| 【発明の名称】 |
油圧緩衝器 |
| 【発明者】 |
【氏名】城 忠
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| 【要約】 |
【課題】車両の走行中には自動的に車高調整をする一方で、停車時の車高を任意にして積極的に低くし得るようにする。
【解決手段】緩衝器本体を伸側方向に附勢する懸架ばね3の一端を支承する油圧シリンダ機構4における油圧を外部入力で作動してリザーバRに解放する解放弁5をシリンダ1に装備してなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダに対してピストンロッドを出没可能に挿通させてなる緩衝器本体を伸長方向に附勢する懸架ばねが油圧シリンダ機構の配在下に緩衝器本体に介装されてなる一方で、油圧シリンダ機構が緩衝器本体におけるポンピング作動に起因する油圧の給排で伸縮作動して懸架ばねの一端を係止するピストンロッドをシリンダに対して出没させるように設定されてなる油圧緩衝器において、外部入力で作動して油圧シリンダ機構における油圧をリザーバに解放する解放弁をシリンダに装備してなることを特徴とする油圧緩衝器 |
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、油圧緩衝器に関し、特に、車高調整機能を具有する油圧緩衝器の改良に関する。 【0002】 【従来技術とその問題点】車両に搭載の油圧緩衝器は、基本的には、路面振動を吸収して車両における乗り心地を改善するように機能するものであるが、近年では、この種の油圧緩衝器に車高調整機能をも具有させるとする提案があり、これまでに種々の提案がなされている。 【0003】その中で、セルフポンピング型と称される油圧緩衝器があるが、このセルフポンピング型の油圧緩衝器は、原理的には、路面振動で伸縮する際に、リザーバからの油をシリンダ内に吸い込んでシリンダ圧を上昇させ、これによって車高を上昇させるとしている。 【0004】そして、車高が設定の高さに到達すると、以降は、それ以上に上昇するシリンダ圧をリザーバに解放してシリンダ圧のそれ以上の上昇を抑制して、すなわち、車高のそれ以上の上昇を抑制して、車高を所定の設定の高さに維持するように構成されている。 【0005】それゆえ、このセルフポンピング型の油圧緩衝器によれば、その伸縮によって言わば自動的に車高調整されることになり、したがって、車高調整機能を具有させるために、油圧緩衝器に車高センサや油圧源さらには制御弁などを有してなる車高調整装置の接続を要しない利点がある。 【0006】しかしながら、このセルフポンピング型の油圧緩衝器を車両に搭載して車高調整を可能にする場合にも、場合によっては、車高を積極的に低くする必要を生じることがある。 【0007】たとえば、走行中に車高調整されて最適な車高になっている自動二輪車が信号停止などで一時停止した際には、自動二輪車のライダの多くが地面に足を着けて自動二輪車および自分が倒れることを阻止するが、ライダの体格によっては地面に足の爪先を着けることすら容易でないことがある。 【0008】また、走行中に車高調整されて最適な車高になっているバスでは、停車時にあっても乗降用のステップ位置が言わば高くなり過ぎているために、老人や子供などの体力的に不利な者の乗降が容易でないことがある。 【0009】そして、積荷を下したために、言わば高い車高状態になったトラックの荷台などに荷物を積み込む場合には、車高を低くした方が便利になることもある。 【0010】この発明は、上記した事情を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、車両の走行中に自動的に車高調整をする一方で、停車時に車高を積極的に低くし得るようにして、その汎用性の向上を期待するのに最適となるセルフポンピング型の油圧緩衝器を提供することである。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記した目的を達成するために、この発明による油圧緩衝器の構成を、基本的には、シリンダに対してピストンロッドを出没可能に挿通させてなる緩衝器本体を伸長方向に附勢する懸架ばねが油圧シリンダ機構の配在下に緩衝器本体に介装されてなる一方で、油圧シリンダ機構が緩衝器本体におけるポンピング作動に起因する油圧の給排で伸縮作動して懸架ばねの一端を係止するピストンロッドをシリンダに対して出没させるように設定されてなる油圧緩衝器において、外部入力で作動して油圧シリンダ機構における油圧をリザーバに解放する解放弁をシリンダに装備してなるとするものである。 【0012】そして、上記した基本的な構成において、より具体的には、緩衝器本体がリザーバをシリンダ内に有する単筒型に設定されてなる一方で、緩衝器本体を構成するシリンダが車両における車体側に連結される車体側部材に設定されると共に、緩衝器本体を構成するピストンロッドが車両における車軸側に連結される車軸側部材に設定されてなり、かつ、解放弁が車体側部材とされるシリンダの上端部たるボトム端部に収装されてなるとする。 【0013】また、油圧シリンダ機構は、緩衝器本体を構成するシリンダの上端部たるボトム端部の外周に基端が保持される環状シリンダ体と、この環状シリンダ体とシリンダの外周との間に形成される環状隙間内に摺動可能に収装される環状ピストン体とを有してなり、上記の環状隙間内に環状ピストン体が収装されることで形成される環状の油室たる圧力室に対する油圧の給排で伸縮するように構成されてなるとする。 【0014】 【発明の実施の形態】以下に、図示した実施の形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるセルフポンピング型の油圧緩衝器は、図1に示すように、シリンダ1に対してピストンロッド2を出没可能に挿通させてなる緩衝器本体(符示せず)を伸長方向に附勢する懸架ばね3が油圧シリンダ機構4の配在下に緩衝器本体に介装されてなる一方で、油圧シリンダ機構4が緩衝器本体におけるポンピング作動に起因する油圧の給排で伸縮作動して懸架ばね3の一端を係止するピストンロッド2をシリンダ1に対して出没させるように設定されている。 【0015】そして、この油圧緩衝器にあっては、緩衝器本体がリザーバRをシリンダ1内に有する単筒型に設定されてなる一方で、倒立型に設定されていて、緩衝器本体を構成するシリンダ1が車両における車体(図示せず)側に連結される車体側部材とされるのに対して、緩衝器本体を構成するピストンロッド2が車両における車軸(図示せず)側に連結される車軸側部材とされている。 【0016】少し説明すると、まず、緩衝器本体を構成するシリンダ1は、いわゆるボトム端を上端にする有頭円筒状に形成されてなるもので、図中で下端となる開口端がベアリング11で閉塞されてなるとし、このベアリング11の軸芯部にシール11aを有してピストンロッド2を液密構造下に貫通させている。 【0017】そして、このシリンダ1は、図示する実施の形態では、上端寄りの内周に段差部1aを有していて、この段差部1aに下方からベースバルブケース12を係止させるとしている。 【0018】このベースバルブケース12の外周側の下端には、シリンダ1内に収装の内筒13の上端を係止させるとし、また、この内筒13の下端をストッパ14の配在下に前記したベアリング11に当接させるとしている。 【0019】なお、ストッパ14は、その軸芯部にピストンロッド2を貫通させながら内筒13の下端を閉塞するもので、ピストンロッド2のストローク量を規制するものとして機能する。 【0020】それゆえ、このストッパ14は、ピストンロッド2のストローク量を大きくする観点からして、その配設が省略されるとしても良いことはもちろんである。 【0021】上記のベースバルブケース12は、シリンダ1の上端側の内周に前述したリザーバRを区画する一方で、上記した内筒13の内周側のリザーバRへの連通を許容しながら所定の減衰力を発生する圧側減衰バルブ12aと、この圧側減衰バルブ12aに並列しながらリザーバRの内筒13の内周側への連通のみを許容する圧側チェック弁12bとを有している。 【0022】上記の内筒13は、その内周に後述するピストン21の外周を摺動可能に摺接させるとして、実質的な意味でのシリンダを構成するもので、この内筒13の配在によって、部材数が増える不利があるが、シリンダ1において、その内周をシリンダ向けに加工しなくて済む利点がある。 【0023】また、図示する実施の形態では、シリンダ1の上端に車両の車体側への連結を可能にするアイ15が連設されている。 【0024】つぎに、緩衝器本体を構成するピストンロッド2は、上記のシリンダ1内に、すなわち、内筒13内に臨在される基端たる上端に上記のピストン21を有してなると共に、シリンダ1おける開口端から外部に突出する先端たる下端にばね受22を有してなる。 【0025】そして、このばね受22には、ピストンロッド2の下端を車両の車軸側に連結することを可能にするアイ22aが連設されている。 【0026】上記のピストン21は、前記したように、内筒13内に摺動可能に収装されてなるもので、このとき、この内筒13内に伸側油室となるロッド側油室R1と、圧側油室となるピストン側油室R2とを区画するとしている。 【0027】そして、このピストン21は、ロッド側油室R1のピストン側油室R2への連通を許容しながら所定の減衰力を発生する伸側減衰バルブ21aと、この伸側減衰バルブ21aに並列しながらピストン側油室R2のロッド側油室R1への連通のみを許容する伸側チェック弁21bとを有している。 【0028】ちなみに、この伸側チェック弁21bは、図示するところでは、いわゆる背圧を具有するように設定されていて、圧側の減衰バルブとしても機能するように設定されているが、これに代えて、図示しないが、たとえば、この油圧緩衝器の用途に応じて、前記した圧側チェック弁12bと同様に、いわゆる逆流を阻止する単なるチェック弁に設定されてなるとしても良いことはもちろんである。 【0029】さらに、懸架ばね3は、前記したように、一端たる下端がピストンロッド2の先端に連設のばね受22に係止される一方で、他端たる上端が後述する油圧シリンダ機構4に係止されてなるとするもので、ピストンロッド2をシリンダ1内から突出させる傾向に、すなわち、緩衝器本体を伸長する方向に附勢している。 【0030】それゆえ、上記のように構成された緩衝器本体にあっては、懸架ばね3を伸縮させるようにしてピストンロッド2がシリンダ1に対して出没されるときに、伸側減衰バルブ21aおよび圧側減衰バルブ12a、さらに、図示する実施の形態では、圧側減衰バルブとして機能する伸側チェック弁21bによって、それぞれ所定の大きさになる伸側および圧側の各減衰力が発生されることになる。 【0031】そして、この緩衝器本体にあっては、リザーバRをシリンダ1の上端側の内部に有する態様に形成されていて、いわゆるリザーバをシリンダの外周に有する構成とされないから、この緩衝器本体における径方向の寸法を小さく抑えることが可能になる。 【0032】したがって、この発明による油圧緩衝器にあっては、後述する油圧シリンダ機構4が緩衝器本体の外周に介装されるとしても、油圧緩衝器における径方向の寸法をいたずらに大きくしないようにすることが可能になる。 【0033】また、この発明では、緩衝器本体がいわゆる倒立型に設定されているから、油圧シリンダ機構4がシリンダ1たる車体側部材に介装されることになり、したがって、油圧シリンダ機構4がピストンロッド2たる車軸側部材に介装される場合に比較して、車載状態で泥を被る機会が減り、油圧シリンダ機構4における作動性や耐久性を保障する上で有利となる。 【0034】ところで、油圧シリンダ機構4は、この発明による油圧緩衝器がセルフポンピング型に設定されてなることを具現化するものであって、前記したように、緩衝器本体におけるポンピング作動に起因する油圧の給排で伸縮作動するように設定されている。 【0035】すなわち、この油圧シリンダ機構4は、図示する実施の形態では、緩衝器本体を構成するシリンダ1の図中で上端部となるボトム端部の外周に基端が固定状態に保持される環状シリンダ体41と、この環状シリンダ体41と上記のシリンダ1の外周との間に形成される環状隙間(符示せず)内に摺動可能に収装される環状ピストン体42とを有してなり、上記の環状隙間内に環状ピストン体42が収装されることで形成される環状の油室たる圧力室R3に対する油圧の給排で伸縮するように構成されている。 【0036】そして、上記の環状ピストン体42が前記した懸架ばね3の上端を係止するばね受を兼ねるとしており、したがって、この油圧シリンダ機構4にあっては、圧力室R3に油圧が作用していないときには、懸架ばね3の附勢力で環状ピストン体42が環状シリンダ体41内に押込まれて収縮状態になる。 【0037】また、この油圧シリンダ機構4にあっては、圧力室R3に所定の油圧が供給されるときに、環状ピストン体42が懸架ばね3の附勢力に抗して環状シリンダ体41内から突出するようになって伸長状態になる。 【0038】ちなみに、この油圧シリンダ機構4にあっては、図示する実施の形態では、環状ピストン体42が環状シリンダ体41内から大きいストロークで突出して最伸長状態になると、上記の圧力室R3がシリンダ1に開穿の圧力解放ポート1bを介してリザーバRに連通するように設定されてなるとしており、いわゆるリリーフ機能を発揮し得る構成に設定されている。 【0039】なお、上記のように圧力解放ポート1bを設けることでリリーフ機能を発揮させるとする場合には、油圧シリンダ機構4にいわゆるリリーフバルブ構成を設ける場合に比較して、構成が簡単になる点で有利となる。 【0040】一方、上記の油圧シリンダ機構4における圧力室R3への油圧の給排は、前記したように、緩衝器本体におけるポンピング作動で具現化されるとしているが、このポンピング作動を具現化する構成は、以下のようになる。 【0041】すなわち、まず、緩衝器本体は、シリンダ1内の軸芯部に垂設されるポンプロッド31と、このポンプロッド31の下端側を出没可能に挿入させるポンプハウジング(符示せず)とを有してなり、このポンプハウジング内にポンプロッド31の下端で区画されるポンプ室Pを形成するとしている。 【0042】このとき、ポンプロッド31は、上端をシリンダ1の上端部の下面側に連設させた状態で下端を下方に、すなわち、シリンダ1の開口端側に垂下させるように配設されてなるとしている。 【0043】そして、このポンプロッド31は、軸芯部に通路31aを有してなるとしており、この通路31aをシリンダ1の上端部に開穿されて前記した油圧シリンダ機構4における圧力室Rに連通する分岐通路1cに連通させるとしている。 【0044】一方、ポンプハウジングは、図示する実施の形態では、ピストンロッド2で代替えされてなるとするもので、このピストンロッド2の上端側の軸芯部に開穿されて上記したポンプロッド31の下端側の挿入を許容する穴部2aを有してなるとし、この穴部2a内にポンプロッド31の下端で上記のポンプ室Pが区画されるとしている。 【0045】そして、このポンプ室Pには、前記したポンプロッド31の軸芯部に開穿の通路31aの下端が開口しており、したがって、ポンプ室Pからの油は、この通路31aと上記の分岐通路1cを介して油圧シリンダ機構4における圧力室R3に流入し得ることになる。 【0046】なお、上記の通路31aには、圧力室R3からの油がポンプ室Pへ逆流することを阻止するチェック弁31bが配在されている。 【0047】つぎに、ポンプ室Pには、ピストンロッド2に開穿されてロッド側油室R1からの油の流入を許容する通路32が連通されており、この通路32には、ポンプ室Pからの油がロッド側油室R1へ逆流することを阻止するチェック弁32aが配在されている。 【0048】それゆえ、上記の構成からすれば、ピストンロッド2がシリンダ1に対して出没されることになると、以下のようにして、圧力室R3への油圧の供給が実現されることになる。 【0049】すなわち、ピストンロッド2が伸側作動するときには、ロッド側油室R1からの油が通路32を介して拡大されるポンプ室Pに流入し、この状態から、ピストンロッド2が反転して圧側作動すると、収縮されるポンプ室Pからの油が通路31aと分岐通路1cを介して圧力室R3に流入することになる。 【0050】その結果、油圧シリンダ機構4においては、圧力室R3に油圧が立ち、したがって、環状ピストン体42が環状シリンダ体41内から突出する傾向になり、この油圧シリンダ機構4が伸長作動することになる。 【0051】そして、油圧シリンダ機構4が伸長作動すると、懸架ばね3の上端が押し下げられるようになり、したがって、この懸架ばね3の附勢力に起因してピストンロッド2がシリンダ1内から突出する傾向になり、このとき、緩衝器本体におけるいわゆるロッド反力が上昇することになる。 【0052】また、環状ピストン体42が環状シリンダ体41内から大きいストロークで突出して油圧シリンダ機構4が最伸長状態になると、上記の圧力室R3がシリンダ1に開穿の圧力解放ポート1bを介してリザーバRに連通することになり、したがって、油圧シリンダ機構4におけるそれ以上の伸長が阻止されて、上記したロッド反力のそれ以上の上昇が抑制されることになる。 【0053】以上のように、この発明による油圧緩衝器にあっては、緩衝器本体におけるポンピング作動に起因して油圧シリンダ機構4が伸長することで、緩衝器本体におけるロッド反力が上昇されて、緩衝器本体が伸長することになる。 【0054】それゆえ、緩衝器本体のポンピング作動に起因して緩衝器本体におけるシリンダ反力を、すなわち、シリンダ圧を上昇させることで直接緩衝器本体を伸長させるように構成する場合に比較して、シリンダ1内のいたずらな高圧化を阻止し得ることになり、たとえば、シールの耐久性を保障し易くなる上で有利となる。 【0055】ところで、上記のようにして緩衝器本体が伸長した状態にあるときに、これを収縮させるには、以下の構成によるとしている。 【0056】すなわち、この発明にあっては、外部入力で作動して油圧シリンダ機構4における圧力室R3の油圧をリザーバRに解放する解放弁5をシリンダ1に装備してなるとするもので、図示する実施の形態では、解放弁5がシリンダ1の上端部たるボトム端部に収装されてなるとしている。 【0057】それゆえ、図示する実施の形態にあっては、解放弁5が倒立型に設定された緩衝器本体における車体側部材としてのシリンダ1のボトム端部たる上端部に配在されるから、前記した油圧シリンダ機構4と同様に、車載状態で泥を被る機会が減り、解放弁5における作動性や耐久性を保障する上で有利となる。 【0058】一方、この解放弁5は、ポンプロッド31の軸芯部に開穿の通路31aに連通するようにボトム端部に開穿された連通路1dと、リザーバRに連通するように同じくボトム端部に開穿された連通路1eとからなる流路を開閉し得るように設定されてなるとしている。 【0059】ちなみに、上記の通路31aを油圧シリンダ機構4における圧力室R3に連通させる分岐通路1cは、図示する実施の形態では、上記の連通路1dから分岐するとしている。 【0060】ところで、この解放弁5は、上記の連通路1d,1eからなる流路を開閉するポペット型の弁体51を有してなるとしており、この弁体51は、外部入力がないときには、上記の流路を遮断する状態に維持され、外部入力があるときには、すなわち、弁体51の図中で右端となる背面に一体に連設の軸部51aへの引き操作があるときには、後退して上記の流路を開放するように設定されている。 【0061】ちなみに、上記の軸部51aの図中で右端側となる基端側は、シリンダ1のボトム端部に螺入された栓体52の軸芯部を摺動可能に貫通する状態に保持されていて、基端が栓体52の図1中で右端となる後端からシリンダ1の外部に突出するとしており、この基端に操作部53が連結されてなるとしている。 【0062】そして、栓体52の図1中で左端となる先端と弁体51との間に上記の軸部51aにおける先端側の外周に介装された状態で附勢ばね54が配在されていて、この附勢ばね54の附勢力で弁体51が前進状態に維持されて、この弁体51による上記の流路の遮断状態を実現し維持するとしている。 【0063】なお、操作部53は、軸部51aへの引き操作を可能にする限りには自由な構成に設定されて良いが、多くの場合に、ワイヤで構成されて、図示しないが、たとえば、自動二輪車にあっては、このワイヤがハンドルに装備された操作レバーに連結され、また、四輪車にあっては運転席周りに装備された操作レバーに連結されるであろう。 【0064】それゆえ、以上のように構成された解放弁5にあっては、外部入力たる操作部53への引き操作があると、弁体51が附勢ばね54の附勢力に抗して後退することになり、このとき、上記の流路が開放されて、油圧シリンダ機構4における圧力室R3の油圧がリザーバRに解放されることになる。 【0065】その結果、油圧シリンダ機構4が収縮して、懸架ばね3の上端が上昇されることになり、それまで上昇していた緩衝器本体におけるロッド反力が低下されることになって、緩衝器本体が収縮することになる。 【0066】なお、外部入力たる操作部53への引き操作が解除されると、弁体51が附勢ばね54の附勢力で前進して上記の流路を遮断するのはもちろんのこと、この流路の遮断状態のときに、緩衝器本体が伸縮されることで、油圧シリンダ機構4が再度伸長作動を開始することになる。 【0067】図2に示す解放弁5は、外部入力が流体圧とされる場合を示すものであるが、図示する実施の形態では、弁体51が先端に入力軸51bを一体に有してなると共に、この入力軸51bにはピストン55が隣接されてなるとしている。 【0068】そして、このピストン55の図中で左端となる背面に図中に破線で示す外部からの流体圧の供給があるときに、このピストン55が図中で右行するように前進することになり、このとき、弁体51が附勢ばね54の附勢力に抗するようにして後退し、前記した流路を開放するとしたものである。 【0069】なお、図示する実施の形態にあって、弁体51の背後側の軸部51aは、これが寸断されていて、その端部がメクラ栓状に形成された栓体52の軸芯部に摺動可能に保持されてなるとしている。 【0070】また、外部からの流体圧は、ピストン55の抜け出しを阻止するようにシリンダ1のボトム端部に螺着されるプラグ56の軸芯部を通過してピストン55の背面に及ぶように構成されている。 【0071】この外部入力として流体圧を利用する解放弁5にあっては、図示しないが、たとえば、四輪車がパワーステアリング装置を有する場合には、このパワーステアリング装置からの油圧を利用するとしても良く、また、四輪車が排気ブレーキ装置を有する場合には、この排気ブレーキ装置からの排気圧を利用するとし、さらに、四輪車がコンプレッサを有する場合には、このコンプレッサからのエアー圧を利用するとしても良い。 【0072】図3および図4に示す油圧緩衝器は、前記した図1に示す油圧緩衝器に比較して、解放弁5部分を除き、緩衝器本体に対して設計変更が施されてなるとするものであるが、以下には、これらについて少し説明する。 【0073】まず、図3に示す油圧緩衝器は、シリンダ1内へのベースバルブケース12および内筒13の配設を省略するとするものであり、この実施の形態による場合には、シリンダ1をその上端側の内周に段差部1aを有しない有頭円筒状に形成すれば良く、加工工数が減るのはもちろんのこと、ベースバルブケース12および内筒13を有しない分、重量の軽減が可能になり、また、バルブ数も減る点でコスト的にも有利となる。 【0074】なお、この実施の形態による場合には、圧側の減衰力は、ピストン21に配設の圧側減衰バルブ21cによって発生されるとしている。 【0075】つぎに、図4に示す油圧緩衝器は、緩衝器本体が伸縮してポンピング作動することで、油圧シリンダ機構4によるロッド反力の上昇を実行する場合に、すなわち、車高を高車高状態に調整する場合に、図1に示す実施の形態の場合に比較して、言わば高くなり過ぎる車高調整をしないようにしたものである。 【0076】すなわち、まず、ポンプロッド31の下端側には、通路31aに並列するように連通孔31cが開穿されてなるとし、この連通孔31cは、下端がポンプ室Pに開口するに対して、上端がポンプロッド31の軸部でピストン側油室R2に開口するとしている。 【0077】そして、この連通孔31cの上端は、ポンプロッド31の下端側のポンプハウジング内、すなわち、ピストンロッド2の上端側に形成の穴部2aへの没入状況に応じて、開閉されることになるように設定されている。 【0078】すなわち、ポンプロッド31の下端側が穴部2aに浅く没入するときには、連通孔31cの上端がピストン側油室R2に開口するが、ポンプロッド31の下端側が穴部2aに深く没入するときには、連通孔31cの上端が穴部2aの内周で閉塞されるように設定されている。 【0079】つぎに、ポンプロッド31に開穿の通路31aには、いわゆる枝分かれ状態に分岐通路31dが接続されていて、この分岐通路31dがポンプロッド31の軸部でピストン側油室R2に開口するとしている。 【0080】そして、この分岐通路31dは、通路31aに配在のチェック弁31bの上流側で通路31aに接続されるとしており、かつ、上記した連通孔31cの開口位置より下方でピストン側油室R2に開口するとしている。 【0081】それゆえ、この実施の形態による場合には、油圧シリンダ機構4が伸長作動することで緩衝器本体が伸長状態になると、すなわち、ピストンロッド2がシリンダ1内から突出することになると、ポンプロッド31の下端側が穴部2aから抜け出る状態になる。 【0082】その結果、連通孔31cの上端がピストン側油室R2に開口することになり、したがって、ポンプ室Pからの油が油圧シリンダ機構4における圧力室R3には流出されずしてピストン側油室R2に流出されることになり、油圧シリンダ機構4の伸長が停止されることになる。 【0083】そして、このとき、通路31aには圧力室R3側からの油の流出を阻止するチェック弁31bが配在されているから、油圧シリンダ機構4における伸長状態が維持されることになる。 【0084】一方、ポンプロッド31が上記した以上に、すなわち、油圧シリンダ機構4における伸長状態を維持するとき以上にピストンロッド2の穴部2aから突出する状況になると、上記の分岐通路31dがピストン側油室R2に開口することになり、圧力室R3からの油がピストン側油室R2に流出して油圧シリンダ機構4が収縮することになる。 【0085】その結果、油圧シリンダ機構4が伸長状態にあって車高が高くなっているときに、たとえば、車両において、積荷の降しや乗員数の減少によって車高がさらに高くなるときには、上記したところから、車高が低くなり、積荷の揚げ動作や乗員の搭乗動作を容易にし得ることになる。 【0086】のみならず、この実施の形態による場合には、走行中の車高が言わば適正に維持されることになり、したがって、車両における乗り心地の改善を優先させたい場合の利用に向くことになる。 【0087】ちなみに、前記した図3および図4に示すいずれの実施の形態にあっても、説明しない構成については、前記した図1に示す油圧緩衝器における構成と同様であり、したがって、その作用するところなどの諸機能については異なるものではない。 【0088】それゆえ、この図3および図4に示す各油圧緩衝器において、その伸縮時に所定の減衰作用が発現され、また、所定のポンピング作動による油圧シリンダ機構4の伸長および油圧シリンダ機構4の収縮が実現されるのはもちろんである。 【0089】 【発明の効果】以上のように、この発明にあっては、油圧緩衝器がその伸縮で所定の車高調整を自動的に実現するのはもちろんのこと、外部入力に起因する解放弁の作動で収縮して車高の低下調整を可能にするから、言わば高過ぎる車高を低下させて、乗車姿勢や乗降動作、さらには、積荷の積み降し動作を容易に、かつ、任意に実現できることになる。 【0090】また、この発明にあって、緩衝器本体がリザーバをシリンダ内に有する単筒型に設定されてなるとする場合には、緩衝器本体における径方向の寸法を小さく抑えることが可能になり、それゆえ、懸架ばねの一端を昇降させる油圧シリンダ機構が緩衝器本体の外周に介装されるとしても、油圧緩衝器における径方向の寸法をいたずらに大きくしないことになる。 【0091】そして、この発明にあって、緩衝器本体がいわゆる倒立型に設定されていて、解放弁が車体側部材とされるシリンダの上端部たるボトム端部に収装されてなるとする場合には、解放弁が車載状態で泥を被る機会が減り、解放弁の作動性や耐久性を保障することが容易になる。 【0092】さらに、この発明にあって、油圧シリンダ機構が解放弁と同様にシリンダの上端部たるボトム端部に収装されてなるとする場合には、油圧シリンダ機構が車載状態で泥を被る機会が減り、油圧シリンダ機構の作動性や耐久性を保障することを容易にする。 【0093】その結果、この発明によれば、車両の走行中に自動的に車高調整をし得るのはもちろんのこと、停車時の車高を任意にして積極的に低下し得ることになり、その汎用性の向上を期待するのに最適となる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000929 【氏名又は名称】カヤバ工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成10年10月9日(1998.10.9) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100067367 【弁理士】 【氏名又は名称】天野 泉
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| 【公開番号】 |
特開2000−120756(P2000−120756A) |
| 【公開日】 |
平成12年4月25日(2000.4.25) |
| 【出願番号】 |
特願平10−287159 |
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