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【発明の名称】 防振兼姿勢制御装置及び防振兼姿勢制御システム
【発明者】 【氏名】北島 明

【氏名】大野 真弘

【要約】 【課題】例えば救急車の寝台部18の鉛直方向防振と高さ制御について、寝台部18の水平方向変位を回避しつつ、十分な制御範囲を確保する。

【解決手段】鉛直方向油圧シリンダ装置11は、載置板20に立設されたシリンダ12と、寝台部18のステー19を鉛直方向へ連行するピストンロッド17とを有している。鉛直方向油圧シリンダ装置11の油室14,15と水平方向油圧シリンダ装置26の油室30,31とは相互に連通し、鉛直方向油圧シリンダ装置11と水平方向油圧シリンダ装置26の伸縮は連動するようになっている。ステー19の鉛直方向振動に対しては、防振用リニアアクチュエータ44が、水平方向油圧シリンダ装置26を介してステー19の鉛直振動を打ち消す向きで鉛直方向油圧シリンダ装置11を伸縮させる。ステー19の高さ変更の際には、姿勢制御用サーボモータ36が、水平方向油圧シリンダ装置26を介して鉛直方向油圧シリンダ装置11がステー19を所望の高さまで連行する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 (a)ピストン(13)の両側に圧力媒体室(14,15)をもち伸縮により振動体(18)の所定振動方向としての第1の方向へ前記振動体(18)を連行する第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)、(b)前記第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)の各圧力媒体室(14,15)へそれぞれ連通する圧力媒体室(30,31)をピストン(29)の両側にもち前記第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)と連動して長さを変化させる第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)、(c)前記振動体(18)の第1の方向の振動に対して前記第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)のピストン(29)に作用して前記第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)において前記シリンダ(27)に対して前記ピストン(29)を相対変位させることにより前記振動体(18)の第1の方向の振動を打ち消す向きへ前記第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)を介して前記振動体(18)を第1の方向へ連行する防振用アクチュエータ(44)、及び(d)第1の方向への前記振動体(18)の位置の変更の際に前記第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)の前記シリンダ(27)に作用して前記第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)の前記ピストン(29)に対して前記シリンダ(27)を相対変位させることにより前記第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)を介して前記振動体(18)を第1の方向へ連行する姿勢制御用アクチュエータ(36)、を有していることを特徴とする防振兼姿勢制御装置。
【請求項2】 前記第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)の前記ピストン(13)及び前記第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)の前記ピストン(29)の少なくとも一方は、周部にラビリンス(21,35)を備えていることを特徴とする請求項1記載の防振兼姿勢制御装置。
【請求項3】 (a)一端側において振動体(18)に結合し伸縮により前記振動体(18)の所定振動方向としての第1の方向へ前記振動体(18)を連行する防振用アクチュエータ(61)、及び(b)前記防振用アクチュエータ(61)の他端側へ回転自在に結合しつつその結合点を第1の方向へ変位させる姿勢制御用アクチュエータ(76)、を有していることを特徴とする防振兼姿勢制御装置。
【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの防振兼姿勢制御装置(10,60)を2個以上、装備し、振動体(18)が、その異なる2点以上の各個所において前記各防振兼姿勢制御装置(10,60)により支持されていることを特徴とする防振兼姿勢制御システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば救急車の寝台部等の振動体の防振及び位置制御を行う防振兼姿勢制御装置及び防振兼姿勢制御システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば救急車に装備されて急病人を横たわせるベッドでは、救急車走行中、寝台部の鉛直方向揺れを防止するとともに、カーブ及びブレーキ時に急病人の血液が体内で移動し、局部的に血圧上昇を来さないように、寝台部を所定の姿勢に変更することが好ましい。
【0003】図4は救急車の寝台部18についての通常の防振兼姿勢制御装置89の構造図である。後述のこの発明の実施の形態と同一の部分は同符合で指示して、主要点についてのみ説明する。防振用リニアアクチュエータ44は、軸線方向を水平方向に揃えて配置される。姿勢制御用サーボモータ94は、そのハウジング部を固定され、ねじ軸95の回転により、防振用リニアアクチュエータ44のハウジング45の水平方向位置を調整する。双腕レバー90は、支点91において管体46に対して直角の水平線の周りに揺動自在に支持されるとともに、一端側の結合点92において寝台部18の下面から垂下するステー19に回転自在に結合し、他端側の結合点93において防振用リニアアクチュエータ44の管体46の先端部に回転自在に結合する。結合具97はハウジング45とボールナット96とを相互に連結する。防振用リニアアクチュエータ44におけるハウジング45からの管体46の突出量の増減に伴い、双腕レバー90が揺動し、双腕レバー90が結合点92においてステー19を鉛直方向へ連行する。また、姿勢制御用サーボモータ94によるねじ軸95の回転に伴い、ねじ軸95におけるボールナット96の位置及び防振用リニアアクチュエータ44のハウジング45の水平位置が変化する。
【0004】振動センサとしての図示していない加速度センサは、ステー19の鉛直振動について、各時刻の加速度を検出するようになっている。防振用リニアアクチュエータ44は、その加速度センサの出力に基づいて防振用リニアアクチュエータ44からの管体46の突出量を変化させる。これにより、ステー19は、その鉛直振動を打ち消される向きで鉛直方向へ双腕レバー90により連行されて、振動を抑えられる。また、救急車のカーブ時及びブレーキ時に、寝台部18を所定の姿勢に保持するために、姿勢制御用サーボモータ94は、ねじ軸95を回転させて、防振用リニアアクチュエータ44のハウジング45の水平位置を変化させる。これにより、双腕レバー90が大きく揺動し、ステー19の高さが変更される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような通常の防振兼姿勢制御装置89の問題点は次のとおりである。
(a)結合点92の軌跡は、支点91の周りの円弧となるので、寝台部18の姿勢制御では、寝台部18は、鉛直方向だけでなく、水平方向へも変位してしまう。
(b)寝台部18は、所定量降下すると、支点91に当たるので、寝台部18の高さ調整量を大きく取れない。
【0006】この発明の目的は、上述の問題点を克服できる防振兼姿勢制御装置及び防振兼姿勢制御システムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の防振兼姿勢制御装置(10)は次の(a)〜(d)を有している。
(a)ピストン(13)の両側に圧力媒体室(14,15)をもち伸縮により振動体(18)の所定振動方向としての第1の方向へ振動体(18)を連行する第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)(b)第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)の各圧力媒体室(14,15)へそれぞれ連通する圧力媒体室(30,31)をピストン(29)の両側にもち第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)と連動して長さを変化させる第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)(c)振動体(18)の第1の方向の振動に対して第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)のピストン(29)に作用して第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)においてシリンダ(27)に対してピストン(29)を相対変位させることにより振動体(18)の第1の方向の振動を打ち消す向きへ第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)を介して振動体(18)を第1の方向へ連行する防振用アクチュエータ(44)(d)第1の方向への振動体(18)の位置の変更の際に第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)のシリンダ(27)に作用して第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)のピストン(29)に対してシリンダ(27)を相対変位させることにより第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)を介して振動体(18)を第1の方向へ連行する姿勢制御用アクチュエータ(36)【0008】振動体(18)は、例えば救急車、キャンピングカー、寝台列車、船舶、航空機等の乗り物に装備される寝台部であるが、寝台部に限定されない。すなわち、振動体(18)は、第1の方向の振動を抑制する必要がありかつ第1の方向の位置を調整する必要のあるあらゆるものを含むものとする。第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)及び第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)は、通常は、油圧シリンダ装置である。第1の方向とは、例えば鉛直方向であるが、これに限定されず、例えば鉛直方向に対して斜めの方向であってもよい。
【0009】振動体(18)の防振のための防振用アクチュエータ(44)による第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)のピストン(29)への作用の場合は、第1の方向への振動体(18)の位置調整のための姿勢制御用アクチュエータ(36)による3のシリンダ(27)への作用の場合よりも、第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)におけるピストン(29)及びシリンダ(27)の相対変位量は、小さいが、変位速度は大きいものとなる。
【0010】第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)と第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)との長さ変化の連動関係は、第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)の伸縮が第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)の伸縮と連動させてもよいし、第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)の伸縮が第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)の縮小及び伸長と連動させてもよい。要は、第1の方向への振動体(18)の振動を打ち消す方向へ第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)が振動体(18)に作用するように、第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)と第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)との長さ変化が連動するような関係であればよい。第1の方向への振動体(18)の振動に対しては、防振用アクチュエータ(44)が第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)のピストン(29)に作用して、ピストン(29)を振動体(18)の振動の振幅及び位相に対応する振幅及び位相でシリンダ(27)に対して相対変位させ、これにより、第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)は、振動体(18)の振動を抑制するように、すなわち振動体(18)の振動に対して振幅をほぼ同じでかつ位相をほぼ逆にして、振動体(18)を第1の方向へ連行し、結果、第1の方向への振動体(18)の振動が抑制される。第1の方向への振動体(18)の位置の変更については、姿勢制御用アクチュエータ(36)が、第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)のシリンダ(27)に作用して、第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)のピストン(29)に対してシリンダ(27)を相対変位させ、これにより、第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)は、振動体(18)を第1の方向へ連行し、結果、振動体(18)は第1の方向へ所望の位置へ変更される。
【0011】第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)は、図4の防振兼姿勢制御装置(89)のように、双腕レバー(90)を使用しないので、振動体(18)が、第1の方向への位置制御に伴い、第1の方向とは直角方向へも変位したり、また、双腕レバー(90)の支点(91)に阻害されて、振動体(18)が第1の方向への位置調整量を制約されることを排除できる。
【0012】この発明の防振兼姿勢制御装置(10)によれば、第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)のピストン(13)及び第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)のピストン(29)の少なくとも一方は、周部にラビリンス(21,35)を備えている。
【0013】すなわち、(a)第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)のピストン(13)のみが周部にラビリンス(21)を備える場合、(b)第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)のピストン(29)のみが周部にラビリンス(35)を備える場合、(c)第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)のピストン(13)及び第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)のピストン(29)の両方が周部にラビリンス(21,35)を備える場合の3通りを含む。
【0014】シリンダ(12,27)における圧力媒体室(14,15,30,31)は全体として密閉空間に保持されており、圧力媒体室(14,15,30,31)の合計の容積は変化しない。また、ラビリンス(21,35)により、第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)の両圧力媒体室(14,15)が、及び/又は第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)の両圧力媒体室(30,31)が、相互に連通状態になっても、その連通はきわめて僅かに留まり、シリンダ(12,27)の外において、相互に連通状態になっている圧力媒体室(14,30)の容積の和と圧力媒体室(14,30)の容積の和との比率は、外部からの圧力媒体の積極的な出入りのない限り、一定に保持され、第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)及び第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)の長さは一定に保持される。一方、ラビリンス(21,35)により第1の圧力媒体式シリンダ装置(11)におけるピストン(13)とシリンダ(12)との相対変位及び/又は第2の圧力媒体式シリンダ装置(26)におけるピストン(28)とシリンダ(27)との相対変位は摩擦損失を低減される。
【0015】この発明の防振兼姿勢制御装置(60)は次の(a)及び(b)を有している。
(a)一端側において振動体(18)に結合し伸縮により振動体(18)の所定振動方向としての第1の方向へ振動体(18)を連行する防振用アクチュエータ(61)(b)防振用アクチュエータ(61)の他端側へ回転自在に結合しつつその結合点を第1の方向へ変位させる姿勢制御用アクチュエータ(76)【0016】防振用アクチュエータ(61)は通常はリニアモータである。第1の方向への振動体(18)の振動に対しては、防振用アクチュエータ(61)が、第1の方向への振動体(18)の振動を抑制するように、すなわち振動体(18)の振動に対して振幅をほぼ同じでかつ位相をほぼ逆にして、振動体(18)を第1の方向へ連行し、これにより、第1の方向への振動体(18)の振動が抑制される。第1の方向への振動体(18)の位置の変更では、姿勢制御用アクチュエータ(76)が防振用アクチュエータ(61)の他端を第1の方向へ変位させ、これにより、第1の方向への振動体(18)の位置が変化する。防振用アクチュエータ(61)は、両端を回転自在にそれぞれ振動体(18)及び姿勢制御用アクチュエータ(76)へ結合されているので、第1の方向への振動体(18)の連行の際に、振動体(18)が第1の方向に対して直角方向へ変位するのを防止できる。また、防振用アクチュエータ(61)への姿勢制御用アクチュエータ(76)の結合点は、振動体(18)から遠い方の端部としての防振用アクチュエータ(61)の他端側にあるので、第1の方向への振動体(18)の位置調整量を確保できる。
【0017】この発明の防振兼姿勢制御システムによれば、防振兼姿勢制御装置(10,60)を2個以上、装備し、振動体(18)が、その異なる2点以上の各個所において各防振兼姿勢制御装置(10,60)により支持されている。
【0018】振動体(18)について三次元の姿勢制御を行う場合には、防振兼姿勢制御装置(10)は3個以上(通常は3個か4個)必要であり、振動体(18)は、3個以上の異なる個所に各防振兼姿勢制御装置(10,60)により支持される。2個の防振兼姿勢制御装置(10)を装備する防振兼姿勢制御システムでは、振動体(18)は二次元の姿勢を制御される。
【0019】防振兼姿勢制御システムによる振動体(18)の三次元の姿勢制御では、振動体(18)の姿勢を水平に維持することに限定されない。水平に対して斜めや鉛直に制御されてもよい。例えば、振動体(18)が救急車の寝台部である場合、寝台部は、水平の姿勢に制御されることなく、頭側が足側よりを高くなるように、水平に対して所定の傾斜角で制御されることもある。また、例えば、救急車がカーブするとき、寝台部に寝ている患者に作用する遠心力を相殺するために、旋回方向外側を内側に対して高くする姿勢としたり、救急車が坂路を走行している期間や駐車期間では、寝台部(18)を水平に保持するためには、寝台部(18)は床面に対しては所定の傾斜角の姿勢となる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は救急車の寝台部18について防振兼姿勢制御装置10の構造図である。鉛直方向油圧シリンダ装置11は、シリンダ12を鉛直方向(以下、適宜、水平方向及び鉛直方向と言うが、断りのない限り、床面25が水平になっているときの水平方向及び鉛直方向を言うものとする。)に揃えて配置される。鉛直方向油圧シリンダ装置11において、ピストン13は、シリンダ12内を上下の油室14,15に仕切って、移動自在になっている。ピストン13の周部にはラビリンス21が形成されている。ピストンロッド17は、シリンダ12の中心線に沿って延び、下端部においてピストン13に結合し、上端部はシリンダ12の外部へ延びている。寝台部18は、急病人が寝るための所定面積を確保され、ステー19は、上端部を寝台部18に結合し、寝台部18の下面より垂下している。ブラケット22は、ピストンロッド17の上端部に固定され、ピンを介して回転自在にステー19に結合している。載置板20は、床面25に載置、固定され、油室15は、下端において載置板20に載置、固定されている。水平方向油圧シリンダ装置26は、シリンダ27と、及びシリンダ27内をその軸方向へ摺動するピストン29を有している。ピストン29も、ピストン13と同様に、周部にはラビリンス35を備えている。シリンダ27内は、ピストン29によりその摺動方向へ油室30,31に仕切られ、油室30,31は、それぞれ可撓性はあるが径方向へは収縮しないホース33,34を介して鉛直方向油圧シリンダ装置11の油室14,15へ連通している。鉛直方向油圧シリンダ装置11では、ピストン13はラビリンス21のために、シリンダ12の内周に遊嵌状態になっており、また、水平方向油圧シリンダ装置26では、ピストン29は、ラビリンス35のために、シリンダ27の内周に遊嵌状態になっている。
【0021】姿勢制御用サーボモータ36は、載置板20に固定されているステー37に水平線の周りに回転自在に支持され、正逆転自在のねじ軸38を出力軸として備えている。ボールナット39はねじ軸38に螺合し、結合具40は、水平方向油圧シリンダ装置26のシリンダ27とボールナット39とを連結している。シリンダ27及びねじ軸38は、通常、ほぼ水平になっている。ねじ軸38の回転によりねじ軸38上のボールナット39の螺合位置が変化し、これに伴い、シリンダ27もねじ軸38の軸方向への位置が変化する。防振用リニアアクチュエータ44は、ハウジング45と、ハウジング45に対して軸方向へ相対変位する管体46とを備えている。ハウジング45は、載置板20に固定されているステー47に一端側を回転自在に結合している。ばね座48,49はそれぞれ管体46の先端及びハウジング45に固定され、圧縮コイルばね50は、軸方向へ所定の圧縮力を付与されつつ、ばね座48,49間に管体46に対して同軸的に配置されている。結合具51は、中心線を一直線上に揃えられたピストンロッド32及び管体46の端部同士を結合している。なお、姿勢制御用サーボモータ36のハウジング及び防振用リニアアクチュエータ44のハウジング45は、載置板20に固定されていてもよいが、ステー37,47への回転結合により動作時の偏荷重を軽減できる。
【0022】ステー19の近傍には、例えば圧電素子等から成る図示していない振動センサがあり、この振動センサによりステー19における鉛直方向振動が検出されるようになっている。防振用リニアアクチュエータ44は、この振動センサの出力(振動についての現在の振幅値及び位相値が含まれる。)に基づいて、ステー19の振動を打ち消すことのできる鉛直方向油圧シリンダ装置11の作用が得られるように、ピストン29の変位量を計算し、その計算した変位量だけ管体46をハウジング45に対して変位させる。これにより、水平方向油圧シリンダ装置26では、ピストン29がシリンダ27に対して相対変位し、これに伴い、水平方向油圧シリンダ装置26の油室30,31内の油圧媒体が、鉛直方向油圧シリンダ装置11の油室14,15との間で行き来する。その結果、ピストンロッド17は、ステー19の鉛直方向振動とは振幅がほぼ同じでかつ位相が逆の変位速度でステー19を連行し、ステー19における鉛直振動が抑制される。なお、鉛直方向油圧シリンダ装置11の油室14,15への油圧媒体の出入りに伴い、ピストン13がシリンダ12に対して相対変位するが、ピストン13は、ラビリンス21によりシリンダ12の内面との摩擦を解消されているので、鉛直方向油圧シリンダ装置11は十分に速い相対速度でピストンロッド17を運動させることができる。なお、圧縮コイルばね50は、ステー19、ブラケット22、ピストンロッド17、鉛直方向油圧シリンダ装置11、水平方向油圧シリンダ装置26、ピストンロッド32、結合具51を介して伝わって来た寝台部18の重量をばね支持する。
【0023】載置板20からのステー19の高さを変更する場合には、姿勢制御用サーボモータ36が、その高さの変更量に相当する分だけねじ軸38を回転させる。これにより、ねじ軸38におけるボールナット39の螺合位置が変化し、水平方向油圧シリンダ装置26では、シリンダ27がピストン29に対して相対変位する。これにより、油室30,31の容積が変化し、鉛直方向油圧シリンダ装置11では、油室14,15への油圧媒体の出入りが生じ、ピストン13が、鉛直方向へ移動して、ステー19を鉛直方向へ所望の位置まで連行する。
【0024】図2は寝台部18の防振及び姿勢制御システムにおける各鉛直方向油圧シリンダ装置11の位置を示している。図2の寝台部18において左側及び右側がそれぞれ急病人の頭側及び足側に対応する。図2では、寝台部18の側方及び下方から見て示す図部分がそれぞれ上側及び下側に示されており、鉛直方向油圧シリンダ装置11は、頭側では、寝台部18の幅方向方向へ所定距離を空けて2個所、足側には寝台部18の幅の中心線上に1個所、配設され、寝台部18は計3個の鉛直方向油圧シリンダ装置11により重量を支持される。計3個の鉛直方向油圧シリンダ装置11は、寝台部18の幅の中心線に対して対称位置にあり、また、頭側及び足側の鉛直方向油圧シリンダ装置11は、ピストンロッド17の小さい移動量で寝台部18の姿勢を大きく変更するために、寝台部18の中心からあまり離れない位置とされている。
【0025】図3は別の防振兼姿勢制御装置60の構成図である。図1と共通の要素については同符号で指示して、相違点についてのみ説明する。防振用リニアアクチュエータ61は、図1の防振用リニアアクチュエータ44と同一の構造であり(構造の詳細については特願平10−15649号を参照のこと。)、ハウジング62と、ハウジング62の中心線に沿って延びる管体63とを有している。ばね座64,65は、それぞれ管体63の先端及びハウジング62の外周に固定され、圧縮コイルばね66は、軸方向圧縮状態でばね座64,65の間に配置される。ブラケット67は、管体63に先端に固定され、ステー19とピンを介して回転自在に結合している。ピストンロッド68は、ハウジング62の下端部に固定されている筒状案内ガイド(図示せず)の内周を摺動するピストン(図示せず)へ結合しており、管体63の内側に管体63と同軸的に配置され、管体63と一体で軸方向変位する。載置板70は、床面25に載置され、上面側には上方へ突出するステー71,73を備えている。双腕レバー72は、中間部を回転自在にステー71の上端部に支持されている。姿勢制御用サーボモータ76は、そのハウジングを双腕レバー72の上端部に回転自在に支持され、出力軸としての正逆転自在のねじ軸77を有している。双腕レバー72は、一方の端部においてハウジング62の下端部に回転自在に結合し、他方の端部においてボールナット78に回転自在に結合する。この防振兼姿勢制御装置60では、寝台部18の重量はステー71,73にかかる。
【0026】ステー19の鉛直方向振動は所定の振動センサにより検出され、そのセンサの出力に基づいてハウジング62からの管体63の突出量は、ステー19の鉛直振動に対して振幅がほぼ同一で位相が逆の変位速度でブラケット67がステー19を連行するように、制御される。その結果、ステー19の鉛直振動が抑制される。
【0027】ステー19の高さを変更する場合は、姿勢制御用サーボモータ76がねじ軸77を回転させる。これにより、ねじ軸77におけるボールナット78の螺合位置が変化し、双腕レバー72が揺動し、防振用リニアアクチュエータ61のハウジング62の下端の高さが調整される。ハウジング62と管体63との軸方向相対位置は、防振用リニアアクチュエータ61への制御電流に変化のないときは、保持されるので、ハウジング62の下端の高さの変化に伴い、ブラケット67の高さも変化し、ステー19はブラケット67により鉛直方向へ連行される。こうして、ステー19は所望の高さへ変更される。
【出願人】 【識別番号】000003377
【氏名又は名称】東急車輛製造株式会社
【出願日】 平成10年12月7日(1998.12.7)
【代理人】 【識別番号】100060726
【弁理士】
【氏名又は名称】石山 博 (外1名)
【公開番号】 特開2000−170826(P2000−170826A)
【公開日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【出願番号】 特願平10−347604