| 【発明の名称】 |
ガススプリング |
| 【発明者】 |
【氏名】高瀬 孝次
【氏名】津田 直政
【氏名】渡辺 英治
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| 【要約】 |
【課題】曲げ力にガススプリングをバランスよく対応させることでドアの開閉操作を円滑にし、併せて、全開状態での確りとしたドアの保持を確保する。
【解決手段】伸縮動作に際しピストン7と摺接しつつ相対変位するシリンダ2の内壁に外壁面へと膨出して軸方向へと向う長溝を形成し、当該長溝を途中で分割して圧縮側に位置する深さの大きい長溝15aと伸長側に位置する深さの浅い長溝15bとに分けると共に、これら分割した長溝15a,15bをそれぞれシリンダ2に加わる曲げ力に合わせて円周方向へと位相をずらして配置する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 伸縮動作に当ってピストンと摺接しつつ相対変位するシリンダの内壁に外壁面へと膨出して軸方向へと向う長溝を形成し、当該長溝を途中で分割して圧縮側に位置する深さの大きい長溝と伸長側に位置する深さの浅い長溝とに分けると共に、これら分割した長溝をそれぞれシリンダの円周方向へと位相をずらして配置したことを特徴とするガススプリング。 【請求項2】 伸縮動作に当ってピストンと摺接しつつ相対変位するシリンダの内壁に外壁面へと膨出して軸方向へと向う複数本の長溝を形成し、当該長溝を途中で選択的に分割して圧縮側に位置する深さの大きい長溝と伸長側に位置する深さの浅い長溝とに分けると共に、これら分割した長溝と分割しない長溝をそれぞれシリンダの円周方向へと位相をずらして配置したことを特徴とするガススプリング。 【請求項3】 圧縮側に位置する深さの大きい長溝と伸長側に位置する深さの浅い長溝との間に、何等の溝をも有しない円筒状のロック部分を残して形成した請求項1または2のガススプリング。 【請求項4】 伸縮動作に当ってピストンと摺接しつつ相対変位するシリンダの内壁に外壁面へと膨出して軸方向へと向う長短で一組の長溝をそれぞれの圧側端を揃えて並設し、かつ、これら長短で一組の長溝を互にシリンダの円周方向へと位相をずらして配置したことを特徴とするガススプリング。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、ハッチバックタイプやワンボックスタイプ或いは四輪駆動タイプの自動車などに多用されている後部跳ね上げドアや横開きドアまたは観音開きドア等のバランサーおよび開閉制御用の伸縮支柱としての使用に適するテレスコープ型のガススプリングに関する。 【0002】 【従来の技術】従来、この種の後部跳ね上げドアや横開きドアまたは観音開きドア等の開閉を制御するシリンダタイプのガススプリングとしては、これらドアの適正な全開保持と開閉操作力を確保するものとして、例えば、特開平9−229123号公報に開示されているようなものが知られている。 【0003】すなわち、このものは、伸縮動作に当ってピストンと摺接しながら相対変位するシリンダの内壁に外壁面へと膨出して軸方向へと向う長溝を形成し、当該長溝とピストンとの間にできる制限流路を通して行き来する内部封入ガスの流動抵抗を利用して全開状態での保持と開閉操作力の適正化とを図るようにしている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、このものでは、ガススプリングにおけるシリンダの外壁面に軸方向へと向う一連の突条ができ、この突条のある側のシリンダの断面係数が大きくなって当該側への曲げ剛性のみが増大し、曲げ力に対するバランスが悪くなって突条の反対側へと変形し易くなることから作動性に劣ることになる。 【0005】また、上記に加えて、ドアの閉鎖を容易にするためにシリンダの内面の長溝を深くしてピストンとの間の通路面積を大きくとったとすると、全開時におけるドアの支持力が低下して風によりドアが煽られたときにバタ付いたり、最悪の場合には閉鎖方向へと動いてドアが閉まってしまうことにもなりかねない。 【0006】したがって、この発明の目的は、異なる方向に作用する曲げ力にガススプリングをバランスよく対応させることでドアの開閉操作を円滑にしつつ、併せて、全開状態でのドアの保持をも確りと行うことのできるこの種のガススプリングを提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記した目的は、この発明において、伸縮動作に当ってピストンと摺接しながら相対変位するシリンダの内壁に外壁面へと膨出して軸方向へと向う長溝を形成し、当該長溝を途中で分割して圧縮側に位置する深さの大きい長溝と伸長側に位置する深さの浅い長溝とに分けると共に、これら分割した長溝をそれぞれシリンダに加わる曲げ力に合わせて円周方向へと位相をずらして配置することにより達成される。 【0008】すなわち、上記のように構成することで、各長溝の形成に当ってシリンダの外面側にできるそれぞれの突条をシリンダに作用する曲げ力と合致させることにより、これら突条でシリンダに加わる曲げ力をバランスよく抑えつつ、当該シリンダに曲がりが生じて円滑な伸縮動作が阻害されるのを防ぐ。 【0009】しかも、この場合において、伸長側に位置する長溝の深さを圧縮側の長溝のそれよりも浅く構成してやることにより全開状態でのドアの保持を確りとし、風によるバタ付や閉鎖方向への動きを確実に阻止してドアが閉まってしまうのを防ぐこともできる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を添付図面の図1,2に示す基本形と、図3以降の各図に示す変形例とについて説明していくことにする。 【0011】図1は、この発明による基本形としてのガススプリング1の実施の形態を示すもので、当該ガススプリング1におけるシリンダ2は、一端をシリンダボトム3で塞がれており、かつ、他端の開口部には、リテーナ4およびパッキン5とベアリング6がそれぞれ嵌着してある。 【0012】シリンダ2の内部には、ピストン7が軸線方向に沿って摺動自在に挿入してあり、このピストン7によってシリンダ2の内部をピストン上室8とピストン下室9とに区画すると共に、ピストン上室8とピストン下室9の内部には窒素ガス等の不活性ガスを封入してある。 【0013】ピストン7は、加締め手段10によってピストンロッド11に一体に取り付けてあり、当該ピストンロッド11は、ピストン下室9に向けてリテーナ4とパッキン5およびベアリング6を順次に貫通しつつシリンダ2から外方へと延びている。 【0014】上記したリテーナ4は、ガススプリング1の最伸長時にピストン7がパッキン5と衝合してそれを傷めるのを防止するためのもので、パッキン5よりも内方に位置してシリンダ2の外周壁に施したロール加締め12により固定して配置してある。 【0015】それに対して、パッキン5は、シリンダ2とベアリング6との間および当該ベアリング6とピストンロッド12の間の接合隙間を気密に保って内部封入ガスの外部洩れを防止するためのものであり、また、ベアリング6は、シリンダ2に対してピストンロッド11を摺動自在にガイドするためのものである。 【0016】そのために、これらパッキン5とベアリング6は、両者の間にワッシャ13を挟んでシリンダ2の端部に施した加締め部分14へと上記した内部封入ガスのガス圧力により押し付けて配置してある。 【0017】一方、ピストン7と摺接しつつ相対変位するシリンダ2の内壁には、外壁面側へと膨出して軸方向へと向う途中で二つに分割した長溝15a,15bが形成してあり、これら長溝15a,15bは、圧縮側に位置する長溝15aの深さが伸長側に位置する長溝15bよりも深く構成してある。 【0018】なお、上記した長溝15a,15bは、必ずしも二つに分割してやる必要はなく、三つ或いはそれ以上に分割してもよい。 【0019】これにより、ピストン上室8とピストン下室9は、ピストン7の外周面とシリンダ2側に設けた長溝15aと長溝15bによって選択的に形成される制限流路を通して相互に連通し、当該制限流路を介しピストン上室8とピストン下室9との間で内部封入ガスのやり取りを行うことになる。 【0020】また、シリンダボトム3とピストンロッド11の外方端には、ボールジョイントのソケット16,17をそれぞれ取り付け、ガススプリング1の使用に際してこれらソケット16,17を通して車体と後部ドアの間に装着される。 【0021】そして、このガススプリング1の取付状態に基いてシリンダ2に加わる曲げ力と対抗できるように、予め、シリンダ2側の長溝15aと長溝15bの位置を円周方向に向け位相をずらして配置してある。 【0022】これにより、使用に際してガススプリング1は、長溝15a,15bによってシリンダ2の外周面にできた突条が当該シリンダ2に加わる曲げ力とバランスよく対応して伸縮動作し、シリンダ2との間でピストン7を円滑に摺動させながらピストン7の外周面とシリンダ2側の長溝15a,15bとの間の制限流路で内部封入ガスの流れに流動抵抗を与える。 【0023】しかも、併せて、シリンダ2へのピストンロッド11の進退に伴うガス圧力の変化で反発力を上げ下げし、図2の特性図に実線で示すように、ドア開度に伴って反発力を変化させながら伸縮動作することになる。 【0024】上記のようにして、圧縮側での伸縮動作時には、深い長溝15aにより制限流路が大きくなって内部封入ガスの流動抵抗が低く、これにより、多量のガスを容易に流すことができることから後部ドアの閉鎖および開放を容易にする。 【0025】また、伸長側での伸縮動作時には、浅い長溝15bにより制限流路の通路面積が縮小するためガスの流動抵抗が大きく、したがって、全開時でのドア保持力を大きく確保して強風によるドアのバタ付や閉鎖方向への動きを確実に抑えることができる。 【0026】さらに、また、上記において、図3に示す実施の形態のガススプリング1aのように、圧縮側に位置する深い長溝15aと伸長側に位置する浅い長溝15bの各本数を増やし、これら長溝15a,15bをシリンダ2に加わる曲げ力に合わせて円周方向へとそれぞれ位相をずらして配置してやる。 【0027】この場合において、各長溝15a,15bにつきその本数を図3のように増やしてやってもよいが、これら長溝15a,15bの増加と共にシリンダの略々全長に亙って形成した長溝を併せて使用するようにしてもよいことは言うまでもない。 【0028】このようにすることで、シリンダ2に対して加わる曲げ力に対応して増加した長溝15a,15bでさらに効果的にバランスよく対応し得るばかりでなく、ピストン7と深い長溝15aおよび浅い長溝15bとの間の制限流路を通して流れるガスが分流されることになるので、ガススプリング1aの伸縮動作に伴う作動音が小さくなる。 【0029】さらに、上記した図1,図3の実施の形態の変形例として図4に示す実施の形態(但し、図4は図1についての変形例)のガススプリング1bのように、圧縮側に位置する深い長溝15aと伸長側に位置する浅い長溝15bとの間に円筒状のままで溝の無いロック部分18を残し、当該ロック部分18を挟んでこれら長溝15a,15bを形成してやる。 【0030】このように構成することで、ガススプリング1bの伸縮動作時にピストン7がシリンダ2のロック部分18と対向した時点でシリンダ2とピストン7との間の制限流路が無くなり、ピストン上室8とピストン下室9の連通が遮断されてガススプリング1bを伸縮動作の途中でロックしつつ、図2に鎖線で示すようにガススプリング1bの反発力を抑えて後部ドアを任意の中間位置で保持することができる。 【0031】なお、上記した図1,図3および図4の各実施の形態にあっては、何れも制限流路を構成する深い長溝15aと浅い長溝15bをシリンダ2の圧縮側と伸長側に分けて設置するようにしてきたが、図5に示す実施の形態のようにして二つの長溝15c,15dを形成するようにしてもよい。 【0032】すなわち、図5に示すガススプリング1cにあっては、シリンダ2の内壁に外壁面へと膨出して軸方向へと向う長短で一組をなす長溝15c,15dをそれぞれの圧側端を揃えて並設し、かつ、これら長短で一組の長溝15c,15dをシリンダ2に加わる曲げ力に合わせて円周方向へと位相をずらして配置したのである。 【0033】このものによっても、長溝15c,15dでシリンダ2に加わる曲げ力とバランスよく対応しつつピストン7の円滑な作動を確保し得ると共に、圧縮側での制限流路をピストン7とこれら長短二様の長溝15c,15dで構成し得ることから、ガスの絞り流れの分散の効果により作動音を小さくすることができる。 【0034】しかも、ドアが全開に達する直前にあっては、長い方の長溝15cと短い方の長溝15dとの合成絞りに続いて短い方の長溝15dの絞り次第に縮小し、さらに、長い方の長溝15cのみになってこれら長溝15c,15dによる絞り効果で二段の減速効果が得られ、結果としてドア開閉時におけるフィーリングに自由度をもたせることが可能になる。 【0035】 【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれば、伸縮動作時におけるガスの制限流路を構成する長溝を途中で分け、かつ、ガススプリングに加わる曲げ力に対応して円周方向に位相をずらしつつ配置したことにより、当該ガススプリングを構成するシリンダとピストンおよびピストンロッドとの競りを防いで伸縮動作を円滑にすることができる。 【0036】しかも、併せて、圧縮側の長溝を深くまた伸長側の長溝を浅く構成したことにより、当該ガススプリングをドアの伸縮支柱として使用した場合のドアの閉鎖と開き始めの動作を容易にすると共に、全開状態での風によるドアのバタ付や危険を伴うような急激な落下および閉じを防ぐこともできる。 【0037】それに対して、請求項2の発明によれば、圧縮側と伸長側の長溝の本数を増やし、これら長溝をガススプリングに加わる曲げ力に対応して円周方向に位相をずらしつつ配置することで、上記した請求項1のガススプリングがもつ効果をより一層効果的に発揮し得る得るばかりでなく、ピストンと長溝つの間の制限流路を通して流れるガスが分流されることになるので、ガススプリングの伸縮動作に伴う作動音が小さくなる。 【0038】また、請求項3の発明によれば、圧縮側と伸長側の各長溝の間に何等の溝をも持たない円筒状のロック部分を残したことにより、上記した請求項1および2の効果に加えてガススプリングでの途中でのロックを可能にし、ドアを全閉と全開の中間位置で保持することが可能になる。 【0039】さらに、請求項4の発明によれば、シリンダの内壁に外壁面へと膨出して軸方向へと向う長短で一組の長溝をそれぞれの圧側端を揃えて並設し、かつ、上記長短で一組の長溝をシリンダに加わる曲げ力に合わせて円周方向へと位相をずらして配置したことにより、これら長溝でシリンダに加わる曲げ力とバランスよく対応しつつピストンの円滑な作動を確保し得ると共に、圧縮側での制限流路をピストンとこれら長溝とで構成し得ることから、内部封入ガスの絞り流れによる分散効果で作動音を小さくすることができる。 【0040】しかも、上記に加えて、ドアが全開に達する直前では長短で一組の長溝の合成絞りに続いて長い方の長溝15cのみによる二段の減速効果が得られ、これにより、ドア開閉時におけるフィーリングに自由度をもたせることが可能になる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000929 【氏名又は名称】カヤバ工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月28日(1998.12.28) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067367 【弁理士】 【氏名又は名称】天野 泉
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| 【公開番号】 |
特開2000−193009(P2000−193009A) |
| 【公開日】 |
平成12年7月14日(2000.7.14) |
| 【出願番号】 |
特願平10−371879 |
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