| 【発明の名称】 |
ね じ |
| 【発明者】 |
【氏名】直井 学
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| 【要約】 |
【課題】ねじを雌ねじ部に挿入する際の傾斜を抑制し、ねじの先端部でのロック及びねじ山の交差を防止する。
【解決手段】ねじ10の軸部12の先端側に、導入部ねじ山17を形成した長さNの導入部15を形成し、導入部15の先端側に、長さLのパイロット部16を形成する。パイロット部16の外径は、ばらつく雌ねじの内径の最小に近く形成する。軸部12のねじ山14のピッチP、導入部15の長さN、及びパイロット部16の長さLの関係については、L/P≧1.6、N/P≧2.0とする。さらに、並目ねじ系のねじについては、6.0≧N/P+L/P≧5.0、細目ねじ系のねじについては、7.0≧N/P+L/P≧6.0、1/4−20UNC系のねじについては、5.0≧N/P+L/P≧4.0、の範囲に形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 並目ねじ系のねじ山を設けた軸部と、この軸部の先端側に設けたねじ山を設けないパイロット部と、これら軸部とパイロット部との間に位置し前記パイロット部に向かい次第に外形寸法の小さくなる導入部ねじ山を設けた導入部とを具備し、前記導入部の長さをN、前記パイロット部の長さをL、前記ねじピッチをPとしたとき、L/P≧1.6、N/P≧2.0、6.0≧N/P+L/P≧5.0、の範囲に設定されたことを特徴とするねじ。 【請求項2】 細目ねじ系のねじ山を設けた軸部と、この軸部の先端側に設けたねじ山を設けないパイロット部と、これら軸部とパイロット部との間に位置し前記パイロット部に向かい次第に外形寸法の小さくなる導入部ねじ山を設けた導入部とを具備し、前記導入部の長さをN、前記パイロット部の長さをL、前記ねじピッチをPとしたとき、L/P≧1.6、N/P≧2.0、7.0≧N/P+L/P≧6.0、の範囲に設定されたことを特徴とするねじ。 【請求項3】 1/4−20UNC系のねじ山を設けた軸部と、この軸部の先端側に設けたねじ山を設けないパイロット部と、これら軸部とパイロット部との間に位置し前記パイロット部に向かい次第に外形寸法の小さくなる導入部ねじ山を設けた導入部とを具備し、前記導入部の長さをN、前記パイロット部の長さをL、前記ねじピッチをPとしたとき、L/P≧1.6、N/P≧2.0、5.0≧N/P+L/P≧4.0、の範囲に設定されたことを特徴とするねじ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、ねじ込む際のねじ山の交差を防止するねじに関する。 【0002】 【従来の技術】例えば、ボルトをナットに挿入して締め付ける作業の際、ボルトの挿入前においては、ボルトの雄ねじの軸線とナットの雌ねじの軸線とは必ずしも一直線上に配置されず、多くの場合傾いた状態で挿入され、ボルトの雄ねじのねじ山とナットの雌ねじのねじ山との交差が生じる。そして、このようにねじ山の交差が生じた状態では、ねじ山にねじ山が食い込む状態となり、締め付け作業を行うことはできない。 【0003】この点、従来、例えば、国際公開第WO97/41360号公報に示すように、軸部の先端部に、ねじ山の外径の小さい導入部と、ねじ山を形成しないパイロット部とを設け、傾きを抑えて挿入することを図っている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記のように、パイロット部を設け、このパイロット部により傾きを抑えるには、パイロット部の長さを十分に保ち、かつ、パイロット部を案内する雌ねじの内径とパイロット部の外径との差を小さく設定する必要がある。しかしながら、パイロット部の長さを大きくすると、ねじの製造コストが増大する問題を有している。また、雌ねじの内径にはばらつきがあり、雌ねじとパイロット部との間の間隔を常に小さく保つことは困難な問題を有している。 【0005】また、ねじ山の外径の小さい導入部を設ける構成においても、パイロット部の長さが十分でないと、この導入部でねじ山の交差が生じるおそれがあるが、上記公報には、パイロット部と導入部との長さの関係については何ら示されていない。 【0006】本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ねじ込む際のねじ山の交差を防止し円滑にねじ込みできるねじを提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】請求項1記載のねじは、並目ねじ系のねじ山を設けた軸部と、この軸部の先端側に設けたねじ山を設けないパイロット部と、これら軸部とパイロット部との間に位置し前記パイロット部に向かい次第に外形寸法の小さくなる導入部ねじ山を設けた導入部とを具備し、前記導入部の長さをN、前記パイロット部の長さをL、前記ねじピッチをPとしたとき、L/P≧1.6、N/P≧2.0、6.0≧N/P+L/P≧5.0、の範囲に設定されたものである。 【0008】そして、この構成では、並目ねじ系のねじにおいて、L/P≧1.6とすることにより、ねじの先端部をねじ孔に挿入する際の傾斜が抑制され、導入部ねじ山の先端部でのロックが防止される。さらに、N/P≧2.0、N/P+L/P≧5.0、とすることにより、ねじの傾斜が抑制され、導入部ねじ山が相手部材のねじ山と円滑に螺合し、ねじ山の交差が防止される。また、必要以上に導入部やパイロット部を長くする必要がなく、6.0≧N/P+L/Pとすることにより、経済性が確保される。 【0009】請求項2記載のねじは、細目ねじ系のねじ山を設けた軸部と、この軸部の先端側に設けたねじ山を設けないパイロット部と、これら軸部とパイロット部との間に位置し前記パイロット部に向かい次第に外形寸法の小さくなる導入部ねじ山を設けた導入部とを具備し、前記導入部の長さをN、前記パイロット部の長さをL、前記ねじピッチをPとしたとき、L/P≧1.6、N/P≧2.0、7.0≧N/P+L/P≧6.0、の範囲に設定されたものである。 【0010】そして、この構成では、細目ねじ系のねじにおいて、L/P≧1.6とすることにより、ねじの先端部をねじ孔に挿入する際の傾斜が抑制され、導入部ねじ山の先端部でのロックが防止される。さらに、N/P≧2.0、N/P+L/P≧6.0、とすることにより、ねじの傾斜が抑制され、導入部ねじ山が相手部材のねじ山と円滑に螺合し、ねじ山の交差が防止される。また、必要以上に導入部やパイロット部を長くする必要がなく、7.0≧N/P+L/Pとすることにより、経済性が確保される。 【0011】請求項3記載のねじは、1/4−20UNC系のねじ山を設けた軸部と、この軸部の先端側に設けたねじ山を設けないパイロット部と、これら軸部とパイロット部との間に位置し前記パイロット部に向かい次第に外形寸法の小さくなる導入部ねじ山を設けた導入部とを具備し、前記導入部の長さをN、前記パイロット部の長さをL、前記ねじピッチをPとしたとき、L/P≧1.6、N/P≧2.0、5.0≧N/P+L/P≧4.0、の範囲に設定されたものである。 【0012】そして、この構成では、1/4−20UNC系のねじにおいて、L/P≧1.6とすることにより、ねじの先端部をねじ孔に挿入する際の傾斜が抑制され、導入部ねじ山の先端部でのロックが防止される。さらに、N/P≧2.0、N/P+L/P≧4.0、とすることにより、ねじの傾斜が抑制され、導入部ねじ山が相手部材のねじ山と円滑に螺合し、ねじ山の交差が防止される。また、必要以上に導入部やパイロット部を長くする必要がなく、5.0≧N/P+L/Pとすることにより、経済性が確保される。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明のねじの一実施の形態を図面を参照して説明する。 【0014】図1において、10はねじで、このねじ10は、略六角柱形の頭部11と円柱状の軸部12とを備えた六角ボルトを構成している。そして、軸部12には、雄ねじであるねじ山14が所定の外径及びピッチP、すなわち、並目ねじ系、細目ねじ系、あるいは1/4−20UNC(ユニファイ並目ねじ)系で形成されている。 【0015】また、この軸部12の先端側には、長さNの導入部15が形成され、さらに、導入部15の先端側には、長さLのパイロット部16が形成されている。 【0016】そして、導入部15には、全長にわたり、導入部ねじ山17が形成されている。そして、この導入部ねじ山17は、導入部15の先端部で谷径と等しく、次第に外径が大きくなり、基端部がねじ山14に連続するように形成されている。なお、この導入部15の谷径は、軸部12の谷径と等しくなっている。 【0017】また、パイロット部16は、ねじ山が形成されておらず、略円柱状に形成されている。なお、このパイロット部16の外径は、ばらつく雌ねじの内径の最小に近く形成されている。また、パイロット部16の先端部には、基端側よりも先端側の曲率の大きい曲面状の案内面18が形成されている。 【0018】そして、軸部12のねじ山14のピッチP、導入部15の長さN、及びパイロット部16の長さLの関係については、L/P≧1.6、すなわち、パイロット部16の長さLはピッチPの1.6倍以上の寸法に形成され、N/P≧2.0、すなわち、導入部15の長さNはピッチPの2.0倍以上の寸法に形成されている。 【0019】さらに、並目ねじ系のねじについては、6.0≧N/P+L/P≧5.0、細目ねじ系のねじについては、7.0≧N/P+L/P≧6.0、また、1/4−20UNC(ユニファイ並目ねじ)系のねじについては、5.0≧N/P+L/P≧4.0、の範囲に形成され、以下に示すように、ねじ10の先端部をねじ孔に挿入する際の傾斜を抑制し、導入部ねじ山17の先端部でのロックを防止でき、また、ねじ10の傾斜を抑制し、導入部ねじ山17を相手部材のねじ山に円滑に螺合させ、ねじ山14の交差を防止でき、さらに、必要以上に導入部15やパイロット部16を長く形成する必要がなく、経済性を確保できる。 【0020】次に、図1ないし図3及び表1を参照して、相手部材であるナット21の雌ねじ部22に、ねじ10を螺合する動作を説明する。 【0021】以下は、並目ねじ系のねじ、細目ねじ系のねじ、及び1/4−20UNCについてのコンピュータ上のシミュレーションなどの計算結果、及び表1に示す並目ねじ系のねじについての実際の実験結果に基くもので、表1は、並目ねじ系のねじについて、図2に示すロック状態、及び図3に示すねじ山交差状態が生じないかの実験結果を示している。また、表1において、丸印はロックあるいはねじ山交差が生じることなく螺合したねじ10を示している。 【0022】 【表1】
すなわち、ねじ10は、軸部12の軸方向Aをナット21の雌ねじ部22の軸方向Bに一致させて挿入することが望ましいが、実際の作業では、所定の大きさの挿入角θを持って挿入される。 【0023】そして、この挿入角θが大きい場合には、図2に示すように、パイロット部16が雌ねじ部22内に挿入され、導入部ねじ山17が雌ねじ部22のねじ山へ係り始めた状態で、パイロット部16の先端部が雌ねじ部22のねじ山同士の間にはまり、ロック状態となるが、本実施の形態では、パイロット部16の外径を、雌ねじ部22の内径の最小に近い外径とし、かつ、パイロット部16の長さLをピッチPの1.6倍以上としたため、挿入角θを小さくでき、ねじ10の導入部15を雌ねじ部22内に確実に案内できる。 【0024】そして、導入部15の先端部が雌ねじ部22に挿入されたねじ10は、このねじ10を回転させねじ込むことにより、雌ねじ部22内を奥に進んでいく。 【0025】そして、パイロット部16によるねじ10の雌ねじ部22への挿入角θの抑制度合いは、雌ねじ部22の内径のばらつきに従い、雌ねじ部22の内径が大きくなると、挿入角θは大きくなる可能性がある一方、雌ねじ部22の内径がパイロット部16の外径に近ければ、挿入角θは小さく抑制される。 【0026】そして、挿入角θが小さい場合には、通常ねじ部である軸部12のねじ山14をそのまま雌ねじ部22に導入してもねじ山の交差は生じない。一方、挿入角θが大きい場合には、ねじ山14を直接に雌ねじ部22に導入し、あるいは導入部15の長さNが十分でないと、図3に示すように、挿入角θが大きい状態で挿入されたねじ10が十分な角度の抑制が行われない内に前進し、ねじ山14が雌ねじ部22にかみ込むねじ山交差の原因となる。 【0027】そこで、所定の長さNの導入部ねじ山17を設けた導入部15を設けることにより、傾斜したねじ10をねじ山交差を生じないように前進させ、さらに、前進につれて挿入角θを小さくし、傾斜が十分に抑制された状態で、ねじ山14を雌ねじ部22に螺合させる必要がある。 【0028】そして、ロックあるいはねじ山交差を生じさせないとの作用を奏する導入部15の長さNは、ピッチP及びパイロット部16の長さLに応じて設定する必要があり、実験の結果、上記のように、L/P≧1.6、の条件に加え、N/P≧2.0、すなわち、導入部15の長さNはピッチPの2.0倍以上の寸法に形成する必要があり、さらに、並目ねじ系のねじについては、N/P+L/P≧5.0、細目ねじ系のねじについては、N/P+L/P≧6.0、また、1/4−20UNC系のねじについては、N/P+L/P≧4.0、の範囲に形成する必要があることがわかった。 【0029】そして、このような構成により、パイロット部16のみによるねじ交差防止には不十分な傾きの状態でも、ねじ交差を起こさないように導入できる導入部15を実現し、ねじ山交差を防止できた。 【0030】さらに、導入部15及びパイロット部16の長さを、並目ねじ系のねじについては、6.0≧N/P+L/P、細目ねじ系のねじについては、7.0≧N/P+L/P、また、1/4−20UNC系のねじについては、5.0≧N/P+L/P、の範囲とすることにより、ねじ10の経済性を確保することができる。 【0031】このようにして、ねじ11をナット21などの雌ねじ部22にねじ込む際の、雄ねじ部のねじ山と雌ねじのねじ山との交差を防止でき、かつ、製造コストを低減できるねじ山交差防止ねじを提供できる。 【0032】なお、上記の実施の形態では、六角ボルトについて説明したが、他の形状の頭部を有するボルト、あるいはいわゆる小ねじなど、雄ねじのねじ山を有する部材に適用できる。 【0033】また、ねじは、一体に形成する他、複数の部材を溶接などして形成することもできる。 【0034】 【発明の効果】請求項1記載のねじによれば、並目ねじ系のねじにおいて、ねじの先端部をねじ孔に挿入する際の傾斜を抑制し、導入部ねじ山の先端部でのロックを防止できる。さらに、ねじの傾斜を抑制し、導入部ねじ山を相手部材のねじ山に円滑に螺合させ、ねじ山の交差を防止できる。また、必要以上に導入部やパイロット部を長くする必要がなく、経済性を確保できる。 【0035】請求項2記載のねじによれば、細目ねじ系のねじにおいて、ねじの先端部をねじ孔に挿入する際の傾斜を抑制し、導入部ねじ山の先端部でのロックを防止できる。さらに、ねじの傾斜を抑制し、導入部ねじ山を相手部材のねじ山と円滑に螺合させ、ねじ山の交差を防止できる。また、必要以上に導入部やパイロット部を長くする必要がなく、経済性を確保できる。 【0036】請求項3記載のねじによれば、1/4−20UNC系のねじにおいて、ねじの先端部をねじ孔に挿入する際の傾斜を抑制し、導入部ねじ山の先端部でのロックを防止できる。さらに、ねじの傾斜を抑制され、導入部ねじ山を相手部材のねじ山と円滑に螺合させ、ねじ山の交差を防止できる。また、必要以上に導入部やパイロット部を長くする必要がなく、経済性を確保できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】592118103 【氏名又は名称】株式会社名古屋螺子製作所
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| 【出願日】 |
平成11年4月7日(1999.4.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062764 【弁理士】 【氏名又は名称】樺澤 襄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−291616(P2000−291616A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月20日(2000.10.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−99976 |
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