| 【発明の名称】 |
機器の免震機構 |
| 【発明者】 |
【氏名】泗水 憲三
【氏名】平川 進
【氏名】岡本 信一郎
【氏名】新田 貴代志
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| 【要約】 |
【課題】機器の下部の投影面積内であって、しかも機器の外縁に近い場所に収容できる、現場でも施工性のよい、免震機構を提供すること。
【解決手段】床21の上に設置される機器23の免震機構において、機器23の4箇所以上の係留点に片端が係留され、反対端部を床側の機器投影面積内に係留された8本以上の弾性体26と、前記機器23から突出され、床面に接して機器の重量を支えて床面を移動可能な支持具24と、を具備したことを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】床の上に設置される機器の免震機構において、機器の4箇所以上の係留点に片端が係留され、反対端部を床側の機器投影面積内に係留された8本以上の弾性体と、前記機器から突出され、床面に接して機器の重量を支えて床面を移動可能な支持具と、を具備したことを特徴とする機器の免震機構。 【請求項2】弾性体がゴムロープあるいはゴムベルトであり、機器と床との係留点の距離により長さが自由に設定できること、前記ゴムロープあるいはゴムベルトの端部は係留可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の機器の免震機構。 【請求項3】床の係留点として床開口部の落下防止枠を使用したことを特徴とする請求項2に記載の機器の免震機構。 【請求項4】機器を連結して増設するとき、合計重量に対応したゴムロープ又はゴムベルトに交換すること、あるいは増設重量に対応したゴムロープ又はゴムベルトを増設することを特徴とする請求項2に記載の機器の免震機構。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は電子機器の如き機器の免震機構に係り、特に機器の下部の投影面積内であってしかも機器の外縁に近い場所に収容できる免震機構に関する。 【0002】 【従来の技術】床に設置された電子機器の如き機器に対し、地震が発生したとき機器の損傷を軽減防止するための、種々の機器に実装する免震機構がある。 【0003】従来、例えば電子機器等の機器に実装する免震機構として、機器の投影面積内つまり底面内に装置するものと、機器の底面外に張り出すものがある。 【0004】情報処理装置等の電子機器の周囲は、人間の歩行や作業あるいは媒体運搬台車の通行のため、電子機器からの張り出し物があっても周囲の床と平坦になればよいが、一般には張り出し物の無いことが望ましい。電子機器に実装する免震機構として、その投影面積内すなわち底面内に装着するものとしては、従来、次のようなものがある。 【0005】従来機構1.■電子機器のレベルフットやキャスターで移動するもの、■レベルフットが滑り棒と低摩擦皿とバネで構成されるもの、■レベルフットが滑り棒と斜面体を形成する皿で構成されるもの。 【0006】■.従来、電子機器の免震機構として、図8(A)に示す如く、電子機器1の底面に、キャスター2を設けて床面を移動可能にすること、あるいは図8(B)に示す如く、電子機器1の底面にねじ込み、床を滑り易い頭部3−1を有するレベルフット3を設けて床面を滑動することにより、床面から機器に伝達される地震力を低減するものがある。 【0007】■.さらに図9(A)に示す如く、電子機器1の底面にねじ込んだレベルフット3と床5との間にナイロン(登録商標)製の板6を2枚挿入し、かつキャスター2を床5より浮かせて電子機器1を設置し、地震力が加わったとき、同図(B)に示す如く、これらの板6、6間の摺動によりこれを吸収し、さらに大きな一定限度以上の地震力が加わったときは、同図(C)に示す如く、これらの板6、6がレベルフット3から外れてキャスター設置に移行するもの(特許第1161740号)も開発されている。 【0008】これら■、■は滑りだけで地震力を低減免震するものであり、滑り量が限定できないため、電子機器1が他の機器や床の突起物との衝突の危険があり、また、元位置に戻る復元力がない。 【0009】■.一方、図10に示す如く、レベルフット7を滑り棒8と皿9に分け、その接合面を低摩擦剤で滑り易くして、地震発生のときの初動時には皿9の上を滑り棒8がすべり、皿9と滑り棒8との間のバネ10で滑り棒8の中心を皿9の中心の位置に戻し、更に大きな地震動では同図(B)に示す如く、皿9ごと床5を滑るものがある。なお図10において11はダストカバーである。 【0010】またこの場合、図11(A)に示す如く、皿9′をその(C)に示す拡大図のようにスリバチ状にする。なお皿9′の底面には滑り板12が設けられている。初動の小さい地震の領域では、滑り棒8が皿9′の中を往復振動で滑った後にバネ10で元位置に復旧動作する。大きな地震では、図11(B)に示す如く、皿9′ごと床5の上をすべるものとなる。 【0011】これら図10、図11に示す免震機構は、小さい地震ではほぼ元位置に戻り、大きな地震では皿9、9′内の移動分は元に戻るが大きな地震では皿9、9′内の移動分は元に戻るが、ほとんどの振動は皿9、9′の床面の滑りだけの移動となる。 【0012】従来機構2.電子機器と床とを水平的に係留するバネと、垂直加重は移動可能なレベルフットで支持するもの。 【0013】また、図12(A)に示す如く、電子機器1の垂直加重は移動可能なレベルフット3で支持し、床面に固定される係留金具14と電子機器1とをコイルバネ13で係留する機構がある。この係留金具14は、図12(B)に示す如く、コイルバネ13と係合する孔部14−3を有する係留突部14−1と、例えばボルト15により床面に固定されるフランジ14−2を有するものである。 【0014】図12に示す免震機構は、床面の地震力をコイルバネ13の水平バネ性で減衰免震して電子機器1に伝達する。そして地震が収まるとコイルバネ13のバネ性により元の位置に戻る。 【0015】従来機構3.電子機器の底面と床を垂直ゴムで係留し、垂直加重は移動可能なレベルフットで支持するもの。 【0016】図13に示す如く、床5の上に置く電子機器1の免震機構として、上端部が電子機器1側に係留され下端部が床5側に係留された、垂直方向に配置された弾性体16と、電子機器1に突設され電子機器1を支えて床5上を移動可能な、レベルフットの如き支持具17を具備するものが提案されている(特願平9−53450号)。 【0017】図13に示す免震機構は、地震がなく床5が静止している平常時では、弾性体16は直立状態にある。地震が発生して床が横方向に揺れた場合には、この地震力は弾性体16によって減衰されて電子機器1に伝達される。この場合、床5が横方向に揺れるのでこれに応じて弾性体16が変形し、電子機器1及び支持具17が移動することになるが、その移動量は床5に比べて小さく、衝撃は吸収される。そして地震が収まると弾性体16のバネ性によって元の位置に戻る。このように垂直に配置された弾性体を使用することにより、電子機器1と床の間の空間をコンパクトに使用し、配線ケーブルとの共存を行うことができる。 【0018】 【発明が解決しようとする課題】ところで前記従来機構には下記の如き問題が存在する。 【0019】すなわち前記従来機構1は、建物床が大きな地震のとき、電子機器は床面を滑るだけで、移動範囲が限定できず、移動途中に床面からの落下防止枠等の障害物があるとこれに衝突して電子機器のロッキング揺れや、落下防止枠の乗り越えを生じたりあるいは更に転倒になり易い。 【0020】前記従来機構2は、免震部材として弾性体を使用しているため、一定の地震力に対してはその振幅が限定でき、かつ電子機器はほぼ元の位置に復旧する。しかしながら複数のコイルバネ13を水平に張り、地震時に伸縮するためほぼレベルフット3とコイルバネ13が係止される4点を結ぶ矩形面積に近い面積がこのコイルバネ13の最大の伸縮のために使用されることになり、その専有面積が大きく、この部分に何も置けないことになる。しかもコイルバネ形状は電子機器の重量によってバネ定数を選択する必要がある。 【0021】また床側の係留点の位置決めを許容範囲で正確に行うこと、即ち床側固定枠である係留金具を電子機器1のバネ係留点(図12の例ではレベルフット)からほぼ同一距離になる箇所に固定する必要がある。 【0022】さらに通常の床では特に影響がないが、コンピュータルーム等で使用されるフリーアクセス床では床側のケーブル貫通用の開口部や、床下送風吹き上げ用の開口部に、レベルフットが開口部に落ちることを防止するために設ける落下防止枠とこのコイルバネとが衝突し易いという問題もある。 【0023】一方コイルバネは伸びについては引っ張りで伸びるが、縮みについてはコイルバネの密着長以上は縮まらず、機器の係留点と床の係留点の直線経路から湾曲して張り出し、機器の下部から床面へのケーブルとのこすれが出る。さらにコイルバネが伸びた状態および縮みでの湾曲状態ではコイルバネの線間に隙間があり、ケーブル類を不本意に挟み込み易いという問題点もある。 【0024】前記従来機構3は、免震部材として弾性体を使用しているため、一定の地震力に対して、その振幅が限定でき、かつ電子機器はほぼ元位置に復旧する。しかしながら機器の底面と床との間隔が機器種別により異なり、複数の高さの弾性体が必要であること、電子機器の底面及び床にこの弾性体を係留する複雑な構成の手段が必要なこと及び電子機器の重量によって弾性体のバネ定数を選択する必要があり、そのため新規設計機器には適用を検討し易いが、既設計、既設置の電子機器を免震構造にする場合には適用が困難なことがある。 【0025】ところで免震機構を電子機器に実装するためには、一般に次の点を考慮しなければならない。 【0026】免震機構を装着した電子機器は振幅移動が可能となる。水平方向に免震する機構では、電子機器は床面に対して水平に相対振動、あるいは移動する。そのため、電子機器の振幅や移動量に対して考慮が必要である。 【0027】また次の事由によって電子機器の底面と床面との空間に免震機構を使用できる領域が少ない。 【0028】■.一般に電子機器、特に電子計算機器は底面の四隅にレベルフットが設置されもしくは設置可能であり、その内側にキャスターがある。 【0029】■.固定耐震しない移動可能な電子機器をフリーアクセス床に設置し、免震などで地震対策をするときは、床側のケーブル貫通用や床下送風吹き上げ用の開口部に落下防止枠を設ける。なお落下防止枠を取り付ける床開口の位置と形状はフリーアクセス床板の割り付けに依存することが大きくて、それぞれの電子機器との位置は概略的なものである。 【0030】■.電子機器の底部から床面には信号ケーブルや電源線が布設される。 【0031】従って、本発明では、前記従来の問題点及び考慮点を鑑み、従来の電子機器にも装着可能であり、電子機器の下部投影面積内つまり底面内であって、電子機器の外縁に近い場所に収容できる免震機構を実現することを目的とする。 【0032】さらに本発明では、主要部材である弾性体、例えばゴムロープの太さと長さも現地で選択と現物合わせができ、床側の係留点の位置決めが若干のずれることが許容でき、さらに床側落下防止枠を床側係留材に使用できる免震機構を実現することを目的とする。 【0033】 【課題を解決するための手段】本発明の原理構成を図1により説明する。図1において、21は床、22は落下防止枠、22aは係留点、23は電子機器、24はレベルフット、25はキャスター、26は弾性体、27はケーブル、28a、28bは係留金具である。 【0034】本発明の前記目的は下記の構成により達成される。 【0035】(1)床21の上に設置される電子機器23の免震機構において、電子機器23の4箇所以上の係留点28a、28b、22aに片端が係留され、反対端部を床側の機器投影面積内に係留された8本以上の弾性体26と、前記電子機器23から突出され、床面に接して電子機器23の重量を支えて床面を移動可能な支持具24と、を具備したことを特徴とする。 【0036】(2)前記(1)において、弾性体26がゴムロープあるいはゴムベルトであり、電子機器23と床21との係留点の距離により長さが自由に設定できること、前記ゴムロープあるいはゴムベルトの端部は係留可能に構成されていることを特徴とする。 【0037】(3)前記(2)において、床21の係留点として床開口部の落下防止枠22を使用したことを特徴とする。 【0038】(4)前記(2)において、電子機器23を連結して増設するとき、合計重量に対応したゴムロープ又はゴムベルトに交換すること、あるいは増設重量に対応したゴムロープ又はゴムベルトを増設することを特徴とする。 【0039】これにより下記の作用効果を奏する。 【0040】(1)本発明の免震機構によれば、建物床に巨大な地震力が作用しても建物床と電子機器を係留するゴムロープやベルトが電子機器に伝達する地震力を低減免震する。またバネ質量系の振動による免震のため、自由な滑り移動がなく、振幅振動によってほぼ元位置に戻る。 【0041】また電子機器の下方の機器側キャスターや床に落下防止枠があっても、それらと干渉しないように免震機構を装着でき、機器の下部隙間の高さが異なってもよく、レベルフットがあるだけで特に機器側に新しい固定箇所が不要なため、新規設計の機器も従来の高さのばらつきやキャスターとレベルフットの取付けでよく、既存の機器にも適用可能である。 【0042】なお定常状態では電子機器から張り出すものがないため、電子機器の操作や保守、周囲の歩行、あるいは媒体運搬台車の通行が良好である。 【0043】(2)弾性体は連続成形の汎用ゴムロープやゴムベルトを用いるため、専用の成形ゴムよりも安価である。また現場での寸法合わせで自由な長さの弾性体が製作できる。そのため床側固定の位置を厳密に決める必要がなく、床板の配置や床板下部の構造によりその位置をずらすことができ、現場での施工性がよい。 【0044】(3)床開口部の落下防止枠に簡易に穴あけすることができるので、床板に穴あけして固定金具を取り付けるよりも容易に弾性体を固定することができる。 【0045】(4)電子機器を連結するときも、すべてのレベルフットに弾性体を装置する必要がなく、連結体の四隅にだけ免震機構を装置すればよいので、電子機器を増設し易くなる。 【0046】 【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態を図1及び図2にもとづき、他図を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態を示し、(A)は斜視図、(B)は定常状態における電子機器の底面説明図である。 【0047】本発明においては、電子機器23は、例えば後述する図6に示す如き構成の落下防止枠22の上に位置するように、床21に設置される。電子機器23には、この床21内に布設されたケーブル27がこの落下防止枠22内を経由して接続されている。 【0048】電子機器23の底面には、図1(B)に示す如く、キャスター25が取り付けられており、この底面の四隅にはレベルフット24が設けられている。そして正常時には、電子機器23はこれらのレベルフット24により床21上に支持されている。 【0049】このレベルフット24は、従来のレベルフットと同様に、その床と接する面の材質がフッ素樹脂の如き低摩擦材で構成されているので、電子機器23は床の上を滑動可能となる。支持体はキャスターでもよく、そのときはキャスターが低摩擦で床面を転動する。 【0050】弾性体26は両端にそれぞれ保持部が形成されており、その一端は支持体であるレベルフット24と係合され、他端は床に固定された係留金具28a又は28b、あるいは床に固定された落下防止枠22に設けられた、例えば穴部の如き係留点22aに係合されている。 【0051】係留金具28aは片側から一本の弾性体26と係合され、係留金具28bは両側から弾性体26、26と係合している。そしてこれらの各弾性体26の他端はレベルフット24と係合している。 【0052】また落下防止枠22はその係留点22a、22aにおいて弾性体26と係合しており、各弾性体26の他端はレベルフット24と係合している。 【0053】そして係留金具28a、28b及び係留点22aはいずれも電子機器23の底面内つまり機器投影面積内に位置している。 【0054】電子機器23の設置状態を説明すれば、図1より明らかな如く、その底面から下方に突出して建物の床21に接して電子機器23の重量を支えているレベルフット24が設けられている。このレベルフット24は、前記の如く、床21の表面を滑動できるものである。電子機器23の底面には、レベルフット24よりも内側にキャスター25が設けられており、通常は設置位置までの機器移動に用いられる。設置位置の場所でレベルフット24を下げることにより電子機器の高さ及び水平が調整され、キャスター25は床21と接しない状態となる。 【0055】レベルフット24の先端には、例えばフッ素樹脂のキャップが設けられ、床21の表面とは低摩擦で滑動できる。また図1(B)に示す如く、8本の弾性体26の片端が電子機器23の四隅のレベルフット24に係留され、もう一つの片端は床21に固定した係留金具28a、28b又は落下防止枠22の係留点22aに係留され、電子機器23にある方向の変位が与えられたとき、その方向のバネ性を生じるようになっている。 【0056】係留金具28a、28b及び落下防止枠22の係留点22aの位置は、弾性体26がレベルフット24の内側に取り付けられたキャスター25、ケーブル27及び落下防止枠22と干渉しないように、電子機器23の四隅のレベルフット24から電子機器23の外縁に沿った箇所に設ける。 【0057】図2において、地震時には床21は左右振動する。このとき電子機器23の支持体であるレベルフット24は、その先端が、前記の如く、床21と接する面の材質がフッ素樹脂のような低摩擦材により構成されているので床21の上を滑動する。 【0058】図2で、床21がこの図で左振動するとき、同(B)、(C)に示す如く、弾性体を経由して電子機器23に伝達される地震力は右側の弾性体26がそのバネ性によって伸びることで低減される。 【0059】逆に右に振動するときは、図2(C)の鎖線に示す如く、落下防止枠22′、電子機器23′、レベルフット24′が移動するので、今度は図2(B)、(C)の左側の弾性体26がバネ性により伸びるので、電子機器23′に伝達される地震力が低減される。 【0060】このようにして地震時に床21が左右に振動するとき、電子機器23の重量と、弾性体のバネ性、および電子機器23の支持体であるレベルフット24と床21の面の滑りによって、床21からの水平地震力を低減し、免震機構として作用することになる。 【0061】即ち、電子機器23の質量と弾性体のバネ定数でバネ質量の振動系が形成され、ある周波数を持った振動が外部から入力されるとき、バネ質量の振動系の固有周波数が十分に低いことで振動の伝達力は減衰され、床面の滑り摩擦によってもこれまた減少される。 【0062】本発明では、電子機器下部の四隅にあるレベルフットに弾性体の片端を係留するとともに、例えば8本の弾性体を電子機器の内側で外縁に沿って各方向に配置する。 【0063】本発明の第2の実施の形態を図3にもとづき説明する。図3(A)は電子機器23と、係留金具28と落下防止枠22の相対位置関係を示し、係留金具28と落下防止枠22は床に固定されている。 【0064】電子機器23は底面に4個のキャスター25が設けられているが、底面に設けられたレベルフット24にキャスター25の外側を囲むようにL形状の金具30を挿入する。図3(B)に示す如く、このL形状の金具にはレベルフット24が挿入されるレベルフット挿入穴31と、弾性体26の一端が係留される係留穴32、32が形成されている。 【0065】弾性体26の一端はこの係留穴32に保持され、他端は床に固定された係留金具28に保持されている。 【0066】図3において、落下防止枠22が電子機器23の下面ほぼ中央で、係留金具28と干渉しないように十分小さい場合には、レベルフット24に金具30を用い、キャスター25を逃して弾性体26を配置することができる。 【0067】本発明では、弾性体26はゴムロープあるいはゴムベルトで構成され、電子機器と床との係留点の距離により長さが自由に設定できること、その距離と電子機器の重量によって太さが段階的なゴムロープあるいはゴムベルト太さのシリーズ中から選択され、あるいは単複等の数量が選択されること、およびゴムロープ、ゴムベルトの端部は保持係留可能な構造例えば折り返して輪を形成されるとか、係留用端末金具を取り付ける。 【0068】電子機器の質量と係留するバネによる固有周波数は、バネ質量系の運動方程式より次式で求めることができる。 【0069】 【数1】
【0070】なお、f:固有周波数(Hz) k:バネ定数 (kg/cm) w:機器重量 (kg重) g:重力の加速度(980cm/sec2 ) である。 【0071】ここで、本発明による免震機構について、バネ質量による固有周波数は、床側の地震による振動周波数の約70%以下であればよく、またすべてのゴムロープ、ゴムベルトの長さと太さが同一であるという必要はない。 【0072】ゴムロープによるバネは、図4に示す如く、基準長のゴムロープ26bのバネ定数と、この基準長のゴムロープ26bの長さより短くて細いゴムロープ26aのバネ定数と、基準長のゴムロープ26bの長さより長くて太いゴムロープ26cのバネ定数とは同一となる。即ちバネ定数は、長さが長くなるとき直径を大きくすることで同一のバネ定数を得ることができる。 【0073】本発明では、固有周波数を例えば0.5Hzとなるように、各電子機器の重量に応じてバネ定数を設定する。次にゴムロープの基準長さが例えば30cmで、所要のバネ定数となるゴムロープの太さを選択する。ここで床側の係留点をある程度任意の位置とすることで、床側の係留点と電子機器の係留点の間の距離によりゴムロープの長さが基準長さとは異なることになる。例えば長くなるとき、ほぼ同一のバネ定数となるようにゴムロープの太さを段階的な太さシリーズの中から選択する。このようにして電子機器の配置と、床側の係留点に現物合わせすることで、ゴムロープの長さを設定できる。 【0074】実際に電子機器の係留点と床の係留点との距離が基準の長さと異なるとき、即ち床の係留点が床板の配置や床板の下の構造によって基準点からずれて位置することがある。一方弾性体が例えばゴムロープやゴムベルトであることにより、長さは現物合わせで設定できる。またゴムロープは同一材質で太さが大から小までシリーズ化されていることが多い。 【0075】そのため係留点間の距離が遠くなり、弾性体の長さが基準長のゴムロープ、例えば図4に示す基準長のゴムロープ26bより長くなる場合、太いゴムロープ26cを選択することで同一のバネ定数を得る。逆に短くなる場合、細いゴムロープ26aを選択することで同一のバネ定数を得る。ゴムベルトでも同様の機能を得る。 【0076】更に本発明では自由長の弾性体、例えばゴムロープを用いることにともない、ゴムロープの少なくとも片端末を現地で簡単に成形し、電子機器及び床に係留可能とする。 【0077】次に弾性体としてゴムロープを用い、これに図5(A)〜(C)に示す如き端末処理を行う例について説明する。 【0078】図5(A)は、ゴムロープ40で輪を形成する端末処理であり、ゴムロープ40の端部を金属管41に通して輪状部を形成して折り返し、金属管41を圧着することでゴムロープ40の端部に輪を形成する。 【0079】図5(B)はゴムロープ40にフック金具を取り付けることによる端末処理であり、先ずゴムロープ40の端部をフック金具42に通し、先端を折り返してリング43で絞りとめることで、ゴムロープ40の先端にフック金具42を形成する。この場合リングは単位でもよく、フック金具と一体の圧着フック金具44でもよい。圧着フック金具44の場合には、ゴムロープ40の端部を圧着フック金具に通したあと先端を折り返して圧着する。 【0080】図5(C)は係留用金具取り付けによる端末処理であり、前記(B)で示したフック金具42、圧着フック金具44と同様に係留用金具45、係留用圧着金具47を設ける。すなわちゴムロープ40の端部を係留用金具45に通し、先端を折り返してリング46で絞りとめてゴムロープ40の先端に係留用金具45を形成する。この場合、リングは単位でもよく、係留用金具と一体の係留用圧着金具47でもよい。係留用圧着金具47の場合には、ゴムロープ40の端部を係留用圧着金具47に通したあと先端を折り返して圧着する。 【0081】本発明では、前記図1、図2に示す如く、落下防止枠22を床側係留点の一部とすることができる。このために図6(A)に示す如く電子機器23のレベルフット24から伸びるゴムロープの如き弾性体26の床側係留点が落下防止枠22の領域にあるとき、同(B)に示す如く、落下防止枠22に穴22−1をあける。図6(B)では説明簡略のため1個の穴22−1を示しているが、図6(A)では2個の穴が設けられる。 【0082】そしてこの穴22−1に図6(D)に示す如く、シャックル50、あるいは同(C)に示す如く、ボルト51、ナット52により取付用金具を構成し、弾性体26の一端をこの穴22−1に係留する。 【0083】図6(A)はシャックル50、50により弾性体26、26を係留した場合を示す。なおシャックル50は、例えば環状の金具50−1と、その開口部を橋持するボルト50−2等により構成されている。 【0084】通常は床側の係留点は床にアイボルトの如き係留金具28を設けることで構成されている。しかし床側の係留点が、図6(A)に示す如く、落下防止枠22の領域にあるとき、落下防止枠22そのものを床側係留用の金具とすることができる。落下防止枠22の係留点は、この落下防止枠22に、図6(B)に示す如く、現場でプレスパンチ等を用いて穴22−1を容易に開けて設けることができる。 【0085】図7は1台目の電子機器23−1と2台目の電子機器23−2とを連結した連結機器への免震機構の装着状態説明図である。 【0086】図7(A)に示す如く、1台目の電子機器単独に対して免震機構を装着する場合、その底面に設けたレベルフット24−1、24−1、24−2、24−2と床に設けた係留金具28との間にそれぞれこの1台目の電子機器23−1の重量に対応したゴムロープの如き弾性体26−1をそれぞれ装着する。なお25はキャスターである。 【0087】いま図7(B)に示す如く、1台目の電子機器23−1と2台目の電子機器23−2との合計重量に対応したゴムロープの如き弾性体26−2を、連結構造の四隅のレベルフット24−1、24−1、24−1、24−1と床に設けた係留金具28との間にそれぞれ装着する。 【0088】この場合、連結構造のときの接合部分に位置するレベルフット24−2には弾性体を装着しない。 【0089】なお連結する電子機器に最初から本発明の免震機構を装着する場合には、連結した機器のまとまりに対してその四隅に免震機構を装着する。 【0090】前記説明では、免震機構を電子機器に設けた例について説明したが、本発明は勿論これに限定されるものではなく、電子機器以外の機器に対しても適用可能なものである。 【0091】 【発明の効果】本発明によれば下記の効果を奏することができる。 【0092】(1)本発明の免震機構によれば、建物床に巨大な地震力が作用しても建物床と電子機器を係留するゴムロープやベルトが電子機器に伝達する地震力を低減免震する。またバネ質量系の振動による免震のため、自由な滑り移動がなく、振幅振動によってほぼ元位置に戻る。 【0093】また電子機器の下方の機器側キャスターや床に落下防止枠があっても、それらと干渉しないように免震機構を装着でき、機器の下部隙間の高さが異なってもよく、レベルフットがあるだけで特に機器側に新しい固定箇所が不要なため、新規設計の機器も従来の高さのばらつきやキャスターとレベルフットの取付けでよく、既存の機器にも適用可能である。 【0094】なお定常状態では電子機器から張り出すものがないため、電子機器の操作や保守、周囲の歩行、あるいは媒体運搬台車の通行が良好である。 【0095】(2)弾性体は連続成形の汎用ゴムロープやゴムベルトを用いるため、専用の成形ゴムよりも安価である。また現場での寸法合わせで自由な長さの弾性体が製作できる。そのため床側固定の位置を厳密に決める必要がなく、床板の配置や床板下部の構造によりその位置をずらすことができ、現場での施工性がよい。 【0096】(3)床開口部の落下防止枠に簡易に穴あけすることができるので、床板に穴あけして固定金具を取り付けるよりも容易に弾性体を固定することができる。 【0097】(4)電子機器を連結するときも、すべてのレベルフットに弾性体を装置する必要がなく、連結体の四隅にだけ免震機構を装置すればよいので、電子機器を増設し易くなる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005223 【氏名又は名称】富士通株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月9日(1998.12.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083297 【弁理士】 【氏名又は名称】山谷 晧榮 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−170832(P2000−170832A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月23日(2000.6.23) |
| 【出願番号】 |
特願平10−350192 |
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