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【発明の名称】 板バネ一体型コアおよびその製造方法
【発明者】 【氏名】芳賀 覚

【氏名】黒野 俊治

【要約】 【課題】高価なゴムの使用量を少なくし、しかも、板バネと逆さカップ状コアとの固定を確実にした信頼性の高い板バネ一体型コアおよびその製造方法を提供するものである。

【解決手段】外周リング部1A、中心孔を有する内周リング部1C、および外周リング部1Aと内周リング部1Cとを連結する複数本の放射状腕部1Eを有する板バネ1と、ゴムなどの弾性体で作られ、上記板バネ1の外周リング部1Aに加硫接着したリング状の外周シール部2と、頂部に透孔が設けられ、外周面に上記板バネ1を位置決めするための段差部5Bおよび上記板バネ1を固定するための溝部5Cを有する逆さカップ状コア5と、ゴムなどの弾性体で作られ、上記逆さカップ状コア5の頂上部分に突出して形成したシール部6A、および上記逆さカップ状コア5の透孔を通して内部に形成した拡張部6Bを有するバルブシール部材6と、上記逆さカップ状コア5の溝部5Cに熱かしめにより嵌合する熱可塑性の樹脂リング7とを備えたものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 外周リング部、中心孔を有する内周リング部、および外周リング部と内周リング部とを連結する複数本の放射状腕部を有する板バネと、ゴムなどの弾性体で作られ、上記板バネの外周リング部に加硫接着したリング状の外周シール部と、頂部に透孔が設けられ、外周面に上記板バネを位置決めするための段差部および上記板バネを固定するための溝部を有する逆さカップ状コアと、ゴムなどの弾性体で作られ、上記逆さカップ状コアの頂上部分に突出して形成したシール部および上記逆さカップ状コアの透孔を通して内部に形成した拡張部を有するバルブシール部材と、上記逆さカップ状コアの溝部に熱かしめにより嵌合した熱可塑性の樹脂リングとを備えたことを特徴とする板バネ一体型コア。
【請求項2】 外周リング部、中心孔を有する内周リング部、および外周リング部と内周リング部とを連結する複数本の放射状腕部を有する板バネの上記外周リング部に、ゴムなどの弾性体で作られたリング状の外周シール部を加硫接着する第1の工程と、頂部に透孔が設けられ、外周面に上記板バネを位置決めするための段差部および上記板バネを固定するための溝部を設けた逆さカップ状コアの上記頂上部分に、ゴムなどの弾性体で作られたシール部を突出して形成すると共に上記逆さカップ状コアの透孔を通して拡張部を内部に形成してバルブシール部材を設ける第2の工程と、上記逆さカップ状コアの段差部に上記板バネを位置決めする第3の工程と、上記板バネを位置決めした上記逆さカップ状コアの溝部に対向して熱可塑性の樹脂リングを位置決めする第4の工程と、熱かしめにより上記熱可塑性の樹脂リングを上記逆さカップ状コアの溝部に嵌合させる第5の工程とを備えたことを特徴とする板バネ一体型コアの製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安価であり、しかも信頼性の高い板バネ一体型コアおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は従来の板バネ一体型コアを示す平面図であり、図10は図9のD1−D2断面を示す図であり、図11は図9および図10に示す外周シール部付き板バネを示す平面図であり、図12は図11のE1−E2断面を示す図である。これらの図において、1は板バネであり、この板バネ1は外周リング部1A、中心孔1B(図11、図12参照)を有する内周リング部1C、およびこの外周リング部1Aと内周リング部1Cとを連結する例えば3本の放射状腕部1D、1E、1Fを備えている。2はリング状の外周シール部であり、このリング状の外周シール部2は例えばゴムなどの弾性体で作られ、図11、図12に示すように、板バネ1の外周リング部1Aに加硫接着される。3は逆さカップ状コア(可動鉄心:図10参照)であり、この逆さカップ状コア3はその頂部に透孔3Aが設けられ、その外周面に板バネ1を位置決めするための段差部3Bが設けられている。4はバルブシール部材であり、このバルブシール部材4は例えばゴムなどの弾性体で作られ、シール部4Aおよび板バネ固定部4Bから構成される。
【0003】なお、このシール部4Aは逆さカップ状コア3(図10参照)の透孔3Aを通して内部に拡張部を形成することにより、抜け落ちないようにすることができる。板バネ固定部4Bは、板バネ1の内周リング部1Cの中心孔1Bの縁が、逆さカップ状コア3(図10参照)の外周面に設けた段差部3Bに当接して位置決めされた状態で、板バネ1を逆さカップ状コア3(図10参照)に加硫接着により固定するものである。また、リング状の外周シール部2は、例えば安価なNBRを使用し、バルブシール部材4のシール部4Aおよび板バネ固定部4Bは、例えば、高価なフッ素ゴムを使用し、図示せぬ金型によって同時成型(一体成型)する。また、バルブシール部材4のシール部4Aの表面には、耐磨耗性を良くするため、テフロンコーティング(図示せず)を施す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の板バネ一体型コアは、シール部および板バネ固定部を「ゴム」によって行うため、■シール部にのみ高価なフッ素ゴムを使用すれば所望のシール(シール効果)が可能になるにも拘らず、板バネ固定部にも高価なフッ素ゴムを使用しなければならない、■板バネ固定部の成型時の収縮性が悪いと、逆さカップ状コアの段差部との間に隙間ができるため、板バネの位置決めおよび固定が不安定である、などの問題がある。
【0005】したがって、本発明の目的は、高価なフッ素ゴムの使用量を少なくでき、しかも板バネの位置決めおよび固定を確実にするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る板バネ一体型コアは、外周リング部、中心孔を有する内周リング部、およびこの外周リング部と内周リング部とを連結する複数本の放射状腕部を有する板バネと、ゴムなどの弾性体で作られ、上記板バネの外周リング部に加硫接着したリング状の外周シール部と、頂部に透孔が設けられ、外周面に上記板バネを位置決めするための段差部および上記板バネを固定するための溝部を有する逆さカップ状コアと、頂部に透孔が設けられ、外周面に上記板バネを位置決めするための段差部および上記板バネを固定するための溝部を有する逆さカップ状コアと、ゴムなどの弾性体で作られ、上記逆さカップ状コアの頂上部分に突出して形成したシール部および上記逆さカップ状コアの透孔を通して内部に形成した拡張部を有するバルブシール部材と、熱かしめにより、上記逆さカップ状コアの溝部に嵌合する熱可塑性の樹脂リングとを備えたものである。
【0007】本発明に係る板バネ一体型コアの製造方法は、外周リング部、中心孔を有する内周リング部、および外周リング部と内周リング部とを連結する複数本の放射状腕部を有する板バネの上記外周リング部に、ゴムなどの弾性体で作られたリング状の外周シール部を加硫接着する第1の工程と、頂部に透孔が設けられ、外周面に上記板バネを位置決めするための段差部および上記板バネを固定するための溝部を有する逆さカップ状コアの上記頂上部分に、ゴムなどの弾性体で作られたシール部を突出して形成すると共に、上記逆さカップ状コアの透孔を通して拡張部を内部に形成することによりバルブシール部材を設ける第2の工程と、上記逆さカップ状コアの段差部に上記板バネを位置決めする第3の工程と、上記板バネを位置決めした上記逆さカップ状コアの溝部に対向して熱可塑性の樹脂リングを位置決めする第4の工程と、熱かしめにより上記熱可塑性の樹脂リングを上記逆さカップ状コアの溝部に嵌合させる第5の工程とを備えたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】図1は本発明に係る板バネ一体型コアを示す平面図であり、図2は図1のA1−A2断面を示す図である。図において、5(図2参照)は逆さカップ状コア(可動鉄心)であり、この逆さカップ状コア5(図2参照)はその詳細な縦断面を図3に、そのB1−B2断面を図4に、そのC1−C2断面を図5に示すように、その頂部に透孔5Aが設けられ、その外周面に板バネ1を位置決めするための段差部5Bおよび板バネ1を固定するための溝部5Cが設けられている。6はバルブシール部材であり、このバルブシール部材6は例えば、ゴムなどの弾性体で作られ、図2、図6に示すように、逆さカップ状コア5(図3、図4、図5参照)の頂上部分に突出して設けられたシール部6A、および逆さカップ状コア5の透孔5Aを通して内部に設けられた拡張部6Bにより、このバルブシール部材6が逆さカップ状コア5の頂上部分から抜け落ちないように固定することができる。
【0009】7は熱可塑性の樹脂リングであり、この熱可塑性の樹脂リング7は、下記の製造工程で説明するように、逆さカップ状コア5(図2参照)の溝部5Cに嵌合する。このため、板バネ1を逆さカップ状コア5の段差部5Bに位置決めすると共に固定することができる。この熱可塑性の樹脂リング7を逆さカップ状コア5(図2参照)の溝部5Cに嵌合させる製造工程について、図8を参照して説明する。図8において、10はダイであり、このダイ10は外周リング部1Aにゴムなどの弾性体で作られたリング状の外周シール部2を加硫接着した板バネ1を所定の位置に位置決めし、さらに、頂上部分に突出して形成したシール部6Aおよび透孔を通して内部に形成した拡張部6Bからなるバルブシール部材6を設けた逆さカップ状コア5を所定の位置に位置決めするものである。11は図示せぬヒータが一体的に設けられたパンチであり、このパンチ11は図示せぬエアープレス機構によって、矢印方向に移動可能にセットされる。そして、このパンチ11の内周面には、水平に対して、テーパーの浅い第1の傾斜面11Aとテーパーの深い第2の傾斜面11Bとを備えている。
【0010】まず、熱かしめの前工程において、熱可塑性の樹脂リング7に予熱をかけておき、変形し易い状態にする。そして、図示せぬエアープレス機構を操作して、このパンチ11を矢印方向に移動させると、熱可塑性の樹脂リング7の上面の角部は、パンチ11のテーパーの浅い第1の傾斜面11Aによって内方に押されたのち、テーパーの深い第2の傾斜面11Bにより、内方にさらに押される。このため、熱可塑性の樹脂リング7は図2に示すように、逆さカップ状コア5の溝部5Cにしっかりと嵌合することができる。なお、パンチ11の下面がダイ10の上面に接近するとき、テーパーの浅い第1の傾斜面11Aによって、熱可塑性の樹脂リング7の一部(余分なもの)を外側に逃がすことができる。このように板バネ一体型コアを構成することにより、リング状の外周シール部2には例えば安価なNBRを使用することができる。また、バルブシール部材6には例えば高価なフッ素ゴムを使用することができる。また、バルブシール部材6のシール部6Aの表面には、耐磨耗性を良くするため、テフロンコーティング(図示せず)を施すこともできる。
【0011】次に、上記構成の板バネ一体型コアの製造方法について、図8を参照して説明する。外周リング部1A、中心孔1Bを有する内周リング部1C、および外周リング部1Aと内周リング部1Cとを連結する複数本の放射状腕部1Eを有する板バネ1を図示せぬプレス機構を用いて作成する。そして、この板バネ1の上記外周リング部1Aに、ゴムなどの弾性体で作られたリング状の外周シール部2を加硫接着する。そして、頂部に透孔5A、外周面に段差部5Bおよび上記板バネ1を固定するための溝部5Cを設けた逆さカップ状コア5(図3〜図5参照)を作成する。そして、ゴムなどの弾性体を用いて、この逆さカップ状コア5の頂上部分にシール部6Aを突出させると共にこの透孔5Aを通して拡張部6Bからなるバルブシール部材6を形成する。そして、上記逆さカップ状コア5の段差部5Bに上記板バネ1を位置決めする。そして、上記逆さカップ状コア5の溝部5Cに対向して熱可塑性の樹脂リング7を位置決めする。そして、この樹脂リング7に予熱をかけておき、変形し易い状態にする。そして、図示せぬエアープレス機構を操作して、このパンチ11(図8参照)を矢印方向に移動させると、熱可塑性の樹脂リング7の上面の角部は、テーパーの浅い第1の傾斜面11Aで内方に押されたのち、テーパーの深い第2の傾斜面11Bにより内方にさらに押される。このため、熱可塑性の樹脂リング7は図2に示すように、逆さカップ状コア5の溝部5Cにしっかりと嵌合することができる。なお、高価なゴムとして、フッ素ゴムを用いた場合について説明したが、これに限定せず、そのほかのゴムを用いてもよいことはもちろんである。
【0012】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係る板バネ一体型コアおよびその製造方法によれば、高価なフッ素ゴムなどの使用量を少なくできるため、安価になり、しかも板バネの位置決めおよび固定を確実にすることができる効果がある。
【出願人】 【識別番号】000136354
【氏名又は名称】株式会社フコク
【出願日】 平成10年12月22日(1998.12.22)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−193006(P2000−193006A)
【公開日】 平成12年7月14日(2000.7.14)
【出願番号】 特願平10−376312