| 【発明の名称】 |
ダンパ装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】沼尻 進
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| 【要約】 |
【課題】車両用エンジンのクランク軸等回転軸に装着されて捩り振動及び曲げ振動を低減し、耐久性及び信頼性が優れたダブルマストーショナルダンパ装置を提供する。
【解決手段】クランク軸等の回転軸に固着されて一体的に回転する円板状のダンパハブに、外側円筒部と内側円筒部と環状底板とを有する環状溝を設けると共に、外側円筒部の一端部から半径方向外方に延在する外周環状板を設ける。外側円筒部の外周面及び外周環状板の一側面にわたって、円板状ラバー部と円筒状ラバー部を有する第1環状ラバー部材を接着して、同第1環状ラバー部材に第1慣性リングを装着する。また、内側円筒部の外周面及び環状底板の一側面にわたって、円板状ラバー部と円筒状ラバー部を有する第2環状部材を装着して、同第1環状部材に第2慣性リングを装着する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 回転軸線に対し同心的に配設された内側円筒部及び外側円筒部と両円筒部の軸線方向の一端部を連結する環状底板とからなる環状溝を備え、かつ上記外側円筒部の他端部から半径方向外方に延在した外周環状板を備えたダンパハブと、同ダンパハブの外側円筒部の外周面及び上記外周環状板の一側面にわたって装着され円筒状ラバー部と円板状ラバー部とを有する第1の環状ラバー部材と、同第1環状ラバー部材の円筒状ラバー部及び円板状ラバー部に装着された第1の慣性リングと、上記ダンパハブの内側円筒部の外周面及び上記環状底板にわたって装着され円筒状ラバー部と円板状ラバー部とを有する第2の環状ラバー部材と、同第2環状ラバー部材の円筒状ラバー部及び円板状ラバー部に装着された第2の慣性リングとを具備し、上記第1慣性リングの慣性モーメントが第2慣性リングの慣性モーメントより大きく形成されていることを特徴とするダンパ装置。 【請求項2】 回転軸線に対し同心的に配設された内側円筒部及び外側円筒部と両円筒部の軸線方向の一端部を連結する環状底板とからなる環状溝を備え、かつ上記外側円筒部の他端部から半径方向外方に延在した外周環状板を備えたダンパハブと、同ダンパハブの外側円筒部の外周面及び上記外周環状板の一側面にわたって装着され円筒状ラバー部と円板状ラバー部とを有する第1の環状ラバー部材と、同第1環状ラバー部材の円筒状ラバー部及び円板状ラバー部に装着された第1の慣性リングと、上記ダンパハブの内側円筒部の外周面及び上記環状底板にわたって装着され円筒状ラバー部と円板状ラバー部とを有する第2の環状ラバー部材と、同第2環状ラバー部材の円筒状ラバー部及び円板状ラバー部に装着された第2の慣性リングとを具備し、上記第2慣性リングの慣性モーメントが第1慣性リングの慣性モーメントより大きく形成されていることを特徴とするダンパ装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両用エンジンのクランク軸等の回転軸に装着されて同回転軸の捩り振動を低減するダンパ装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】車両用エンジンのクランク軸等の回転軸に装着されて、捩り振動を低減するダンパ装置として、上記回転軸に固着されて一体的に回転する円板状のダンパハブの一側面に、夫々環状ラバー部材を介して慣性質量が異る2個の慣性リングを同心的に配置したダブルマスダンパ装置は、既に実用新案出願公告平成1年第29303号公報(以下、場合により既提案のダンパ装置という)に開示されている。 【0003】上記既提案のダンパ装置の概略構成を、図8の断面図を参照して説明する。図中、総括的に符号01で示したダブルマスダンパ装置は、エンジンのクランク軸に同軸的に固着されて、同クランク軸と一体に軸線O−Oの回りに回転する円板状のダンパハブ02を備えている。 【0004】上記ダンパハブ02の外周部分には、上記回転軸線O−Oに対し僅かに傾斜した円錐面からなる外側環状面03が設けられ、同外側環状面03の一側面に、第1及び第2の環状ラバー部材04及び05が加硫接着され、第1環状ラバー部材04には、相対的に大きい慣性モーメントを有する第1慣性リング06の対向する一側面が加硫接着されて第1ダンパD01が形成されると共に、第2環状ラバー部材05には、相対的に小さい慣性モーメントを有する第2慣性リング07の対向する一側面が加硫接着されて第2ダンパD02が形成されている。図示のように、第1慣性リング06と第2慣性リング07は、回転軸線O−Oに対し同心的に配設されている。 【0005】上記第1環状ラバー部材04のダンパハブ02の外側環状面03及び第1慣性リング06に接する面の延長線は回転軸線O−O上のP点において交差し、その交差角はα1である。また、上記第2環状ラバー部材07のダンパハブ02の外側環状面03及び第2慣性リング07に接する面の延長線は回線軸線O−O上のP点で交差し、その交差角はα2である。なお、上記ダンパハブ02の内側環状面08には、同ダンパハブ02を、図示を省略されているクランク軸に固着するための取付ボルトが挿通されるボルト孔09が設けられている。 【0006】上記既提案のダンパ装置を装着したクランク軸が、エンジンの運転中に捩り振動を起すと、第1環状ラバー部材04及び第2環状ラバー部材05が弾性変形して、ダンパハブ02に対し第1慣性リング06及び第2慣性リング07が、回転軸線O−Oの回りに相対回転し、周知の態様で捩り振動が低減される。 【0007】上記第1及び第2環状ラバー部材04及び05の回転軸線O−Oの回りの剪断弾性変形により各ラバー部材に吸収された振動エネルギは、熱に変換され、大部分、ダンパハブ02及び第1及び第2慣性リング06及び07に伝達され、夫々の表面から雰囲気に放散される。 【0008】ダンパ装置01の耐久性及び信頼性は、実際上、第1及び第2環状ラバー部材04及び05の耐久性によって支配され、またこれら環状ラバー部材04及び05の耐久性は、夫々の歪率に関係するので、上記既提案のダンパ装置では、第1環状ラバー部材04がダンパハブ02及び第1慣性リング06に接する面の交差角α1をなす延長線の交点と、第2環状ラバー部材04がダンパハブ02及び第2慣性リング07に接する面の交差角α2をなす延長線の交点とを、回転軸線O−O上の一点Pで一致させることにより、第1及び第2環状ラバー部材04及び05の歪率を実質的に等しくして、両者の耐久性の均等化を図り、ひいてはダンパ装置01全体としての耐久性及び信頼性を確保したものである。 【0009】上記ダンパ装置01において、半径方向外側の第1ダンパD01における第1慣性リング06の慣性モーメントは、半径方向内側の第2ダンパにおける第2慣性リング07の慣性モーメントより大きく設定され、従って、第1ダンパD01の捩り固有振動数は、第2ダンパD02の捩り固有振動数より小さい。一方、この種ダンパ装置01は、勿論、回転軸線O−Oの回りの捩り振動を低減するためにクランク軸に装着されたものであるが、第1及び第2慣性リング06及び07が、夫々回転軸線O−Oに対し直角方向の振幅を有する振動(以下、この振動を曲げ振動と称し、その固有振動数を曲げ固有振動数という。)を生起することがある。 【0010】上記曲げ振動に関して、半径方向外側の第1ダンパD01では第1慣性リング06の慣性モーメントが大きいため、上記のように捩り固有振動数が小さく、また曲げ固有振動数も小さい。このため通常の車両用エンジンの場合、第1ダンパD01の曲げ固有振動がクランク軸の曲げ振動と共振することがあり、この場合、第1環状ラバー部材04には、捩り振動に基づく歪と、曲げ振動に基づく歪とが複合して生起することとなり、歪が著しく大きくなって、第1ダンパD01の耐久性に問題が生じる可能性がある。又、第2ダンパD02は、第1ダンパD01に較べて固有振動数が高いため比較的問題は少ないが、固有振動数の設定如何、及びエンジンの種類(主として常用回転数)如何では、第2ダンパD02でも、同様の問題が発生する恐れがある。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記既提案のダンパ装置と同様に、エンジンのクランク軸等、捩り振動が生起する回転軸に固着されて同回転軸と一体に回転する円板状のダンパハブに、第1の環状ラバー部材を介して慣性モーメントが大きい第1慣性リングを装着し第1ダンパを形成すると共に、第2の環状ラバー部材を介して慣性モーメントが小さい第2慣性リングを装着し、第2ダンパを形成したものにおいて、第1及び第2ダンパの捩り固有振動数は、上記既提案のダンパ装置と略同様にして捩り振動の低減を効率的に達成すると共に、曲げ固有振動数を、クランク軸等回転軸の曲げ振動と共振しない振動数とすることによって、上記環状ラバー部材の捩り振動及び曲げ振動に基づく複合的な歪率の増大を防止して、ダンパ装置の耐久性及び信頼性を向上することを、主たる目的とするものである。 【0012】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は、回転軸線に対し同心的に配設された内側円筒部及び外側円筒部と両円筒部の軸線方向の一端部を連結する環状底板とからなる環状溝を備え、かつ上記外側円筒部の他端部から半径方向外方に延在した外周環状板を備えたダンパハブと、同ダンパハブの外側円筒部の外周面及び上記外周環状板の一側面にわたって装着され円筒状ラバー部と円板状ラバー部とを有する第1の環状ラバー部材と、同第1環状ラバー部材の円筒状ラバー部及び円板状ラバー部に装着された第1の慣性リングと、上記ダンパハブの内側円筒部の外周面及び上記環状底板にわたって装着され円筒状ラバー部と円板状ラバー部とを有する第2の環状ラバー部材と、同第2環状ラバー部材の円筒状ラバー部及び円板状ラバー部に装着された第2の慣性リングとを具備し、上記第1慣性リングの慣性モーメントが第2慣性リングの慣性モーメントより大きく形成されていることを特徴とするダンパ装置(以下、場合により第1発明という)、及び回転軸線に対し同心的に配設された内側円筒部及び外側円筒部と両円筒部の軸線方向の一端部を連結する環状底板とからなる環状溝を備え、かつ上記外側円筒部の他端部から半径方向外方に延在した外周環状板を備えたダンパハブと、同ダンパハブの外側円筒部の外周面及び上記外周環状板の一側面にわたって装着され円筒状ラバー部と円板状ラバー部とを有する第1の環状ラバー部材と、同第1環状ラバー部材の円筒状ラバー部及び円板状ラバー部に装着された第1の慣性リングと、上記ダンパハブの内側円筒部の外周面及び上記環状底板にわたって装着され円筒状ラバー部と円板状ラバー部とを有する第2の環状ラバー部材と、同第2環状ラバー部材の円筒状ラバー部及び円板状ラバー部に装着された第2の慣性リングとを具備し、上記第2慣性リングの慣性モーメントが第1慣性リングの慣性モーメントより大きく形成されていることを特徴とするダンパ装置(以下、場合により第2発明という)を提案するものである。 【0013】 【発明の実施の形態】以下本発明の好ましい実施形態を、図1ないし図3を参照して説明する。図中符号10は総括的にダブルマストーショナルダンパ装置を示し、同ダンパ装置は、図示を省略されている車両用クランク軸に固着されて同クランク軸と一体に軸線O−Oの回りを回転する全体として略円板状のダンパハブ12を備えている。 【0014】上記ダンパハブ12には、回転軸線O−Oに対し同心的に配設された内側円筒部14及び外側円筒部16と、両円筒部14及び16の軸線方向の一端部を連結する環状底板18とからなる環状溝20が設けられ、さらに、上記外側円筒部16の軸線方向の他端部から半径方向外方に延在した外周環状板22が設けられている。 【0015】上記外側円筒部16の外周面と、同外周面に連続する外周環状板22の一側面にわたって第1環状ラバー部材24が加硫接着され、同第1環状ラバー部材24は回転軸線O−Oに対し略直角方向に配置された円板状ラバー部24aと、上記回転軸線に対し同心的に配置された円筒状ラバー部24bとから形成されている。また、第1環状ラバー部材24の外側面に、相対的に大きい慣性モーメントを有する第1慣性リング26が加硫接着されて第1ダンパD1が形成されている。 【0016】また、上記内側円筒部14の外周面(即ち半径方向外方の周面であって、環状溝20としては、半径方向内側の内周面となる)と、同外周面に連続する環状底板18の側面にわたって第2環状ラバー部材28が加硫接着され、同第2環状ラバー部材28は回転軸線O−Oに対し略直角方向に配置された円板状ラバー部28aと、上記回転軸線に対し同心的に配置された円筒状ラバー部28bとから形成されている。上記第2環状ラバー部材28の外側面に、相対的に小さい慣性モーメントを有する第2慣性リング30が加硫接着されて第2ダンパD2が形成されている。 【0017】上記第2慣性リング30及び第2環状ラバー部材28の外周面と、外側円筒部16の内周面との間に、冷却空気を流通させるための環状空所32が設けられ、また第1及び第2慣性リング26及び30の回転軸線O−Oに対し直角方向の側面には、多数の半径方向に延在した冷却フィン34及び36が突設されている。さらに、ダンパハブ12の内側円筒部14より半径方向内方の部分には、ダンパハブ12をエンジンのクランク軸等の回転軸に固着するための取付ボルトが挿通される複数個のボルト孔38が穿設されている。なお、図1に示されているように、第1環状ラバー部材24の円板状ラバー部24aと外周環状板22及びこれに対向する第1慣性リング26との接着面の延長線は交差角α1をなしその交点P1は回転軸線O−O上に位置することが好ましく、同様に、第2環状ラバー部材28の円板状ラバー部28aと環状底板18及びこれに対向する第2慣性リング30との接着面の延長線は交差角α2をなしその交点P2は上記回転軸線O−O上に位置することが好ましい。上記交点P1,P2を回転軸線O−O上に位置させることによって、前記既提案のダンパ装置と略同様に、捩り振動に際して上記円板状ラバー部24a及び28aの歪率を略等しくし得る利点がある。 【0018】上記ダンパ装置10において、クランク軸等の回転軸に捩り振動が起ると、第1環状ラバー部材24及び第2環状ラバー部材28が弾性変形することによって、第1及び第2慣性リング26及び30がダンパハブ12に対して相対回転することにより捩り振動が低減される。第1及び第2環状ラバー部材24及び28に吸収された振動エネルギは熱に変換される。 【0019】第1環状ラバー部材24の発生熱は、その大部分が第1慣性リング26及びダンパハブ12の外側円筒部16、外周環状板22に伝達され、さらに雰囲気に放散されるが、環状空所32が設けられているので、外側円筒部16からの放熱が効果的に行なわれる。また、第2環状ラバー部材28の発生熱は、その大部分が第2慣性リング30及びダンパハブ12の環状底板18、内側円筒部14に伝達され、雰囲気に放散されるが、上記環状空所32を設けたことによって、第2環状ラバー部材28の外周面及び第2慣性リング30の半径方向外周面の冷却が効果的に行なわれる。 【0020】図4は、縦軸に第1ダンパD1、第2ダンパD2、及びダンパ装置10を装着したクランク軸Cの捩り振幅をとり、横軸に周波数をとって、I節、II節及びIII節の振動ピークと振動周波数との関係を示したものであり、図中一点鎖線の縦線は、この線図に例示したエンジンの常用回転数域の上限を示し、この縦線より右側の部分は、エンジンの運転中、稀にしか発生しないオーバラン領域である。 【0021】第1ダンパD1に円板状ラバー部24aと円筒状ラバー部24bとを有する第1環状ラバー部材24を設けると共に、第2ダンパD2の第2環状ラバー部材28にも、円板状ラバー部28aと円筒状部28bとを設けたことによって、前記既提案のダンパ装置と較べ、各ダンパの円筒状ラバー部24b及び28bに夫々捩りに際し剪断力が作用する分だけ捩り固有振動数が高くなり、図示のように、第1及び第2ダンパD1及びD2、並びにクランク軸CのIII節振動ピークが常用回転数域より高回転側に入り、常用回転数域では、I節及びII節振動ピークのみが発生するが、何れも捩り振幅が小さく、従って第1及び第2ダンパD1及びD2の耐久性及び信頼性が優れ、またクランク軸CのI節及びII節振動ピークの振幅も十分小さいので、破損に対し極めて安全である。 【0022】図5は、慣性モーメントが大きい第1ダンパD1にのみ、上記円板状ラバー部24a及び円筒状ラバー部24bを有する第1環状ラバー部材24を用い、慣性モーメントが小さい第2ダンパD2には、既提案のダンパと同様に、円板状ラバー部28aのみを備え、円筒状ラバー部28bを有しない通常の環状ラバー部材を用いた場合の図4同様の捩り振幅(対)周波数特性を比較のために示したものである。 【0023】第2ダンパD2の第2環状ラバー部材28が上記円筒状ラバー部28bを具備しないため、第2ダンパD2の捩り固有振動数が低下して図中に一点鎖線で示されているようにIII節振動ピークの捩り振幅が増大すると共に、同振動ピークが低回転数側に移動して、常用回転数域の上限付近に発生する。このため、エンジンの高回転時に第2ダンパD2の第2環状ラバー部材28の歪率が大きくなり発熱量も増大するので、高温となり易く、耐久性及び信頼性に不安があり、同時に、クランク軸CのIII節振動ピークにおける振幅も大きくなるので、運転騒音が増大し、また耐久性及び信頼性にも不安が生じる不具合がある。 【0024】次に、図6は、前記曲げ振動に関して、既提案のダンパ装置01において大きい回転モーメントの慣性リング06を有する第1ダンパD01と、上述したダンパ装置10の大きい回転モーメントを有する慣性リング24を備えた第1ダンパD1とを、縦軸に曲げ振幅をとり、横軸に周波数をとって示した線図であり、図中一点鎖線で示した縦線はクランク軸の常用回転数の上限を示しており、同縦線の右側の領域はオーバラン領域である。 【0025】円板状ラバー部のみからなる第1環状ラバー部材04を備えた既提案のダンパ装置01の第1ダンパD01では図中に点線の曲線で示されているように、周波数の増大に伴ない曲げ振幅が急激に増加し、常用回転数の上限付近では、第1環状ラバー部材04の歪率が著しく大きくなり、捩り振動に基づく歪と複合した場合、耐久性及び信頼性が損なわれる恐れがある。これに対し、図中実線で示したダンパ装置10の第1ダンパD1では、第1環状ラバー部材24が円板状ラバー部24aと円筒状ラバー部24bとを備えていて、曲げ振動に際し、円板状ラバー部24aに剪断方向の力が作用する場合に較べて、同一量の変形に対し遙かに大きい作用力を必要とする圧縮(引張り)方向の力が作用するので、曲げ振幅が著しく小さくなり、従って、捩り振動と複合した場合でも、第1環状ラバー部材の歪率は十分小さくなり、耐久性及び信頼性が大巾に向上する。 【0026】また、図7は、図6と同様に、既提案のダンパ装置01における第2ダンパD02と上記ダンパ装置D2との曲げ振動に関する曲げ振幅(対)周波数特性を示したものである。円板状ラバー部のみからなる第2環状ラバー部材05を備えた第2ダンパD02の曲げ振幅は、図中に点線の曲線で示されているように、周波数の増大と共に急激に増加し、一方、円板状ラバー部28aと円筒状ラバー部28bとを有する第2環状ラバー部材28を備えたダンパ装置D2では、図中実線の曲線で示されているように、上記第1ダンパD1と実質的に同一の理由によって、曲げ振幅が著しく低減し、耐久性及び信頼性が向上する利点がある。 【0027】なお、図1ないし図3に示したダンパ装置10における環状溝20を半径方向に関し拡大し、或いは同環状溝20の深さ(回転軸線O−Oに対し平行な方向の寸度)を相対的に増大して、慣性モーメントが大きい第1慣性リングを有する第1ダンパD1を半径方向内周側に配置すると共に、相対的に小さい慣性モーメントを有する第2慣性リングを備えた第2ダンパD2を半径方向外周側に配置することができ、この場合にも、実質的に上記と同様の事由から、既提案のダンパ装置01に較べ、耐久性及び信頼性を大巾に向上することができる。 【0028】なお、本発明は、上述した特許請求の範囲内で、上記実施形態に種々の変更及び修正を加え実施することができる。 【0029】 【発明の効果】叙上のように、本発明に係るダンパ装置は、回転軸線に対し同心的に配設された内側円筒部及び外側円筒部と両円筒部の軸線方向の一端部を連結する環状底板とからなる環状溝を備え、かつ上記外側円筒部の他端部から半径方向外方に延在した外周環状板を備えたダンパハブと、同ダンパハブの外側円筒部の外周面及び上記外周環状板の一側面にわたって装着され円筒状ラバー部と円板状ラバー部とを有する第1の環状ラバー部材と、同第1環状ラバー部材の円筒状ラバー部及び円板状ラバー部に装着された第1の慣性リングと、上記ダンパハブの内側円筒部の外周面及び上記環状底板にわたって装着され円筒状ラバー部と円板状ラバー部とを有する第2の環状ラバー部材と、同第2環状ラバー部材の円筒状ラバー部及び円板状ラバー部に装着された第2の慣性リングとを具備し、上記第1慣性リングの慣性モーメントが第2慣性リングの慣性モーメントより大きく形成されていることを特徴とする第1発明、及び回転軸線に対し同心的に配設された内側円筒部及び外側円筒部と両円筒部の軸線方向の一端部を連結する環状底板とからなる環状溝を備え、かつ上記外側円筒部の他端部から半径方向外方に延在した外周環状板を備えたダンパハブと、同ダンパハブの外側円筒部の外周面及び上記外周環状板の一側面にわたって装着され円筒状ラバー部と円板状ラバー部とを有する第1の環状ラバー部材と、同第1環状ラバー部材の円筒状ラバー部及び円板状ラバー部に装着された第1の慣性リングと、上記ダンパハブの内側円筒部の外周面及び上記環状底板にわたって装着され円筒状ラバー部と円板状ラバー部とを有する第2の環状ラバー部材と、同第2環状ラバー部材の円筒状ラバー部及び円板状ラバー部に装着された第2の慣性リングとを具備し、上記第2慣性リングの慣性モーメントが第1慣性リングの慣性モーメントより大きく形成されていることを特徴とする第2発明により、本来の捩り振動と共に曲げ振動を効果的に低減し、耐久性及び信頼性が優れたダブルマスダンパ装置を提供することができるので、産業上有益である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000006286 【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月2日(1998.12.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100065282 【弁理士】 【氏名又は名称】広渡 禧彰
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| 【公開番号】 |
特開2000−170839(P2000−170839A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月23日(2000.6.23) |
| 【出願番号】 |
特願平10−376239 |
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