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【発明の名称】 ねじれ振動を減衰させる方法およびねじれ振動減衰装置
【発明者】 【氏名】ウルリッヒ・ロース

【氏名】ハンス・ロース

【氏名】デイートマール・ハイデイングスフエルト

【要約】 【課題】ねじれ振動を減衰させる方法およびねじれ振動減衰装置にあって、減衰特性を広い帯域で合わせることができるようにする。

【解決手段】回転運動する二つの部材群の間の相対角度に応じて位置を変える弾性的な部材にあって、長さの変化率が相対角度に応じて変化する。その外、両方の部材群を結合する一つのカップリング部材の一つの往復動プランジャーは相対角度に応じて両方の部材群の第一のものに対して位置を変える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 弾性部材(31)が回転運動する両方の部材群(1,2)の間の相対角度に応じてその長さを変えることにより、互いに回転運動する二つの部材群(1,2)がほぼ接線方向に作用する少なくとも一つの弾性部材(31)を介して相互作用しているねじれ振動を減衰させる方法において、長さの変化度が相対角度に応じて変化することを特徴とする方法。
【請求項2】 長さの変化度は、休止位置から出た相対角度が小さい時に、小さい、好ましくはほぼ零に等しいことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】 長さの変化度は、相対角度が増加すると共に大きくなることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】 弾性部材(31)が回転運動する両方の部材群(1,2)の間の相対角度に応じて圧縮することにより、互いに回転運動する二つの部材群(1,2)が少なくとも一つの弾性部材(31)を介して相互作用しているねじれ振動を減衰させる方法において、圧縮度は相対角度により変化することを特徴とする方法。
【請求項5】 圧縮度は、休止位置から出た相対角度が小さい時に、小さい、好ましくはほぼ零に等しいことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】 圧縮度は、相対角度が増加すると共に大きくなることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】 回転運動する両方の部材群(1,2)の相対運動を妨げる少なくとも一つのカップリング部材(3)により互いに回転運動する二つの部材群(1,2)が互いに結合しているねじれ振動を減衰させる方法において、カップリング部材(3)の少なくとも一つの往復動プランジャー(30)が両方の部材群(1,2)の間の相対角度に応じて両方の部材群(1,2)の第一のものに対して移動し、復帰力で第一部材群(1)に作用することを特徴とする方法。
【請求項8】 往復動プランジャー(30)は一定の相対角度範囲内で相対角度に応じて第二部材群(2)に対して傾くことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】 傾きは休止位置と変位位置の間で行われることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】 往復動プランジャー(30)は少なくとも一定の相対角度範囲内で相対角度に応じて第一部材群(1)に沿って変位することを特徴とする請求項7〜9の何れか1項に記載の方法。
【請求項11】 変位運動は第一部材群(1)の平坦な表面(11)に沿って行われることを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】 回転運動する両方の部材群(1,2)の相対運動を妨げる少なくとも一つのカップリング部材(3)により互いに回転運動する二つの部材群(1,2)が互いに結合しているねじれ振動減衰装置において、カップリング部材(3)が少なくとも一つの往復動プランジャー(30)を有し、この往復動プランジャーが復帰力で第一部材群(1,2)に作用する間、両方の部材群(1,2)の間の相対角度に応じて第一部材群(1,2)に対して変位するように案内されることを特徴とするねじれ振動減衰装置。
【請求項13】 往復動プランジャー(30)は横案内に関して少なくとも一つの休止位置と一つの変位位置を有し、往復動プランジャー(30)は休止位置で第二部材群(2)のストッパー(20)に接触し、その変位位置を休止位置に対して傾けることを特徴とする請求項12に記載のねじれ振動減衰装置。
【請求項14】 傾斜は第二部材群(2)に関して行われることを特徴とする請求項13に記載のねじれ振動減衰装置。
【請求項15】 カップリング部材(3)には少なくとも二つの往復動プランジャー(30)があり、両方の部材群が一定の相対運動をすると、連動して動き、その場合、一定の相対角度でこれ等の往復動プランジャーが重なることを特徴とする請求項12〜14の何れか1項に記載のねじれ振動減衰装置。
【請求項16】 カップリング部材(3)には少なくとも二つの往復動プランジャー(30)があり、両方の往復動プランジャー(30)にはこれ等の往復動プランジャー(30)の間に配置されたバネ部材(31)用の保持面(40)があり、この保持面はそれぞれ他方の往復動プランジャー(30)の対応する切欠(41)にその都度係合することを特徴とする請求項12〜15の何れか1項に記載のねじれ振動減衰装置。
【請求項17】 カップリング部材(3)には少なくとも二つの往復動プランジャー(30)があり、両方の往復動プランジャー(30)にはこれ等の往復動プランジャー(30)の間に配置されたバネ部材(31)用の外側にある保持面(42)があり、この軸方向に外側にある領域のところに一つの初動傾斜部(43)が設けてあることを特徴とする請求項12〜16の何れか1項に記載のねじれ振動減衰装置。
【請求項18】 初動傾斜部(43)の傍の軸方向に回転運動する部材群の一方(2)に当接する案内面(44)が設けてあることを特徴とする請求項17に記載のねじれ振動減衰装置。
【請求項19】 カップリング部材(3)には少なくとも二つの往復動プランジャー(30)があり、これ等の往復動プランジャーには回転運動する部材群の一方に関して少なくとも一つの受入れ位置と一つの潜り位置があることを特徴とする請求項12〜18の何れか1項に記載のねじれ振動減衰装置。
【請求項20】 往復動プランジャー(30)は潜り位置で他方の往復動プランジャー(30)に対して半径方向に内側に傾斜することを特徴とする請求項19に記載のねじれ振動減衰装置。
【請求項21】 往復動プランジャー(30)は潜り位置で回転運動する両方の部材群(1,2)いより強制的に案内されることを特徴とする請求項19または20に記載のねじれ振動減衰装置。
【請求項22】 両方の往復動プランジャー(30)の第二のものが潜り位置を占めた時に両方の往復動プランジャー(30)の第一のものを受入れ位置に固定する手段が設けてあることを特徴とする請求項12〜21の何れか1項に記載のねじれ振動減衰装置。
【請求項23】 固定手段はバネ部材、好ましくはカップリング部材(3)のバネ部材(31)を有することを特徴とする請求項22に記載のねじれ振動減衰装置。
【請求項24】 少なくとも両方の往復動プランジャー(30)の第一のものが両方の往復動プランジャー(30)の第二のものの中に潜り込み始めると、両方の往復動プランジャー(30)の第二のものの受入れ位置から離れることを防止するストッパー(45)を形成する制限手段が設けてあることを特徴とする請求項12〜23の何れか1項に記載のねじれ振動減衰装置。
【請求項25】 カップリング部材(3)はほぼ等しく互いに対向配置された二つの往復動プランジャー(30)を有することを特徴とする請求項12〜24の何れか1項に記載のねじれ振動減衰装置。
【請求項26】 往復動プランジャー(30)はねじれ振動減衰装置の半径面に関して非対称に形成されていることを特徴とする請求項12〜25の何れか1項に記載のねじれ振動減衰装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、弾性部材が回転運動する両方の部材群の間の相対角度に応じてその長さを変えることにより、互いに回転運動する二つの部材群がほぼ接線方向に作用する少なくとも一つの弾性部材を介して相互作用しているねじれ振動を減衰させる方法に関する。他方、この発明は、弾性部材が回転運動する両方の部材群の間の相対角度に応じて圧縮することにより、互いに回転運動する二つの部材群が少なくとも一つの弾性部材を介して相互作用しているねじれ振動を減衰させる方法に関する。更に、この発明は、回転運動する両方の部材群の相対運動を妨げる少なくとも一つのカップリング部材により互いに回転運動する二つの部材群が互いに結合しているねじれ振動を減衰させる方法に関する。同様に、この発明は対応するねじれ振動減衰装置にも関する。
【0002】
【従来の技術】この種の方法およびこの種のねじれ振動減衰装置は、例えば欧州特許出願公開第 0 777 059号明細書により周知である。この明細書には、一周する駆動円板と、弾性的に力を伝達する手段を有し、この円板に同軸で同じ向きに一周する被動円板から成るねじれ振動減衰装置が開示されている。この種のねじれ振動減衰装置を単純に低価格で形成し、アイドリング領域を含め駆動部の全ての出力領域に関して振動を除去できるため、駆動円板が被動円板に一部嵌まり、嵌まっている部分の内側のところで周囲に対して分布する半径方向のポケットを有し、これ等のポケットは両端で僅かに楔状に形成されている。被動円板には断面で多角形のカバー面がある。前記ポケットにはそれぞれ対の楔状の往復動プランジャーが配置されている。これ等のプランジャーは少なくとも一つの圧縮バネにより互いに保持されている。その場合、往復動プランジャーは被動円板のカバー面に対向する側で平坦にあるいは僅かに曲げて形成されている。相対的に回転運動する二つの部材群が一定の相対角度だけ回転すると、弾性部材である圧縮バネは回転運動可能な二つの部材群の間の相対角度に応じてその長さを変える。これにより、往復動プランジャーと圧縮バネから成るカップリング装置は回転運動する両方の部材群の相対運動に逆らって作用する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この発明の課題は、同じ類の減衰方法あるいは同じ類のねじれ振動減衰装置にあって、減衰特性の合わせを広い帯域で可能にすることにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、この発明により、弾性部材31が回転運動する両方の部材群1,2の間の相対角度に応じてその長さを変えることにより、互いに回転運動する二つの部材群1,2がほぼ接線方向に作用している少なくとも一つの弾性部材31を介して相互作用するねじれ振動を減衰させる方法にあって、長さの変化度が相対角度に応じて変化することによって解決されている。
【0005】更に、上記の課題は、この発明により、弾性部材31が回転運動する両方の部材群1,2の間の相対角度に応じて圧縮することにより、互いに回転運動する二つの部材群1,2が少なくとも一つの弾性部材31を介して相互作用しているねじれ振動を減衰させる方法にあって、圧縮度は相対角度により変化することによって解決されている。
【0006】更に、上記の課題は、この発明により、回転運動する両方の部材群1,2の相対運動を妨げる少なくとも一つのカップリング部材3により互いに回転運動する二つの部材群1,2が互いに結合しているねじれ振動を減衰させる方法にあって、カップリング部材3の少なくとも一つの往復動プランジャー30が両方の部材群1,2の間の相対角度に応じて両方の部材群1,2の第一のものに対して移動し、復帰力で第一部材群1に作用することによって解決されている。
【0007】更に、上記の課題は、この発明により、回転運動する両方の部材群1,2の相対運動を妨げる少なくとも一つのカップリング部材3により互いに回転運動する二つの部材群1,2が互いに結合しているねじれ振動減衰装置にあって、カップリング部材3が少なくとも一つの往復動プランジャー30を有し、この往復動プランジャーが復帰力で第一部材群1,2に作用する間、両方の部材群1,2の間の相対角度に応じて第一部材群1,2に対して変位するように案内されることによって解決されている。
【0008】この発明による他の有利な構成は特許請求の範囲の従属請求項に記載されている。
【0009】
【発明の実施の形態】解決策として、一方でこの発明は弾性部材が回転運動する両方の部材群の間の相対角度に応じて長さを変えることにより、互いに回転運動する二つの部材群がほぼ接線方向に作用する少なくとも一つの弾性部材により相互作用し、長さの変化度が前記相対角度に応じて変化する、ねじれ振動を減衰させる方法を提案している。
【0010】解決策として、他方でこの発明は弾性部材が両方の回転運動する部材群の間の相対角度に応じて圧縮することにより、互いに回転運動する二つの部材群が少なくとも一つの弾性部材により相互作用し、圧縮度が相対角度に応じて変わる、ねじれ振動を減衰させる方法を提案している。
【0011】相対角度に応じた長さの変化度もしくは圧縮度の変化により、ねじれ振動をこの発明による方法で減衰させる場合、減衰特性はただ弾性部材の弾性特性だけで決まるものでない。むしろ、長さの変化度もしくは圧縮度を合わせて、減衰特性を所定の弾性部材にもかかわらず合わせることができる。この種の方法は、特に弾性部材としてバネあるいはバネに似た装置を使用する場合に適する。
【0012】長さの変化度もしくは圧縮度は、休止位置から外れた小さい相対角度の場合に小さい、好ましくはほぼ零に等しく選ぶと有利である。こうして、弾性部材は相対角度が小さい時に僅かな長さ変化もしくは圧縮を行うので、特に自動車のアイドリング運転で望ましいような低い捩じり剛性となる。
【0013】その外、この発明は互いに回転運動する二つの部材群が少なくとも一つのカップリング部材により互いに結合し、このカップリング部材が両方の回転運動する部材群の相対運動に逆らい、カップリング部材の少なくとも一つの往復動プランジャーが両方の部材群の間の相対角度に応じて両方の部材群の一方に対して位置をずらすが、往復動プランジャーは復帰力で一方の部材群に作用しているねじれ振動を減衰させる方法を提案している。
【0014】同様に、解決策として互いに回転運動する二つの部材群が少なくとも一つのカップリング部材により互いに結合し、前記カップリング部材が両方の部材群の相対運動に逆らうねじれ振動減衰装置を提案している。この減衰装置ではカップリング部材が少なくとも一つの往復動プランジャーを有し、この往復動プランジャーが復帰力で第一部材群に作用する間に、両方の部材群の間の相対角度に応じて第一部材群に対して移動するように案内される。
【0015】従来の技術により両方の部材群の間の相対角度で決まる互いに回転運動する二つの部材群を結合させる場合、この発明により、この相対角度に往復動プランジャーの変位が重畳する。従って、減衰特性はこの発明によれば両方の部材群の間の相対運動により、また第一部材群に対する往復動プランジャーの変位によっても決まる。こうして、第一部材群に対して往復動プランジャーの変位を合わせることにより、周知の方法あるいは装置の場合よりももっと正確に減衰特性に影響を与えることができる。互いに回転運動をする両方の部材群の間の相対角度に応じて往復動プランジャーを第一部材群に対して移動させることは第一部材群の動きを往復動プランジャーの動きに変換することに相当する。その時、一定の相対角度で実際に生じる変位に応じてこの変換が定まる。
【0016】往復動プランジャーとしては、互いに回転運動する二つの部材群の間のカップリングの一部であり、相対角度に応じて変位するねじれ振動減衰装置の任意の部材を使用できる。しかし、弾性部材、特にバネ部材の長さの変化度を可変するため往復動プランジャーの変位を利用するなら、この発明の利点が顕著になる。
【0017】その外、往復動プランジャーが摩擦で減衰に寄与するなら、この発明による利点は利用できる。第一部材群に対する往復動プランジャーの変位により、この往復動プランジャーとねじれ振動減衰装置の残りの部材群の間の摩擦力が望ましように影響される。
【0018】先ず第一に、往復動プランジャーは一定の相対角度範囲内で第二部材群に対する相対角度に応じて傾く。このため往復動プランジャーにはその案内に関して少なくとも一つの休止位置と一つの変位位置がある。その場合、往復動プランジャーは休止位置で第二部材群に当接し、変位位置は休止位置に対して傾いている。この傾斜運動の間に第一部材群の動きは往復動プランジャーの動きに変換される。従って、第一部材群は自由に回転する。何故なら、カップリング部材の往復動プランジャーが傾斜運動時にほぼその位置に留まっているからである。カップリング部材が更に両方の部材群の相対運動に逆らうことにより、両方の部材群の間の相対角度が非常に小さい場合でも復帰モーメントがカップリング部材により、あるいは往復動プランジャーにより伝達される。しかし、傾斜運動があると、非常に小さな摩擦損失しか生じないので、休止位置と変位位置の間で移行する時、摩擦力がないほど良好に働く。これにより、負荷が小さい時、特に自動車のアイドリングで非常に良好な減結合が保証される。
【0019】この発明の簡単な構成は、往復動プランジャーが少なくとも一定の相対角度範囲内で相対角度に応じて第一部材群に沿って移動するなら実現する。これは、主に第一部材群のカバー面に沿って行われる。このカバー面はほぼ周方向に向いている。変位運動は第一部材群の平坦な表面に沿って行われると有利である。多数のカップリング部材がある場合には、このような平坦な表面は第一部材群の多角形のカバー面で実現される。
【0020】この種の変位運動は一方で往復動プランジャーの第一部材群に対する変位を構造上簡単に保証する。その外、この変位運動は案内部での往復動プランジャーの摩擦特性を制御することも可能にする。その場合、往復動プランジャーとその案内部の間の表面の角度は望むように調整できる。表面角度にこのように影響を与えることは、特に変位運動が第一部材群の平坦な表面に沿って行われるなら、可能である。何故なら、例えば第二部材群の案内面のような適当な対向案内部によるだけで適当な角度に設定しなければならないからである。
【0021】回転速度が高いため、および特にねじれ振動減衰装置の長手方向に作用する他の応力のため、カップリング部材の二つの往復動プランジャーの間に設けてある弾性部材は互いに回転運動する二つの部材群の一方に当接する。これを防止するため、両方の往復動プランジャーが両方の部材群の一定の相対運動で互いに運動するなら、これ等の往復動プランジャーが一定の相対角度の時に重なる。
【0022】この場合、用語「重なり」は往復動プランジャーの部分がねじれ振動減衰装置の主回転軸に対して同じ角度位置を占める状況を表す。このような重なりにより弾性部材、あるいは両方の往復動プランジャーの間に配置されているバネ部材に対する往復動プランジャーの案内長さを有利に長くできるので、衝突の恐れは低減する。
【0023】これに関連して、用語「決定」は、相対運動や相対角度のような他の状態も可能であり、上に与えた定義の前記状態の少なくとも一つのみに対応すべきであることを表す。
【0024】案内部の延長は両方の往復動プランジャーがこれ等の往復動プランジャーの間に配置されたバネ部材に対する横保持面を有し、これ等のバネ部材が他の往復動プランジャーの対応する切欠にそれぞれ係合していることにより保証される。同様に、両方の往復動プランジャーもこれ等の往復動プランジャーの間に配置されたバネ部材に対する外側にある保持面を有し、その軸方向の外側にある領域のところに初動傾斜部が設けてある。これ等の切欠あるいは初動傾斜部により両方の往復動プランジャーの重なりが可能になる。その結果、全体としてもっと広い保持面が保証される。
【0025】更に、上で説明した構成、特に両方の往復動プランジャーの重なりにより、両方の往復動プランジャーが互いに衝突する前に、ねじれ振動減衰装置の非常に大きな回転角度が可能になる。
【0026】軸方向には、初動傾斜部の外に、回転運動する部材群の一方に当接する案内面があってもよい。この案内面により、往復動プランジャーの重なりがあっても、各往復動プランジャーが回転運動する二つの部材群の間を十分案内されることが保証される。
【0027】両方の往復動プランジャーの係合あるいは両方の往復動プランジャーの重なりは、例えば両方の往復動プランジャーが少なくとも両方の回転運動する部材群の一方に関して少なくとも一つの受入れ位置と一つの潜り位置を有することにより実現する。この場合、用語「受入れ位置」は他方の往復動プランジャーが一方の往復動プランジャーの中に潜る往復動プランジャーの位置を表す。これに応じて、用語「潜り位置」は往復動プランジャーが受入れ位置にあり対向する往復動プランジャーの中に潜っている往復動プランジャーの位置を表す。
【0028】例えば、受入れ位置は大体前記休止位置に一致するが、一方の往復動プランジャーがその変位位置で両方の回転運動する部材群が互いに回転する場合に潜り位置も通過する。
【0029】特に、各往復動プランジャーは潜り位置で他方往復動プランジャーに対して半径方向に内側に傾く。潜り位置で一方の往復動プランジャーの初動傾斜部が第二の往復動プランジャーの初動傾斜部の下に沈むと有利である。
【0030】往復動プランジャーを潜り位置で確実に案内することは、潜り位置で往復動プランジャーが両方の回転運動する部材群により強制的に案内されることにより保証される。
【0031】他方、第二の往復動プランジャーが潜り位置を占めた時、一方の往復動プランジャーを受入れ位置に固定する手段が設けてあってもよい。これは、例えばカップリング部材自体のバネ部材である。他方、少なくとも両方の往復動プランジャーの一方が両方の往復動プランジャーの他方に潜り始めるときストッパーを形成し、このストッパーが両方の往復動プランジャーの他方が受入れ位置を離れることを防止する制限手段が設けてあってもよい。好ましくは、ストッパーは両方の往復動プランジャーの他方に一定の遊び与えるので、このストッパーによりねじれ振動減衰装置の自由運動が実質上防止されない。他方、このストッパーは両方の往復動プランジャーが早めに互いに当接することを効果的に防止する。
【0032】カップリング部材にほぼ同一で互いに対向させて配置された二つの往復動プランジャーがあると、この発明によるねじれ振動減衰装置の構造コストが低減する。これは、特に互いに重なるこの発明による往復動プランジャーに対しても当てはまる。
【0033】これは、特にこれ等の往復動プランジャーがねじれ振動減衰装置の半径方向の面に対して対称に形成されていることにより保証できる。この場合、対称性は二つの往復動プランジャーが互いに対向し、係合するように配置されるように選択される。
【0034】互いに重なる往復動プランジャーを備えたねじれ振動減衰装置はこのねじれ振動減衰装置の残りの構成に無関係であっても有利であることが分かる。同じことは、これに関連して述べた構成の組み合わせあるいはこれに関連して述べた構成にも当てはまる。
【0035】
【実施例】この発明の他の利点、目的および特性を添付図面の以下の記載で説明し、この添付図面では、この発明によるねじれ振動減衰装置およびこの発明によるねじれ振動減衰方法が例示的に示してある。
【0036】図面に示すねじれ振動減衰装置には6つのカップリング部材3を介して互いに連結している相対回転運動する二つの部材群1と2がある。カップリング部材3の各々にはバネ部材31があり、これ等のバネ部材は往復動プランジャー30を第二部材群のストッパー20に対してそれぞれ押圧する(何度も現れる部材群全体は図面にただ例示的に記入されている)。
【0037】ストッパー20はそれぞれ往復動プランジャー30の案内部の一部であり、この案内部は第二部材群2の案内面21と第一部材群のほぼ平坦な案内面11で形成されている。
【0038】両方の部材群1と2の間の相対角度に応じた案内部による往復動プランジャー30の動きは図2と図3から理解できる。両方の部材群1と2の間で相対回転があると、各カップリング部材3の両方の往復動プランジャー30の一方が移動する。その場合、移動した往復動プランジャー30はその間に復帰力で第一部材群1に作用する。他方の往復動プランジャー30はその間に第二部材群のストッパー20のところに留まっている。両方の部材群1と2の間の相対運動は第二部材群に対する往復動プランジャー30の移動を与えるだけでなく、図2と図3から分かるように、往復動プランジャー30と第一部材群1の間の相対運動を与える。その場合、往復動プランジャー30は一方で休止位置から変位位置に傾斜運動を行い、他方で第一部材群1の案内面11に沿って移動する。
【0039】休止位置では(例えば図3の左の往復動プランジャーを参照),往復動プランジャー30は、一方でストッパー20に、また他方で第一往復動プランジャー案内面32により第二部材群の案内面21に接触するが、第一部材群1をただ軽く案内面11に接触させる。変位位置では、他方で往復動プランジャーは第二案内面33を第二部材群の案内面21に接触させるが、下側34を第一部材群の案内面11に接触させる。往復動プランジャー30の案内面33と34は楔状に互いに係合するように向いている。
【0040】両方の案内部材1と2が互いに移動すると、第一部材群1はその案内面11でカップリング部材3の両方の往復動プランジャー30の一方を休止位置から変位位置に押す。この傾斜運動では、第一部材群1は往復動プランジャー30の下に摺動する。それにもかかわらず、バネ部材31は僅かに長さを変えるかあるいは圧縮するので、往復動プランジャー30は第一部材群1に復帰力を与える。しかし、この傾斜運動で生じる摩擦力は極度に小さいので、これに関連してこの傾斜運動で殆ど存在しない摩擦に応答する。
【0041】更に、第一部材群1が往復動プランジャー30の下で通過して摺動することにより、ねじれ振動減衰装置の主回転軸の周りのプランジャー30の回転運動とこの主回転軸周りの第一部材群1の回転運動の間の変換が行われ、これはほぼ零に等しい(図4を参照)。
【0042】相対角度が幾分大きいと、往復動プランジャー30の案内面33と34は、体に部材群2の対応する案内面21と第一部材群1の対応する案内面11に当接する。この場合、案内面21は往復動プランジャー30が先ず第一部材群1よりゆっくりと回転するので、往復動プランジャー30が第一部材群1に対してバネ部材31から離れて移動するように形成されている。これにより、1より小さい変換率となる(図4参照)。
【0043】約 12 °の相対角度以降では、第二部材群2の案内面21は往復動プランジャー30が第一部材群1より早く回転するように形成されている。これは、往復動プランジャー30が第一部材群1に対してバネ装置31の上で近づくことを意味する。第一部材群1に対する往復動プランジャー30の上記相対運動から、1より大きい変換率となる。
【0044】バネ部材31に関して、図4に示す変換は、変換値が1以下の時にバネ定数が見掛け上低減し、変換値が1以上の時に見掛け上増加することを意味する。更に、案内面32,33と34および11と21の設定角度を適当に選択して、この配置の摩擦特性に影響を与えることができる。
【0045】必要に応じて、この配置を非対称に形成できるので、右の往復動プランジャー30と左の往復動プランジャー30の変換率が異なる。同様に、往復動プランジャー30の一方を省くこともできる。
【0046】直ちに分かるように、第一部材群1に対する往復動プランジャー30の相対運動によりバネ部材31の長さの変化度もしくは圧縮度が相対角度に応じて変化する。相対角度が小さいと、長さの変化度はほぼ零であるが、相対角度の増加と共に増加する。
【0047】図5に示す有利な往復動プランジャー30には横保持面40がある。この保持面は対応するバネ部材31を図1に従って案内する。同様に、往復動プランジャー30に外部にある保持面42もあり、その軸方向に外側にある領域には初動傾斜部43が設けてある。
【0048】初動傾斜部43の傍には軸方向に案内面44が設けてある。図6〜10から分かるように、この案内面44は回転運動する部材群2に接触している。
【0049】更に、図5の往復動プランジャー30には切欠41がある。この切欠には対向配置された同一の往復動プランジャー30の横保持面40が嵌まる。
【0050】理解できるように、往復動プランジャー30はねじれ振動減衰装置の半径面に関して非対称に形成されている。その場合、この半径面は、例えば図6〜10で紙面として利用される。図1に応じてこの半径面はバネ31を通過して延びる。
【0051】図6〜10から分かるように、図5の同一な二つの往復動プランジャー30は互いに対向配置されていて、図6〜10の中に示してないバネ部材と共にそれぞれのカップリング部材を形成する。この場合、直ちに分かるように、一方の往復動プランジャー30の保持面は紙面の下にあり、他方の往復動プランジャー30の保持面40は紙面の上にある。
【0052】回転運動する二つの部材群1と2が互いに移動すると、既に上で説明し、図7にもう一度示すように、両方の往復動プランジャー30の一方(図6〜10に示す実施例では左の往復動プランジャー)が変位位置に達するが、他方の往復動プランジャー30(図6〜10に示す実施例では右の往復動プランジャー)が休止位置に留まる。
【0053】特に図7〜10から分かるように、左の往復動プランジャー30は右の往復動プランジャー30に対して半径方向に内側に傾く。同時に、バネ部材により右の往復動プランジャー30が休止位置に関して未だ可能である限り、半径方向に外向きに傾くことを保証する。その限りでは、バネ部材31が往復動プランジャーを受入れ位置に固定する手段として働く。図6に示す初期位置からこれは軽く持ち上げて、あるいは半径方向に外に軽く傾けて保証される。
【0054】図8は一方の往復動プランジャー30が他方の往復動プランジャー30の中に潜る直前の位置のねじれ振動減衰装置を示す。直ぐ分かるように、この配置では、左の往復動プランジャー30の初動傾斜部43が右の往復動プランジャー30の外側にある保持面42の下に潜る。同様に、左の往復動プランジャー30は潜り位置で回転運動する二つの部材群1,2により強制的に案内される。
【0055】これに反して、右の往復動プランジャー30にはバネ部材31により、図8と9を比較して分かるように、一定の遊びがある。この遊びは、図8と9に示すように、第二部材群2のところの案内面44のストッパー44と突起45のところの往復動プランジャー30のストッパーの間で保証される。こうして、右の往復動プランジャー30が受入れ位置を離れ、左の往復動プランジャー30の潜りを防止することが阻止されていても、両方の部材群1と2の相対運動は互いに妨げられることはない。
【0056】図10は当接時の両方の往復動プランジャーを示す。直ちに分かるように、これ等の往復動プランジャーはバネ部材31の案内長さが同じ時に両方の部材群1,2の間の相当大きな相対角度を保証する、または最大回転角度が同じ時、バネ部材31の相当大きな案内を保証する。これは、初動傾斜部により、特に半径方向で外側にある案内に対して当てはまる。更に、横方向の案内面44は往復動プランジャー30の非常に確実で安定な案内を保証する。この配置により、特に回転数が高い場合、バネ部材31を第二部材群2に当接させることを防止できる。
【0057】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明の減衰方法あるいはねじれ振動減衰装置により減衰特性の合わせを広い帯域で可能にする。
【出願人】 【識別番号】598013965
【氏名又は名称】ロース− フオイクト・パテントフエルヴエルトウングスゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング
【出願日】 平成11年7月7日(1999.7.7)
【代理人】 【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史 (外3名)
【公開番号】 特開2000−46111(P2000−46111A)
【公開日】 平成12年2月18日(2000.2.18)
【出願番号】 特願平11−193684