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【発明の名称】 被牽引車両の制動装置
【発明者】 【氏名】吉田 博光

【要約】 【課題】前進の際の制動力を高め、後退時における制動力の発生の排除が容易な被牽引車両の制動装置を提供する。

【解決手段】小型車両等を搭載するフレーム主体Fと、フレーム主体Fを牽引車に連結する連結主体Cとからなるもので、フレーム主体Fは一対の車輪12,12を具備し、各車輪12の内側にブレーキディスク9を設け、該ブレーキディスク9を作動させる連結金具6と連携するブレーキワイヤー7によってブレーキディスク9を車輪12側に押圧するよう構成する。連結主体Cは牽引車に装着する連結具1に固定したスライド軸3を支持する連結フレーム2と、スライド軸3の後退によって作動する衝撃吸収器4と、連結フレーム2に回動自在に装着されてスライド軸3によって前後方向に回動し、連結金具6を前後方向に移動させることができるカウンターレバー5とから構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 小型のボートや船舶等の小型車両を搭載することのできるフレーム主体と、該フレーム主体を牽引車に連結可能な連結主体とからなるものであって、前記フレーム主体はその下面に車軸を配し、該車軸の両端部にそれぞれ車輪を装着すると共に、前記各車輪の内側にブレーキディスクを設け、該ブレーキディスクを作動させるための連結金具と連携するブレーキワイヤーによって前記ブレーキディスクを車輪側に押圧するよう構成し、前記連結主体は牽引車にフレーム主体を連結するための連結具に先端部を固定したスライド軸の後端部をスライド自在でかつ回動不能に支持する連結フレームと、該連結フレーム内に固定され前記スライド軸の後退によって作動する衝撃吸収器と、前記連結フレームに回動自在に装着され、スライド軸によって前後方向に回動し、前記連結金具を前後方向に移動させることができるカウンターレバーとから構成したことを特徴とする被牽引車両の制動装置。
【請求項2】 前記カウンターレバーは、前記連結金具に設けられた連動解除金具と係脱自在に係合し、後退時路面状況による抵抗の増加に係わる制動力の発生を排除するよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の被牽引車両の制動装置。
【請求項3】 前記連結金具は、左右両側部が開口した細長いフレームからなるものであって、前部の上下面の対称位置に前後方向に細長い第1のスライド溝が、中央部から後方に向けて同じく第2のスライド溝と、該スライド溝の後方に第3のスライド溝がそれぞれ上下両面の対称位置に形成されたもので、前記第1のスライド溝内に前記カウンターレバーの下方をスライド自在に保持し、前記第2のスライド溝内には前記連結フレームに一体的に固定された取付板に支点部を軸支すると共に、該取付板を貫通して下方に延出した駐車制動レバーの基端部をスライド自在に枢支し、前記連結金具が前方に引かれた場合でも駐車制動レバーが作動しないように構成し、第3のスライド溝内には円筒状の回転子をスライド自在に保持し、該回転子に前記ブレーキワイヤーを係合させたことを特徴とする請求項1に記載の被牽引車両の制動装置。
【請求項4】前記連結金具は、前記第1のスライド溝に沿って連通する補助のスライド溝を形成し、該補助のスライド溝内に連動解除金具を回動可能でかつ移動不可の状態で装着し、該連動解除金具と第1のスライド溝内を前後方向に移動する前記カウンターレバーと係脱自在に係合させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の被牽引車両の制動装置。
【請求項5】 前記連結金具は、前記細長いフレームの後端面にナットを一体的に固定し、該ナットにボルトを係合させると共に、ボルトの先端部を前記フレーム内に突出せしめ、前記ボルトのフレーム内への突出量を調整することによって前記回転子とフレーム後端面との距離を変動させ、もって回転子に係合させたブレーキワイヤーの長さ微調整するよう構成したことを特徴とする請求項1又は3に記載の被牽引車両の制動装置。
【請求項6】 前記スライド軸は、後端部に回動を阻止するための回動阻止板を有することを特徴とする請求項1に記載の被牽引車両の制動装置。
【請求項7】 前記複動衝撃吸収器は、シリンダとピストンとからなるものであることを特徴とする請求項1に記載の被牽引車両の制動装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、サーフボードやモーターボート、ヨットなどの小型船舶やオートバイやスノーモービルなどの小型車両等を搭載して搬送するための被牽引車両の制動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】前記小型船舶や小型車両等(以下、これらを総称して「小型車両等」という。)を搭載して牽引するための被牽引車両(トレーラ)としては、たとえば、トレーラを牽引させる連結腕の一部に伸縮機構を設け、当該連結腕を外力に応じて伸縮可能にする一方、その伸縮機構の内部位置あるいは外部位置のいずれか一方に積載ボート重量の1/3の荷重を受けたとき、その長手方向寸法がほぼ半分に伸縮するスプリング手段を配設した機械式の制動装置を備えたボートトレーラが実開平6−12276号公報に開示されている。
【0003】一方、図示しないが、たとえば、トレーラを牽引させる連結腕の後方にメイン制動筒を配置すると共に、該メイン制動筒と車輪内の輪筒を油圧管で連結し、メイン制動筒を前記連結腕に取り付けた押圧杆で押圧することによって油圧を通じて前記輪筒を作動させ、該輪筒と一体の制動部材を外側に押し拡げ、車輪にブレーキを掛ける油圧式の制動装置も知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記公報に開示された被牽引車両における機械式の制動装置は、牽引車両に対するトレーラのノッキングを防止して快適な牽引走行が期待できる点において効果を発揮するという利点を有するものの、基本的には連結腕の一部に径の異なる2本のパイプからなるテレスコープ型の伸縮機構を構成し、該伸縮機構を構成する一方のパイプ内にコイルスプリングを配設し、連結腕に制動等の外力が加わったとき伸縮機構が伸縮し、ブレーキワイヤーを介してブレーキ装置を作動せしめる慣性ブレーキであるため、再発進に際してはガス封入式のガスショック装置によって制動状態を解除する必要があった。
【0005】また、牽引車両を後退させようとする場合、連結腕の一部に設けた伸縮機構を構成する一方のパイプが他方のパイプ内に押し込まれ、自動的に被牽引車両にブレーキが掛かるため牽引車両を後退させることがきわめて困難で、牽引車両と共にトレーラを後退させるには人力又は他の動力を必要とし、場合によっては牽引車両からトレーラを切り離し、トレーラを独自に動かさねばならないという問題があった。
【0006】他方、油圧式の制動装置においては、制動装置を構成する各部材の構造が複雑化してコストアップとなることが避けられず、装置自体による被牽引車両の重量が増加し、かつ取り付けが複雑で煩瑣であるなどの問題があった。
【0007】この発明はかゝる現状に鑑み、前進の際の制動力を高めると同時に、後退時の路面状況の変化による抵抗の増加に関する制動力の発生の排除が容易で、しかも構造の簡単な被牽引車両の制動装置を提供せんとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するため、この発明の被牽引車両の制動装置は、小型のボートや船舶等の小型車両を搭載することのできるフレーム主体と、該フレーム主体を牽引車に連結可能な連結主体とからなるものであって、前記フレーム主体はその下面に車軸を配し、該車軸の両端部にそれぞれ車輪を装着すると共に、前記各車輪の内側にブレーキディスクを設け、該ブレーキディスクを作動させるための連結金具と連携するブレーキワイヤーによって前記ブレーキディスクを車輪側に押圧するよう構成し、前記連結主体は牽引車にフレーム主体を連結するための連結具に先端部を固定したスライド軸の後端部をスライド自在でかつ回動不能に支持する連結フレームと、該連結フレーム内に固定され前記スライド軸の後退によって作動する衝撃吸収器と、前記連結フレームに回動自在に装着され、スライド軸によって前後方向に回動し、前記連結金具を前後方向に移動させることができるカウンターレバーとから構成したことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の態様】この発明の被牽引車両の制動装置は、小型車両等を搭載することのできるフレーム主体と、該フレーム主体を牽引車に連結可能とした連結主体からなるものである。
【0010】前記フレーム主体は、搭載せんとする小型車両等の大きさに適合する大きさを有する鋼材からなるフレームの下面の前後方向のほぼ中央部に一対の車輪を配設したものであって、フレームの両側面上には搭載する小型車両等の転落防止用の柵を設けてもよい。
【0011】前記各車輪の内側にはそれぞれブレーキディスクが輪軸を介して固定されていると共に、車軸の端部に取付板を介して回動自在に設けられたブレーキレバーの基端部に後述の連結金具に設けられるブレーキワイヤーを連結し、該ブレーキワイヤーの作動によってブレーキディスクを押し付けて制動状態に入ることができるよう構成されている。
【0012】前記連結主体は、牽引車に前記フレーム主体を連結するための連結具と、該連結具に先端部を固定したスライド軸と、該スライド軸の後端部をスライド自在でかつ回動不能に支持する連結フレームと、該連結フレーム内に固定され前記スライド軸の後退によって作動する衝撃吸収器と、前記連結フレームに回動自在に装着され、前後方向にスライドするスライド軸によって前後方向に回動し、前記連結金具を前後方向に移動させることができるカウンターレバーとから構成されている。
【0013】前記スライド軸をスライド自在に保持する連結フレームの構成については特別の制限はないが、鋼製の下部が開放された縦長の箱体からなるもので、先端部内にスライド軸の後端部を前後方向にスライド自在に支持すると共に、前記スライド軸の基端部に回動阻止板を固着してスライド軸の回動を不能とし、該スライド軸の基端部の後方にピストン及びシリンダからなる衝撃吸収器を固定し、該衝撃吸収器のピストンを前記回動阻止板に一体的に連結して牽引車の制動時に発生する衝撃を吸収するよう構成されている。
【0014】前記回動阻止板には、連結フレームの一部に設けたブラケットにピンにて回動自在に軸支されたカウンターレバーの先端部が常時当接するように装着されていると共に、該カウンターレバーの基端部には連結金具がピンによって取り付けられている。
【0015】前記連結金具は左右両側部が開口した細長いフレームからなるもので、前部の上下面の対称位置に前後方向に細長い第1のスライド溝を、中央部から後方に向けて同じく第2のスライド溝と、該スライド溝の後方に第3のスライド溝がそれぞれ上下両面の対称位置に形成されたものである。
【0016】第1のスライド溝は、連結金具に回動自在に支持されたカウンターレバーの下方をスライド自在に保持する主スライド溝に沿って、前記カウンターレバーのスライドの進退を制御するため連結金具に回動自在でかつ移動不能状態で装着された連結解除金具を設けるための副スライド溝から構成され、該連結解除金具を前記カウンターレバーの支軸と係脱自在に係合させることによって後退時、路面状況による抵抗の増加に関わる制動力の発生を効果的に排除することができるよう構成されている。
【0017】第2のスライド溝は、前記連結フレームに一体的に固定された取付板に支点部を軸支し、該取付板を貫通して下方に延出した駐車制動レバーの基端部をスライド自在に支持するためのもので、この駐車制動レバーは常時第2のスライド溝の前端側に位置させ、前記連結金具が前方に引かれた場合でも駐車制動レバーが作動しないように構成されている。
【0018】第3のスライド溝はブレーキワイヤーと係合する円筒状の回転子を前後方向にスライド自在に保持するもので、前記連結金具の後端面にナットを一体的に固定し、該ナットにボルトを係合させ、その先端部を連結金具内に突出せしめ、前記ボルトの連結金具内への突出量を調整可能とすることによって前記回転子と連結金具後端面との距離を変動させ、もって回転子に係合させたブレーキワイヤーの長さを微調整することができるよう構成されている。
【0019】
【作用】この発明の被牽引車の制動装置は、小型車両等を搭載するフレーム主体と、該フレーム主体を牽引車に連結することのできる連結主体とで制動装置を構成するに際し、連結主体の連結フレームの前部に連結具を介して牽引車と連動するスライド軸を前後方向にスライド自在に保持せしめ、該スライド軸の基端部にカウンターレバーを係合させ、該カウンターレバーの前後方向の回動によってブレーキワイヤーを介して車輪に設けたブレーキディスクを制御するための連結金具を前後方向に移動自在としているので、制動装置の構成を簡単にすることができると共に、牽引車の制動に追従して被牽引車両の制動を円滑に行うことができる。
【0020】その際、前記連結金具に連結解除金具を装置し、該連結解除金具を前記カウンターレバーを連結金具にスライド自在に保持するための支軸に係脱自在に係合させることによって後退時の路面状況の変化に関する抵抗の増加によって生ずる制動力の発生を完全に排除し、円滑に被牽引車両を後退させることができる。
【0021】
【実施例】以下、この発明の被牽引車両の制動装置の実施例を添付の図面に基づいて具体的に説明する。この発明の被牽引車両の制動装置Bは、基本的には、図2に示すように小型車両等(図示せず)を搭載するための一対の車輪12,12を具備するフレーム主体Fと、該フレーム主体Fを牽引車両A(図6参照)に連結するための連結主体Cとから構成したものである。
【0022】前記フレーム主体Fは、たとえばモーターボートのごとき搭載せんとする小型車両等の大きさに適合するフレーム13の下面の前後方向のほぼ中央部に車軸8を固定し、該車軸8の両端部にそれぞれ車輪12,12を装着したもので、フレーム13の両側面上には搭載する小型車両等の転落防止用の柵13aを設けている。
【0023】前記各車輪12の内側にはそれぞれブレーキディスク10が車軸8を介して固定すると共に、図5に示すように車軸8の端部に固定された取付板の先端部にブレーキレバー9の中央部が回動自在に取り付け、該ブレーキレバー9の基端部を後述のブレーキワイヤー7と連携せしめ、その先端部を前記ブレーキワイヤー7の作動によってブレーキディスク10を押し付け制動状態に入ることができるよう構成している。
【0024】前記連結主体Cは、前記フレーム13の前縁部のほぼ中央に前後方向に配設固定した連結フレーム2と、該連結フレーム2と牽引車両とを連結するための連結具1と、連結フレーム2内に前後方向にスライド自在で、かつ回動不能に配置され、連結フレームの先端面から突出した先端部を前記連結具1にねじ1aによって固定するスライド軸3と、前記連結フレーム2内にピン4bによって固定され前記スライド軸3の後端部と連動して衝撃を吸収するための衝撃吸収器4と、常時前記スライド軸3の後端部と当接して梃子運動を行うカウンターレバー5と、該カウンターレバー5と係脱して後退の際に制動力の発生を防止する連動解除金具6aを有する連結金具6と、該連結金具6に取り付けられるブレーキワイヤー7とで構成している。
【0025】前記連結フレーム2は図2又は図3から明らかなように、下部が開放された縦長の箱体からなるもので、先端部内にスライド軸3の後端部を前後方向にスライド自在に支持すると共に、前記スライド軸3の基端部に回動阻止板3aを固着してスライド軸3の回動を不可能としている。
【0026】このスライド軸3の回動阻止板3aには、前記連結フレーム2内の後方にピン4bによって固定したシリンダ4dとピストン4cとによって構成された衝撃吸収器4のシリンダ4dの先端部をピン4aによって固定し、前後方向にスライドするスライド軸3の前後動に応じて制動時に発生する衝撃を吸収することができるよう構成している。
【0027】一方、前記回動阻止板3aには、連結フレーム2の一部に設けたブラケット2aにピン5aにて回動自在に軸支されたカウンターレバー5の先端部が常時当接するように装すると共に、該カウンターレバー5の基端部には連結金具6をピン5bによって取り付けている。
【0028】この連結金具6は図4に示すように左右両側部が開口した細長いフレームからなるものであって、前部の上下面の対称位置に前後方向に細長い第1のスライド溝Xを、中央部から後方に向けて同じく第2のスライド溝Yを、さらに該スライド溝Yの後方に第3のスライド溝Zをそれぞれ上下両面の対称位置に形成したもので、第1のスライド溝Xは前記カウンターレバー5がスライドする主スライド溝X1 の後方の側面に後述する連動解除金具6aを装置するための副スライド溝X2 とで構成している。
【0029】前記スライド溝Xの主スライド溝X1 には前記カウンターレバー5の下方を貫通させると共に、その一部をピン5bによって主スライド溝X1 内を前後方向に移動自在に支持し、副スライド溝X2 内には下縁前方にU字状の係合部を形成した連動解除金具6aをピン6bによって回動可能でかつ移動不可の状態で枢支したものである。
【0030】この連動解除金具6aは、通常の状態においては図4に示すようにピン6bを支点として下方に回動し、前記U字状の係合部がカウンターレバー5を主スライド溝X1 内に軸支するピン5bと係合しカウンターレバー5との連携を保持し、該カウンターレバー5の側面に突設したピン6cを持って点線で表示するよう上方に持ち上げることによってカウンターレバー5との連携を解除することが可能なように構成している。
【0031】第2のスライド溝Y内には、連結フレーム2に一体的に固定された取付板(図示せず)に支点部11bを軸支すると共に、取付板を貫通して下方に延出した駐車制動レバー11の基端部をピン11aによってスライド自在に軸支し、前記連結金具6が前方に引かれた場合でも駐車制動レバー11が引かれないように構成している。
【0032】第3のスライド溝Z内には、円筒状の回転子6cをスライド自在に保持するとと共に、フレームの後端面にナット6eを固定し、該ナット6eにねじ部がフレーム内に突出するようボルト6fを係合したもので、前記回転子6cにブレーキワイヤー7の中央部を係合させたとき、フレーム内へのボルト6fの突出長さを調整することによってブレーキワイヤーの長さを微調整することができるよう構成したもので、このブレーキワイヤー7の各先端部は既に述べたブレーキレバー9に連結されている。
【0033】かゝる構成のこの発明の被牽引車の制動装置Bは、前進状態において牽引車に制動を作動させると、図7に示すように小型車両等を搭載したフレーム主体Fの慣性によってフレーム13が牽引車側に負荷を掛け、連結主体Cを構成するスライド軸3の後端部が連結フレーム2内を後方に移動し、衝撃吸収器4のピストン4cがシリンダ4d内に押し返されてフレーム13に加わる衝撃を緩和すると同時に、スライド軸3の後端部に付設した回転阻止板3aがカウンターレバー5の上端部を後方に押すため、カウンターレバー5はピン5aを支点として梃子運動によってその下端部が前方に移動し、結果的にカウンターレバー5と連携する連結金具6が前方向に引っ張られる。
【0034】前記連結金具6が前方に引っ張られると同時に、連結金具6と回転子6cと連携しているブレーキワイヤー7が前方に引っ張られ、該ブレーキワイヤー7と連動するブレーキレバー9がピン9aを支点として回動し、ブレーキレバー9の先端部がブレーキディスク10を押圧し、車輪12,12にブレーキが作用し、フレーム主体Fの前進移動を抑制し、停止させる。
【0035】この時、連動解除金具6aはカウンターレバー5の下方を連結金具6の第1のスライド溝Xに軸支するピン5bと係合していると共に、図4に示すように第2のスライド溝Yの前方位置に位置していた駐車制動レバー11は、スライド溝Y内を滑って後方に位置し、駐車制動レバー11は作動せず、連結金具6のみが前方に引っ張られるにすぎない。
【0036】一方、フレーム主体Fを後退させるには、連動解除金具6aの側面に突設したピン6cを手で持ち、上方に持ち上げると、図8に示すように連動解除金具6aはピン6bを支点として回動して前記ピン5bとの係合が解除されるので、この状態を保持しながら牽引車を後退させると、牽引車の後退に伴ってスライド軸3の後端部が連結フレーム2内を後方に移動し、衝撃吸収器4が作動し、かつカウンターレバー5の上端部が回動阻止板3aによって押圧されても、カウンターレバー5は第1のスライド溝X1 内を前方に滑るのみであるため、連結金具6を前方に引っ張ることがなく、その結果、牽引車が後退してもフレーム主体Fに制動力が発生することはない。
【0037】なお、フレーム主体Fを所定の場所に固定した状態で駐車させるには、図9に示すように駐車制動レバー11の先端部を手で握って上方に持ち上げ、駐車制動レバー11を支点11bを中心としてその下端部が前方に回動させると、連動解除金具6aがカウンターレバー5を連結フレーム2に枢支するピン5aと係合した連携状態を保持している場合(図7参照)や、係合が解除されている場合(図8参照)を問わず連結金具6を前方に押圧移動させることができるため、ブレーキワイヤー7が引っ張られてブレーキレバー9が作動し、車輪12,12を固定状態に保持し、解除するには駐車制動レバー11を下方に押し下げれば、連結金具6が後方に押し戻され、車輪12,12に対する制動を解くことができる。
【0038】
【発明の効果】この発明の被牽引車両の制動装置は、牽引車両の制動に際し、被牽引車両の慣性によって連結主体を構成するスライド軸を作動せしめ、該スライド軸と連動するカウンターレバーを操作し、該カウンターレバーの作動によって車輪に装着したブレーキディスクを車輪側に押圧するブレーキワイヤーを取り付けた連結金具を前後方向に移動させ、もって被牽引車両に制動を与えるよう構成したので、装置の構成が簡単かつ容易で故障がなく、しかも牽引車両の制動を円滑に被牽引車両に伝え、騒音を発生することなく被牽引車両に制動を確実に与えることができる。
【0039】その際、前記カウンターレバーを連結金具に軸支するピンに連結金具を回動自在に固着した連結解除金具を係脱自在に係合せしめることによって、後退時の路面の状況変化による抵抗に関する制動力の発生の排除を容易かつ確実に行うことができる。
【0040】また、被牽引車両の制動装置を構成する連結主体の連結金具に、被牽引車両を駐車状態に固定するための駐車制動ブレーキを前記連結解除金具とカウンターレバーとの係脱に関わりなく作動させることができるよう設けることによって、被牽引車両の慣性による制動と駐車制動とを独立して作動させることができるとういう効果を発揮させることができる。
【0041】さらに、連結主体を構成する連結金具にブレーキワイヤーと係合する回転子を前後方向にスライド自在に配置し、該回転子と連結金具の後端部との距離を連結金具内へのボルトの突出長さによって制御し、もってブレーキワイヤーの長さを微調整できるようにすれば、ブレーキワイヤーを連結金具から取り外すことなく長さ調整することができる。
【出願人】 【識別番号】593116364
【氏名又は名称】株式会社サン自動車工業
【出願日】 平成10年12月2日(1998.12.2)
【代理人】 【識別番号】100069903
【弁理士】
【氏名又は名称】幸田 全弘
【公開番号】 特開2000−170801(P2000−170801A)
【公開日】 平成12年6月23日(2000.6.23)
【出願番号】 特願平10−343194