トップ :: F 機械工学 照明 加熱 武器 爆破 :: F16 機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段




【発明の名称】 ねじ係合機構
【発明者】 【氏名】清水 和明

【要約】 【課題】テーパねじを使用したねじ機構において、雄ねじ及び雌ねじ間の材質差によりテーパねじの締め付け時に微小な切り屑が発生することを防止する。

【解決手段】鋼鉄製コネクタ13に形成されたテーパ雄ねじ1は、その先端から基本径位置までの軸方向長さAが、アルミ製口金11に形成されたテーパ雌ねじ2の基本径位置3から小径端部4までの軸方向長さTよりも大きく構成されていて、両ねじ1、2を相互に仮締めした状態で、テーパ雄ねじ1の先端が口金11のテーパ雌ねじ22から突出している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 テーパ雄ねじと同テーパ雄ねじより軟質材のテーパ雌ねじとからなり、上記テーパ雄ねじ及び上記テーパ雌ねじを相互に仮締めさせたとき、上記テーパ雄ねじの先端が上記テーパ雌ねじの小径端部から突出し、もしくは、上記小径端部と略一致するように形成されたねじ係合機構。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、テーパねじを使用したねじ係合機構、とくに、雌ねじが雄ねじよりも軟質材で構成された場合のねじ係合機構に関する。
【0002】
【従来の技術】テーパねじを使用したJIS規格のねじ係合機構にあっては、図2に示されているように、テーパ雄ねじ1の先端から基本径位置までの軸方向長さaが、テーパ雌ねじ2の基本径位置である大径端部3から小径端部4までの軸方向長さtよりも小さくされていて、テーパ雄ねじ1をテーパ雌ねじ2に係合させて両者の基本径位置が一致してから、さらにテーパ雄ねじ1をテーパ雌ねじ2へ強く締め付けて、両ねじ面間の接触圧によりシール作用を行わせるようにしている。
【0003】しかしながら、車両におけるアルミ製エアタンク10にアルミ製口金11が溶着されて、アルミ製口金11にテーパ雌ねじ2が形成され、エア配管用の通孔12付き鋼鉄製コネクタ13に形成されたテーパ雄ねじ1がテーパ雌ねじ2に強く締め付けられた場合には、テーパ雄ねじ1の軸方向長さaがテーパ雌ねじ2の軸方向長さtよりも小さいために、テーパ雄ねじ1より軟質材からなるテーパ雌ねじ2をテーパ雄ねじ1の先端が削り落として、テーパ雌ねじ2からほこり状の微小な切り屑を発生させるおそれがあり、従って、このような微小切り屑が発生すると、ブレーキエア配管等におけるバルブ類に切り屑がかみ込まれてエア洩れが生じるという不具合が考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、テーパねじを使用したねじ係合機構において、雄ねじ及び雌ねじ間の材質差によりテーパねじの締め付け時に微小な切り屑が発生することを確実に防止することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため、本発明にかかるねじ係合機構は、テーパ雄ねじと同テーパ雄ねじより軟質材のテーパ雌ねじとからなり、上記テーパ雄ねじ及び上記テーパ雌ねじを相互に仮締めさせたとき、上記テーパ雄ねじの先端が上記テーパ雌ねじの小径端部から突出し、もしくは、上記小径端部と略一致するように形成されている。
【0006】従って、テーパ雄ねじ及びテーパ雌ねじを相互に仮締めさせた状態からテーパ雌ねじに対しテーパ雄ねじをさらに締め付けたとき、テーパ雄ねじの先端はテーパ雌ねじに当接しないこととなるので、テーパ雌ねじがテーパ雄ねじより軟質材であっても、テーパ雄ねじの先端がテーパ雌ねじを削り落すことにより、テーパ雌ねじからほこり状の微小な切り屑を発生させるおそれは確実に解消させることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態例について、前記従来装置との同等部分にはそれぞれ同一符号を付けて説明する。図1において、エア配管用の通孔12をそなえた鋼鉄製コネクタ13にテーパ雄ねじ1が形成され、テーパ雄ねじ1は、その先端から基本径位置までの軸方向長さAが、アルミ製エアタンク10に溶着のアルミ製口金11に形成されたテーパ雌ねじ2の基本径位置である大径端部3から小径端部4までの軸方向長さTよりも大きく構成されていて、図示のようにテーパ雄ねじ1をテーパ雌ねじ2に緩く係合させた、いわゆる、仮締めさせたとき、テーパ雄ねじ1の先端がテーパ雌ねじ2の小径端4からエアタンク10内へ突出している。
【0008】例えば、JIS規格によれば、呼び径が3/4インチであるテーパねじの場合、基本径が25.279mm、テーパ雄ねじ1の軸方向長さaが9.53mm、テーパ雌ねじ2の軸方向長さtが10.2mmであるが、テーパ雌ねじ2の軸方向長さT=tのとき、テーパ雄ねじ1の軸方向長さA=1.25a=11.913mmに設定すると、A>tになるので、テーパ雄ねじ1をテーパ雌ねじ2に仮締めさせたとき、テーパ雄ねじ1の先端がテーパ雌ねじ2の小径端部4から突出することとなり、また、他の呼び径のテーパねじでも、テーパ雄ねじ1の軸方向長さA=1.25aとすれば、上記の場合と同様にテーパ雌ねじ2の軸方向長さT=tのときA>tとなって、両テーパ雄ねじ1及びテーパ雌ねじ2が仮締めされたとき、テーパ雄ねじ1の先端がテーパ雌ねじ2の小径端部4から突出することとなる。
【0009】従って、テーパ雄ねじ1をテーパ雌ねじ2に仮締めさせた状態からテーパ雌ねじ2に対しテーパ雄ねじ1をさらに締め付けて、両ねじ1、2間にシール機能をもたせたとき、テーパ雄ねじ1の先端はテーパ雌ねじ2に当接していないので、テーパ雌ねじ2がテーパ雄ねじ1より軟質材のアルミ材であっても、テーパ雄ねじ1の先端がテーパ雌ねじ2を削り落すことは全くなくなり、このため、テーパ雌ねじ2からほこり状の微小な切り屑が発生する可能性は完全に払拭されて、ブレーキエア配管等におけるバルブ類に切り屑がかみ込まれてエア洩れが生じるという不具合を確実に解消することができる。
【0010】なお、上記実施形態例では、テーパ雄ねじをテーパ雌ねじに仮締めさせたとき、テーパ雄ねじの先端がテーパ雌ねじの小径端部から突出しているが、両テーパ雄ねじ及びテーパ雌ねじが仮締めされたとき、テーパ雄ねじの先端がテーパ雌ねじの小径端部と略一致していても、上記実施形態例と同等の作用効果を奏することはいうまでもない。
【0011】
【発明の効果】本発明にかかるねじ係合機構においては、テーパ雄ねじ及びテーパ雌ねじが仮締めされた状態からテーパ雌ねじに対しテーパ雄ねじをさらに締め付けたとき、テーパ雌ねじがテーパ雄ねじより軟質材であっても、テーパ雄ねじの先端がテーパ雌ねじを削り落すことにより、テーパ雌ねじからほこり状の微小な切り屑を発生させるおそれは確実に解消されるので、これらの切り屑による配管内の不具合発生を未然に防止することができる。
【出願人】 【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
【出願日】 平成11年4月13日(1999.4.13)
【代理人】 【識別番号】100066278
【弁理士】
【氏名又は名称】日昔 吉武
【公開番号】 特開2000−291615(P2000−291615A)
【公開日】 平成12年10月20日(2000.10.20)
【出願番号】 特願平11−104740