| 【発明の名称】 |
ねじ部品及び該ねじ部品の製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】喜多川 眞好
【氏名】道浦 吉貞
【氏名】前川 恵一
【氏名】小原 充昭
【氏名】東 健司
【氏名】浅岡 武之
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| 【要約】 |
【課題】軽量で、生産性に優れ、製造工程を削減して製造コストの低減が図れるねじ部品及び該ねじ部品の製造方法を提供すること。
【解決手段】微細粒超塑性組織を有する工業用純マグネシウム、マグネシウム合金、又はこれらを母相とする複合材料を250℃〜500℃に加熱し、その超塑性現象を利用して温間鍛造又は熱間鍛造により成形してなるねじ部品及び該ねじ部品の製造方法である。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 微細粒超塑性組織を有する工業用純マグネシウム、マグネシウム合金、又はこれらを母相とする複合材料を温間鍛造又は熱間鍛造により成形してなるねじ部品。 【請求項2】 前記微細粒超塑性組織を有するマグネシウム合金が、Al重量比1.0〜12.0%、Zn重量比0.3〜2.5%、Mn重量比0.2〜0.3%、残部Mg及び不可避の不純物からなる請求項1記載のねじ部品。 【請求項3】 前記微細粒超塑性組織を有するマグネシウム合金が、Zn重量比2.0〜8.0%、Zr重量比0.1〜1.0%、残部Mg及び不可避の不純物からなる請求項1記載のねじ部品。 【請求項4】 前記複合材料が、前記微細粒超塑性組織を有する工業用純マグネシウム又はマグネシウム合金を母相(マトリックス)とし、強化材として炭素繊維、ガラス繊維、ウィスカー、酸化物、炭化物、窒化物等を添加したものであることを特徴とする請求項1記載のねじ部品。 【請求項5】 微細粒超塑性組織を有する素材を超塑性現象が発現する温度範囲に加熱し、その超塑性現象を利用して温間鍛造又は熱間鍛造により成形することを特徴とするねじ部品の製造方法。 【請求項6】 微細粒超塑性組織を有する工業用純マグネシウムの素材を250℃〜500℃に加熱し、その超塑性現象を利用して温間鍛造又は熱間鍛造により成形することを特徴とするねじ部品の製造方法。 【請求項7】 Al重量比1.0〜12.0%、Zn重量比0.3〜2.5%、Mn重量比0.2〜0.3%、残部Mg及び不可避の不純物からなるマグネシウム合金の素材を250℃〜500℃に加熱し、その超塑性現象を利用して温間鍛造又は熱間鍛造により成形することを特徴とするねじ部品の製造方法。 【請求項8】 Zn重量比2.0〜8.0%、Zr重量比0.1〜1.0%、残部Mg及び不可避の不純物からなるマグネシウム合金の素材を250℃〜500℃に加熱し、その超塑性現象を利用して温間鍛造又は熱間鍛造により成形することを特徴とするねじ部品の製造方法。 【請求項9】 微細粒超塑性組織を有する工業用純マグネシウム又はマグネシウム合金を母相(マトリックス)とする複合材料を250℃〜500℃に加熱し、その超塑性現象を利用して温間鍛造又は熱間鍛造により成形することを特徴とするねじ部品の製造方法。 【請求項10】 前記微細粒超塑性組織を有する前記素材と、その成形用パンチ・ダイスを250℃〜500℃に加熱することを特徴とする請求項5ないし9記載のねじ部品の製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、軽量で、生産性に優れ、製造工程を削減して製造コストの低減が図れるねじ部品及び該ねじ部品の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、自動車、家電、OA機器など各種製品について軽量化の要求が高まってきている。このような製品の軽量化に適合する素材として、軽量で、かつ比強度にも優れているマグネシウム合金が注目されている。一方、製品の軽量化に伴って、その組み立てに使用されるボルト・ナットなどのねじ部品も軽量化が求められている。 【0003】しかし、通常のマグネシウム合金は塑性加工が困難であるため、鍛造成形及び転造加工されることの多い(主として製造コストの観点から)ボルト・ナットなどのねじ部品にはほとんど使用されていない。また、切削加工する場合は、発火し易いマグネシウムの切り粉の管理が火災などに対して問題である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者等は、特定の温度条件下において超塑性現象を発現するいわゆる微細粒超塑性組織を有する工業用純マグネシウム、マグネシウム合金に着目し、種々実験研究を重ねた結果、ねじ部品の鍛造成形及び転造加工が可能であることを見出した。 【0005】本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、軽量で、生産性に優れ、製造工程を削減して製造コストの低減が図れるねじ部品及び該ねじ部品の製造方法を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明のねじ部品は、微細粒超塑性組織を有する工業用純マグネシウム、マグネシウム合金、又はこれらを母相とする複合材料を温間鍛造又は熱間鍛造により成形してなるものである。 【0007】前記微細粒超塑性組織を有するマグネシウム合金は、Al重量比1.0〜12.0%、Zn重量比0.3〜2.5%、Mn重量比0.2〜0.3%、残部Mg及び不可避の不純物からなる超塑性材料、あるいはZn重量比2.0〜8.0%、Zr重量比0.1〜1.0%、残部Mg及び不可避の不純物からなる超塑性材料が望ましい。 【0008】また、前記複合材料は、超塑性組織を有する工業用マグネシウム又はマグネシウム合金を母相(マトリックス)として、強度、耐磨耗性などを向上させるため複合化するものであって、形態としては繊維強化あるいは粒子分散強化などがあり、強化材としては炭素繊維、ガラス繊維、ウィスカー、酸化物、炭化物、窒化物などが好ましい。 【0009】以下に、本発明に用いるマグネシウム合金の組成を上記のように限定した理由について説明する。軽量だけの目的なら工業用純マグネシウムでもよいが、用途によってさらに強度などを必要とする場合には上記のマグネシウム合金、あるいはこれらを母相(マトリックス)とする上記の複合材料が好ましい。 【0010】さらに、マグネシウム合金について述べると、合金組成は概ねMg+固溶元素+高融点元素からなっている。固溶元素としてはZn、Alなどがあり、材料の最終ミクロ組織の微細化に必要な下部組織(共晶セル)の微細化のため必要であり、固溶範囲内で多いほど好ましい。しかし、多くなると延性、靭性などを低下させるので上述の範囲が好ましい。次に、高融点元素としてはMn、Zrなどがあり、ピンニング粒子として高温での結晶粒の安定化のため必要であり、ピンニング粒子の大きさは通常1μm以下である。添加量は多いほど効果があるが多すぎるとピンニング粒子の粗大化を招き、常温での延性、靭性を低下させるので上述の範囲が好ましい。 【0011】次に、本発明によるねじ部品の製造方法は、超塑性マグネシウム合金の素材を超塑性現象が発現する温度範囲に加熱し、その超塑性現象を利用して温間鍛造又は熱間鍛造により成形することを特徴とする。 【0012】前記素材としては、微細粒超塑性組織を有する工業用純マグネシウムの他、Al重量比1.0〜12.0%、Zn重量比0.3〜2.5%、Mn重量比0.2〜0.3%、残部Mg及び不可避の不純物からなるマグネシウム合金、あるいはZn重量比2.0〜8.0%、Zr重量比0.1〜1.0%、残部Mg及び不可避の不純物からなるマグネシウム合金、さらには微細粒超塑性組織を有する工業用純マグネシウム又はマグネシウム合金を母相(マトリックス)とする前記複合材料が好ましい。本発明方法は、これらの素材を250℃〜500℃に加熱し、その超塑性現象を利用して温間鍛造又は熱間鍛造によりねじ部品を成形することを特徴とする。 【0013】マグネシウム合金は熱伝導率が高い(鉄の約2倍)ので、超塑性マグネシウム合金の素材(線材又は棒材)を上記の温度範囲に加熱し、成形用パンチ・ダイスでボルト頭部などを鍛造成形すると、成形用パンチ・ダイスによって素材が冷却され、1段成形後に100℃以下まで下がる。 【0014】したがって、1段成形後、素材を再加熱し、2段目の鍛造成形をする必要がある。この場合、素材を250℃〜500℃、好ましくは300℃以上の温度に加熱すると共に、成形用パンチ・ダイスを最終段の鍛造成形まで300℃以上の温度に保持して温間鍛造を行なうと、連続鍛造成形が可能となる。また、ねじ山の転造加工工程でも素材を同様の温度範囲に加熱することが好ましい。 【0015】 【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。 【0016】実施例1. ボルトの種類:六角穴付きボルト形状:M8×30化学成分:Al重量比3.1%、Zn重量比1.1%、Mn重量比0.21%、残部実質的にMgから成る線径8φのマグネシウム合金を素材として300℃〜350℃で3段成形にて温間鍛造を行なった。さらに、同様の温度域で転造によりねじ加工を行ない、製品とした。得られたボルトの重量はステンレス鋼ボルト(材質:XM7)の約1/4であった。通常ダイス、パンチの寿命は2〜3万程度であるが、倍以上鍛造成形しても異常がなかった。 【0017】図1は、上記実施例1のマグネシウム合金について、加熱温度と伸びとの関係を示しており、図2は、加熱温度と応力との関係を示している。 【0018】図1のグラフからわかるように、温度上昇と共に伸び値が増加し、超塑性特性を示している。この超塑性特有の現象を利用して鍛造加工を行なうと、素材の加工性が向上し、ねじ部品の鍛造成形がきわめて容易、かつ良好に行なわれる。また、図2の温度−応力曲線も同様に温度上昇と共に変形抵抗が低下し、加工性が向上する超塑性特性を有していることを示している。 【0019】実施例2. ボルトの種類:十字穴付き小ねじ形状:M10×20化学成分:Zn重量比5.2%、Zr重量比0.5%、残部実質的にMgから成る線径10φのマグネシウム合金を素材として300℃〜350℃で3段成形にて温間鍛造を行なった。さらに、同様の温度域で転造によりねじ加工を行ない、製品とした。 【0020】実施例3. ボルトの種類:T頭ボルト形状:M20×100化学成分:Al重量比6.5%、Zn重量比0.9%、Mn重量比0.25%、残部実質的にMgから成る線径20φのマグネシウム合金を素材として300℃〜350℃で4段成形にて温間鍛造を行なった。さらに、同様の温度域で転造によりねじ加工を行ない、製品とした。得られたボルトの重量はステンレス鋼ボルト(材質:SUS304)の約1/4であった。通常ダイス寿命は2〜3万程度であるが、倍以上鍛造しても異常がなかった。 【0021】実施例4.工業用純マグネシウムからなる6φの線材を用いて十字穴付き小ねじM6×10を300℃〜350℃で3段成形にて鍛造し、さらに同様の温度域で転造によりねじ加工を行い製品とした。 【0022】実施例5.工業用純マグネシウムを母相(マトリックス)とし、強化材としてガラス繊維を30wt%含有する6φのプリフォームワイヤを用いて十字穴付き小ねじM6×10を300℃〜350℃で3段成形にて鍛造し、さらに同様の温度域で転造によりねじ加工を行い製品とした。 【0023】上記の各実施例では、ボルトと小ねじについて説明したが、本発明はナットにも適用できるものである。 【0024】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、軽量で、かつ比強度にも優れているねじ部品が容易に得られる。しかも、素材の鍛造成形性が良いので、製造工程の段数を削減して製造コストの低減が図れるだけではなく、成形用パンチ・ダイスの寿命が大幅に延びるというすぐれた効果がある。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000142595 【氏名又は名称】株式会社栗本鐵工所 【識別番号】595146390 【氏名又は名称】岸和田ステンレス株式会社 【識別番号】591212523 【氏名又は名称】東 健司
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| 【出願日】 |
平成11年3月29日(1999.3.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100070471 【弁理士】 【氏名又は名称】高良 英通
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| 【公開番号】 |
特開2000−283134(P2000−283134A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月13日(2000.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−85504 |
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