| 【発明の名称】 |
サイレントチェーン |
| 【発明者】 |
【氏名】鈴木 恭
【氏名】橋本 裕至
【氏名】小桜 伸人
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| 【要約】 |
【課題】チェーンガイド部材やテンショナーの摺接部分における摩耗とインナー・プレートとガイドプレートとの摺接騒音を防止してサイレントチェーン駆動装置への適用範囲をより一層拡大することができ、しかも、スプロケットのボス部周面に対して円滑に摺接させてその騒音を排除し、スプロケットの使用寿命を長期に亙って維持することができるサイレントチェーンを提供することである。
【解決手段】スプロケットSの歯と噛合う一対のリンク歯を有するインナー・プレート10,20と、スプロケットSの歯の側面に沿って案内されるガイドプレート30とをピン40で相互に連結して編成してなるサイレントチェーンにおいて、前記リンク歯の歯先端部がチェーン伸展時に同一平面内に位置するほぼ平坦な摺接面11,21を備え、これらの摺接面11,21をガイドプレート30のチェーン内周側に対向する摺接面31と同一平面内に位置付けして形成したものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 スプロケットの歯と噛合う一対のリンク歯を有するインナー・プレートと、スプロケットの歯の側面に沿って案内されるガイドプレートとをピンで相互に連結して編成してなるサイレントチェーンにおいて、前記リンク歯の歯先端部が、チェーン伸展時に同一平面内に位置するほぼ平坦な摺接面を備えていることを特徴とするサイレントチェーン。 【請求項2】 前記リンク歯の歯先端部に備えた摺接面を、ガイドプレートのチェーン内周側に対向する摺接面と同一平面内に位置付けして形成したことを特徴とする請求項1記載のサイレントチェーン。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のタイミングチェーン、産業機械の動力伝達チェーン等として用いられるサイレントチェーンに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、自動車のエンジンのタイミングチェーンに広く用いられているサイレントチェーンは、図5に示すように、スプロケットの歯と噛合う一対のリンク歯を有するインナー・プレートX1,X2と、スプロケットの歯の側面に沿って案内されるガイドプレートX3とをピン4で相互に連結して編成している。 【0003】しかしながら、このようなサイレントチェーンは、チェーン駆動時にチェーンの張り側、緩み側に生じがちな波状振動を抑制しながら、チェーン内周側でチェーンガイド部材、テンショナー等に当接して摺動案内させようとすると、インナー・プレートX1,X2のリンク歯の一部を構成する狭小の歯先端部X5がガイドプレートX3のチェーン内周側に対向する摺接面X6よりも突出しているため、チェーンガイド部材、テンショナー等の摺接部分が著しく摩耗してその耐久性を確保することが困難であるとともに、その摺接音が発生して騒音の原因となるという問題があった。 【0004】また、インナー・プレートX1,X2の歯先端部X5がガイドプレートX3のチェーン内周側に対向する摺接面X6よりも突出しているため、スプロケットへの巻き掛け噛み合い時にインナー・プレートX1,X2の歯先端部X5がスプロケット歯に対して先行して噛み合い、その結果としてスプロケットのボス部周面に対するガイドプレートX3の座りが悪く、ガイドプレートX3の機能を充分に発揮できないという問題があった。 【0005】そこで、このような問題を改善したサイレントチェーンとして、特開平6−200985号公報に記載されているようなアウタープレートにおけるピン孔中心部から歯先方向の端縁までの高さをインナープレートにおけるピン孔中心部から歯部先端までの高さより積極的に大きくしたことによって、チェーンガイド部材、テンショナー等の摺接部分にインナープレートの歯を当接させず、アウタープレートの端縁を当接させて、サイレントチェーンとチェーンガイド部材、テンショナー等の摺接部分との間の接触面圧を低減させたものがある。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような前述したアウタープレートの形状を工夫した従来のサイレントチェーンにおいては、チェーン駆動時にチェーンの張り側、緩み側に生じがちな波状振動を抑制しながら、チェーン内周側でチェーンガイド部材、テンショナー等に当接して摺動案内させようとすると、アウタープレートにおけるピン孔中心部から歯先方向の端縁までの高さをインナープレートにおけるピン孔中心部から歯部先端までの高さより積極的に大きくしているため、チェーン駆動時の波状振動を伴ったチェーン張力負荷が、インナプレートを介することなく、チェーン側面に配置された一対のアウタープレートのみを介してチェーンガイド部材やテンショナーの摺接部分に荷重負荷されるので、チェーンガイド部材やテンショナーの摺接部分に対する接触面圧が増大して応力集中が生じ、依然として、チェーンガイド部材やテンショナーにおける摺接部分の摩耗を解消してその耐久性を確保することができないという問題があった。したがって、サイレントチェーンの内周面にチェーンガイド部材やテンショナーを配置しなければならない、例えば、4サイクルDOHCエンジンのカム軸間駆動チェーン等のサイレントチェーン駆動装置に広く適用することができないという問題があった。 【0007】また、アウタープレートにおけるピン孔中心部から歯先方向の端縁までの高さをインナープレートにおけるピン孔中心部から歯部先端までの高さより積極的に大きくしているため、スプロケットへの噛み合い時にスプロケットのボス部周面に対する過度の摺接が生じてスプロケットの使用寿命を低下させる一因となるという問題があった。 【0008】そこで、本発明の目的は、チェーンガイド部材やテンショナーの摺接部分における摩耗とインナー・プレートの摺接騒音を防止することができ、チェーンガイド部材やテンショナーをチェーン内周面に配備し易くしたサイレントチェーンを提供することである。 【0009】本発明の更なる目的は、チェーンガイド部材やテンショナーの摺接部分における摩耗とインナー・プレートとガイドプレートとの摺接騒音を防止することができるとともにスプロケットの使用寿命を長期に亙って維持することができ、チェーンガイド部材やテンショナーをチェーン内周面に備えた種々のサイレントチェーン駆動装置への適用範囲をより一層拡大することができるサイレントチェーンを提供することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】本請求項1の発明であるサイレントチェーンは、スプロケットの歯と噛合う一対のリンク歯を有するインナー・プレートと、スプロケットの歯の側面に沿って案内されるガイドプレートとをピンで相互に連結して編成してなるサイレントチェーンにおいて、前記リンク歯の歯先端部がチェーン伸展時に同一平面内に位置するほぼ平坦な摺接面を備えていることによって、前記課題を解決した。 【0011】本請求項2の発明であるサイレントチェーンは、請求項1の発明に加えて、前記リンク歯の歯先端部に備えた摺接面を、ガイドプレートのチェーン内周側に対向する摺接面と同一平面内に位置付けして形成したことによって、前記課題を解決した。 【0012】なお、本請求項2の発明におけるリンク歯の歯先端部に備えた摺接面とガイドプレートのチェーン内周側に対向する摺接面との関係において意味するところの「同一平面内に位置付け」とは、ガイドプレートにおいてピンの中心部からチェーン内周側に対向する摺接面までの高さと、インナー・プレートにおけるピンの中心部から歯先端部の摺接面までの高さとを同等、或いは、略等しく規定することである。また、本発明のサイレントチェーンで用いるピンは、通常、丸ピンであるが、ロッカーピンを用いてもよい。 【0013】 【作用】本発明のサイレントチェーンは、チェーン駆動時の張り側、緩み側に波状振動が生じても、チェーンガイド部材やテンショナーの摺接部分に対してインナー・プレートとガイドプレートの単独、或いは、双方が滑らかに接触するとともにチェーンガイド部材やテンショナーに対して接触面積を増加させたことによって、接触面圧を低減することができ、滑らかな摺動接触作用を奏することができる。 【0014】 【実施例】以下、本発明の実施例であるサイレントチェーンを、図面に基づいて説明する。図1は、本発明のサイレントチェーンの一実施例を示す部分斜視図であって、本実施例のサイレントチェーンは、チェーンを屈曲周回するための関節機能を奏する複数の関節列用インナー・プレート10と、チェーンを屈曲周回するための動力伝達機能を奏する複数の動力伝達用インナー・プレート20と、これらの動力伝達用インナー・プレート20の両外側に配置されてチェーンをスプロケットSの歯に案内するための案内機能を奏する一対のガイドプレート30と、これらのプレート10,20,30を連結するピン40とによって相互に重なり合った状態で編成してチェーンの基本的構造を構成したものである。 【0015】そこで、関節列用インナー・プレート10と動力伝達用インナー・プレート20には、これらのプレートが有しているリンク歯の歯先端部にほぼ平坦な摺接面11,21が形成されており、これらの摺接面11,21は、チェーン伸展時に同一平面内に位置するような相対的関係、すなわち、ピン40の中心部から歯先端部の摺接面11,21までの高さがプレート相互で均一な関係を有している。 【0016】一方、ガイドプレート30には、チェーン内周側に対向するほぼ平坦な摺接面31が形成されており、この平坦な摺接面31は、関節列用インナー・プレート10と動力伝達用インナー・プレート20の摺接面11,21と同一平面内に位置付けされて形成されている。すなわち、ガイドプレート30においてピン40の中心部からチェーン内周側に対向する摺接面31までの高さは、関節列用インナー・プレート10と動力伝達用インナー・プレート20におけるピン40の中心部から歯先端部の摺接面11,21までの高さと同等、或いは、略等しく規定している。 【0017】このようにして得られた本実施例のサイレントチェーンは、図2(a)の使用態様図に示すように、駆動側のスプロケットS1と従動側のスプロケットS2に巻回され、チェーン駆動時に生じがちなチェーンの波状振動を抑制するためのテンショナーTがその内周側に当接された状態で使用されると、図2(b)のA−A断面図から明らかなように、関節列用インナー・プレート10と動力伝達用インナー・プレート20とガイドプレート30とがテンショナーTの摺接部分に対して一様に当接するので、テンショナーTの摺接部分との接触面積が増大して接触面圧を低減することができ、テンショナーTの摺接部分における摩耗とインナー・プレート20の摺接騒音を防止することができる。 【0018】そして、本実施例のサイレントチェーンは、図3(a),(b)に示すような従来のサイレントチェーンと比較すると、図4(a),(b)に示すように関節列用インナー・プレート10と動力伝達用インナー・プレート20が平坦な摺接面11,21を備えたことによって、これらインナー・プレートにおけるピン40の中心部から歯先端部の摺接面11,21までの高さ、すなわち、リンク歯の歯丈が実質的に短くなるので、スプロケットの歯底径を大きくしても噛み合いに支障がなく、したがって、より大きなシャフト軸孔径を有するスプロケットを使用することができ、スプロケットのシャフト軸孔径との関係においても適用できるスプロケットを豊富化することができる。 【0019】 【発明の効果】本発明であるサイレントチェーンは、以下のような特有の効果を奏することができる。すなわち、(1)本請求項1の発明では、リンク歯の歯先端部がチェーン伸展時に同一平面内に位置するほぼ平坦な摺接面を備えていることによって、チェーンガイド部材やテンショナーの摺接部分における摩耗とインナー・プレートの摺接騒音を防止することができ、チェーンガイド部材やテンショナーをチェーン内周面に配備し易くなる。また、従来のサイレントチェーンと比較すると、インナー・プレートが平坦な摺接面を備えたことによって、インナー・プレートにおけるピンの中心部から歯先端部の摺接面までの高さ、すなわち、リンク歯の歯丈が、実質的に短くなるので、スプロケットの歯底径を大きくしても噛み合いに支障がなく、したがって、より大きなシャフト軸孔径を有するスプロケットを使用することができ、スプロケットのシャフト軸孔径との関係において適用できるスプロケットを豊富化することができる。 【0020】(2)本請求項2の発明では、本請求項1の発明が奏する効果に加えて、リンク歯の歯先端部に備えた摺接面をガイドプレートのチェーン内周側に対向する摺接面と同一平面内に位置付けして形成したことによって、チェーンガイド部材やテンショナーの摺接部分における摩耗とインナー・プレートとガイドプレートとの摺接騒音を防止することができ、チェーンガイド部材やテンショナーをチェーン内周面に備えた種々のサイレントチェーン駆動装置への適用範囲をより一層拡大することができる。さらに、スプロケットへの噛み合い時にスプロケットのボス部周面に対して円滑に摺接させてスプロケットのボス部周面から発生する騒音を排除することができ、スプロケットの使用寿命を長期に亙って維持することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003355 【氏名又は名称】株式会社椿本チエイン
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| 【出願日】 |
平成10年10月15日(1998.10.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100072475 【弁理士】 【氏名又は名称】祐川 尉一 (外4名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−120804(P2000−120804A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月28日(2000.4.28) |
| 【出願番号】 |
特願平10−294096 |
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