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【発明の名称】 リベット用被締結部材及びリベット締結構造体
【発明者】 【氏名】吉川 良介

【要約】 【課題】リベット締結に用いられたリベットのフランジ部を切削する際に、フランジ部の連れ回りを防止する事により、リベットの取り外しを容易に行うことができるリベット用被締結部材及びリベット締結構造体を提供する。

【解決手段】本発明に係るリベット用締結部材1では、リベット締結孔5を有する被締結部材3に対してリベット2のカシマリ部18側に位置し、リベット締結孔5に対向される対向リベット締結孔6を有するリベット用被締結部材4において、対向リベット締結孔6が、リベット締結時に押しつぶされたリベット2の一部が充填されてリベット2が回転不能に保持されるように、非円形に形成されていることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】リベット締結孔を有する被締結部材に対してリベットのカシマリ部側に位置し、前記リベット締結孔に対向される対向リベット締結孔を有するリベット用被締結部材において、前記対向リベット締結孔が、リベット締結時に押しつぶされた前記リベットの一部が充填されて前記リベットが回転不能に保持されるように、非円形に形成されていることを特徴とするリベット用被締結部材。
【請求項2】リベット締結孔を有する被締結部材を重ね合わせ、前記リベット締結孔に挿通されたリベットにより、前記被締結部材を互いに締結させるリベット締結構造体において、前記リベットのカシマリ部側に位置する前記被締結部材の前記リベット締結孔が、リベット締結時に押しつぶされた前記リベットの一部が充填されて前記リベットが回転不能に保持されるように、非円形に形成されていることを特徴とするリベット締結構造体。
【請求項3】前記リベットのカシマリ部側に位置する前記被締結部材又はフランジ部側に位置する前記被締結部材おいて、少なくとも一方が金属材料若しくは樹脂材料により形成されていることを特徴とする請求項2に記載のリベット締結構造体。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リベットにより締結される被締結部材及びリベット締結構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機、FAX、プリンタ等の工業製品には、ベース部材や側板部材等の各部材の締結をリベット締めにより行うリベット締結構造が用いられている。
【0003】これらの工業製品の各部材を傷つけずに再使用する場合には、ドリルによって各部材を連結するリベットのフランジ部を切削してリベットを取り外すことにより、各部材の解体・分別が行われる。
【0004】しかし、リベットを挿通させるために各部材に設けられるリベット締結孔は、一般に円形状に形成されているので、フランジ部の切削を行うドリルの回転に伴ってリベットが連れ回りすることが多く、フランジ部の切削が困難となることがあった。
【0005】このような場合には、フランジのカシマリ部をペンチ等で固定することにより、ドリルの回転に伴うリベットの連れ回りを防止して、フランジ部の切削を行う方法が用いられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、リベットのカシマリ部の形状・大きさによっては、ぺンチによりカシマリ部を挟み込んでもカシマリ部を十分に固定することができず、ドリルの回転に伴ってリベットが連れ回りを生じてしまう場合があった。
【0007】また、カシマリ部の位置や締結の構造によっては、ペンチの先端部でカシマリ部を挟み込むことができず、リベットの連れ回りを防止することが困難な場合も生じていた。
【0008】本発明は、上記の事情に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、リベット締結に用いられたリベットのフランジ部を切削する際に、該リベットのカシマリ部をペンチ等で固定しなくともフランジの連れ回りを防止する事を可能とすることにより、リベットの取り外しを容易に行うことができるリベット用被締結部材及びリベット締結構造体を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、請求項1に記載のリベット用被締結部材は、リベット締結孔を有する被締結部材に対してリベットのカシマリ部側に位置し、前記リベット締結孔に対向される対向リベット締結孔を有するリベット用被締結部材において、前記対向リベット締結孔が、リベット締結時に押しつぶされた前記リベットの一部が充填されて前記リベットが回転不能に保持されるように、非円形に形成されていることを特徴とする。
【0010】このような請求項1に記載のリベット用被締結部材は、前記リベットのフランジ部をドリルにより切削する際に、前記リベットに伝わるドリルの回転力に耐えうる大きさの反力を、リベット締結時にリベット締結孔の非円形部に充填される前記リベットの固持力により得ることができる。
【0011】このため、従来のようにカシマリ部をペンチ等で固定しなくとも、ドリルの回転に伴ってリベットが連れ回りを起こすことを防止することが可能となり、前記フランジ部の切削を容易に行うことができる。
【0012】請求項2に記載のリベット用被締結部材は、リベット締結孔を有する被締結部材を重ね合わせ、前記リベット締結孔に挿通されたリベットにより、前記被締結部材を互いに締結させるリベット締結構造体において、前記リベットのカシマリ部側に位置する前記被締結部材の前記リベット締結孔が、リベット締結時に押しつぶされた前記リベットの一部が充填されて前記リベットが回転不能に保持されるように、非円形に形成されていることを特徴とする。
【0013】請求項2に記載のリベット締結構造体では、請求項1と同様に、前記リベットのフランジ部を切削する際に、ドリルの回転に伴ってリベットが連れ回りを起こすことを防止することが可能となり、前記フランジ部の切削を容易に行うことができる。
【0014】また、リベット締結構造体の構造によってペンチの先端がカシマリ部に届かず、カシマリ部をベンチ等で固定することができない締結部に対しても、リベットのフランジ側からの作業でフランジ部を切削する事が可能となるので、リベット締結構造体の分解を容易に行うことができる。
【0015】請求項3に記載のリベット締結構造体では、請求項2に記載するリベットのカシマリ部側に位置する前記被締結部材又はフランジ部側に位置する前記被締結部材において、少なくとも一方が金属材料若しくは樹脂材料により形成されていることを特徴とする。
【0016】請求項3に記載のリベット締結構造体では、請求項2に記載のリベットのカシマリ部側に位置する前記被締結部材又はフランジ部側に位置する前記被締結部材において、少なくとも一方が金属材料若しくは樹脂材料により形成されているので、本発明に掛かるリベット用被締結部材及びリベット締結構造体を金属部材同士若しくは樹脂部材同士の締結時だけでなく、薄肉板金と樹脂部材との締結等の異なる材料同士の締結時にも用いることが可能となる。
【0017】このため、多くの工業製品に本発明を応用することができると共に、各工業製品の分解作業の効率化を図ることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明にかかるリベット締結構造体1は、図1に示すように、フランジ側被締結部材3と、カシマリ側被締結部材4と、両被締結部材3,4の締結を行うブラインドリベット2とで概略構成されている。
【0019】フランジ側被締結部材3及びカシマリ側被締結部材4は共に、鋼材により形成されている。
【0020】フランジ側被締結部材3には、ブラインドリベット2を挿通させるためのフランジ側締結孔5が設けられており、カシマリ側被締結部材4には、フランジ締結孔5と対向するカシマリ側締結孔6が設けられている。このフランジ側締結孔5は円形に形成され、カシマリ側締結孔6は小判型に形成されている。
【0021】カシマリ側締結孔6は、図2〜図4に示すようにフランジ側締結孔5の開口よりひとまわり大きな開口が形成されており、その内部に、カシマリ側締結孔6の開口から臨むフランジ側締結孔5の周縁部10とカシマリ側締結孔6の周壁部11とで形成された周壁空間12を有している。
【0022】ブラインドリベット2は金属材料で形成され、フランジ部15と、引き出し部16と、胴体部17とで概略構成されている。
【0023】リベット締結の際には、ブラインドリベット2の胴体部17が、重ね合わされた被締結部材3,4のフランジ側締結孔5側からカシマリ側締結孔6側へ向けて挿通される。
【0024】胴体部17が挿通されたブラインドリベット2は、フランジ部15とフランジ側締結孔5の周縁部13とが当接された状態で、引き出し部16が引き抜かれる。
【0025】引き出し部16が引き抜かれると、胴体部17の先端が引き出し部16の引き抜きに伴ってフランジ部15側に移動すると共に、その移動に伴って押しつぶされた胴体部17が膨径してカシマリ部18が形成され、膨径した胴体部17のリベットがカシマリ側締結孔6の周壁空間12に充填される。
【0026】互いに重ね合わされたフランジ側被締結部材3及びカシマリ側被締結部材4は、このカシマリ部15とフランジ部18とによって圧接されることにより締結される。
【0027】このようなリベット締結構造体1により締結されたフランジ側被締結部材3とカシマリ側被締結部材4とを解体するには、ブラインドリベット2のフランジ部15を切削することにより行われる。
【0028】この切削作業における本発明に係るリベット締結構造体の作用・効果を以下に詳述する。
【0029】図5に示すように、ブラインドリベット2の軸心に沿ってドリル20によるフランジ部15の切削が行われると、ドリル20の回転に伴ってフランジ部15にドリル20の回転力Fが加えられる。
【0030】カシマリ側被締結部材4は、リベット締結時にカシマリ側締結孔6の周壁空間12にリベットが充填されるので、回転力Fに耐えうる大きさの反力fを充填されたリベットの固持力から得ることができる。
【0031】このため、従来のようにブラインドリベット2のカシマリ部18をペンチ等で固定しなくとも、ドリル20の回転に伴ってブラインドリベット2が連れ回りを起こすことを防止することが可能となり、フランジ部15の切削を容易に行うことができるようになる。
【0032】さらに、リベット締結構造体1の構造によって、ペンチの先端がカシマリ部18に届かず、カシマリ部18をペンチで固定することができない場合においても、ブラインドリベット2のフランジ部15側からの作業のみでフランジ部15を切削する事が可能となるので、リベット締結構造体1の分解を容易に行うことができる。
【0033】また、本発明の実施の形態では、フランジ側被締結部材3及びカシマリ側被締結部材4の両部材が金属材料により形成された場合を示したが、どちらか一方又は両方が樹脂材料により形成することも可能である。
【0034】樹脂材料又は金属材料で形成された被締結部材を用いることにより、金属部材同士若しくは樹脂部材同士の締結時だけでなく、薄肉板金と樹脂部材との締結等の異なる材料同士の締結時にも用いることが可能となり、多くの工業製品に本発明を応用することができる。
【0035】以上、本発明に係るリベット締結用被連結部材及びリベット締結構造体を、図面を用いて詳述したが、本発明には上記発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0036】例えば、本発明の実施の形態ではカシマリ側締結孔6が小判型の場合を用いて説明したが、小判型以外の形状のものであっても、非円形のものであれば本発明の効果を奏することが可能である。
【0037】カシマリ側締結孔6の形状は、図6に示すように四角形(図a)、6角形(図b)等の多角形のほか、星形(図c)や円形孔の一部に溝が設けられた形状のもの(図d)等であってもよい。
【0038】また、本発明の実施の形態ではブラインドリベット2を用いて説明したが、ブラインドリベットに限られるものではなく、丸リベット等の一般に用いられるリベットを用いた場合であっても本発明の効果を奏することが可能である。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載のリベット用被締結部材は、前記リベットのフランジ部をドリルにより切削する際に、前記リベットに伝わるドリルの回転力に耐えうる大きさの反力を、リベット締結時にリベット締結孔の非円形部に充填される前記リベットの固持力により得ることができる。
【0040】このため、従来のようにカシマリ部をペンチ等で固定しなくとも、ドリルの回転に伴ってリベットが連れ回りを起こすことを防止することが可能となり、前記フランジ部の切削を容易に行うことができる。
【0041】また、請求項2に記載のリベット締結構造体では、請求項1と同様に、前記リベットのフランジ部を切削する際に、ドリルの回転に伴ってリベットが連れ回りを起こすことを防止することが可能となり、前記フランジ部の切削を容易に行うことができる。
【0042】さらに、リベット締結構造体の構造によってペンチの先端がカシマリ部に届かず、カシマリ部をぺンチ等で固定することができない締結部に対しても、リベットのフランジ部側からの作業のみでフランジ部を切削する事が可能となるので、リベット締結構造体の分解を容易に行うことができる。
【0043】請求項3に記載のリベット締結構造体では、前記リベットのカシマリ部側に位置する前記被締結部材又はフランジ部側に位置する前記被締結部材において、少なくとも一方が金属材料若しくは樹脂材料により形成されているので、本発明に掛かるリベット用被締結部材及びリベット締結構造体を金属部材同士若しくは樹脂部材同士の締結時だけでなく、薄肉板金と樹脂部材との締結等の異なる材料同士の締結時にも用いることが可能となる。
【0044】このため、多くの工業製品に本発明を応用することができると共に、各工業製品の分解作業の効率化を図ることが可能となる。
【出願人】 【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
【出願日】 平成11年5月13日(1999.5.13)
【代理人】 【識別番号】100082670
【弁理士】
【氏名又は名称】西脇 民雄
【公開番号】 特開2000−320509(P2000−320509A)
【公開日】 平成12年11月24日(2000.11.24)
【出願番号】 特願平11−132553