| 【発明の名称】 |
免震装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】加藤 泰正
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| 【要約】 |
【課題】免震用積層ゴムの転倒を防止しつつ中小規模の地震に対しても免震効果を発揮させることができる免震装置を提供すること。
【解決手段】免震装置12は、免震用積層ゴム18と、拘束部材20を備えている。免震用積層ゴム18は薄肉のゴム板18Aと薄肉の鋼板18Bとが順次積層されて構成されている。拘束部材20は免震用積層ゴム18の水平方向への変形を拘束するためのもので、免震用積層ゴム18の近傍の上部構造体16箇所に固定され、免震用積層ゴム18の周りに免震用積層ゴム18を中心として放射状に配置されている。拘束部材20は免震用積層ゴム18の外周面1804に臨む端面2002を有している。端面2002は、下端に至るにつれて次第に無段階的に免震用積層ゴム18の外周面1804から離れる曲面で形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 薄肉のゴム板と薄肉の鋼板とが順次積層されて構成され、下部構造体上において上部構造体を水平方向に変位可能に支持する免震用積層ゴムと、前記免震用積層ゴムの変形を拘束する拘束部材を備えた免震装置であって、前記拘束部材は、下部構造体側または上部構造体側で免震用積層ゴムの近傍箇所に固定され、前記免震用積層ゴムの上下長さよりも短い長さで上下に延在し前記免震用積層ゴムの外周面に臨む箇所を有し、前記拘束部材は、前記免震用積層ゴムの外周面に臨む箇所と前記免震用積層ゴムの外周面とが当接しても変形しないように構成され、前記拘束部材の延在方向の先端側で免震用積層ゴムの外周面に臨む箇所と前記外周面との距離は、前記拘束部材の延在方向の基端側で免震用積層ゴムの外周面に臨む箇所と前記外周面との距離よりも大きく形成されている、ことを特徴とする免震装置。 【請求項2】 前記拘束部材が免震用積層ゴムの外周面に臨む箇所と前記外周面との距離は、前記拘束部材の延在方向に沿って次第に大きくなるように連続的に異ならせて形成されていることを特徴とする請求項1記載の免震装置。 【請求項3】 前記拘束部材が免震用積層ゴムの外周面に臨む箇所と前記外周面との距離は、前記拘束部材の延在方向に沿って大きくなるように段階的に異ならせて形成されていることを特徴とする請求項1記載の免震装置。 【請求項4】 前記拘束部材が免震用積層ゴムの外周面に臨む箇所には、前記外周面から離れる傾斜角を持って延在する平面からなる傾斜面が前記拘束部材の延在方向に沿って複数形成され、各傾斜面の前記傾斜角は前記拘束部材の延在方向の先端に至るにつれて大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項3記載の免震装置。 【請求項5】 前記免震用積層ゴムの水平変位時に、前記傾斜角の異なる二つの傾斜面が交わる前記拘束部材箇所が免震用積層ゴムに当接する部分は、前記鋼板が厚く形成され、この厚く形成された鋼板と前記拘束部材箇所が当接するように構成されていることを特徴とする請求項4記載の免震装置。 【請求項6】 前記免震用積層ゴムの水平変位時に、前記拘束部材の延在方向の先端が免震用積層ゴムに当接する部分は、前記鋼板が厚く形成され、この厚く形成された鋼板と前記拘束部材の先端が当接するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至5に何れか1項記載の免震装置。 【請求項7】 前記拘束部材は、前記免震用積層ゴムの周りに免震用積層ゴムの周方向に間隔をおいて設けられた複数の部材で構成されていることを特徴とする請求項1乃至6に何れか1項記載の免震装置。 【請求項8】 前記拘束部材は、免震用積層ゴムを中心として放射状に配置された複数の板状の部材により構成されていることを特徴とする請求項7記載の免震装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は免震用積層ゴムを備えた免震装置に関する。 【0002】 【従来の技術】免震用積層ゴムは、薄肉のゴム板と薄肉の鋼板とが順次積層されて構成されており、下部構造体と上部構造体との間に配置され、下部構造体上において上部構造体を水平方向に変位可能に支持するようにしている。そして、免震用積層ゴムは水平変形が小さい領域では比較的水平剛性が高く、そのため従来の免震用積層ゴムは中小規模の地震に対しては免震効果が小さい。そこで、中小規模の地震に対しても免震効果を発揮させようとすると、免震用積層ゴムの水平剛性を減じる必要がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、免震用積層ゴムの水平剛性を減じるには免震用積層ゴムの2次形状係数S2{S2=D(免震用積層ゴムの直径)/TR(ゴム総厚)}を小さくせざるを得ず、そうすると、免震用積層ゴムの高さが大きくなり、免震用積層ゴムが転倒し易くなる。本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、免震用積層ゴムの転倒を防止しつつ中小規模の地震に対しても免震効果を発揮させることができる免震装置を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため本発明は、薄肉のゴム板と薄肉の鋼板とが順次積層されて構成され、下部構造体上において上部構造体を水平方向に変位可能に支持する免震用積層ゴムと、前記免震用積層ゴムの変形を拘束する拘束部材を備えた免震装置であって、前記拘束部材は、下部構造体側または上部構造体側で免震用積層ゴムの近傍箇所に固定され、前記免震用積層ゴムの上下長さよりも短い長さで上下に延在し前記免震用積層ゴムの外周面に臨む箇所を有し、前記拘束部材は、前記免震用積層ゴムの外周面に臨む箇所と前記免震用積層ゴムの外周面とが当接しても変形しないように構成され、前記拘束部材の延在方向の先端側で免震用積層ゴムの外周面に臨む箇所と前記外周面との距離は、前記拘束部材の延在方向の基端側で免震用積層ゴムの外周面に臨む箇所と前記外周面との距離よりも大きく形成されていることを特徴とする。また、本発明は、前記拘束部材が免震用積層ゴムの外周面に臨む箇所と前記外周面との距離は、前記拘束部材の延在方向に沿って次第に大きくなるように連続的に異ならせて形成されていることを特徴とする。また、本発明は、前記拘束部材が免震用積層ゴムの外周面に臨む箇所と前記外周面との距離は、前記拘束部材の延在方向に沿って大きくなるように段階的に異ならせて形成されていることを特徴とする。また、本発明は、前記拘束部材が免震用積層ゴムの外周面に臨む箇所には、前記外周面から離れる傾斜角を持って延在する平面からなる傾斜面が前記拘束部材の延在方向に沿って複数形成され、各傾斜面の前記傾斜角は前記拘束部材の延在方向の先端に至るにつれて大きくなるように設定されていることを特徴とする。また、本発明は、前記免震用積層ゴムの水平変位時に、前記傾斜角の異なる二つの傾斜面が交わる前記拘束部材箇所が免震用積層ゴムに当接する部分は、前記鋼板が厚く形成され、この厚く形成された鋼板と前記拘束部材箇所が当接するように構成されていることを特徴とする。また、本発明は、前記免震用積層ゴムの水平変位時に、前記拘束部材の延在方向の先端が免震用積層ゴムに当接する部分は、前記鋼板が厚く形成され、この厚く形成された鋼板と前記拘束部材の先端が当接するように構成されていることを特徴とする。また、本発明は、前記拘束部材が、前記免震用積層ゴムの周りに免震用積層ゴムの周方向に間隔をおいて設けられた複数の部材で構成されていることを特徴とする。また、本発明は、前記拘束部材が、免震用積層ゴムを中心として放射状に配置された複数の板状の部材により構成されていることを特徴とする。 【0005】本発明では、地震による水平外力により免震用積層ゴムが水平変形した場合、免震用積層ゴムの水平変形量が小さい場合には、免震用積層ゴムの外周面に当接する拘束部材箇所の上下長さが小さく、また、免震用積層ゴムの水平変形量が大きい場合には、免震用積層ゴムの外周面に当接する拘束部材箇所の上下長さが大きくなる。 【0006】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1(A)は第1の実施の形態に係る免震装置の要部断面正面図、(B)は同断面平面図を示す。第1の実施の形態に係る免震装置12は、下部構造体14と上部構造体16の間に設けられ、免震装置12は、免震用積層ゴム18と、拘束部材20を備えている。前記免震用積層ゴム18は下部構造体14上において上部構造体16を水平方向に変位可能に支持するためのもので、薄肉のゴム板18Aと薄肉の鋼板18Bとが順次積層されて構成され、その上下に、下部構造体14と上部構造体16に取り付けるためのフランジ1802が設けられている。 【0007】前記拘束部材20は免震用積層ゴム18の水平変形(水平方向への変形)を拘束するためのものであり、本実施の形態では上部構造体16に複数設けられている。前記拘束部材20は、免震用積層ゴム18の近傍の上部構造体16箇所に固定され、免震用積層ゴム18の周りに免震用積層ゴム18を中心として放射状に配置されている。前記拘束部材20は、板状を呈して免震用積層ゴム18の上下長さよりも短い長さ(高さ)で上下に延在し、前記拘束部材20は免震用積層ゴム18の外周面1804に臨む端面2002を有している。前記端面2002は、下端に至るにつれて次第に無段階的に(連続的に)免震用積層ゴム18の外周面1804から離れる曲面で形成され、したがって、前記拘束部材20の延在方向の先端側の端面2002箇所と免震用積層ゴム18の外周面1804との距離は、拘束部材20の延在方向の基端側(上部構造体16側)の端面2002箇所と免震用積層ゴム18の外周面1804との距離よりも大きく形成されている。 【0008】本実施の形態の免震装置12では、免震用積層ゴム18の外周面1804に拘束部材20の端面2002が臨んでおり、端面2002は、下端に至るにつれて次第に無段階的に免震用積層ゴム18の外周面1804から離れる曲面で形成されている。そのため、地震による水平外力により免震用積層ゴム18が水平変形した場合、免震用積層ゴム18の水平変形に応じて免震用積層ゴム18の外周面1804に当接する拘束部材20の端面2002の長さが変わる。 【0009】詳細に説明すると、免震用積層ゴム18の水平変形量が小さい場合には、免震用積層ゴム18の外周面1804に当接する拘束部材20の端面2002の上下長さが小さく、水平変形が拘束される免震用積層ゴム18の体積が小さい。また、免震用積層ゴム18の水平変形量が大きい場合には、免震用積層ゴム18の外周面1804に当接する拘束部材20の端面2002の上下長さが大きくなり、水平変形が拘束される免震用積層ゴム18の体積も大きくなる。すなわち本実施の形態によれば、中小規模の地震に対しては免震用積層ゴムの水平剛性を小さくでき、大規模な地震に対しては免震用積層ゴムの水平剛性を大きくでき、免震用積層ゴム18の水平変形に応じて免震用積層ゴム18の水平剛性を変化させることができる。したがって、本実施の形態によれば、免震用積層ゴム18の転倒を防止しつつ中小規模の地震に対しても免震効果を発揮させることが可能となる。 【0010】次に、第2の実施の形態について説明する。図2(A)は第2の実施の形態に係る免震装置の要部断面正面図、(B)は同断面平面図を示す。前記第1の実施の形態と同様な箇所、部材に同様な符号を付して説明すると、第2の実施の形態に係る免震装置12では、拘束部材20が免震用積層ゴム18の外周面1804に臨む端面2002の形状が第1の実施の形態と異なっている。前記端面2002には、免震用積層ゴム18の外周面1804から離れる傾斜角を持って延在する平面からなる2つの傾斜面2012、2014が拘束部材20の延在方向に沿って形成されている。そして、各傾斜面2012,2014の傾斜角は、拘束部材20の延在方向の先端側の傾斜面2014の方が大きく設定されている。したがって、拘束部材20の端面2002と免震用積層ゴム18の外周面1804との距離は、拘束部材20の延在方向に沿って大きくなるように段階的に異ならせて形成されている。 【0011】また、第2の実施の形態では、免震用積層ゴム18の水平変形時に、傾斜角の異なる二つの傾斜面2012、2014が交わる拘束部材20の角部2022が免震用積層ゴム18の外周面1804に当接する部分には、免震用積層ゴム18を構成する薄肉の鋼板18Bよりも厚く形成された鋼板18Cが配置され、これにより、免震用積層ゴム18の水平変形時に、この厚く形成された鋼板18Cと角部2022が当接するように構成されている。さらに、免震用積層ゴム18の水平変形時に、拘束部材20の下端2024、言い換えると下方に位置する傾斜面2014の下端2024が免震用積層ゴム18の外周面1804に当接する部分にも、免震用積層ゴム18を構成する薄肉の鋼板18Bよりも厚く形成された鋼板18Dが配置され、これにより、免震用積層ゴム18の水平変形時に、この厚く形成された鋼板18Dと拘束部材20の下端2024が当接するように構成されている。 【0012】このような第2の実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様な作用、効果が得られる。そして、第2の実施の形態では、拘束部材20が免震用積層ゴム18の外周面1804に臨む端面2002を、曲面ではなく傾斜角の異なる複数の平面で形成したので、それら平面が交わる角部2022や、拘束部材20の下端2024が免震用積層ゴム18の外周面1804に当接する部分に大きな荷重が掛かることが考えられるが、免震用積層ゴム18の水平変形時に、鋼板18Cと拘束部材20の角部2022が当接し、また、鋼板18Dと拘束部材20の下端2024が当接するので、免震用積層ゴム18を構成するので、免震用積層ゴム18を構成する薄肉のゴム板18Aの損傷を防止する上で有利となる。 【0013】なお、第1、第2の実施の形態では、拘束部材20を上部構造体16に設けた場合について説明したが、拘束部材20は下部構造体14に設けるようにしてもよい。また、第1、第2の実施の形態では、拘束部材20を互いに分離された複数の板状の部材で構成した場合について説明したが、環状や筒状を呈する単一の部材で構成することも可能である。 【0014】 【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明は、薄肉のゴム板と薄肉の鋼板とが順次積層されて構成され、下部構造体上において上部構造体を水平方向に変位可能に支持する免震用積層ゴムと、前記免震用積層ゴムの変形を拘束する拘束部材を備えた免震装置であって、前記拘束部材は、下部構造体側または上部構造体側で免震用積層ゴムの近傍箇所に固定され、前記免震用積層ゴムの上下長さよりも短い長さで上下に延在し前記免震用積層ゴムの外周面に臨む箇所を有し、前記拘束部材は、前記免震用積層ゴムの外周面に臨む箇所と前記免震用積層ゴムの外周面とが当接しても変形しないように構成され、前記拘束部材の延在方向の先端側で免震用積層ゴムの外周面に臨む箇所と前記外周面との距離は、前記拘束部材の延在方向の基端側で免震用積層ゴムの外周面に臨む箇所と前記外周面との距離よりも大きく形成されている構成とした。そのため、免震用積層ゴムの水平変形量に応じて、免震用積層ゴムの外周面に当接する拘束部材箇所の上下長さが変わり、免震用積層ゴムの転倒を防止しつつ中小規模の地震に対しても免震効果を発揮させることができる免震装置が得られる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000112668 【氏名又は名称】株式会社フジタ
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| 【出願日】 |
平成10年12月2日(1998.12.2) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100089875 【弁理士】 【氏名又は名称】野田 茂
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| 【公開番号】 |
特開2000−170835(P2000−170835A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月23日(2000.6.23) |
| 【出願番号】 |
特願平10−342421 |
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