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【発明の名称】 部材の結合構造
【発明者】 【氏名】三国 敦

【要約】 【課題】少なくとも二つの被結合部材を高強度に且つ互いに他に対し正確な位置関係にて結合する。

【解決手段】ジョイント部材10により実質的に中空の二つの被結合部材12、14を結合する部材の結合構造。ジョイント部材10は二つの被結合部材12、14の被結合部を受け且つこれらに固定される一対の受容部16、18と、これらの受容部を一体に接続する接続部20と、受容部と一体に形成され互いに隔置された一対のピン22、24とを有する。ピン22、24は切頭円錐形をなし、各被結合部材の被結合部は対応する対応するピンを密に受け入れるピン受け入れ孔26、28、30、32を有している。ピン22、24はジョイント部材10に対する被結合部材12、14の位置決め手段として機能すると共に被結合部材12、14に作用する応力の伝達手段として機能する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】ジョイント部材により少なくとも二つの被結合部材を結合する部材の結合構造にして、前記ジョイント部材は二つの前記被結合部材の被結合部を受け且つこれらに固定される少なくとも一対の受容部と、該受容部と一体に形成され互いに隔置された少なくとも一対のピンとを有し、前記被結合部材の被結合部は対応する前記ピンを受け入れるピン受け入れ孔を有していることを特徴とする部材の結合構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部材の結合に係り、更に詳細には押出し材よりなる部材の結合に適した結合構造に係る。
【0002】
【従来の技術】中空の二つの被結合部材を結合する構造の一つとして、例えば特表平6−508576号公報に記載されている如く、中空の二つの被結合部材の端部にソケット部材が挿入され、ソケット部材が溶接によって被結合部材の端部に固定されることにより二つの被結合部材が互いに結合されるよう構成された部材の結合構造が従来より知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記公表公報に記載された結合構造によれば、ソケット部材を介して中空の二つの被結合部材を一体的に結合することができるが、二つの被結合部材にそれらを互いに引き離す方向の応力が作用する場合には、その応力はソケット部材と被結合部材との間の溶接部によってしか担持されないため、二つの被結合部材の引張り方向の結合強度が低いという問題があり、また被結合部材の端部に対しソケット部材を正確に位置決めすることが困難であるため、二つの被結合部材を互いに他に対し正確な位置関係にて結合することが困難である。
【0004】本発明は、中空の二つの被結合部材の端部にソケット部材が挿入されソケット部材が被結合部材の端部に溶接されることにより二つの被結合部材が互いに結合されるよう構成された従来の部材の結合構造に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、二つの被結合部材に機械的に係合すると共に二つの被結合部材の相対的位置関係を規定するピンを有するジョイント部材を使用することにより、少なくとも二つの被結合部材を高強度に且つ互いに他に対し正確な位置関係にて結合することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ちジョイント部材により少なくとも二つの被結合部材を結合する部材の結合構造にして、前記ジョイント部材は二つの前記被結合部材の被結合部を受け且つこれらに固定される少なくとも一対の受容部と、該受容部と一体に形成され互いに隔置された少なくとも一対のピンとを有し、各被結合部材の被結合部は対応する前記ピンを受け入れるピン受け入れ孔を有していることを特徴とする部材の結合構造によって達成される。
【0006】上記請求項1の構成によれば、ジョイント部材は二つの被結合部材の被結合部を受け且つこれらに固定される少なくとも一対の受容部と、該受容部と一体に形成され互いに隔置された少なくとも一対のピンとを有し、各被結合部材の被結合部は対応するピンを受け入れるピン受け入れ孔を有しており、各ピン及びピン受け入れ孔により二つの被結合部材の端部がジョイント部材に対し位置決めされ、また各ピンが対応するピン受け入れ孔に受け入れられることにより二つの被結合部材の間に作用する応力がピンによってもジョイント部材に伝達されるので、少なくとも二つの被結合部材を高強度に且つ互いに他に対し正確な位置関係にて結合することが可能になる。
【0007】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、各被結合部材の少なくとも被結合部は中空であるよう構成される(好ましい態様1)。
【0008】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様1の構成に於いて、各被結合部材は中空の押出し材であるよう構成される(好ましい態様2)。
【0009】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様1又は2の構成に於いて、各被結合部材の被結合部は実質的に互いに隔置された一対の平面部を有し、ピン受け入れ孔は互いに整合して各平面部に設けられ、各ピンはそれぞれ対応する二つのピン受け入れ孔に受け入れられるよう構成される(好ましい態様3)。
【0010】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様3の構成に於いて、各ピンは対応する被結合部の一対の平面部の外面間の距離と実質的に等しい高さを有するよう構成される(好ましい態様4)。
【0011】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様3の構成に於いて、各ピンは実質的に先細の切頭円錐形をなすよう構成される(好ましい態様5)。
【0012】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様5の構成に於いて、ピンの根元部を受け入れるピン受け入れ孔は対応するピンの根元部を実質的に密に受け入れる直径を有するよう構成される(好ましい態様6)。
【0013】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様5又は6の構成に於いて、ピンの先端部を受け入れるピン受け入れ孔はピンの先端部を対応する平面部に溶接し得る直径を有するよう構成される(好ましい態様7)。
【0014】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様7の構成に於いて、ピンの先端部はそれを受け入れるピン受け入れ孔の周囲の部分に溶接されるよう構成される(好ましい態様8)。
【0015】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様1乃至8の何れかの構成に於いて、各受容部は対応する被結合部材の被結合部に溶接されるよう構成される(好ましい態様9)。
【0016】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様1乃至9の何れかの構成に於いて、ジョイント部材は少なくとも一対の受容部を一体に接続する接続部を有し、各被結合部材の端部はその先端にて接続部に当接した状態に配置されるよう構成される(好ましい態様10)。
【0017】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様3乃至10の何れかの構成に於いて、各被結合部材の少なくとも被結合部は実質的に矩形の断面形状を有し、各受容部は対応する被結合部を実質的に密に受ける断面コの字形をなすよう構成される(好ましい態様11)。
【0018】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、ジョイント部材は二つの被結合部材の被結合部を挟んで互いに対向する二つのジョイント半体よりなり、各半体は二つの被結合部材の被結合部に当接した状態にてこれらに固定される受容部と、該受容部と一体に形成されたピンと、該ピンより隔置され他方の半体のピンの先端部を受け入れるピン受け入れ孔とを有するよう構成される(好ましい態様12)。
【0019】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、ジョイント部材は二つの被結合部材の被結合部を挟んで互いに対向する二つのジョイント半体よりなり、各半体は二つの被結合部材の被結合部に当接した状態にてこれらに固定される受容部と、該受容部と一体に形成され互いに隔置された一対のピンとを有し、一方の半体のピンの先端部は他方の半体のピンの先端部に嵌合するよう構成される(好ましい態様13)。
【0020】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、ジョイント部材は二つの被結合部材の被結合部を挟んで互いに対向する二つのジョイント半体よりなり、各半体は二つの被結合部材の被結合部に当接した状態にてこれらに固定される受容部と、該受容部と一体に形成され互いに隔置された一対のピンとを有し、各半体は実質的に断面コの字形の押し出し材にて形成され、一対のピンは対応する半体の底壁部が塑性加工されることにより形成された実質的に円筒形の突起であるよう構成される(好ましい態様14)。
【0021】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様12乃至14の何れかの構成に於いて、二つの被結合部材の被結合部は二つのジョイント半体の間にて互いに当接するよう構成される(好ましい態様15)。
【0022】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、ジョイント部材は二つの被結合部材をそれらが互いに交差する方向に延在する状態にて結合するよう構成される(好ましい態様16)。
【0023】本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様16の構成に於いて、ジョイント部材は一方の被結合部材の被結合部の先端が他方の被結合部材の被結合部に当接した状態にて二つの被結合部材を結合するよう構成される(好ましい態様17)。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0025】図1は本発明による結合構造の第一の実施形態を被結合部材の結合前の状態にて示す斜視図、図2は図1に示された第一の実施形態を被結合部材の結合完了後の状態にて示す斜視図、図3及び図4はそれぞれ図2の線 III−III 、線IV−IVに沿う拡大断面図である。尚図1及び図2に於いては、簡略化の目的で各部材の板厚の図示は省略されている(このことは後述の他の実施形態を示す図5、図7、図8に於いても同様である)。
【0026】これらの図に於いて、符号10はジョイント部材を示し、符号12及び14はジョイント部材10により互いに結合される被結合部材を示している。ジョイント部材10は鋳造によりアルミニウム合金にて形成されている。被結合部材12及び14はそれぞれ長手方向に沿って一定の中空矩形断面にて延在するアルミニウム合金製の押出し材にて形成されている。また図には示されていないが、被結合部材12及び14はそれぞれ幅W及び高さHを有し、各角部はR取りされている。
【0027】特に図示の第一の実施形態に於いては、ジョイント部材10はその長手方向に互いに隔置されそれぞれ被結合部材12及び14の端部を受ける一対の受容部16及び18と、これらの受容部の間に位置し二つの受容部を一体に接続する接続部20とを有している。
【0028】接続部20は一対の側壁20A及び20Bとこれらを一体に接続する上壁20Cとを有し、側壁20A及び20Bと上壁20Cとの間の角部は被結合部材12及び14の端部の角部に対応してR取りされており、これにより実質的に下向きに開いたコの字形をなしている。また接続部20は幅Wと実質的に同一の幅及び高さHと実質的に同一の高さを有し、側壁20A、20B及び上壁20Cの両端はジョイント部材10の長手方向に対し実質的に垂直に延在する端壁20D及び20Eにより互いに一体に接続されている。
【0029】受容部16は一対の側壁16A及び16Bとこれらを一体に接続する底壁16Cとを有し、側壁16A及び16Bと底壁16Cとの間の角部は被結合部材12の端部の角部に対応してR取りされており、これにより実質的に上向きに開いたコの字形をなしている。側壁16A及び16Bは幅Wと実質的に同一又はこれよりも僅かに大きい距離互いに隔置され、高さHよりも僅かに小さい高さを有し、これにより受容部16は被結合部材12の端部を実質的に密に受けるようになっている。
【0030】同様に、受容部18は一対の側壁18A及び18Bとこれらを一体に接続する底壁18Cとを有し、側壁18A及び18Bと底壁18Cとの間の角部は被結合部材14の端部の角部に対応してR取りされており、これにより実質的に上向きに開いたコの字形をなしている。側壁18A及び18Bは幅Wと実質的に同一又はこれよりも僅かに大きい距離互いに隔置され、高さHよりも僅かに小さい高さを有し、これにより受容部18は被結合部材14の端部を実質的に密に受けるようになっている。
【0031】側壁16A及び18Aは接続部20の側壁20Aと同一平面内にて一体に延在しており、側壁16B及び18Bも接続部20の側壁20Bと同一平面内にて一体に延在している。また底壁16C及び18Cは互いに同一の平面内に延在し、それらの内端に於いて接続部20の端壁20D及び20Eと一体に接続されている。更に側壁16A及び18A、側壁16B及び18B、底壁16C及び18Cは互いに同一の長さを有している。
【0032】受容部16及び18の底壁16C及び18Cの内面にはそれぞれ図にて上方へ突出するピン22及び24が一体に設けられており、ピン22及び24は中空の実質的に先細の切頭円錐形をなしている。またピン22及び24は底壁16C及び18Cの幅方向中央に位置し、それぞれ端壁20D及び20Eより等距離にて隔置されている。更にピン22及び24は高さHと実質的に同一又はこれよりも僅かに大きい突出高さを有している。
【0033】被結合部材12及び14の端部の上壁12A及び14Aにはそれぞれピン22及び24の先端部を受け入れるピン受け入れ孔26及び28が設けられ、下壁12B及び14Bにはそれぞれピン22及び24の根元部を受け入れるピン受け入れ孔30及び32が設けられている。ピン受け入れ孔26及び28はそれぞれピン22及び24の先端部を実質的に密に受け入れる直径を有し、ピン受け入れ孔30及び32はそれぞれピン22及び24の根元部を実質的に密に受け入れる直径を有している。
【0034】またピン受け入れ孔26及び30は上下方向に互いに整合し、それらの中心はピン22の軸線と端壁20Dとの距離に実質的に等しい距離だけ被結合部材12の端縁より隔置されている。同様に、ピン受け入れ孔28及び32は上下方向に互いに整合し、それらの中心はピン24の軸線と端壁20Eとの距離に実質的に等しい距離だけ被結合部材14の端縁より隔置されている。
【0035】尚ジョイント部材10による被結合部材12及び14の結合に際しピン22及び24をそれぞれピン受け入れ孔26、30及び28、32に容易に挿入し得るよう、ピン22及び24の先端の角部は鋳造により若しくは鋳造後の研削などによりR取り又は面取りされることが好ましい。
【0036】上述の如く構成されたジョイント部材10による被結合部材12及び14の結合に於いては、まずピン22及び24がそれぞれピン受け入れ孔26、30及び28、32に挿入されるよう、被結合部材12及び14の端部がそれぞれジョイント部材10の受容部16及び18に配置される。
【0037】次いでピン22及び24の先端とピン受け入れ孔26及び28の周囲の部分とが溶接され、受容部16の側壁16A及び16Bと被結合部材12の側壁とが側壁16A及び16Bの周縁に沿って溶接され、受容部18の側壁18A及び18Bと被結合部材14の側壁とが側壁18A及び18Bの周縁に沿って溶接され、更に被結合部材12及び14の上壁12A及び上壁14Aの端縁とジョイント部材10の上壁20Cとが溶接される。
【0038】かくして図示の第一の実施形態によれば、ピン22及び24は被結合部材12及び14の端部がそれぞれジョイント部材10の受容部16及び18に配置される際にはジョイント部材10に対する被結合部材12及び14の位置決め手段として機能し、溶接完了後には被結合部材12及び14の間にそれらの長手方向に作用する応力をジョイント部材10に直接若しくは溶接部に圧縮応力が作用する状況にて伝達する応力伝達手段としても機能し、従って被結合部材12及び14を容易に且つ互いに他に対し正確な位置関係にて結合することができ、また被結合部材12及び14を高強度に結合することができる。
【0039】また図示の第一の実施形態によれば、上述の如く被結合部材12及び14に作用する応力の一部がピン22及び24を介してジョイント部材10へ伝達されるので、ジョイント部材10の側壁と被結合部材12及び14の側壁との間の溶接部に作用する剪断応力を低減し、これにより被結合部材12及び14の結合部の耐久性を向上させることができる。
【0040】特に図示の第一の実施形態によれば、ピン22及び24はそれぞれピン受け入れ孔26、30及び28、32の両方の孔に受け入れられ、先端部にてピン受け入れ孔の周囲の部分に溶接されるので、例えばピン22及び24の高さが小さくそれぞれピン受け入れ孔30及び32にしか受け入れられない構造の場合に比してジョイント部材10による被結合部材12及び14の結合部の結合強度を向上させることができる。
【0041】また図示の第一の実施形態によれば、ピン22及び24は切頭円錐形をなしているので、ピン22及び24をそれぞれピン受け入れ孔26、30及び28、32に容易に挿入することができ、またピンが例えば円筒形である場合に比してピンの軸線方向に垂直な方向の応力に対する強度が高く、従って被結合部材12及び14の間にそれらの長手方向に応力が繰り返し作用する場合にもジョイント部材10による被結合部材12及び14の結合部の耐久性を向上させることができる。
【0042】また図示の第一の実施形態によれば、ピン受け入れ孔26及び30の中心はピン22の軸線と端壁20Dとの距離に実質的に等しい距離だけ被結合部材12の端縁より隔置されており、ピン受け入れ孔28及び32の中心はピン24の軸線と端壁20Eとの距離に実質的に等しい距離だけ被結合部材14の端縁より隔置されており、従って被結合部材12及び14の端縁はそれぞれ端壁20D及び20Eに当接した状態になるので、被結合部材12及び14の間にそれらの長手方向に沿ってそれらが互いに近づく方向の応力が作用する場合の応力が良好にジョイント部材10へ伝達され、これにより被結合部材12及び14の端縁がそれぞれ端壁20D及び20Eより隔置される構造の場合に比して被結合部材12及び14の結合部の耐久性を向上させることができる。
【0043】図5は本発明による結合構造の第二の実施形態を被結合部材の結合前の状態にて示す斜視図、図6は第二の実施形態を被結合部材の結合完了後の状態にて示す拡大横断面図である。尚これらの図に於いて、図1乃至図4に示された部分に対応する部分にはこれらの図に於いて付された符号と同一の符号が付されている。
【0044】この実施形態に於いては、ジョイント部材10は上側半体34及び下側半体36よりなっており、被結合部材12及び14の端部をそれらの端縁が互いに当接した状態にて結合するようになっている。上側半体34は一対の側壁34A及び34Bとこれらを一体に接続する上壁34Cとを有し、側壁34A及び34Bと上壁34Cとの間の角部は被結合部材12及び14の端部の角部に対応してR取りされており、これにより全長に亘り実質的に下向きに開いたコの字形の断面形状を有している。
【0045】同様に、下側半体36は一対の側壁36A及び36Bとこれらを一体に接続する下壁36Cとを有し、側壁36A及び36Bと下壁36Cとの間の角部は被結合部材12及び14の端部の角部に対応してR取りされており、これにより全長に亘り実質的に上向きに開いたコの字形の断面形状を有している。
【0046】側壁34A、34B及び側壁36A、36Bは被結合部材12及び14の幅Wと実質的に同一又はこれよりも僅かに大きい距離互いに隔置され、高さHの半分よりも大きい高さを有し、これにより側壁34A、34B及び側壁36A、36Bはそれぞれ上壁34C及び下壁36Cと共働して被結合部材12及び14の端部を実質的に密に受ける受容部38及び40を全長に亘り郭定している。
【0047】特に図示の実施形態に於いては、上側半体34の側壁34A及び34Bの下縁にはそれぞれ側壁36A及び36Bの板厚分互いに離れる方向へオフセットされ、これにより側壁36A及び36Bの上縁を受けるリム部34D及び34Eが一体に設けられている。
【0048】また上側半体34の上壁34Cの内面には図にて下方へ突出する実質的に切頭円錐形のピン42が一体に設けられており、また上壁34Cにはピン42より長手方向に隔置された位置にピン受け入れ孔44が形成されている。ピン42及びピン受け入れ孔44は上壁34Cの幅方向中央に位置し、またそれらの中心は被結合部材12及び14に設けられたピン受け入れ孔の中心と被結合部材12及び14の端縁との間の距離の合計に等しい距離互いに隔置されている。
【0049】同様に、下側半体36の下壁36Cの内面には図にて上方へ突出する実質的に切頭円錐形のピン46が一体に設けられており、また下壁36Cにはピン46より長手方向に隔置された位置にピン受け入れ孔48が形成されている。ピン46及びピン受け入れ孔48は下壁36Cの幅方向中央に位置し、またそれらの中心は上述の合計の距離に等しい距離互いに隔置されている。
【0050】ピン42及び46は被結合部材12及び14の高さHと上壁34C又は下壁36Cの板厚との合計の長さと実質的に同一又はそれよりも僅かに大きい高さを有している。また上側半体34のピン受け入れ孔44は下側半体36のピン46の先端の直径と実質的に同一又はそれよりも僅かに大きい直径を有している。
【0051】被結合部材14のピン受け入れ孔28及び32はそれぞれ上側半体34のピン42の根元部及び先端部を実質的に密に受け入れる直径を有しており、下側半体36のピン受け入れ孔48は上側半体34のピン42の先端部を実質的に密に受け入れる直径を有している。
【0052】尚この実施形態に於いても、ジョイント部材10による被結合部材12及び14の結合に際しピン42及び46をそれぞれピン受け入れ孔26、30、44及び28、32、48に容易に挿入し得るよう、ピン42及び46の先端の角部は鋳造により若しくは鋳造後の研削などによりR取り又は面取りされることが好ましい。
【0053】上述の如く構成された上側半体34及び下側半体36よりなるジョイント部材10による被結合部材12及び14の結合に於いては、まずピン42及び46がそれぞれピン受け入れ孔26、30、44及び28、32、48に挿入され、被結合部材12及び14の端部が上側半体34及び下側半体36の受容部38及び40に受けられるよう、被結合部材12及び14の端部に上側半体34及び下側半体36が配置される。
【0054】次いでピン42及び46の先端とピン受け入れ孔44及び48の周囲の部分とが溶接され、下側半体36のリム部34D及び34Eが下側半体36の側壁36A及び36Bに対し溶接され、上側半体34及び下側半体36の長手方向の端縁が被結合部材12及び14の対応する壁面に溶接される。
【0055】かくして図示の第二の実施形態によれば、ピン42及び46は上側半体34及び下側半体36が被結合部材12及び14の端部に配置される際にはジョイント部材10に対する被結合部材12及び14の位置決め手段として機能し、溶接完了後には被結合部材12及び14の間にそれらの長手方向に作用する応力をジョイント部材10に直接若しくは溶接部に圧縮応力が作用する状況にて伝達する応力伝達手段としても機能し、従って被結合部材12及び14を容易に且つ互いに他に対し正確な位置関係にて結合することができ、また被結合部材12及び14を高強度に結合することができる。
【0056】また図示の第二の実施形態によれば、上述の如く被結合部材12及び14に作用する応力の一部がピン22及び24を介してジョイント部材10へ伝達されるので、ジョイント部材10の上側半体34及び下側半体36の側壁と被結合部材12及び14の側壁との間の溶接部に作用する剪断応力を低減し、これにより被結合部材12及び14の結合部の耐久性を向上させることができる。
【0057】特に図示の第二の実施形態によれば、ピン42及び46はそれぞれピン受け入れ孔26、30及び28、32の両方の孔に受け入れられるだけでなく、それぞれ反対側の半体のピン受け入れ孔44及び48にも受け入れられ、先端部にてピン受け入れ孔44及び48の周囲の部分に溶接されるので、例えばピン42及び46の高さが小さくそれぞれピン受け入れ孔30及び28にしか受け入れられない構造の場合や、ピン42及び46がそれぞれピン受け入れ孔26、30及び28、32にしか受け入れられない構造の場合に比して、ジョイント部材10による被結合部材12及び14の結合部の結合強度を向上させることができる。
【0058】また図示の第二の実施形態によれば、ピン42及び46は切頭円錐形をなしているので、ピン42及び46をそれぞれピン受け入れ孔26、30、44及び28、32、48に容易に挿入することができ、またピンが例えば円筒形である場合に比してピンの軸線方向に垂直な方向の応力に対する強度が高く、従って被結合部材12及び14の間にそれらの長手方向に応力が繰り返し作用する場合にもジョイント部材10による被結合部材12及び14の結合部の耐久性を向上させることができる。
【0059】また図示の第二の実施形態によれば、ピン42及びピン受け入れ孔44の中心間距離及びピン46及びピン受け入れ孔48の中心間距離は被結合部材12及び14に設けられたピン受け入れ孔の中心と被結合部材12及び14の端縁との間の距離の合計に等しい距離に設定されており、被結合部材12及び14の端縁は互いに当接した状態になるので、被結合部材12及び14の間にそれらの長手方向に沿ってそれらが互いに近づく方向の応力が作用する場合の応力が直接相互に伝達され、これにより被結合部材12及び14の端縁が互いに隔置される構造の場合に比して被結合部材12及び14の結合部の耐久性を向上させることができる。
【0060】図7は本発明による結合構造の第三の実施形態を被結合部材の結合前の状態にて示す斜視図、図8は本発明による結合構造の第四の実施形態を被結合部材の結合前の状態にて示す斜視図、図9は第四の実施形態を被結合部材の結合完了後の状態にて示す拡大横断面図、図10は本発明による結合構造の第五の実施形態を被結合部材の結合完了後の状態にて示す長手方向断面図である。尚これらの図に於いて、図1乃至図6に示された部分に対応する部分にはこれらの図に於いて付された符号と同一の符号が付されている。
【0061】図7に示された第三の実施形態に於いては、ジョイント部材10はその上方より見て実質的にT形をなし、被結合部材50に対し被結合部材52を垂直に結合するよう構成されている。ジョイント部材10はその全長に亘り延在する側壁54Aと、側壁54Aより隔置されこれと平行に延在し互いに長手方向に隔置された側壁54B及び54Cと、側壁54B及び54Cに対し垂直に且つ一体に延在し互いに平行に隔置された側壁54D及び54Eと、これらの側壁を互いに一体に接続する実質的にT形の底壁54Fとよりなっている。
【0062】側壁54A、54B、54Cは底壁54Fと共働して被結合部材50の被結合部50Aを実質的に密に受ける受容部56を郭定しており、側壁54D及び54Eは底壁54Fと共働して被結合部材52の端部を実質的に密に受ける受容部58を郭定している。
【0063】受容部56の底壁54Fの内面には図にて上方へ突出する実質的に切頭円錐形の一対のピン22及び24が一体に設けられており、また受容部58の底壁54Fの内面には図にて上方へ突出する実質的に切頭円錐形のピン60が一体に設けられている。ピン22及び24の中心は被結合部材50に互いに整合して設けられたピン受け入れ孔26及び30の中心とピン受け入れ孔28及び32の中心との間の距離に等しい距離互いに隔置されている。一方ピン60の中心は被結合部材52に互いに整合して設けられたピン受け入れ孔62及び64の中心と被結合部材52の端縁との間の距離に等しい距離だけ側壁54D及び54Eの内面により郭定される平面より隔置されている。
【0064】この第三の実施形態は他の点については第一の実施形態と同様に構成されており、また被結合部材52の上壁の端縁が被結合部材50の被結合部50Aの上壁の一方の側縁に沿って溶接される点を除き第一の実施形態の場合と同様に溶接が行われる。従ってこの第三の実施形態によれば被結合部材50に対し被結合部材52を垂直になるよう容易に且つ互いに他に対し正確な位置関係にて結合することができ、また被結合部材50及び52を高強度に結合することができ、また第一の実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0065】図8及び図9に示された第四の実施形態に於いては、上側半体34の上壁34Cの内面には図にて下方へ突出し長手方向に互いに隔置された実質的に切頭円錐形の一対のピン42A及び42Bが一体に設けられている。ピン42A及び42Bは上壁34Cの幅方向中央に位置し、またそれらの中心は被結合部材12及び14に設けられたピン受け入れ孔の中心と被結合部材12及び14の端縁との間の距離の合計に等しい距離互いに隔置されている。
【0066】同様に、下側半体36の下壁36Cの内面には図にて上方へ突出し長手方向に互いに隔置された実質的に切頭円錐形の一対のピン46A及び46Bが一体に設けられている。ピン46A及び46Bも下壁36Cの幅方向中央に位置し、またそれらの中心は上述の合計の距離に等しい距離互いに隔置されている。
【0067】ピン42A、42B及び46A、46Bは被結合部材12及び14の高さHの半分よりも僅かに大きい高さを有し、特にピン42A及び42Bの先端部はピン46A及び46Bの先端部を実質的に密に受け入れる円筒部を有している。被結合部材12のピン受け入れ孔26及び30はそれぞれピン42A及び46Aの根元部を実質的に密に受け入れる直径を有し、被結合部材14のピン受け入れ孔28及び32はそれぞれピン42B及び46Bの根元部を実質的に密に受け入れる直径を有している。
【0068】尚この実施形態に於いても、ジョイント部材10による被結合部材12及び14の結合に際し各ピンをそれぞれ対応するピン受け入れ孔に容易に挿入し得ると共にピン46A及び46Bの先端部をピン42A及び42Bの先端部に容易に挿入し得るよう、各ピンの先端の角部は鋳造により若しくは鋳造後の研削などによりR取り又は面取りされることが好ましい。
【0069】この第四の実施形態は他の点については第二の実施形態と同様に構成されており、また各ピンの先端部が反対側の半体の上壁及び下壁に溶接されない点を除き第二の実施形態の場合と同様に溶接が行われる。従ってこの第四の実施形態によれば被結合部材12及び14を容易に且つ互いに他に対し正確な位置関係にて結合することができ、また被結合部材12及び14を高強度に結合することができ、また第二の実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができ、更には第二の実施形態の場合に比して溶接量を低減することができる。
【0070】図10に示された第五の実施形態に於いては、上側半体34の上壁34Cの内面に設けられた一対のピン42A、42B及び下側半体36の下壁36Cの内面に設けられた一対のピン46A、46Bは被結合部材12及び14の高さよりも遥かに小さく且つそれらの壁圧よりも僅かに大きい突出高さを有し、従って互いに嵌合しない。
【0071】また上側半体34の側壁34A及び34Bの長手方向中央部にはそれぞれ凹状の切欠き部34F及び34Gが設けられており、これに対応して下側半体36の側壁36A及び36Bの長手方向中央部にはそれぞれ切欠き部34F及び34Gに実質的に密に嵌入する凸部36D及び36Eが設けられている。
【0072】尚この実施形態の上側半体34及び下側半体36は押出し材にて形成され、各ピンは上壁34C及び下壁36Cに対し穴あけ及びプレス加工が行われることにより形成されてよい。また特にこの実施形態の各ピン受け入れ孔の各ピンの根元部を受ける部分は他の実施形態の場合よりも大きく面取り又はR取りされることが好ましい。また尚この実施形態の各ピンの先端の角部もR取り又は面取りされることが好ましい。
【0073】この第五の実施形態は他の点については第三の実施形態と同様に構成されており、また各ピンの先端部が反対側のピンの先端部に嵌合されることなく溶接される点を除き第二の実施形態の場合と同様に溶接が行われる。従ってこの第五の実施形態によれば被結合部材12及び14を容易に且つ互いに他に対し正確な位置関係にて結合することができ、また被結合部材12及び14を高強度に結合することができ、また第二及び第三の実施形態の場合と同様の作用効果を得ることができ、更には第二の実施形態の場合に比して溶接量を低減することができる。
【0074】特に図示の第五の実施形態によれば、切欠き部34F及び34Gと凸部36D及び36Eとが互いに嵌合し、これらによっても応力の伝達が行われるので、被結合部材12及び14の間に長手方向に応力が作用する際に於ける各ピンの負担を第三の実施形態の場合に比して低減し、ピンの耐久性を向上させることができる。
【0075】以上に於いては本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0076】例えば上述の各実施形態に於いては、被結合部材12及び14は中空矩形の断面形状を有しているが、被結合部材の断面形状は任意の形状であってよく、また被結合部材12及び14は互いに同一の断面形状及び寸法を有しているが、例えば上述の第三の実施形態の如く互いに結合される被結合部材の断面形状若しくは寸法が相互に異なっていてもよく、更には互いに結合される被結合部材は例えば被結合部が中空であり他の部分が充実の部材であってもよい。
【0077】また上述の各実施形態に於いては、ジョイント部材10及び被結合部材12、14は特定の順序にて溶接されるよう説明されたが、各溶接部は他の順序にて溶接されてもよく、また上述の溶接箇所の一部の溶接が省略されてもよい。
【0078】また上述の第二の実施形態に於いては、上側半体34の側壁の下縁及び下側半体36の側壁の上縁は直線的であるが、第五の実施形態の場合と同様切欠き部及び凸部を有するよう修正されてよく、特に凸部はピン42及び46とは長手方向反対側に設けられ、これにより被結合部材12及び14に互いに離れる方向の応力が作用した場合にその応力の一部が切欠き部及び凸部を介して二つの半体の間に伝達されるよう構成されること好ましい。
【0079】更に上述の各実施形態に於いては、ジョイント部材10及び被結合部材12、14はアルミニウム合金にて形成されているが、これらは他の軽合金にて形成されてもよく、また必要ならば例えばプラスチックの如く金属以外の材料にて形成されてもよい。
【0080】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発明の請求項1の構成によれば、各ピン及びピン受け入れ孔により二つの被結合部材の端部がジョイント部材に対し位置決めされ、また各ピンが対応するピン受け入れ孔に受け入れられることにより二つの被結合部材の間に作用する応力がピンによってもジョイント部材に伝達されるので、少なくとも二つの被結合部材を高強度に且つ互いに他に対し正確な位置関係にて結合することができる。
【出願人】 【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
【出願日】 平成11年4月2日(1999.4.2)
【代理人】 【識別番号】100071216
【弁理士】
【氏名又は名称】明石 昌毅
【公開番号】 特開2000−291613(P2000−291613A)
【公開日】 平成12年10月20日(2000.10.20)
【出願番号】 特願平11−96578