| 【発明の名称】 |
圧縮コイルバネ |
| 【発明者】 |
【氏名】上村 秀明
【氏名】梅津 幸夫
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| 【要約】 |
【課題】倒れ防止のためのコストアップを招くことのない圧縮コイルバネを提供する。
【解決手段】線材を螺旋状に巻いて形成された圧縮コイルバネ10であって、圧縮コイルバネ10の両端部A,Bで、線材の巻き角度の位相が180°ずれている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 線材を螺旋状に巻いて形成された圧縮コイルバネであって、該圧縮コイルバネの両端部で、前記線材の巻き角度の位相が180°ずれていることを特徴とする圧縮コイルバネ。 【請求項2】 前記圧縮コイルバネの両端部が密着巻きにされていることを特徴とする請求項1に記載の圧縮コイルバネ。 【請求項3】 前記両端部の密着巻きの合計巻き数を整数とした場合には、有効部の巻き数を(整数+0.5)巻きとし、前記有効部の巻き数を整数とした場合には、前記密着巻きの合計巻き数を(整数+0.5)巻きとすることを特徴とする請求項2に記載の圧縮コイルバネ。 【請求項4】 前記両端部の密着巻き部の密着高さが、前記圧縮コイルバネの無負荷時の巻き線間隔よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の圧縮コイルバネ。 【請求項5】 前記圧縮コイルバネは、自動組立に使用されることを特徴とする請求項1に記載の圧縮コイルバネ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、自動組立機による製品組立時に、その対象製品に組み付ける圧縮コイルバネに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、さまざまな分野で自動組立機による生産が多々行われており、その対象製品に組付ける圧縮コイルバネも多用されている。この圧縮コイルバネは、その有効巻数により両端部の位相はまちまちである。つまり有効巻数が整数になればバネの巻き始めと巻き終わりが同じ位相(位置)にきているし、整数でなければ(小数点以下も指定されていれば)その小数点以下分だけ位相がずれている。さらに、通常、端部は密着巻きされ、その巻数分も加算して位相はきまる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】一般的には有効巻数が整数の場合が多く、また端部の密着巻き部分も整数の場合が多いので、その場合図2に示すように両端部の巻き線の先端部C,Dの位相がそろっており、この圧縮コイルバネ30をまず組付けるベース31に立てると、図3に示すように巻き線の終端部分Cとは逆側に傾いて立つことになる。この状態では圧縮コイルバネ30の上端部面はそれ以上に傾いている状態となってしまう。 【0004】この状態で、図4に示すように、上部より組付部品41をセットし、押し付けると、図5に示すように、バネ30が、傾いている側に倒れてしまうことが度々発生していた。そのため、組付けるベースや部品側にバネが倒れないような凹部を形成するなどの、倒れ防止策を施さなければならず、その加工費が部品コストを上げていた。またこのような倒れ防止の凹部やボス、リブを設けると、その高さ分だけストロークが短くなり、製品機能上倒れ防止策そのものがとれない場合が多々生じていた。 【0005】また、バネを自動組立機に供給する場合、バネ同士が絡みあい、供給がうまくいかない場合が多く、人手で絡みをとるなどの作業が必要となり、自動機の稼働率を低下させていた。 【0006】従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、上記のような倒れ防止のためのコストアップを招くことのない圧縮コイルバネを提供することである。 【0007】また、本発明の他の目的は、倒れ防止策がとれないような場合でも、バネが倒れることなく確実に組付けることができる圧縮コイルバネを提供することである。 【0008】また、本発明の更に他の目的は、バネそのものの供給時に、お互いに絡み合わないような圧縮コイルバネを提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる圧縮コイルバネは、線材を螺旋状に巻いて形成された圧縮コイルバネであって、該圧縮コイルバネの両端部で、前記線材の巻き角度の位相が180°ずれていることを特徴としている。 【0010】また、この発明に係わる圧縮コイルバネにおいて、前記圧縮コイルバネの両端部が密着巻きにされていることを特徴としている。 【0011】また、この発明に係わる圧縮コイルバネにおいて、前記両端部の密着巻きの合計巻き数を整数とした場合には、有効部の巻き数を(整数+0.5)巻きとし、前記有効部の巻き数を整数とした場合には、前記密着巻きの合計巻き数を(整数+0.5)巻きとすることを特徴としている。 【0012】また、この発明に係わる圧縮コイルバネにおいて、前記両端部の密着巻き部の密着高さが、前記圧縮コイルバネの無負荷時の巻き線間隔よりも大きいことを特徴としている。 【0013】また、この発明に係わる圧縮コイルバネにおいて、前記圧縮コイルバネは、自動組立に使用されることを特徴としている。 【0014】 【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な一実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。 【0015】図1は、本発明の圧縮コイルバネの一実施形態の構成を示す図である。 【0016】図1において、バネ用線材を螺旋状に巻いた圧縮コイルバネ10は、その巻き始め側端部Aから巻き終わり側端部Bまでを、有効巻数と両端の端部密着巻数合わせてN+0.5巻き(Nは整数)として製作する。両端の密着巻き部分の合計の巻き数が整数であれば、有効巻数を(整数+0.5)巻きとし、端部密着部分の合計巻き数が(整数+0.5)巻きであれば、有効巻数を整数とする。こうすることにより、巻き終わり側端部Bは巻き始め側端部Aと位相が180°ずれることになる。 【0017】図2は従来の圧縮コイルバネの構成図である。この例の場合、有効巻数と両端の端部密着巻数合わせて整数となっており、巻き始め側端部Cと巻き終わり側端部Dは同じ位相である。 【0018】また、図1において、端部密着部の高さGは巻き線間の幅Hよりも小さくする。 【0019】図3は、従来の圧縮コイルバネ30を組付けベース31にセットした状態の説明図である。組付けベース31が水平な場合、圧縮コイルバネ30の下端側が組付けベース31にならうため、圧縮コイルバネ30は下側の巻き線端部Cと反対側に傾き、それにより上端側は水平面に対して大幅に傾いた状態となってセットされてしまう。 【0020】図4は従来の圧縮コイルバネを組付けベース31にセットした後、上部より組付け部品41をセットした場合の説明図である。図4のように圧縮コイルバネ30が傾いた状態で上部より組付け部品41をセットすると、圧縮コイルバネ30に対して斜め上からの力をかけることになる。人手によりこのような状態で組み付け部品41をセットする場合には、バネの状態を見ながら組み付け方向及び組み付け力、組み付けスピードを適宜調整しながら行ったり、バネを回して位相を変えたりして工夫するため、バネが倒れてしまうことはほとんどない。しかし自動機による組立の場合、人手の場合のような状況判断は行わず、あらかじめ決められた動作での組み付けになるため、図4のようなバネの傾き方向にかかわらず組み付け部品41を単純に下へ押しつけてしまう。またバネの位相をあらかじめ判別して組み付けベースへセットするのは、判別そのものが非常に困難であり、判別のための装置を追加したとしても多大な装置費用がかかりコストアップとなってしまう。 【0021】図5は図4の状態で組付け部品41を下へ押し付け、組付けた状態の説明図である。このように圧縮コイルバネ30が傾いており、その状態で上部より押し付けられると、圧縮コイルバネ30は横方向に大きくたわみ、ついには倒れてしまうのである。 【0022】図6は本発明の一実施形態の圧縮コイルバネ10を組付けベース31にセットした状態の説明図である。 【0023】圧縮コイルバネ10の下端側が組付けベース31にならうため、圧縮コイルバネは下側の巻き線端部Aと反対側に傾くが、上端側の巻き線端部Bは位相が180°ずれているため、上端部は水平に近い状態のままである。 【0024】図7は本発明の一実施形態の圧縮コイルバネ10を組付けベース31にセットした後、上部より組付け部品41をセットした場合の説明図である。圧縮コルバネ10自体は傾いた状態であるが上端部は水平なため、上部より組付け部品41をセットしても、圧縮コイルバネ10には真上からの力がかかることになる。 【0025】図8は図7の状態で組付け部品41を下へ押し付け、組付けた状態の説明図である。このように上端部、下端部とも水平なため、上部より押し付けられても、圧縮コイルバネ10は正常な状態で本来のバネとしての機能を発揮できるのである。 【0026】図9は一実施形態の圧縮コイルバネ10の巻き線間幅Hと先端の密着巻き部高さGの関係を示す図である。図9の上側の図は巻き線間の任意の場所を示しており、その幅(=線中心間距離)をHとする。図9の下側の図は先端の密着巻き部を示しており、その高さ(=密着部の線中心間距離)をGとする。このHとGの関係がH≦Gとなるようにバネを製作する。そうすると自動機へバネを供給する場合のパーツフィーダー等の供給機の中で、バネ同士が重なり合い、バネ側面同士で力がかかって押し合っているような状態でも同じ種類、同じ長さのバネだけの場合、バネの端部はバネ途中部分の巻き線間に入り込むことはなく、絡み合ってパーツフィーダーやその他自動機で分離不可能な状態に陥るのを防止することができる。 【0027】なお、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態を修正または変形したものに適用可能である。 【0028】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、バネのコストアップもなく、自動機によるバネ組付け時のバネ倒れ不良を大幅に削減できる。 【0029】また従来組付け部品側で組付け面を加工したり、倒れ防止対策が必要であったが、その必要がなくなり、それらの加工費用も削減できる。 【0030】さらにバネ自動供給時のバネ同士の絡み合いがなくなるため、自動機の稼動率を大幅に向上できる。 【0031】組付け部品側に倒れ防止機能がないような人手組み立て時にも従来のような組み付け方向や組み付け力の微妙な調整がいらなくなるため、組付けスピードの向上が図れ、それにより組付け工数が減り、組付け後の倒れ確認、手直し工数も大幅に削減でき、組立コストを削減することができる。 【0032】
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001007 【氏名又は名称】キヤノン株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年12月9日(1998.12.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100076428 【弁理士】 【氏名又は名称】大塚 康徳 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−170809(P2000−170809A) |
| 【公開日】 |
平成12年6月23日(2000.6.23) |
| 【出願番号】 |
特願平10−350553 |
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