| 【発明の名称】 |
樹脂製品の締結構造 |
| 【発明者】 |
【氏名】兼平 二葉
【氏名】伊藤 篤史
【氏名】田島 直樹
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| 【要約】 |
【課題】締結のための軸力(締結力)が樹脂製品の熱クリープにより低下することなく、安定して維持されるようにする。
【解決手段】互いに対向するナット(第1ねじ部材)13(113)の座部13a(113a)と樹脂製品11(111)の段付孔11a(111a)の段部の一方に、第1の所定量Aよりも大きい第2の所定量Bの軸方向の間隙を座部13a(113a)と段部との間に形成する突部14(113c)を設けた。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 大径部と小径部とからなる段付孔を有する樹脂製品と、前記段付孔内に回転不能に嵌挿されると共に、前記大径部と前記小径部との間の段部に係合する座部とその軸長が前記小径部の軸長よりも第1の所定量だけ短い筒部とを有する金属製の第1ねじ部材と、前記小径部よりも小径の挿通孔を有する金属部材と、前記挿通孔に挿通されて前記第1ねじ部材に螺合される第2ねじ部材とから成り、該第2ねじ部材と前記第1ねじ部材の螺合によって生じる軸力により前記座部を前記段部へ押圧して、前記筒部の先端が前記金属部材に圧接されるように前記樹脂製品を前記第1の所定量だけ弾性的に圧縮させて前記金属部材に締結する樹脂製品の締結構造において、互いに対向する前記座部と前記段部の一方に、前記第1の所定量よりも小さい第2の所定量の軸長を有する突部を設けたことを特徴とする樹脂製品の締結構造。 【請求項2】 前記突部は、前記第1の所定量よりも大きい第2の所定量の軸長を有することを特徴とする請求項1に記載の樹脂製品の締結構造。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂製のインテークマニホルドの内燃機関の金属部材への締結等に使用される樹脂製品の締結構造に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の樹脂製品の締結構造の1つとして、図5に示される構造が知られている。この締結構造においては、樹脂製品211に大径部と小径部とからなる段付孔211aが形成され、該段付孔211a内に金属製のナット213が回転不能に嵌挿されている。ナット213は、矩形の大径部内に収容されて回り止め機能をもつと共に大径部と小径部との間の段部に係合する座部213aと、その軸長が小径部の軸長よりも第1の所定量A’だけ短い筒部213bとを有している。このナット213には、樹脂製品211に隣接した金属部材210の、小径部よりも小径の挿通孔210aに挿通される金属製のボルト212が螺合される。これにより、樹脂製品211は、ボルト212とナット213の螺合によってナット213に生じる軸力により、座部213aを段部へ押圧して、筒部213bの先端が金属部材210の接合面210bに圧接されるように第1の所定量A’だけつぶされて(弾性的に圧縮させられて)、金属部材210に締結される。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで、樹脂は熱によりクリープし易く、特に、樹脂製のインテークマニホルド等のように、100℃近くの高温に曝される製品において、その傾向は顕著に現れる。 【0004】上記した従来の締結構造においては、座部213aの全面で段部を押圧しているため、樹脂製品211の金属部材210への締結力であるナット213の全軸力中で、第1の所定量A’だけ樹脂製品211をつぶすための軸力の占める割合が大きい(筒部213bの先端が金属部材210に当接した後の軸力が小さい)。そのため、樹脂製品211の締結部が熱によりクリープすると、第1の所定量A’だけ樹脂製品211をつぶすための軸力分が低下してしまい、樹脂製品211の金属部材210への締結力が大幅に低下する恐れがあった。 【0005】それゆえ、本発明は、当該樹脂製品の締結構造において、締結のための軸力(締結力)が樹脂製品の熱クリープにより大きく低下することなく、安定して維持されるようにすることを、その課題とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために講じた本発明の技術的手段は、大径部と小径部とからなる段付孔を有する樹脂製品と、前記段付孔内に回転不能に嵌挿されると共に、前記大径部と前記小径部との間の段部に係合する座部とその軸長が前記小径部の軸長よりも第1の所定量だけ短い筒部とを有する金属製の第1ねじ部材と、前記小径部よりも小径の挿通孔を有する金属部材と、前記挿通孔に挿通されて前記第1ねじ部材に螺合される第2ねじ部材とから成り、該第2ねじ部材と前記第1ねじ部材の螺合によって生じる軸力により前記座部を前記段部へ押圧して、前記筒部の先端が前記金属部材に圧接されるように前記樹脂製品を前記第1の所定量だけ弾性的に圧縮させて前記金属部材に締結する樹脂製品の締結構造において、互いに対向する前記座部と前記段部の一方に、突部を設けたことである。 【0007】上記した手段によれば、突部により樹脂製品と第1ねじ部材との接触面積が小さくなり、両者の接触面の面圧が高くなる。このため、第1ねじ部材と第2ねじ部材の螺合による締結初期における小さな軸力で樹脂製品が、第1の所定量だけ弾性的に圧縮させられて、締結の早期に筒部の先端が金属部材に圧接され、その後に第1ねじ部材及び第2ねじ部材が所定の締結力で螺合されることにより、所定の軸力が第1ねじ部材及び第2ねじ部材に付与される。 【0008】これにより、樹脂製品が熱によりクリープしても、締結初期における上記した小さな軸力分のみが低下するに留まり、筒部の先端と金属部材との圧接後の十分な軸力が第1ねじ部材及び第2ねじ部材に残り、締結のための軸力が安定して維持される。 【0009】上記した手段において、突部は、第1の所定量よりも小さい第2の所定量の軸長を有するのが望ましい。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、本発明に従った樹脂製品の締結構造の実施形態を図面に基づき、説明する。 【0011】図1及び図2は、本発明の第1実施形態を示す。図1及び図2において、例えば、内燃機関の樹脂製のインテークマニホルド等の樹脂製品211には、大径部と小径部とからなる段付孔11aが形成され、該段付孔11a内に金属製のナット13が回転不能に圧入されている。ナット13は、矩形の大径部内に収容されて回り止め機能をもつと共に大径部と小径部との間の段部に係合する座部13aと、その軸長が小径部の軸長よりも第1の所定量Aだけ短い筒部13bとを有している。このナット13には、樹脂製品11に隣接した金属部材10の、小径部よりも小径の挿通孔10aに挿通される金属製のボルト12が螺合される。これにより、ボルト12に所定の締付トルクを付与することで、樹脂製品11は、筒部13bの先端が金属部材10に圧接されるように第1の所定量Aだけ弾性的に圧縮させられながら(つぶされながら)、ナット13とボルト12の座金との間で金属部材10と共に挟圧されて、小径部側の側面を金属部材10の一側面10bに圧着される。 【0012】本実施形態においては、樹脂製品11の段付孔11aの段部に環状の突部14が形成されている。突部14は、所定の幅Cを有していて、座部13aとの接触面積が、段部(突部14を含む)に対向する座部13aの面積よりも所定量小さくなるようにされている。また、突部14は、突部と座部13aとの当接時に第1の所定量Aよりも大きい又は第1の所定量Aと同じ第2の所定量B(A≦B)の軸方向の間隙が座部13aと段部との間に形成されるように、所定の軸方向長さBを有している。 【0013】以上の構成からなる第1実施形態においては、突部14により樹脂製品11とナット13(の座部13a)との接触面積が小さくなり、両者の接触面の面圧が高くなる。このため、ナット13とボルト12の螺合による締結初期における小さな軸力で樹脂製品11が、第1の所定量Aだけ弾性的に圧縮させられて、締結の早期に筒部13bの先端が金属部材10に圧接され、その後にナット13及びボルト12が所定の締結力で螺合されることにより、所定の軸力がナット13及びボルト12に付与される。 【0014】ところで、樹脂は熱によりクリープし易く、特に、樹脂製のインテークマニホルド等のように、100℃近くの高温に曝される製品において、その傾向は顕著に現れる。これに対して、本実施形態においては、上記したように、突部14により、樹脂製品11を所定量Aだけつぶすのに要する軸力が小さくされる。このため、樹脂製品11が熱によりクリープしても、締結初期における上記した小さな軸力分のみが低下するに留まり、筒部13bの先端と金属部材10との圧接後の十分な軸力がナット13及びボルト12に残り、締結のための軸力を安定して維持することができる。また、第2の所定量Bを第1の所定量Aよりも大きい又は第1の所定量Aと同じ(A≦B)に設定したため、樹脂製品11を金属部材10にガタなく締結することができる。 【0015】図3及び図4は、本発明の第2実施形態を示す。この第2実施形態は、上記した第1実施形態の突部14を座部113aの突部113cに置き換えたもので、その他の構成は同じであるため、図3及び図4において、図1及び図2と同じ構成には、図1及び図2と同じ番号符号又は図1及び図2で付した番号符号に100を加えた番号符号を付すことで説明は省略する。 【0016】図3及び図4において、樹脂製品111の段付孔111aの段部に対向するナット113の座部113aの内周縁部に環状の突部113cが形成されている。突部113cは、所定の幅Cを有していて、段部との接触面積が、段部に対向する座部13aの面積(突部113cを含む、図4における所定幅Dからなる面積)よりも所定量小さくなるようにされている。また、突部113cは、突部と座部段部との当接時に第1の所定量Aよりも大きい又は第1の所定量Aと同じ第2の所定量B(A≦B)の軸方向の間隙が座部13aと段部との間に形成されるように、所定の軸方向長さBを有している。 【0017】以上の構成からなる第2実施形態においては、突部113cにより樹脂製品111とナット113(の座部113a)との接触面積が小さくなり、両者の接触面の面圧が高くなる。このため、ナット113とボルト112の螺合による締結初期における小さな軸力で樹脂製品111が、第1の所定量Aだけ弾性的に圧縮させられて、締結の早期に筒部113bの先端が金属部材10に圧接され、その後にナット113及びボルト112が所定の締結力で螺合されることにより、所定の軸力がナット13及びボルト12に付与される。このとき、第2実施形態においては、上記したように、突部113cにより、樹脂製品111を所定量Aだけつぶすのに要する軸力が小さくされる。このため、樹脂製品111が熱によりクリープしても、締結初期における上記した小さな軸力分のみが低下するに留まり、筒部113bの先端と金属部材10との圧接後の十分な軸力がナット113及びボルト112に残り、締結のための軸力を安定して維持することができ、樹脂製品111を金属部材10にガタなく締結することができる。 【0018】 【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、締結のための軸力(締結力)が樹脂製品の熱クリープにより大きく低下することなく、安定して維持され、樹脂製品を金属部材に経時変化によるガタなく締結することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000011 【氏名又は名称】アイシン精機株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月31日(1999.3.31) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2000−283120(P2000−283120A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月13日(2000.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−91829 |
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