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【発明の名称】 チェーンスリング用結合金具
【発明者】 【氏名】夏 徳勝

【要約】 【課題】チェーンを構成するリンクお小さくしても、確実かつ容易に任意の吊り金具にチェーンを連結する結合金具に連結できるチェーンスリング用結合金具を提供すること。

【解決手段】上部に差込み腕(7)と溝形腕(8)を有するH型金具(1)とU型金具(2)とからなるチェーンスリング用結合金具であって、H型金具(1)の上部は、U型金具(2)の差込み腕(7)と溝形腕(8)と相互に嵌合し、ロードピン(4)によりU型金具(2)と一体的に係着し、H型金具(1)の下部は、中央にチェーンを構成するリング端部を嵌合するためのチェーン嵌合溝(10)を備え、チェーン係止ピン(3)によりリンク(9)を軸着したことを特徴とするチェーンスリング用結合金具とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上部に差込み腕と溝形腕を有するH型金具とU型金具とからなるチェーンスリング用結合金具であって、H型金具の上部は、U型金具の差込み腕と溝形腕と相互に嵌合し、ロードピンによりU型金具と一体的に係着し、H型金具の下部は、中央にチェーンを構成するリンク端部を嵌合するためのチェーン嵌合溝を備え、チェーン係止ピンによりリンクを軸着したことを特徴とするチェーンスリング用結合金具。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チェーンスリング用結合金具に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、重量物を安全に吊り上げて移動するために用いられるチェーンスリング用結合金具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、工場、倉庫および建設現場などにおいては、重量物を吊り上げて、目的の場所に移動させる作業工程において、チェーンスリングの下端を物体に連結し、チェーンスリングの上端をクレーンなどの吊り上げ移動手段と連結して、物体を吊り上げて移動させる方法が用いられている。
【0003】このようなチェーンスリングの1例は、例えば図3(A)(B)に例示されているように、リンク(52)、チェーン(50)、クレーンなどの吊り上げ移動手段に直接取り付けるためのマスターリンク(51)、および、移動物体を係着するためのフック(53)から構成されている。そして、このようなチェーンスリングにおいては、チェーン(50)とマスターリンク(51)とを連結するために、および、チェーン(50)とフック(53)とを連結するために、またはチェーン(50)と任意の吊り金具とを連結するために、2個のU型金具(54)からなる結合金具が用いられている。
【0004】この2個のU型金具(54)からなる結合金具は、吊り上げ移動物体の重量に耐えるために、十分な強度を備える必要があり、さらに、このU型金具の組立操作を容易に行うために、簡便性をも要求されており、数多くの工夫がなされてきた。例えば、実開昭59−11937号および特公昭63−35861号に開示されている結合金具は、図4に例示したように、2個のU型金具(54)両端の差込み腕(55)と溝形腕(56)とを相互に嵌合し、かつ各U型金具(54)における腕の間に、環状突条を備えている筒状スペーサ(57)介在させ、長手方向の中央部の外周に環状溝を備えたピン(58)を、前記各U型金具の両腕に設けられたピン孔(59)と前記の筒状スペーサ(57)に挿通し、前記環状突条を環状溝に嵌合させ、その筒状スペーサ(57)によりピンの抜けだしを防止している。
【0005】特に、特公昭63−35861に開示されている結合金具においては、筒状スペーサ(57)を各U型金具(54)における差込み腕(55)と溝形腕(56)の間の所定位置に保持した状態で、ピン(58)を各U型金具の両腕のピン孔(59)および筒状スペーサ(57)に嵌挿する操作を行わなければならないといった組立操作の煩雑性を防止するために、前記ピン(58)の中間部に設けられた小径部(61)にU型金具の腕のピン孔(59)の径よりも僅かに大きい外形を有するバネカラー(60)が嵌合され、そのバネカラー(60)の内面と前記小径部(61)との間に間隙を設け、バネカラー(60)を各U型金具の端部間に介在した構成としている。
【0006】そして、このような結合金具により、結合金具を組み立てる際には、2個のU型金具の各腕のピン孔を合致した状態で、ピン孔にピンを挿嵌することにより簡便に組み立てできる構成となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このように従来の結合金具においては、吊り上げ移動物体の重量に十分耐えるための強度性については、未だ十分には改善されていない。すなわち具体的には、例えば図5に示したように、チェーンを構成する楕円形のリンク(52)の内長径D、そのリンク(52)の部材径d1 、および、U型金具(54)の端部の横長d2 の間には、クリアランスD−d1 がU型金具(54)の端部の横長d2 よりも大きい、すなわち、D−d1 >d2D>d2 +d1 ───(1)
の関係が成り立つ場合のみに、U型金具(54)をチェーンを構成するリンク(52)内に挿入することができる。例えばこの図5においては、前記式(1)の関係が成り立っていないため、U型金具(54)をリンク(52)に挿入できないことを示している。
【0008】そして、チェーンを構成するリンク(52)の内長径Dおよび部材径d1 は、規格(D=3d1)により規定されているため、U型金具(54)の端部の横長d2 を調整することによって、前記の式(1)の関係を満足させている。しかしながら、最近においては、高強度チェーン使用によるチェーンのリンクの小型化が図られ、使用荷重当りのクリアランス(D−d1)も小さくなり、前記式(1)を満足するためには、自ずとU型金具(54)の端部の横長d2 を小さくする必要があった。
【0009】したがって、チェーンのリンク部材径自体の強度を向上させ小型化させると、結合金具の部分も小型化が必要となり、また、チェーンのリンクと比べて、形状が複雑な結合金具の強度アップは困難なために、逆に強度が減少し、チェーンスリング全体の強度を向上させることが困難になっている。本発明は、上記した従来技術の欠点を鑑みてなされたものであり、チェーンを構成するリンクを小さくしても、容易かつ確実に任意の吊り金具にチェーンを連結する結合金具に連結でき、かつ、チェーンスリング全体の強度を向上させることを可能とするチェーンスリング用結合金具を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解決するため、上部に差込み腕と溝形腕を有するH型金具とU型金具とからなるチェーンスリング用結合金具であって、H型金具の上部は、U型金具の差込み腕と溝形腕と相互に嵌合し、ロードピンにより任意の吊り金具に挿通したU型金具と一体的に係着し、H型金具の下部は、中央にチェーンを構成するリンク端部を嵌合するためのチェーン嵌合溝を備え、チェーン係止ピンによりリンクを軸支したことを特徴とするチェーンスリング用結合金具である。
【0011】本発明によれば、チェーンを結合金具に係着する場合に、チェーンのリンクの端部をH型金具の下部に設けたチェーン嵌合溝に嵌合し、H型金具の腕部に設けたチェーンピン孔にチェーン係止ピンを嵌着して、チェーンのリンクを軸着するので、チェーンを構成するリンクが小型化されても、確実に結合金具に係着することができ、チェーンスリングの強度を向上することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は、上部に差込み腕と溝形腕を有するH型金具とU型金具とからなるチェーンスリング用結合金具であって、H型金具の上部は、U型金具の差込み腕と溝形腕と相互に嵌合し、ロードピンにより任意の吊り金具に挿通したU型金具と一体的に係着し、H型金具の下部は、中央にチェーンを構成するリンク端部を嵌合するためのチェーン嵌合溝を備え、チェーン係止ピンによりリンクを軸支したことを特徴とするものであり、この特徴によって、チェーンを結合金具に係着する場合に、チェーンのリンクの端部をH型金具の下部に設けたチェーン嵌合溝に嵌合し、H型金具の腕部に設けたチェーンピン孔にチェーン係止ピンを嵌着してチェーンのリンクを装着するので、チェーンを構成するリンクが小型化されても、確実に結合金具に係着することができ、チェーンスリングの強度を向上することができる。
【0013】なお、H型金具にチェーンを軸着後、U型金具を吊り金具に挿通してロードピンによりU型金具とH型金具を一体化してもよい。以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0014】
【実施例】図1には本発明のチェーンスリング用結合金具が示されており、本発明の結合金具は、H型金具(1)とU型金具(2)とから構成され、H型金具(1)の上部はU型金具と連結し、下部はチェーンを構成するリンク(9)と連結する。U型金具(2)とH型金具(1)はそれぞれ差込み腕(7)とこの差込み腕(7)が嵌合する溝形腕(8)を有し、H型金具(1)の上部はU型金具(2)の差込み腕(7)と溝形腕(8)と相互に嵌合し、U型金具(2)とH型金具(1)との両腕に設けられたロードピン孔(11)にロードピン(4)を挿通してU型金具(2)と連結する。このとき、バネカラー(5)をロードピン(4)の中央部付近に配置し、ロードピン(4)の抜けを防止してもよい。
【0015】一方、H型金具(1)の下部には、中央にチェーンを構成するリンク(9)の端部を嵌合するチェーン嵌合溝(10)を備え、H型金具(1)の両腕に設けられたチェーンピン孔(12)にチェーン係止ピン(3)を挿通し、チェーン係止ピン(3)でチェーンを構成するリンク(9)を軸支し、H型金具(1)と連結する。
【0016】このとき、スプリンクピン(6)をH型金具(1)とチェーン係止ピン(3)に貫挿してチェーン係止ピン(3)の抜けを防止してもよい。そして、本発明においては、H型金具の構造として、例えば図2に例示したように、その上部両端には差込み腕(7)と溝形腕(8)を、H型金具の下部両端には腕部(15)を、中央部にはリンク(9)の端部が嵌入するチェーン嵌合溝(10)を備えている。
【0017】また、腕部(15)内にはチェーンピン孔(12)を設け、チェーン嵌合溝(10)に嵌入したリンク(9)をチェーン係止ピン(3)を介してH型金具(1)に連結する。以上説明した通り、チェーンを結合金具に係着する場合に、チェーンのリンク(9)の端部をH型金具(1)の下部に設けたチェーン嵌合溝(10)に嵌合し、H型金具(1)の腕部(15)に設けたチェーンピン孔(12)にチェーン係止ピン(3)を関着することによって、チェーンをチェーン係止ピン(3)により軸支し、結合金具に係着する。
【0018】
【発明の効果】以上詳しく説明したように、本発明によれば、チェーンを任意の吊り金具に連結する結合金具に係着する場合に、チェーンを構成するリンクの部材径が大きい場合でも、H型金具のチェーン嵌合溝にリンクの端部を嵌合し、チェーン係止ピンにより軸支し、結合金具に係着することができるので、チェーンを構成するリンクの部材径が大きくても、確実かつ容易に結合金具に係着することができ、チェーンスリング全体の強度を向上させることを可能とする。
【出願人】 【識別番号】000129367
【氏名又は名称】株式会社キトー
【出願日】 平成10年7月31日(1998.7.31)
【代理人】 【識別番号】100105223
【弁理士】
【氏名又は名称】岡崎 謙秀 (外1名)
【公開番号】 特開2000−46123(P2000−46123A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平10−217279