| 【発明の名称】 |
免震装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】石 田 二 郎
【氏名】坂 場 晃 三
【氏名】井手上 政 晴
【氏名】森 田 政 信
【氏名】野 村 朋 江
【氏名】新 田 晴 基
【氏名】土 屋 佳 香
【氏名】加 藤 要
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| 【要約】 |
【課題】振動に弱い対象物を載置する支持台を水平姿勢を保ちながら上下方向の振動を吸収し、平常時においても支持台を水平に安定支持する免震装置を提供する。
【解決手段】ベース1と支持台4との間に、該支持台4の水平方向への移動を拘束し上下動は許容する水平移動拘束手段5と、前記ベース1と支持台4とを連結するリンク機構6と、前記支持台4を上方へ向けて付勢する付勢手段7,7とを備え、前記リンク機構6は、一対のリンク部材8,8の一端を前記ベース1または支持台4の一方に軸支するとともに他端を他方に上下動を拘束してスライド自在に設けられた滑動装置11,11を介して軸支した平行リンクとされ、前記支持台4がベース1に対し平行状態を維持して上下移動することにより振動を吸収するようにしたことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】ベースと支持台との間に、該支持台の水平方向への移動を拘束し上下動は許容する水平移動拘束手段と、前記ベースと支持台とを連結するリンク機構と、前記支持台を上方へ向けて付勢する付勢手段とを備え、前記リンク機構は、一対のリンク部材の一端を前記ベースまたは支持台の一方に軸支するとともに他端を他方に上下動を拘束してスライド自在に設けられた滑動装置を介して軸支した平行リンクとされ、前記支持台がベースに対し平行状態を維持して上下移動することにより振動を吸収するようにしたことを特徴とする免震装置。 【請求項2】前記リンク機構を前記滑動装置によるスライド方向がX方向に1または2以上、Y方向に1または2以上配設されている請求項1記載の免震装置。 【請求項3】前記リンク部材を倒伏方向に付勢する付勢手段と、振動減衰用ダンパ機構とが付設されている請求項1または2記載の免震装置。 【請求項4】前記リンク部材を起立方向に付勢する付勢手段と、振動減衰用ダンパ機構とが付設されている請求項1または2記載の免震装置。 【請求項5】前記滑動装置がリニアベアリングである請求項1〜4のいずれか1項記載の免震装置。 【請求項6】前記ベースの下部に水平2次元自由度を有する制振装置を配置して3次元免震とした請求項1〜5のいずれか1項記載の免震装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は免震装置に係り、特に振動に弱いコンピュータ、銅像、彫刻品等の美術品、危険な化学薬品、危険な微生物保管ケース等の振動を嫌う対象物を地震から保護する台状あるいは床状の免震構造として使用することができる免震装置に関する。 【0002】 【従来の技術】上記に例示するような対象物を地震による振動から保護する装置は種々提案されているが、なかでも上下方向の振動を緩和する装置として従来特開平59−47543号公報に示されるものがある。 【0003】この公報に記載の免震装置は、水平面内でX方向、Y方向に可動とされた支持架台上に、襷状に交差してその交点を軸着されたレバーの同じ側の各端部を前記支持架台と機器設置台とに枢着し、レバーの反対側の各端部を前記支持架台と機器設置台とにスライド自在に支持し、前記レバーの固定端と可動端との間に引張ばねを張装して機器設置台が上昇位置を保つように構成され、地震等により上下振動が加わった際に前記レバーの可動端が引張ばねの張力に抗してスライドすることにより吸収するように構成されたものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかして上記従来の免震装置では、保護対象物を設置する機器設置台は引張ばねに依存して水平状態を保つので地震時はもとより平常時においても不安定であり、水平を保ちにくいという問題点があった。 【0005】本発明はこれに鑑み、機器等を設置する支持台を水平姿勢に保ちながら上下方向の振動を吸収し、平常時においても支持台を水平に安定的に支持することができる免震装置を提供することを課題としてなされたものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決する手段として本発明は、ベースと支持台との間に、該支持台の水平方向への移動を拘束し上下動は許容する水平移動拘束手段と、前記ベースと支持台とを連結するリンク機構と、前記支持台を上方へ向けて付勢する付勢手段とを備え、前記リンク機構は、一対のリンク部材の一端を前記ベースまたは支持台の一方に軸支するとともに他端を他方に上下動を拘束してスライド自在に設けられた滑動装置を介して軸支した平行リンクとされ、前記支持台がベースに対し平行状態を維持して上下移動することにより振動を吸収するようにしたことにある。 【0007】これにより地震等の振動から保護すべき対象物を支持台上に載置したのち振動が加わったとき、支持台は付勢手段に抗して上下動するが、その動きは水平移動拘束手段により上下動のみに規制され、また支持台はリンク機構によりベースに対し平行状態を保ったまま上下動し、支持台が傾くことがない。さらに支持台の上下動に応じリンク部材は滑動装置によりその一端がスライドするので円滑に追動し、付勢手段による免震作用に対し支障をきたすことがない。 【0008】前記リンク部材を倒伏方向へ付勢する付勢手段を付加すれば、支持台を上方へ付勢する付勢手段による付勢力を柔らげる作用が生じて良好な免震作用を発現させることができ、またリンク部材を起立方向へ付勢する付勢手段を付加すれば、支持台を上方へ付勢する付勢手段を弱いものとして柔らかく撓むような圧縮ばねを使用しても、振動時に座屈を生じさせることがなく、両付勢手段の協働で良好な免震作用を発現させることができる。 【0009】また減衰用ダンパ機構を付設することにより付勢手段の伸縮と地震の振動とが一致したときの激しく過大な振動を防ぐうえで効果を発揮する。このダンパ機構をリンク部材に横水平方向に取付けたり縦方向に取付けることによって減衰作用を線形または非線形に選択することができる。 【0010】さらに前記ベースの下部に水平2次元自由度を有する制振装置を配置して3次元免震装置とすれば、上下方向の振動吸収に加え水平方向の振動を制振することができ、利用範囲の広いより確実な免震装置とすることができる。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の形態を参照して説明する。 【0012】図1は本発明による免震装置の使用例を示し、図2は上記免震装置の基本形態を示すもので、図示の例はベース1として建屋2の床面3を想定した場合を示している。 【0013】上記免震装置は、図2に示すようにベース1と支持台4との間に該支持台4の水平方向への移動を拘束し上下方向への移動は許容する水平移動拘束手段5と、前記ベース1と支持台4とを連結するリンク機構6と、前記支持台4を上方へ向けて付勢する付勢手段としての圧縮ばね7,7とを備えている。 【0014】前記リンク機構6は一対のリンク部材8,8を有し、これらリンク部材8,8の上端は支持台4の下面の軸受9,9にピン10,10により枢支され、下端はベース1上に上下動が拘束されてスライド自在に設けられた滑動装置11,11の軸受12,12にピン13,13により枢支され、この滑動装置11,11は連結部材14により連結されていて実質的に一体化されている。したがって前記支持台4とリンク部材8,8と連結部材14を含む滑動装置11,11とで平行リンクを構成している。 【0015】前記滑動装置11,11としては、ベース1上に固設された軌条15,15にそってスライドし、上方へは離脱しないリニアベアリングを用いるのが最も好ましいが、前記軌条に上方へは外れないようにした台板と軌条15との間にローラを介装したものであってもよい。 【0016】前記水平移動拘束手段5は、支持台4の中央位置の下面に垂設された支持部材16の下端に軸着されたベアリングまたはローラ等の回転体17がベース1に立設された相対向するガイド部材18,18間に挿入され、前記回転体17がガイド部材18,18の対向面にそって上下移動し得るようになっている。なおこの水平移動拘束手段5については、ベース1に対し支持台4が上下動のみ可能で水平方向へは不動とするものであれば他の如何なる手段であってもよい。 【0017】上記の構成により、図1に示すように支持台4上にコンピュータ等の振動を嫌う対象物19を設置すると、圧縮ばね7,7が対象物19の重量を支える。このとき支持台4が対象物19の重量により下降すれば、その下降に応じてリンク機構6のリンク部材8,8がピン10,10を中心に等しく倒れる方向に回動し、その回動は滑動装置11,11であるリニアベアリングに伝達され、このリニアベアリングが軌条15,15にそってスライドすることにより許容される。 【0018】上記の状態で地震等の振動がベース1に加わると、ベース1の上下動に対し左右の圧縮ばね7,7の伸縮により吸収され、その伸縮により上下動する支持台4は水平移動拘束手段5により上下方向への移動が許容されて追動し、水平方向へは移動しない。また支持台4の上下動時にはリンク機構6のリンク部材8,8が等しく起伏回動することにより支持台4はベース1に対し水平状態を保ったまま上下に追動させることができる。 【0019】前記支持台4の面積が大きい場合には、上記免震装置のリンク機構6をX方向、Y方向に複数基設けるようにすることにより対処する。 【0020】図3はリンク機構6自体にも付勢手段としての引張ばね20,21と振動減衰用ダンパ機構22,23を付設した場合を示している。 【0021】図3の例では、図において右側のリンク部材8の中間部とベース1上に固設の支持部24との間にリンク部材8を倒す方向に付勢する引張ばね20、およびダンパ機構22が水平方向に連結され、左側のリンク部材8にはその中間部とベース1上に固設された支持部25との間にリンク部材8を起こす方向に付勢する引張ばね21が水平方向に連結され、リンク部材8の上方部とベース1との間にダンパ機構23が垂直方向に連結されている。またベース1と支持台4との間にもダンパ機構26,26が連結されている。他の構成は図2と同様であるからこれと対応する部材には同一符号を付すに留める。 【0022】したがって前記右側の引張ばね20はリンク機構6を倒伏させる方向に作用し、圧縮ばね7,7を撓みやすくするように作用する。また左側の引張ばね21はリンク機構6を起こす方向に作用し、圧縮ばね7,7による上方への押上げ力を助成する。そのため引張ばね20は支持台4の上下動を柔かくする働きを持ち、引張ばね21は堅くする働きを持つことになり、これらを考慮して圧縮ばね7,7のばね定数を設定すれば支持台4上に載置する対象物19の性質に最も適合した振動吸収を実現させることができる。 【0023】なおダンパ機構22,23,26は、圧縮ばね7,7の振動数と地震による振動数とが近接したような場合に激しい振動が生じないようにこれらダンパ機構により過大な振動が吸収される。 【0024】なお図4は左右とも図3の右側の構造とし、図5は左右とも図3の左側の構造としたもので、対象物19の性質に応じて適宜選択することができることを示しており、図3の符号を引用するに留め、詳細説明は省略する。 【0025】図6はベース1を台板27とし、建屋2の床面3との間に水平2次元自由度を有する制振装置28,28が介設されたもので、3次元免震装置とした場合の一例を示している。 【0026】上記制振装置28としては、例えば床面3上に固定される上向きの凹曲面状を有する下部高硬度部材29と、下向きの凹曲面状を有する上部高硬度部材30と、これら両部材29,30の凹曲面間にその対向間隔に略一致する外径を有する複数個の転子31,31,31と、これら転子を保持するリテーナ32とで構成され、地震時における水平動を受けたときは下部高硬度部材29に対し上部高硬度部材30が図において左右方向へ移動可能とされ、平常時には図示のように各凹曲面の中央が一致する位置に自動的に復帰するものである。 【0027】図6においては、リンク機構6の滑動装置11,11を支持台4の裏面側に設けた場合として例示しており、この場合の引張ばね20は図3の右側の引張ばね20に相当する。 【0028】また図6において33はベース1と台板27との間に水平方向に連結され、水平方向の振動を減衰させるダンパ機構である。他の構成で図2、図3と同一部材にはこれと同一符号を付すに留める。 【0029】したがって上記実施形態によれば、上下振動の吸収と水平方向の振動の吸収を図ることができる。 【0030】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、地震等の振動から保護すべき対象物を載置する支持台を水平移動拘束手段により上下動のみ許容するようにするとともにリンク機構により支持台をベースに対し平行移動するようにしたので、地震時等に支持台が傾くことがなく、対象物を常に水平に保持したまま振動を吸収することができ、対象物を安全に保護することができる。 【0031】また前記リンク機構に水平方向に引張ばねを付設することにより、支持台を上方に付勢する付勢手段のみに依存する場合に比べ振動系のばね定数を小さくまたは大きく変えることができ、この引張ばねの張力を変えることによりばね定数、固有振動数を所望の値に設定することが容易にできる。 【0032】さらに、ベースの下面に2次元自由度の制振装置を付加すれば、支持台がベースに対し平行を保ちつつ固有振動数を小さくすることができる優れた免震効果を保つ3次元免震装置を実現することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000224994 【氏名又は名称】特許機器株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月25日(1998.12.25) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064285 【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−193031(P2000−193031A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月14日(2000.7.14) |
| 【出願番号】 |
特願平10−371202 |
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