| 【発明の名称】 |
中空部を形成する鋼板の制振方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】板野 直文
【氏名】藤井 秀夫
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】中空部を形成する鋼板の制振方法であって、ポリウレタンを主成分とする組成物を上記中空部へ注入し、発泡により中空部を充填することを特徴とする鋼板の制振方法。 【請求項2】前記請求項1に記載された鋼板は、厚さ2mm以上の鋼板であることを特徴とする鋼板の制振方法。 【請求項3】前記請求項1に記載された組成物は、ポリオール及びジフェニルメタンジイソシアネートを含むことを特徴とする鋼板の制振方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、中空部を形成する鋼板の制振方法に関する。 【0002】 【従来の技術】強度、加工性、意匠性等に優れるため、あらゆる場面に使用されている鋼板であるが、反面、重い、錆び易い、振動を伝え易い、熱を伝え易い等の物理的な欠点もある。このため薄板にすることでの軽量化、防錆剤を挟み込むことによる防錆鋼板化、粘弾性物質を挟み込むことによる制振鋼板化など、様々な改良が加えられて実用化している。 【0003】特に、自動車などの輸送機械においては、鋼板の軽量化を要求される分野であり、昨今の自動車用鋼板は板厚が0.8mm程度であり、強度を確保するためにビード形状としたり、防錆化、制振化された鋼板が開発され、また粘弾性物質による制振材の使用も一般的に行われている。 【0004】しかしながら、土木・建築・構築物や工業用プラント、作業・建設用機械等に使用される鋼板は、大きな強度や剛性が要求されるため、板厚が2mm以上の厚物鋼板であることがほとんどである。 【0005】0.8mm程度の板厚の鋼板に対して制振効果を有する制振材に関しては、アスファルト系、ゴム系、樹脂系を始め、拘束鋼板を用いる系など有効なものが開発されているが、2mm以上の厚物鋼板の場合、鋼板自身の振動エネルギーが大きく、このため上記の従来の制振材では制振効果がなく、実用上使用できる制振材や制振方法がない、というのが現状であった。 【0006】さらに、建築・構築物用鋼板や、土木建設・作業用機械に使用される鋼板は、必要な強度を発揮するために、内部が中空の袋状の形状に加工される場合が多く、この場合には広範に伝わった振動が袋状の中空部において共鳴を起こし、一層大きな騒音を発生してしまう。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、従来対策し得なかった厚さ2mm以上の厚物鋼板においても制振効果があり、さらに中空部を形成することによる共鳴現象を防止して、発生する騒音を低減する方法の開発を課題とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】かかる課題を解決せんとして、本発明者らは鋭意研究の結果、特定の発泡組成物によって中空部を充填することにより、中空部の共鳴を防止し得ることを見出したものであり、しかして本発明の要旨は、以下に存する。 【0009】中空部を形成する鋼板の制振方法であって、ポリウレタンを主成分とする組成物を上記中空部へ注入し、発泡により中空部を充填することを特徴とする鋼板の制振方法。前記の鋼板は、厚さ2mm以上であることを特徴とする鋼板の制振方法。前記のポリウレタン組成物は、ポリオール及びジフェニルメタンジイソシアネートを含むことを特徴とする鋼板の制振方法。以下に詳細に説明する。 【0010】本発明における中空部を形成する鋼板とは、広く一般に土木・建築・構築物や工業用プラント等に使用されている鋼板であり、厚さは2mm以上の一般に厚物鋼板と言われるものである。構築物やプラントの構造部材、例えば支柱や横桁、梁、補強材等に使用される。また、各種の土木建設・作業用機械にも使用される。 【0011】これらの鋼板は、大きな応力に耐えるために、平面の加工だけではなく、中空部を有する袋状の形状に加工されて使用されることが多い。こうした形状を有する鋼板の制振方法を開発することを目的とする。 【0012】本発明に使用するポリウレタンを主成分とする組成物とは、ポリアミン、ポリアミド、ポリオール等の樹脂に、発泡剤、発泡助剤、整泡剤、分散剤、反応触媒等の配合物を分散混合させた主剤と、各種のイソシアネートを予め重合反応等により高分子化したプレポリマーによる硬化剤とからなる。 【0013】主剤と硬化剤を反応当量で混合させることにより、プレポリマーがウレタン結合による網目状構造の高分子化合物を作る。この過程において発泡剤が発生するガスにより、高分子化合物は多数のセルと呼ばれる細かく分割された空室を形成する。これらの多数のセルにより嵩高性で低密度なフォーム材ができる。 【0014】主剤に使用する樹脂としては、ポリアミン、ポリアミド、ポリオール等が例示できる。特に、中空部を充填して制振性を発揮させるためには、ポリオールの使用が好ましい。 【0015】その他の主剤の配合物としては、触媒、発泡剤、各種の添加剤、着色剤、整泡剤などがあげられる。 【0016】本発明に使用する硬化剤としては、一般にポリウレタンフォームを生成するために使用されている各種のイソシアネートが例示できる。 【0017】イソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等があげられる。これらの中でも、ジフェニルメタンジイソシアネートの使用が好ましい。 【0018】以上説明した配合物は主剤と硬化剤とに分離して製造保管し、中空部への制振方法を実施する直前に当量比にて混合し、中空部へ注入する。注入方法は、従来公知の方法が制限無く使用できる。主剤と硬化剤を混合攪拌後に中空部の開口部より投入する方法、主剤と硬化剤とを別々にエアレスポンプその他の圧送手段で送り、途中で合流・混合して吐出注入する方法などがあげられる。 【0019】 【発明の実施の形態】本発明の理解に供するため、以下に実施例を記載する。いうまでもなく、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。 【0020】 【実施例1】ポリエステルポリオール、水、触媒、整泡剤を含有する主剤と、ジフェニルメタンジイソシアネートからなる硬化剤を反応当量比で混合攪拌し、厚さ2mmの鋼板により形成された鋼板構築物の構造材の部分開口部より注入し、構造材内部の中空部を発泡充填することにより、制振処理1を行った。 【0021】 【実施例2】ポリエステルポリオール、水、触媒、整泡剤を含有する主剤と、ジフェニルメタンジイソシアネートからなる硬化剤を反応当量比で混合攪拌し、厚さ2mmの鋼板により形成された建設作業機械の構造部材中空部に注入し、中空部を発泡充填することにより、制振処理2を行った。 【0022】 【試験方法】1)制振処理1を施した構築物と、未処理の構築物に発生する騒音をそれぞれ騒音計により測定し、比較した。 2)制振処理2を施した建設作業機械と、未処理の同じ機械により、同じ作業を行った時に発生する騒音を騒音計によりそれぞれ測定し、比較した。 【0023】 【結果】試験結果は以下の通りであった。 1)制振処理1により発生した騒音は、未処理の騒音より5dB低下した。 2)制振処理2により発生した騒音は、未処理の騒音より8dB低下した。 【0024】 【発明の効果】本発明になる制振方法によれば、従来防音対策が不可能であったため未処理であった場所に、容易に制振処理を行えるため、鋼板構築物などの騒音低減対策が容易となり、また、中空部の共鳴振動により騒音を発生していた作業・建設機械などは、作業時に発生する騒音を著しく減少させることができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000232542 【氏名又は名称】日本特殊塗料株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月8日(1998.12.8) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−170838(P2000−170838A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月23日(2000.6.23) |
| 【出願番号】 |
特願平10−348752 |
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