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【発明の名称】 ケーブルホースの保護案内チェーン
【発明者】 【氏名】濱 富夫

【氏名】春日 一彦

【要約】 【課題】部品点数を必要最小限に抑えて製造コストを低減し、しかも取扱い性の良いケーブルホースの保護案内チェーンを提供する。

【解決手段】離間対向する1対のリンクプレート2を有し内部空間部が矩形状に形成されたリンク体1どうしを屈曲可能に複数連結し、該内部空間にホース類等を収容可能なケーブルホースの保護案内チェーン32において、内部空間を左右に仕切る仕切り板20をリンクプレート2間の任意の位置に立設し、該仕切り板20により左右に仕切られた内部空間を上下に仕切る棚板25を仕切り板20の立設位置に応じて伸縮自在に設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 離間対向する1対のリンクプレートを有し内部空間が矩形状に形成されたリンク体どうしを屈曲可能に複数連結し、該内部空間にホース類等を収容可能なケーブルホースの保護案内チェーンにおいて、前記内部空間を左右に仕切る仕切り板を前記リンクプレート間の任意の位置に立設し、該仕切り板により左右に仕切られた前記内部空間を上下に仕切る棚板を前記仕切り板の立設位置に応じて伸縮自在に設けたことを特徴とするケーブルホースの保護案内チェーン。
【請求項2】 前記棚板は、本体プレートに引き出しプレートがスライド可能に収納されており、前記引き出しプレートは前記本体プレートに対して多段階に係止して長さ調節が可能になっていることを特徴とする請求項1記載のケーブルホースの保護案内チェーン。
【請求項3】 前記離間対向する一対のリンクプレートは、同一形状のリンクプレートが用いられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のケーブルホースの保護案内チェーン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、離間対向する1対のリンクプレートを用いて開口部が矩形状に形成されたリンク体どうしを屈曲可能に複数連結し、内部空間にホース類等を収容可能なケーブルホースの保護案内チェーンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、組立式のケーブルホースの保護案内チェーンは、離間対向した互いの形状が一部異なる側板(以下「リンクプレート」という)を2枚と該リンクプレートの上縁部どうしを連結するフラップ及び下縁部どうしを連結する底板の4種類の部品、或いは上記フラップと底板を同じ形状で共通に使用した3種類の部品により矩形状のリンク体が形成されていた。このリンク体どうしをリンクプレートの長手方向両側に形成したボス部どうしを嵌合させて連結し、所定範囲で屈曲可能なケーブルホースの保護案内チェーンが形成される。
【0003】ケーブルホースの保護案内チェーンは、設置機械等の装置本体と移動体と各々連結されてその内部空間には電源ケーブル、油圧ホース、エアーホースなどのホース類等が収容される。この収容されるホース類等に対して、例えば内部余空間が大きすぎる場合には、ホース類どうしが捩じれたり、からみ合ったりするおそれがあった。また、ユーザーは、設計上の都合や、メンテナンスなどを考慮して、例えば同じ種類のホース毎に内部空間を仕切って配線したい場合などがある。
【0004】例えば、実開平5−12803号公報には、ケーブルドラグチェーンの上下結合杆に連結して内部空間を左右に仕切る左右仕切り体を貫通して上下に仕切る上下仕切体を備えたケーブルドラグチェーンの内部仕切構造が提案されている。また、特表平2−503943号公報には、2枚の側板と横ウェブによりなる鎖リンク内に、横ウェブ間に変位自在に挿入され内部を左右に仕切る仕切ウェブと、仕切ウェブ間に該仕切ウェブの両側に形成された保持溝部に両端に形成された固定ラグを圧入して取り付けられた中間ウェブとを備えている。また、側板の内側には、閉鎖ウェブが嵌め込まれており、該閉鎖ウェブは中間ウェブの一端を支持するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平5−12803号公報に開示されたケーブルドラグチェーンの内部仕切構造においては、上下仕切体は左右仕切り体を貫通して両端をリンクプレートに連結されているため、リンク体の内部空間を上下結合杆の長手方向に任意の位置で上下に仕切ることはできず、ホース類の大きさや収容量に応じて上下方向に内部空間を細分化して有効に利用することはできない。
【0006】また、特表平2−503943号公報に開示された鎖リンクにおいては、仕切ウェブが横ウェブ間に変位自在に挿入されているため、該横ウェブの長手方向に任意の位置に設けて該仕切ウェブの両側に中間ウェブを設けて内部空間を上下に仕切ることが可能である。しかしながら、仕切ウェブが横ウェブの長手方向に任意の位置に配置するためには、該横ウェブの配置に応じた長さの中間ウェブを用意する必要がある。この場合、仕切ウェブの配置位置の自由度が増すほど、中間ウェブは多種類の長さサイズが必要となり、部品点数がいたずらに多くなり、これらの部品を成形する金型の数を考慮すると製造コストが増大する。また、部品点数が多いことから、在庫管理が煩わしく、部品選択時のミスも生じ易い。また、側板の内側には、仕切ウェブの代わりに閉鎖ウェブが嵌め込まれることから、部品点数が更に多くなる上に、内部空間がその板厚分だけ左右に狭まることとなり、ホース類の収容容積が縮小してしまうという問題点もあった。
【0007】本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、部品点数を必要最小限に抑えて製造コストを低減し、しかも取扱い性の良いケーブルホースの保護案内チェーンを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明は次の構成を備える。即ち、離間対向する1対のリンクプレートを有し内部空間部が矩形状に形成されたリンク体どうしを屈曲可能に複数連結し、該内部空間にホース類等を収容可能なケーブルホースの保護案内チェーンにおいて、内部空間を左右に仕切る仕切り板をリンクプレート間の任意の位置に立設し、該仕切り板により左右に仕切られた内部空間を上下に仕切る棚板を前記仕切り板の立設位置に応じて伸縮自在に設けたことを特徴とする。
【0009】また、棚板は、本体プレートに引き出しプレートがスライド可能に収納されており、引き出しプレートは前記本体プレートに対して多段階に係止して長さ調節が可能になっているのが望ましい。また、離間対向する一対のリンクプレートは、同一形状のリンクプレートが用いられていても良い。
【0010】
【発明の実施の態様】以下、本発明の好適な実施の態様について添付図面と共に詳述する。図1はリンク体の構成を示す斜視図、図2はリンクプレートどうしを連結した状態の水平断面図、図3(a)(b)はフラップ及び底板の斜視説明図、図4はリンク体の底板に仕切り板を立設した状態を示す説明図、図5は仕切り板とリンクプレートとの間に棚板を架設した状態を示す説明図、図6(a)(b)は棚板の説明図、図7(a)(b)(c)(d)は棚板を構成する本体プレートの平面図、左側面図、底面図及び正面図、図8(a)(b)(c)(d)は棚板を構成する引き出しプレートの平面図、右側面図、底面図及び正面図、図9は案内チェーンの斜視説明図、図10(a)(b)は左右のリンクプレートに取り付けられた取付金具の説明図、図11は他例に係るリンク体の構成を示す斜視図、図12(a)(b)は他のリンクプレートの説明図、図13(a)(b)(c)は他例に係る回動角規制駒の説明図、図14(a)(b)(c)は他例に係る本体プレートと引き出しプレートの説明図、図15(a)(b)(c)(d)は本体プレートの上視図、正面図、裏面図、矢印J−J方向断面図、図16(a)(b)(c)(d)(e)は引き出しプレートの上視図、左側面図、背面図、矢印K−K方向断面図、裏面図である。
【0011】先ず、ケーブルホースの保護案内チェーン(以下、単に「案内チェーン」という)の構成する一単位となるリンク体の構成について図1を参照して説明する。本実施例ではフラップと底板とを別部材で形成される所謂Oタイプの案内チェーンを中心に説明する。Oタイプの案内チェーンは、矩形状に形成された内部空間に収容されたホース類が外側から見えないように収容される。1はリンク体であり、離間対向する同一形状の一対のリンクプレート2が用いられている。この一対のリンクプレート2の上縁部間3及び下縁部4間は、結合部材として用いられたフラップ5及び底板6により各々連結されている。リンク体1はリンクプレート2の内外側面どうしを重ね合わせるように長手方向に連設されている。また、リンク体1どうしを折り曲げ可能に複数連結して形成される案内チェーンは、設置機械の装置本体と移動体とを連結するように取り付けられており、内部に電源ケーブル、油圧ホース、エアーホースなどのホース類等を収容して案内する。
【0012】リンク体1を形成するリンクプレート2、フラップ5、底板6及び後述する回動用規制駒8は、射出成形などにより樹脂成形されてなるもので、案内チェーンとして十分な剛性を有すると共に内部空間に収容したホース類を損傷することなく円滑な表面を有する樹脂成形品である必要がある。本実施例では、例えば脂肪族ポリアミドと芳香族ポリアミドの複合材料に、強化フィラーとしてガラス繊維フィラーを混入した樹脂材が好適に用いられる。この場合強化フィラーは、樹脂材に埋没して樹脂成形されるため、樹脂成形品の表面からフィラーが突出することがなく、表面が円滑な光沢面に成形することができる。よって、案内チェーンに収容されたホース類と樹脂材が擦れて該ホース類が損傷するのを防止できる。尚、フィラーとしてはガラス繊維フィラーに限らず、例えばミネラル繊維フィラー等の他の強化フィラーを使用することも可能である。また、フィラーの形状も針状、四角形状、或いは球状のものなど種々の形状のものが用いられる。
【0013】脂肪族ポリアミドと芳香族ポリアミドは共に結晶性高分子であり、相溶性を有し、融点付近で結晶しないという特性を有している。芳香族ポリアミド樹脂は、脂肪族ポリアミド樹脂のみを用いて樹脂成形する場合に比べて結晶化を遅らせる作用があり、脂肪族ポリアミド樹脂が結晶化して収縮する際でも殆ど収縮せずに結晶化し、樹脂成形時の射出圧力を十分に伝える作用をなす。このように、脂肪族ポリアミドと芳香族ポリアミドの複合材を用いることによって、金型面までの樹脂充填性が良いため、金型表面を鏡面にしておけば金型転写性が良いため、樹脂成形品の表面を凹凸のない平坦面にすることができる。
【0014】次に、リンク体1の各部の構成についてより詳細に説明する。図1において、リンクプレート2の側面には、他のリンクプレート2の側面へ互いに嵌め込み可能な回動用ストッパ爪7と回動角規制駒8とを各々備えている。具体的には、リンクプレート2の外側面9には、比較的板厚の薄い連結部10が形成されており、該連結部10には円筒形の外ボス部11(第1のボス部)が形成されている。この外ボス部11の内壁には回動用ストッパ爪7が該外ボス部11の周方向に等角配分位置(本実施例では180°対向する位置)に形成されている。
【0015】また、リンクプレート2の内側面12には、比較的板厚の薄い連結部13が形成されており、該連結部13には円筒形の内ボス部14(第2のボス部)が形成されている。この内ボス部14の中心には、軸15が突設されており、該軸15の周囲には取付爪16が対向して設けられている。上記軸15及び上記取付爪16には、樹脂製の回動角規制駒8が嵌め込まれるようになっている。外ボス部11が内ボス部14の内側に嵌め込まれてリンクプレート2の連結部10と他のリンクプレート2の連結部13とが連結されるようになっている。このとき、上記回動角規制駒8により許容される回動エリアに回動用ストッパ爪7に嵌め込まれて、該回動用ストッパ爪7が回動角規制駒8の両側突き当て部8aに突き当たることで、リンクプレート2の回動範囲を規制している。外ボス部11及び内ボス部14の周囲には、後述する取付金具に形成された嵌合穴と嵌合可能な嵌合部11a、14aが各々形成されている。
【0016】また、各リンク体のうち一方のリンクプレート2は正立配置され、他方のリンクプレート2は長手方向の中心線Pを中心に上下方向に180°反転させて倒立配置されている。即ち、リンク体1を構成する一対のリンクプレート2は、内側面12の連結部13どうしが対向するように、外側面9の連結部10どうしが互いに外向きとなるように配置されて、リンクプレート2どうしが長手方向に連結される。尚、本例は説明上リンクプレート2の外側面9に、正立配置か倒立配置かを示す指標となるマーク2aが記されている。
【0017】また、左右のリンクプレート2の取付爪16に嵌め込まれる回動角規制駒8は各々同一形状の回動角規制駒8が用いられる。この場合、リンクプレート2のうち、反転使用されるものの内側面12に嵌め込まれる回動角規制駒8は、そのままでは爪位置と駒位置とが左右で対応しない場合があるため調整する必要がある。
【0018】左側のリンクプレート2を正立配置されたものとし、その取付爪16に嵌め込まれた回動角規制駒8を基準にすると、倒立配置された右側のリンクプレート2に嵌め込まれる回動角規制駒8は、リンクプレート2と共に長手方向の中心線Pを中心に上下方向に180°反転させたものを該中心線Pに直交する直交軸Qを対称軸として水平方向に180°反転させて取付爪16に嵌め込まれている。これによって、左右の回動角規制駒8によって規制される回動用ストッパ爪7の回動方向及び回動範囲が左右で一致するため、同一形状の回動角規制駒8を左右で使用できる。リンク体1毎に回動角規制範囲の異なる回動角規制駒8を使用することで、該リンク体1どうしの屈曲角度を様々に調整することができる。尚、回動用ストッパ爪7及び取付爪16の形状や形成箇所は任意であるが、互いに嵌め込み可能で、回動方向が互いに一致ように形成されていることが必要である。
【0019】このように、リンクプレート2や回動角規制駒8を左右で同一形状のものを反転使用できるので、部品点数を省略して製造コストを低減することができる。特に、左右のリンクプレート2を異なる金型により樹脂成形して製造する必要がなくなるため、製造コストを著しく低減できる。また、在庫管理の煩わしさを解消でき、左右のリンクプレート2を誤って接続するなどの組立作業の誤りを少なくできるので取扱い性が向上する。
【0020】また、図2において、リンクプレート2の外側面9の連結部10及び内側面12の連結部13の近傍には、分離防止フック17が各々形成されている。前述したように、リンク体1は樹脂成形品であるため、リンクプレート2が他のリンクプレート2と連結された状態で回動して、外側面9の連結部10に形成された回動用ストッパ爪7が、内側面12の連結部13に嵌め込まれた回動角規制駒8の突き当て部8aに突き当たった際に受ける応力ひずみにより、連結部10,13が内側又は外側へ変形する逃げが生じ易い。このリンクプレート2どうしの連結部10,13の逃げを防止するため、該連結部10,13の近傍に分離防止フック17が各々形成されている。
【0021】また、図1に示すように、リンクプレート2の内側面12には、上下方向に嵌め込み穴12aが複数箇所に形成されている。この嵌め込み穴12aには、後述する仕切り板に一端が支持された棚板の他端が嵌め込み可能になっている。
【0022】図3(a)において、フラップ5はリンクプレート2の上縁部3に回動可能に取り付けられている。フラップ5の長手方向両側には回動用係止部5a及び固定用係止部5bが各々形成されている。固定用係止部5bの上方には、固定解除用のスリット5cが形成されている。また、フラップ5の下面には長手方向に後述する仕切り板を立設可能な取付溝5d及び保持溝5eが長手方向に各々形成されている(図9参照)。また、図4において、リンクプレート2の上縁部3には、開閉用保持部18及び固定用保持部19が各々形成されている。フラップ5の回動用係止部5aは上縁部3の開閉用保持部18に回動可能に係止しており、固定用係止部5bは固定用保持部19に係止固定される。フラップ5は、両側の固定用係止部5bの固定用保持部19との固定を解除し、一方の回動用係止部5aの開閉用保持部18との係止を解除することで、両端側より各々脱着及び開閉可能になっている。
【0023】図3(b)において、底板6はリンクプレート2の下縁部4に回動可能に取り付けられている。底板6の長手方向両側には回動用係止部6a及び固定用係止部6bが各々形成されている。固定用係止部6bの近傍には、固定解除用のスリット6cが形成されている。また、底板6の上面には長手方向に後述する仕切り板を立設可能な取付溝6d及び保持溝6eが各々長手方向に形成されている。また、図4において、リンクプレート2の下縁部4にも、開閉用保持部18及び固定用保持部19が各々形成されている。底板6はフラップ5と同様に回動用係止部6aは下縁部4の開閉用保持部18に回動可能に係止しており、固定用係止部6bは固定用保持部19に係止固定されている。底板6は、両側の固定用係止部6bの固定用保持部19との固定を解除し、一方の回動用係止部6aの開閉用保持部18との係止を解除することで、両端側より各々脱着及び開閉可能になっている。以上のように、フラップ5及び底板6に回動用と固定用の2重の係止部を各々設けたのは、リンク体1より該フラップ5又は底板6を開閉する際にリンク体1がコの字状を維持できるように強度を保つためである。
【0024】このように、リンクプレート2の上縁部3及び下縁部4に連結するフラップ5及び底板6を任意の一端側をフリーにして開閉できるようにすることにより、リンク体1を連結した状態でホース類を取り出し易くなり、使い勝手が良い。また、フラップ5及び底板6が任意の一端側より開閉可能であるため、設置機械などの装置レイアウト上の制約もなくなるため、設計の自由度も広がる。
【0025】次に、リンク体1に矩形状に形成された内部空間を仕切る仕切り板について図4〜図8を参照して説明する。リンク体1の内部空間には、ホース類等が収容されるが、該ホース類等に対して余空間が大きいと、リンク体1が図示しない設置機械に装備された移動体と共に移動を繰り返すと、ホースが捩じれたり、ホースどうしが絡み合ったりする不具合が生ずる場合がある。また、ユーザーが、設計上の都合や、メンテナンスなどを考慮して、例えば同じ種類のホース毎に内部空間を仕切って配線したい場合もある。このため、内部空間に収容されるホース類を安全にガイドしかつ効率的に利用するため仕切り板が好適に用いられる。
【0026】図4において、仕切り板20はリンク体1の内部空間を左右方向に仕切るものである。仕切り板20の上端及び下端には、フラップ5及び底板6の長手方向に形成された取付溝5d,6d及び保持溝5e,6eに各々嵌め込み可能な取付ブロック21a、係止用突片21b及び保持フック22が各々形成されている(フラップ5側については図9参照)。取付ブロック21a及び係止用突片21bは、取付溝5d,6dの長手方向に複数箇所に形成された凹凸部に嵌め込まれるようになっている。保持フック22は、仕切り板20の長手方向に上端及び下端にスリットを各々設けることにより形成されており、保持溝5e,6eに進入する際に弾性変形して取付溝5d,6dと保持溝5e,6eに仕切られた部位を挟み込むように取り付けられる。この保持フック22は、リンク体1よりフラップ5又は底板6を開放した際に、開放しない方の保持溝5e,6eに進入して係合することで、仕切り板20がリンク体1より脱落するのを防止している。仕切り板20は、取付ブロック21a及び係止用突片21bをフラップ5及び底板6の任意の位置で取付溝5d,6dに嵌め込み、保持フック22を保持溝5e,6eに係合させることで、リンク体1に取り付けられて内部空間を左右に仕切るようになっている。
【0027】左右の仕切りのみでは、収容されるホース類等に対して内部余空間が大きいため捩じれたり絡み合ってしまう場合やホース類毎に内部空間を仕切って配線したい場合には、内部空間を上下により細かく仕切って使用するのが好都合である。図5において、仕切り板20の長手方向に対して垂直方向に複数のスリット23により仕切られて形成された支持部材24には、図6に示す棚板25の一端を係合して支持可能な係合部24aが形成されている。この棚板25の他端は、リンクプレート2の内側面12に形成された嵌め込み穴12aに嵌め込み可能になっている。棚板25は仕切り板20とリンクプレート2間又は仕切り板20どうしに架設されて、左右に仕切られた内部空間を更に上下に仕切っている。
【0028】また、仕切り板20は、リンク体1の内部空間を左右に仕切るため、フラップ5及び底板6の長手方向の任意の位置に立設されることから、棚板25の長手方向の長さも、仕切り板20の取付位置に応じた長さの数だけ必要となる。また、上下に棚板25を多段に設ける場合も考慮すると、長さが異なる複数種類の棚板25を多数準備する必要があり、また樹脂モールド金型も棚板25の種類に応じて必要となることから、部品点数の増大に伴って製造コストが著しく増大すると共に在庫管理も煩わしくなる。これに対して、本実施例では棚板25は仕切り板20の取付位置に応じて長手方向に伸縮自在に形成されている。これによって、仕切り板20の取付位置に応じた全ての長さサイズの棚板のうち可能な限りの長さ範囲を要約して部品点数を省略して、必要最小限の部品数で対応可能にしたものである。
【0029】ここで、棚板25の構成について図6〜図8を参照して詳細に説明する。図6(a)において、棚板25は、本体プレート26と引き出しプレート27とを有している。図6(b)において、引き出しプレート27は本体プレート26に対して両側にL字状に形成されたスライドガイド28によってガイドされながら引き出し可能に嵌め込まれている。本体プレート26の引き出し方向奥側端部には、係合端部26aが形成されており、仕切り板20の支持部材24の係合部24aに係合する。また、引き出しプレート27の引き出し方向手前側端部には、嵌め込み突部27aが形成されており、リンクプレート2の内側面12に形成された嵌め込み穴12aに嵌め込まれる。尚、棚板25が仕切り板20どうしに架設される場合には、該仕切り板20の支持部材24は、本体プレート26と引き出しプレート27に各々形成された係合端部26a及び嵌め込み突部27aを各々係合可能になっている。
【0030】図7(a)〜(d)において、本体プレート26の底部には鋸歯状の係止歯29が長手方向に形成されている。また、図8(a)〜(d)において、引き出しプレート27には、係止歯29に噛合可能な係止爪30が形成されている。この係止歯29と係止爪30の形状は、引き出しプレート27を引き出すと、係止爪30が係止歯29の傾斜面を乗り超えながら移動して任意の位置で噛合するようになっている。引き出された引き出しプレート27を再び本体プレート26内へ収納する場合には、係止爪30の周囲に形成された隙間31にマイナスのドライバーなどを挿入して該係止爪30と係止歯29の噛合を解除したまま引き出しプレート27を本体プレート26のスライドガイド28に沿って収納すれば良い。
【0031】棚板25は、本体プレート26自体の長さから該本体プレート26より引き出しプレート27を最大限引き出した長さ範囲までを1つの棚板28で補える。よって、長さが異なる棚板25を数種類(例えば4種類程度)用意するだけで足りるため、部品点数を著しく減らし、製造コストを低減することができ、長さの異なる多種類の棚板25の在庫管理に煩わされることもない。また、棚板25は伸縮可能であるため、ホース類をリンク体1に組み込みながら棚板25を取り付けることができ、また任意の棚板25のみを外すことも可能であり、特定のホースのみをリンク体1より取り出すことも可能であるため、案内チェーン32の使い勝手を向上させることも可能である。
【0032】図9にリンク体1どうしを連結して案内チェーン32を組み立てた状態を示す。案内チェーン32は、同一のリンクプレート2を左右反転させて長手方向に同じ向きに順次連結されて形成されている。また、案内チェーン32は、任意のリンク体1において、フラップ5及び底板6を両側よりリンクプレート2との固定を解除して上方又は下方を開放できるようになっている。また、フラップ5及び底板6に形成された取付溝5d,6d及び保持溝5e,6eに仕切り板20や棚板25を設けて、ホース類を安全にガイドしかつ内部空間を有効に利用することも可能である。
【0033】案内チェーン32の両端には、設置機械の装置本体と移動体とに各々固定するための固定側取付金具33及び移動側取付金具34が取り付けられている(図9参照)。図10(a)において、固定側取付金具33に形成された嵌合穴33aは、リンクプレート2の内側面12に形成された内ボス部14の嵌合部14aに嵌め込まれている。図10(b)において、移動側取付金具34に形成された嵌合穴34aは、リンクプレート2の外側面9に形成された外ボス部11の嵌合部11aに嵌め込まれている。固定側取付金具33及び移動側取付金具34には、設置機械の装置本体と移動体とに固定する螺子止め部33b,34bが各々形成されている(図9参照)。
【0034】従来の固定側取付金具には、リンクプレートに穴が形成されていたため、この穴に嵌め込むためのピンが設けられていた。しかしながら、このピンが形成されているため、固定側取付金具を同一部品にてリンクプレートに対して多様な取り付け方法を採用することが困難になっていた。本実施例では、固定側及び移動側の取付金具がボス部との嵌合により嵌め込まれるため多様な取り付け方法を採用することができる。例えば、固定側取付金具33について説明すると、螺子止め部33bが下側螺子止めで、螺子止め部33bが互いにリンクプレート2の外側にある場合、螺子止め部33bが互いにリンクプレート2の内側にある場合、螺子止め部33bの一方が外側で他方が内側にある場合の4通りの取付方法がある。また、固定側取付金具33を上下反転させて上側螺子止めで同様に4通りの取付方法があり、合計で8通りの取付方法が実現できる。また、移動側取付金具34についても同様に8通りの取付方法があるので、合計16通りの取付方法が採用できる。
【0035】よって、案内チェーン32の両端を設置機械の装置本体と移動体とに各々取り付ける固定側取付金具33及び移動側取付金具34の多様な取り付け方法が採用できるため、装置レイアウトの制約も少なくなり、設計の自由度が広がる。
【0036】上記実施例は、Oタイプのリンク体1について説明したが、図11に示すように、フラップ5と底板6が同一形状のフラップ35を用いたUタイプのリンク体36についても、同様の構成を採用できる。フラップ35は、フラップ5と外形形状は異なるが、該フラップ5と同様の構成を備えている。このUタイプのリンク体36は、該リンク体36どうしを連結した際にフラップ35間に隙間が形成されるため、リンク体36に収容されたホース類が確認できる。リンク体36は、Oタイプのリンク体1に比べて左右のリンクプレート2及び上下のフラップ35が同一形状のものを使用できるため、部品点数が更に少なく、製造コストが低減できる上に、組立作業の誤りも少なく、しかも在庫管理も容易となる。
【0037】また、リンクプレート2の他例について説明する。図12(a)(b)に示すように、左右のリンクプレート2には、内ボス部14に対応する外側面9には、軸穴37が形成され、外ボス部11の回動用ストッパ爪7の回動中心には、ザグリ穴38が形成されている。尚、図12(b)は図12(a)の矢印G−G方向断面図である。また、図13(a)(b)に示すように、回動角規制駒8は、回動中心に嵌め込み軸39が厚さ方向に突設されており、その周囲には取付爪16に嵌め込むための嵌合穴40が2か所に形成されている。尚、図13(b)は図13(a)の矢印H−H方向の部分断面図である。
【0038】この嵌め込み軸39の、軸穴37に嵌め込まれる軸端39a,39bには、図13(c)に示すように回動角規制駒8の回動角規制範囲(例えば150°)が表記されている。内ボス部14の取付爪16へ回動角規制駒8を取り付けた際に嵌め込み軸39の一方の軸端39aは、図12(a)(b)に示す軸穴37へ嵌め込まれて、外側面9より回動角規制駒8の回動角規制範囲が視認できるようになっている。また、内ボス部14に他のリンクプレート2の外ボス部11が嵌め込まれると、嵌め込み軸39の他方の軸端39bは、ザグリ穴38に収容されるようになっている。このように、組立後に外側より確認できない回動角規制駒8の回動角規制範囲が、リンクプレート2どうしの連結を逐一解除することなく軸穴39より視認できるので、回動角規制範囲が異なる他の回動角規制駒8への変更がし易く、部品交換する際の作業性が良く、使い勝手の向上が図れる。
【0039】また、棚板25の他の構成について、図14〜図16を参照して説明する。前述した図6〜図8に示す棚板25は、下側の配設された本体プレート26に上側に配設された引き出しプレート27が引き出し可能に嵌め込まれていたが、上下の配置構成を逆にしても良い。即ち、図14(a)〜(c)に示すように、上側に断面コ字状の本体プレート41を配設し、下側に引き出しプレート42を配設して、該引き出しプレート42が本体プレート41より矢印I方向に引き出し可能に嵌め込まれていても良い。
【0040】本体プレート41及び引き出しプレート42の構成について、図15(a)〜(d)及び図16(a)〜(e)を参照して説明する。図15(a)〜(d)において、本体プレート41の裏面には、係止爪43が垂下して形成されている。また、本体プレート41の両内壁面には、長手方向に支持レール44が各々形成されている。この支持レール44に沿って引き出しプレート42はスライド可能に嵌め込まれている。また、図16(a)〜(d)に示すように、引き出しプレート42には、本体プレート41の係止爪43が係止可能な鋸歯状の係止歯45が長手方向中央部に形成されている。また、引き出しプレート42の裏面側両縁部には、支持レール44に沿って摺動可能な摺動段差部46が長手方向に形成されている。また、引き出しプレート42の手前側には取手47が設けられており、該取手47は係止歯45が設けられたプレート面より上方に隆起させているため掴み易くなっている。
【0041】引き出しプレート42を本体プレート41より引き出すと、係止歯45が係止爪43の傾斜面を乗り越えながら、摺動段差部46が支持レール44上を摺動しながらスライドして、任意の位置で噛合するようになっている。所定量引き出された引き出しプレート42を再び本体プレート41へ収納する場合には、係止爪43に周囲に形成された隙間48(図15参照)にマイナスのドライバーなどを挿入して係止爪43の係止歯45との噛合を解除したまま引き出しプレート42を支持レール44に沿って収納すれば良い。
【0042】上記構成によれば、内部空間を左右に仕切る仕切り板20をフラップ5及び底板6の長手方向に任意の位置で立設し、該仕切り板20に仕切られた内部空間を上下に仕切る棚板25を仕切り板20の立設位置に応じて伸縮自在に設けたので、仕切り板20の取付位置に応じた全ての長さサイズの棚板25のうち可能な長さ範囲を要約して部品点数を省略し、長さが異なる複数の棚板25を異なる金型で樹脂成形する必要がないので、製造コストを著しく低減することができる。特に棚板25は、本体プレート26に引き出しプレート27がスライド可能に収納されており、引き出しプレート27は本体プレート26対して多段階に係止して長さ調節が可能とすることで、ホース類をリンク体1に組み込みながら棚板25を取り付けることができ、また任意の棚板25のみを外すことも可能であるため、特定のホースのみをリンク体1より取り出すことも可能であるため、案内チェーン32の取扱い性が良い。また、棚板25の部品点数が少なくて済むので、在庫管理の煩わしさも解消でき、異なる長さサイズの棚板25を誤って発注するなどの無駄な経費も節減できる。また、案内チェーン32を構成するリンク体1,36は、離間対向する一対のリンクプレート2が同一形状のリンクプレートからなる場合には、部品点数を更に省略できるため望ましい。
【0043】以上、本発明の好適な実施例について種々述べてきたが、上述した実施の態様に限定されるのではなく、リンクプレート2に形成される回動用ストッパ爪7や取付爪16の数や形成箇所や回動角規制駒8の形状などは種々変更可能である。また、案内チェーン32は、左右のリンクプレート2が同一形状のものに適用する場合を例示して説明したが、これに限定されるものではなく、左右別形状のリンクプレートを用いた他の案内チェーンについても適用可能である。また、案内チェーンを構成するリンク体は、1対のリンクプレート2とこれらを結合するフラップ5や底板6を開閉可能に取り付けた4辺組立式のOタイプのリンク体1や、上下に同一形状のフラップ35を用いた4辺組立式のUタイプのリンク体35に限定されるものではなく、1対のリンクプレートとこれらを連結する結合部材の3辺を一体に樹脂成形され、上側又は下側に設けた1辺のみの結合部材を開閉可能に取り付けたリンク体であっても良く、更には1対のリンクプレート及びこれらを上下に連結する結合部材の4辺を一体に樹脂成形されて矩体状に形成されたリンク体などを用いてもよい。また、仕切り板20は1箇所に限らず複数箇所に立設してもよく、この場合棚板25は仕切り板20間に架設されるようにしても良い。また、棚板25を構成する本体プレートと引き出しプレートの形状やこれらの上下配置構成は任意に変更可能である等、発明の精神を逸脱しない範囲で更に多くの改変を施し得るのはもちろんである。
【0044】
【発明の効果】本発明に係るケーブルホースの保護案内チェーンによれば、内部空間を左右に仕切る仕切り板をリンクプレート間の長手方向に任意の位置で立設し、該仕切り板に仕切られた内部空間を上下に仕切る棚板を仕切り板の立設位置に応じて伸縮自在に設けたので、仕切り板の取付位置に応じた全ての長さサイズの棚板のうち可能な長さ範囲を要約して部品点数を省略し、長さが異なる複数の棚板を異なる金型で樹脂成形する必要がないので、製造コストを著しく低減することができる。特に、棚板は、本体プレートに引き出しプレートがスライド可能に収納されており、引き出しプレートは本体プレートに対して多段階に係止して長さ調節が可能とすることで、ホース類をリンク体に組み込みながら棚板を取り付けることができ、また任意の棚板のみを外すことも可能であるため、特定のホースのみをリンク体より取り出すことも可能であるため、ケーブルホースの保護案内チェーンの取扱い性が良い。また、棚板の部品点数が少なくて済むので、在庫管理の煩わしさも解消でき、異なる長さサイズの棚板を誤って発注するなどの無駄な経費も節減できる。また、案内チェーンを構成するリンク体は、離間対向する一対のリンクプレートが同一形状のリンクプレートからなる場合には、部品点数を更に省略できるため望ましい。
【出願人】 【識別番号】000135449
【氏名又は名称】株式会社ハーモ総研
【出願日】 平成10年11月6日(1998.11.6)
【代理人】 【識別番号】100077621
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 隆夫 (外1名)
【公開番号】 特開2000−120807(P2000−120807A)
【公開日】 平成12年4月28日(2000.4.28)
【出願番号】 特願平10−316321