また、ベルトBの心体2の底側位置からリブ部3の先端部までの寸法H2が3.0mm以上である本発明例2又は3は、同寸法H2が3.0mm未満である本発明例1又は比較例1に比べ相対的に見てベルトの振れ量及びオルタネータの加速度が低いことが判る。また、ベルトBの屈曲寿命特性を見たとき、上記リブ部3の底部までの寸法H1が2.0mm以下であり、かつ上記リブ部3の先端部までの寸法H2が4.0mm以下である本発明例2は、同寸法H1が2.0mmよりも大きくかつ寸法H2が4.0mmよりも大きい比較例2と比べて寿命を長く保ち得ることが判る。よって、ベルト心体2の底側位置からリブ部3の底部までの寸法H1が1.0〜2.0mmであり、又はベルト心体2の底側位置からリブ部3の先端部までの寸法H2が3.0〜4.0mmであれば、ベルトBの屈曲寿命の低下を招くことなく、ベルトBの振動及びその振動による騒音を低減できることが裏付けられた。
【0036】また、ベルトBの動的ばね定数が850N/mm以上である本発明例1及び3と、同動的ばね定数が850N/mm未満である本発明例2及び比較例1とを対比したとき、前者が後者に比べて相対的にベルトBの振れ量及びオルタネータの加速度が低くかつベルトBの騒音も小さく、よってベルトBの動的ばね定数を850N/mm以上とすることで、ベルトBの振動を低減できることが判る。
【0037】さらに、ベルトBの動的減衰率が0.065N・S/mm以上である本発明例1及び3と、同動的減衰率が0.065N・S/mm未満である本発明例2及び比較例1とを対比しても、前者が後者に比べて相対的にベルトBの振れ量及びオルタネータの加速度が低くかつベルトBの騒音も小さくなり、ベルトBの動的減衰率が0.065N・S/mm以上としてもベルトBの振動を低減できることが判る。
【0038】また、ベルトBの曲げ剛性EIが4.0kg・cm2以上である本発明例2及び3と、同曲げ剛性EIが4.0kg・cm2未満である本発明例1及び比較例1とを対比すれば、この場合も前者が後者に比べて相対的にベルトBの振れ量及びオルタネータの加速度が低くかつベルトBの騒音も小さくなり、よってベルトBの曲げ剛性EIが4.0kg・cm2以上としてベルトBの振動を低減できることが判る。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明によると、Vリブドベルトにおける心体の底側位置からリブ部の底部までを1.0〜2.0mmとしたことにより、Vリブドベルトの底部側の厚さを増大でき、ベルトが振動してプーリを叩いたときの衝撃を小さくして、その振動による騒音の低減を図ることができる。
【0040】請求項2の発明では、Vリブドベルトの心体の底側位置からリブ部の先端部までを3.0〜4.0mmとした。また、請求項5の発明では、Vリブドベルトのリブ部の数が5であるときのβ法−曲げ剛性試験による曲げ剛性を4.0kg・cm2以上とした。これらの発明によると、Vリブドベルトの曲げ剛性を増大してベルトスパンの振動を抑制でき、ベルトの振動ないし振動による騒音を低減できる。
【0041】請求項3の発明によると、Vリブドベルトのリブ部の数が5であるときのα法−動的特性試験による動的ばね定数を850N/mm以上としたことにより、ベルトのばね定数を増大させてベルトスパンを振動し難くでき、ベルトの振動ないし振動による騒音を低減することができる。
【0042】請求項4の発明によると、Vリブドベルトのリブ部の数が5であるときのα法−動的特性試験による動的減衰率を0.065N・S/mm以上としたことにより、ベルトの減衰率を増大させてベルトスパンを振動し難くし、ベルトの振動ないし振動による騒音を低減することができる。
【0043】請求項6の発明によると、上記心体をエチレン−2,6−ナフタレート繊維としたことにより、上記請求項1〜5の発明の効果が有効に発揮される最適な心体が得られる。
【出願人】 【識別番号】000005061
【氏名又は名称】バンドー化学株式会社
【出願日】 平成11年4月21日(1999.4.21)
【代理人】 【識別番号】100077931
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 弘 (外1名)
【公開番号】 特開2000−304103(P2000−304103A)
【公開日】 平成12年11月2日(2000.11.2)
【出願番号】 特願平11−113105