| 【発明の名称】 |
携帯用油圧式加工装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】小川 智
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| 【要約】 |
【課題】工具の加工位置から非加工位置への復帰が円滑に行われる携帯用油圧式加工装置を提供する。
【解決手段】携帯用油圧式加工装置10は、加工工具18による加工を開始させるために、油圧ポンプ26から圧送された作動油を第1油室16Aへ供給し且つ第2油室16B内の作動油を排出させ、また、加工工具18による加工を終了させるために、その作動油を第2油室16Bへ供給し且つ第1油室16A内の作動油を排出させることから、加工工具18を非加工位置へ戻すための駆動力が不足せず、加工工具18の食い込みなどが発生したとしても油圧シリンダ16が円滑に復動させられる。このため、作業者が手作業で上記加工工具18を非加工位置へ戻すための操作が不要となり、作業能率が損なわれることが解消される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 油圧ポンプおよび油圧制御回路を収容した本体と、該本体に一体的に固定され、該油圧ポンプから圧送された作動油を元圧として該油圧制御回路により制御される油圧シリンダと、該油圧シリンダの出力ロッドによって駆動されることにより所定の加工を行う加工工具とを一体に備えた携帯用油圧式加工装置であって、前記油圧シリンダは、その出力ロッドを往動させるために作動油が供給される第1油室と該出力ロッドを復動させるために作動油が供給される第2油室とを備えたものであり、前記油圧制御回路は、前記加工工具による加工を開始させるために、前記油圧ポンプから圧送された作動油を前記第1油室へ供給し且つ前記第2油室内の作動油を排出させ、前記加工工具による加工を終了させるために、該作動油を該第2油室へ供給し且つ該第1油室内の作動油を排出させるものであることを特徴とする携帯用油圧式加工装置。 【請求項2】 前記油圧シリンダは、先端部において前記加工工具と連結され且つ基端部において大径部が一体的に設けられた出力ロッドと、該出力ロッドが摺動可能に嵌通させられた先端壁と前記本体に固定された基端壁とによって両端部が閉じられた管状のシリンダ本体と、該シリンダ本体内に前記出力ロッドの大径部が摺動可能に嵌め入れられて該シリンダ本体内の空間が分割されることにより基端壁側および先端壁側にそれぞれ形成された第1油室および第2油室と、前記出力ロッドの基端壁に対向する端面において軸心方向に形成された嵌合穴と、該嵌合穴内に摺動可能に且つ前記出力ロッドの移動ストローク以上の深さで嵌め入れられるように前記基端壁から軸心方向に突設された固定ロッドと、前記基端壁を貫通して前記第1油室と接続される第1油路と、前記基端壁を貫通し、前記固定ロッドを縦通し、前記出力ロッドの側壁を通して前記第2油室と接続される第2油路と、を、含むことを特徴とする請求項1の携帯用油圧式加工装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は携帯用油圧式加工装置に関し、特に、加工工具を駆動する油圧シリンダの往復動を安定化する技術に関するものである。 【0002】 【従来の技術】油圧ポンプおよび油圧制御回路を収容した本体と、その本体に一体的に固定され、その油圧ポンプから圧送された作動油を元圧としてその油圧制御回路により制御される油圧シリンダと、その油圧シリンダの出力ロッドによって駆動されることにより所定の加工を行う加工工具とを一体に備えた携帯用油圧式加工装置が知られている。たとえば、特開平6−75617号公報に示されたケーブルカッター、特開平7−21220号公報に示されたパイプ接続機などがそれである。 【0003】上記のような従来の携帯用油圧式加工装置は、所定の加工を行うための加工工具を駆動する油圧シリンダは、加工工具を非加工位置から加工位置へ駆動するために油圧ポンプから圧送された作動油に基づいて往動させられるが、往動時に圧縮されたスプリングの弾性復帰力に基づいて復動させられることから、加工工具を加工位置から非加工位置へ戻すに際して油圧シリンダを復動させるための作動油を供給するための回路や切換弁が不要となるので、油圧回路の構造が簡単となって携帯用油圧式加工装置が小型となる利点がある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、加工工具による加工に際してその加工工具の食い込みなどが発生する場合がある。このような場合には、従来の携帯用油圧式加工装置によれば、加工完了に際してスプリングの弾性復帰力を用いて油圧シリンダを復動させることから、加工工具を非加工位置へ戻すためのスプリングの弾性復帰力による駆動力が不足するため、作業者が手作業で上記加工工具を非加工位置へ戻すための操作などを行わねばならず、また、その操作には大きな操作力を必要とし、作業能率が損なわれるという不都合があった。 【0005】本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、工具の加工位置から非加工位置への復帰が円滑に行われる携帯用油圧式加工装置を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、油圧ポンプおよび油圧制御回路を収容した本体と、その本体に一体的に固定され、その油圧ポンプから圧送された作動油を元圧としてその油圧制御回路により制御される油圧シリンダと、その油圧シリンダの出力ロッドによって駆動されることにより所定の加工を行う加工工具とを一体に備えた携帯用油圧式加工装置であって、(a) 前記油圧シリンダは、その出力ロッドを往動させるために作動油が供給される第1油室とその出力ロッドを復動させるために作動油が供給される第2油室とを備えたものであり、(b) 前記油圧制御回路は、前記加工工具による加工を開始させるために、前記油圧ポンプから圧送された作動油を前記第1油室へ供給し且つ前記第2油室内の作動油を排出させ、前記加工工具による加工を終了させるために、その作動油をその第2油室へ供給し且つその第1油室内の作動油を排出させるものであることにある。 【0007】 【発明の効果】このようにすれば、油圧制御回路は、加工工具による加工を開始させるために、油圧ポンプから圧送された作動油を第1油室へ供給し且つ第2油室内の作動油を排出させ、また、加工工具による加工を終了させるために、その作動油を第2油室へ供給し且つ第1油室内の作動油を排出させることから、加工工具を非加工位置へ戻すための駆動力が不足せず、加工工具の食い込みなどが発生したとしても油圧シリンダが円滑に復動させられる。このため、作業者が手作業で上記加工工具を非加工位置へ戻すための操作が不要となり、作業能率が損なわれることが解消される。 【0008】ここで、好適には、前記油圧シリンダは、(c) 先端部において前記加工工具と連結され且つ基端部において大径部が一体的に設けられた出力ロッドと、(d) その出力ロッドが摺動可能に嵌通させられた先端壁と前記本体に固定された基端壁とによって両端部が閉じられた管状のシリンダ本体と、(e) そのシリンダ本体内に前記出力ロッドの大径部が摺動可能に嵌め入れられてその リンダ本体内の空間が分割されることにより基端壁側および先端壁側にそれぞれ形成された第1油室および第2油室と、(f) 出力ロッドの基端壁に対向する端面において軸心方向に形成された嵌合穴と、(g) その嵌合穴内に摺動可能に且つ出力ロッドの移動ストローク以上の深さで嵌め入れられるように前記基端壁から軸心方向に突設された固定ロッドと、(h) 前記基端壁を貫通して第1油室と接続される第1油路と、(i) 前記基端壁を貫通し、前記固定ロッドを縦通し、前記出力ロッドの側壁を通して第2油室と接続される第2油路とを、含む。このようにすれば、加工工具を加工位置から非加工位置へ戻すに際して油圧シリンダを復動させるための作動油を供給するための油路を外部に設ける必要がないので、装置が小型となり、携帯用油圧式加工装置の操作性が損なわれない。 【0009】また、好適には、前記油圧制御回路は、(j) 作業者の手動操作によりパイロット圧を制御させるパイロット圧制御弁と、(k) ハウジング内に設けられ、第1油室、油圧ポンプ、第2油室にそれぞれ連通させられるとともにそれら第1油室および第2油室に連通する油路がそれぞれ開口する軸方向の両端部よりも油圧ポンプに連通する油路が開口する軸方向の中央部が大径とされた円柱状の第1弁室と、その第1弁室内において軸方向の摺動可能に嵌め入れられた棒状の第1弁子と、上記第1弁室内の中央部に位置するようにその第1弁子の長手方向の中間部に形成された大径弁部と、上記第1油室に連通する油路が開口する端部と油圧ポンプに連通する油路が開口する中央部との間の段部に上記大径弁部が当接してそれら油圧ポンプと第1油室との間を遮断し且つ油圧ポンプと第2油室との間を開く方向に第1弁子の端面を付勢する第1スプリングとを備え、パイロット圧がその第1スプリングの付勢力に抗して移動する方向の推力が発生するように第1弁子に作用させられることにより、油圧シリンダの第1油室および第2油室を油圧ポンプに択一的に連通させる第1切換弁と、(l) ハウジング内に設けられ、第1油室、ドレン油路、第2油室にそれぞれ連通させられるとともに第1油室および第2油室に連通するそれぞれ油路が開口する軸方向の両端部よりもドレン油路が開口する軸方向の中央部が大径とされた円柱状の第2弁室と、その第2弁室内において軸方向の摺動可能に嵌め入れられた棒状の第2弁子と、上記第2弁室内の中央部に位置するようにその第2弁子の長手方向の中間部に形成された大径弁部と、上記第2油室に連通する油路が開口する端部とドレン油路が開口する中央部との間の段部に上記大径弁部が当接してそれらドレン油路と第2油室との間を遮断し且つドレン油路と第1油室との間を開く方向に第2弁子の端面を付勢する第2スプリングとを備え、パイロット圧がその第2スプリングの付勢力に抗して移動する方向の推力が発生するように第2弁子に作用させられることにより、油圧シリンダの第2油室および第1油室をドレン油路に択一的に連通させる第2切換弁とを、含むものである。このため、第1弁子の大径弁部或いは第2弁子の大径弁部が、上記段部に着座させられることにより切換が行われるので、油圧ポンプから圧送される作動油が高圧であっても作動油の漏れによる切換不全が好適に解消される。また、手動操作により切り換えられるパイロット圧制御弁からのパイロット圧により上記第1切換弁と第2切換弁とが同時に切り換えられるので、油圧の大きさにかかわらず軽い操作力で加工工具を非加工位置へ復帰させることができる。 【0010】 【発明の好適な実施の形態】以下、本発明の一実施例の携帯用油圧式加工装置10を図面に基づいて詳細に説明する。 【0011】図1は、上記携帯用油圧式加工装置10の構成を説明するために一部を切り欠いて示している。この携帯用油圧式加工装置10は、図2に示す油圧制御回路12が備えられた本体14と、その本体14に固設された油圧シリンダ16と、その油圧シリンダ16によって駆動される加工工具18とから構成されている。 【0012】図2に示すように、油圧制御回路12では、ドレン油路LD を介して貯留タンク22に還流した作動油は、モータ24によって回転駆動される油圧ポンプ26により、油路L1 、第1逆止弁28、油路L2 を介して吸引され、油路L3 、第2逆止弁30、油路L4 、背圧発生弁32、および油路L5 を介して切換弁装置34へ圧送されるようになっている。 【0013】上記背圧発生弁32は、そのスプリングの付勢力に従ってその入力側の油路L4 内の油圧を出力側の油路L5 よりも所定の背圧すなわちパイロット圧だけ高い圧とするものである。上記切換弁装置34は、専ら油圧シリンダ16の第1油室16Aに油路L6 を介して作動油を供給し、その油圧シリンダ16の第2油室16B内の作動油を油路L7 を介してドレン油路LD へ排出させることにより油圧シリンダ16を加工位置まで作動させる自動復帰型の第1切換弁36と、専ら油圧シリンダ16の第2油室16Bに油路L7 を介して作動油を供給し、その油圧シリンダ16の第1油室16A内の作動油を油路L6 を介してドレン油路LD へ排出させて油圧シリンダ16を非加工位置まで強制的に復帰させる自動復帰型の第2切換弁38とから構成されている。パイロット圧制御弁40は、その復帰レバー42が作業者により操作されない場合にはパイロット圧油路LP を介して上記第1切換弁36および第2切換弁38へパイロット圧を出力し、それら第1切換弁36および第2切換弁38を加工側位置に切り換えるが、その復帰レバー42が作業者により操作された場合にはパイロット圧油路LP 内のパイロット圧を排圧し、第1切換弁36および第2切換弁38の切換状態を非加工側位置に復帰させる。図2は、復帰レバー42を非操作状態とし、且つスイッチ48をオフにした状態を示している。リリーフ弁44は、油路L3 内の圧力が予め設定された所定圧を越えないように作動油をドレン油路LD へ逃がすためのものである。 【0014】図1において、前記本体14は、モータ24の後端部に一体に設けられてそのモータ24に駆動電流を供給するための自動復帰型のスイッチ48を有する握り部50と、モータ24の前面部に固定されるとともに円筒状のタンクカバー52が下側に固定された減速機ハウジング54と、その減速機ハウジング54の前面部に固定されたポンプハウジング56と、そのポンプハウジング56の前面部にプレート58を介して固定された切換弁ハウジング60とを備えている。 【0015】図3に詳しく示すように、上記減速機ハウジング54およびポンプハウジング56内には、前記貯留タンク22の一部として機能する空間46が形成されている。その空間46内には、非シールド型(開放型)のボールベアリング62およびシールド型のボールベアリング64により両端部が回転可能に支持され且つそれらボールベアリング62と64との間の中間部に偏心させられたカム部66が形成されたポンプ軸68と、モータ24の出力軸端に形成されたギヤ72に噛み合わされた状態でそのポンプ軸68の後端部に圧入により固定された大径ギヤ74とが設けられ、モータ24の出力が減速されて上記ポンプ軸68に伝達されるようになっている。また、減速機ハウジング54の下端に設けられた円筒状のタンクカバー52内には、前記空間46と連通するゴム袋76が設けられている。このゴム袋76は、前記貯留タンク22の一部として機能するものである。その空間46内には作動油が充填されており、油圧シリンダ16の作動に伴って作動油がその油圧シリンダ16内へ送られたとき、空間46内に負圧が発生することがゴム袋76の収縮により回避されるようになっている。 【0016】図3のIV−IV視断面図である図4、図4のV−V視断面図である図5、図5のVI−VI視断面図である図6にも示すように、上記ポンプハウジング56内には、前記第1逆止弁28、油圧ポンプ26、第2逆止弁30、背圧発生弁32、パイロット圧制御弁40、リリーフ弁44がそれぞれ設けられている。なお、以下の断面図において、78は油路の開口を閉じるための盲栓或いはプラグを示している。 【0017】第1逆止弁28は、前記空間46に連通する油路L1 が開口する弁室80内に収容された球状弁子82がスプリング84の付勢力に従ってその油路L1 の開口に着座させられることにより油路L1 から油路L2 への流通を許容するが油路L2 から油路L1 への逆流を阻止する。第2逆止弁30も、ポンプ室94に連通する油路L3 が開口する弁室86内に収容された球状弁子88がスプリング90の付勢力に従ってその油路L3 の開口に着座させられることにより油路L3 から油路L4 への流通を許容するが油路L4 から油路L3 への逆流を阻止する。 【0018】油圧ポンプ26は、ポンプハウジング56内に円柱状に形成されて油路L2 および油路L3 が開口するポンプ室94と、ポンプ軸68の軸心に対して直角な方向の軸心を備えてポンプ室94内に収容された有底円筒状のポンプスリーブ96と、このポンプスリーブ96内に摺動可能に嵌合され且つスプリング98によってポンプ軸68側へ常時付勢されることにより、そのポンプ軸68のカム部66の外周面に対してニードルベアリング100を介して当接させられたプランジャ102とを備え、そのプランジャ102の往復駆動に伴う容積変化と上記第1逆止弁28および第2逆止弁30の逆止作用とによって作動油を油路L1 から吸引し且つ油路L4 へ圧送する。 【0019】パイロット圧制御弁40は、油路L4 が開口する弁室106に嵌め入れられた円筒状のスリーブ108と、そのスリーブ108の縦通路に収容されることによりその縦通路の小径通路の開口にそれぞれ着座可能に設けられ且つ棒状スペーサ109によって択一的に着座させられる1対の球状弁子110および111と、そのスリーブ108内に軸方向の移動可能に収容されて上記球状弁子110をスプリング112の付勢力に従って上記球状弁子110を開弁方向すなわち油路L4 とパイロット圧油路LP とが連通する方向に付勢する押圧部材114と、その押圧部材114の端部に係合させられてその押圧部材114をスプリング112の付勢力に抗して閉弁方向すなわち球状弁子110が着座してパイロット圧油路LP がドレン油路LD に連通させられる方向へ移動せるために操作される復帰レバー42とを備え、その復帰レバー42の非操作時にはパイロット圧が油路LPへ出力されるが、作業者により復帰レバー42が操作されることにより上記球状弁子111が着座位置から離隔させられると同時に球状弁子110が着座させられて油路L4 と閉じられると同時に油路LP がドレン油路LD に接続されてパイロット圧が排圧されるようになっている。 【0020】リリーフ弁44は、油路L4 が開口する弁室116に嵌め入れられた円筒状のスリーブ118と、そのスリーブ118内に軸方向の移動可能に収容されて油路L4 に連通する弁座に着座させられる棒状弁子120と、その棒状弁子120を閉弁方向に付勢するスプリング122とを備え、油路L4 の油圧が作用することにより棒状弁子120に発生する開弁方向の推力が上記スプリング122の付勢力を越えると、棒状弁子120がその着座位置から離隔させられて油路L4 の作動油がドレン油路LD へ逃がされて、その油路L4 の作動油が過大な圧力となることが防止されるようになっている。 【0021】図7は、ポンプハウジング56の前方側端面すなわちプレート58が固定される側の端面を示しており、作動油が圧送される油路L5 、パイロット圧が出力されるパイロット圧油路LP 、作動油が還流させられるドレン油路LD がそれぞれ開口させられている。上記プレート58は、油路L5 およびパイロット圧油路LP の開口位置を図7に示す位置から図8に示す位置へ変更するための油路をその内部に備えている。 【0022】図9は、切換弁ハウジング60を前方側から見た図であり、その切換弁ハウジング60の前方側端面には、油圧シリンダ16に接続される油路L6 および油路L7 が開口させられている。また、その切換弁ハウジング60の両側面には、1対の側板126、128が一体的に取り付けられている。図10は図9のX−X視断面図、図11は図9のXI−XI視断面図、図12は図9の XII−XII 視断面図、図13は図1のXIII−XIII視断面図である。 【0023】図10乃至図13に示すように、第1切換弁36は、切換弁ハウジング60内に嵌め着けられ、油路L6 、油路L5 、油路L7 にそれぞれ連通させられるとともに油路L6 および油路L7 が開口する軸方向の両端部よりも油路L5 が開口する軸方向の中央部が大径とされた円柱状の第1弁室132を内部に有する円筒状のスリーブ134と、そのスリーブ134内において軸方向の摺動可能に嵌め入れられた棒状の第1弁子136と、上記第1弁室132内の中央部に位置するようにその第1弁子136の長手方向の中間部に形成された大径弁部138と、上記第1弁室132の油路L6 が開口する端部と油路L5 が開口する中央部との間の段部142に上記大径弁部138が当接してそれら油路L5 と油路L6 との間を遮断し且つ油路L5 と油路L7 との間を開く方向に第1弁子136の端面を付勢する第1スプリング140とを備え、パイロット圧が上記第1弁子136の第1スプリング140とは反対側の端面に作用させられて第1弁子136が第1スプリング140の付勢力に抗して移動させられることにより大径弁部138が第1弁室132の油路L6 が開口する端部と油路L5 が開口する中央部との間の段部142から離されて上記第1弁室132の油路L5 が開口する中央部と油路L6 が開口する端部との間の段部144に着座させられることにより、油路L5 と油路L6 との間が開かれ且つ油路L5 と油路L7 との間が遮断されるようになっている。 【0024】また、第2切換弁38も第1切換弁36と同様の弁構成を備えている。第2切換弁38は、切換弁ハウジング60内に嵌め着けられ、油路L6 、ドレン油路LD 、油路L7 にそれぞれ連通させられるとともにそれら油路L6 および油路L7が開口する軸方向の両端部よりもドレン油路LD が開口する軸方向の中央部が大径とされた円柱状の第2弁室148を内部に有する円筒状のスリーブ150と、そのスリーブ150内において軸方向の摺動可能に嵌め入れられた棒状の第2弁子152と、上記第2弁室148内の中央部に位置するようにその第2弁子152の長手方向の中間部に形成された大径弁部154と、上記第2弁室148の油路L7 が開口する端部とドレン油路LD が開口する中央部との間の段部158に上記大径弁部154が当接してそれらドレン油路LD と油路L7 との間を遮断し且つドレン油路LD と油路L6 との間を開く方向に第2弁子152の端面を付勢する第2スプリング156とを備え、パイロット圧が上記第2弁子152の第2スプリング156とは反対側の端面に作用させられて第2弁子152が第2スプリング156の付勢力に抗して移動させられることにより大径弁部154が第2弁室148の油路L7 が開口する端部とドレン油路LD が開口する中央部との間の段部158から離されて上記第2弁室148のドレン油路LD が開口する中央部と油路L6 が開口する端部との間の段部162に着座させられることにより、油路L7 とドレン油路LD との間が開かれ且つドレン油路LD と油路L6 との間が遮断されるようになっている。 【0025】以下、図14および図15を用いて、前記油圧シリンダ16および加工工具18を詳細に説明する。 【0026】油圧シリンダ16は、先端部において前記加工工具18と連結され且つ基端部においてピストンとして機能する大径部170が一体的に設けられた出力ロッド172と、その出力ロッド172が摺動可能に貫通させられた先端壁174と前記本体14すなわち切換弁ハウジング60に固定された基端壁176とによって両端部が閉じられた円管状のシリンダ本体178と、そのシリンダ本体178内に出力ロッド172の大径部170が摺動可能に嵌め入れられてそのシリンダ本体178内の空間が分割されることにより基端壁側および先端壁側にそれぞれ形成された第1油室16Aおよび第2油室16Bと、出力ロッド172の基端壁176に対向する端面において軸心方向に形成された嵌合穴184と、その嵌合穴184内に摺動可能に且つ出力ロッド172の移動ストローク以上の深さで嵌め入れられる長さでその基端壁176から軸心方向に突設された円柱状の固定ロッド186と、第1油室16Aと切換弁ハウジング60に開口する油路L6 とを接続する第1油路を形成するために、基端壁176を貫通して形成された貫通穴188と、第2油室16Bと切換弁ハウジング60に開口する油路L7 とを接続する第2油路を形成するために形成された、基端壁176を貫通する貫通穴190、固定ロッド186を縦通する縦通穴192、および出力ロッド172の側壁すなわち周壁を貫通する貫通穴194とを、備えている。 【0027】上記シリンダ本体178は、先端壁174を備えた有底円筒状部材196と、その有底円筒状部材196よりも大径の比較的短い有底円筒状を成し、シリンダ本体178の基端壁を構成するためにその有底円筒状部材196の開口に螺合によって嵌め着けられ且つ切換弁ハウジング60に固定された固定部材198と、有底円筒状部材196の外周面に形成されたねじに螺合されて固定部材198との間で締着されたロックナット200とから構成される。図14は、その固定部材198が切換弁ハウジング60に固定された状態を示している。 【0028】前記固定ロッド186は、その基端部側に形成された螺子が基端壁176の中心に形成された雌ねじに螺合されることにより固定されている。また、上記出力ロッド172において軸心方向に形成された嵌合穴184は、その軸方向において開口部付近が他の部分よりも小径とされており、その嵌合穴184と固定ロッド186との嵌合は、その嵌合穴184の開口部において局所的に行われて、その他の部分は、嵌合穴184の内周面と固定ロッド186の外周面との間に隙間が形成されている。また、出力ロッド172の側壁を貫通する貫通穴194は、その出力ロッド172が引き込まれた状態であっても上記隙間に連通するように出力ロッド172の基端部側すなわち大径部170側に形成されている。 【0029】加工工具18は、上記有底円筒状部材196の外周面に形成されたねじに円筒状の基端部が螺合された工具支持部材202と、その工具支持部材202の先端部にピン204により回動可能に支持された、たとえば大径の電線を切断するための1対の切断刃206と、それら1対の切断刃206と前記出力ロッド172の先端部との間に1対のピン208およびピン210によって回動可能に連結された1対のリンク212とを備え、その出力ロッド172が突き出されることによって1対の切断刃206が閉じられて切断加工が行われ、その出力ロッド172が引き込まれることによって1対の切断刃206が開かれて非加工位置とされるようになっている。 【0030】上述のように、本実施例の油圧制御回路12は、加工工具18による加工を開始させるために、油圧ポンプ26から圧送された作動油を第1油室16Aへ供給し且つ第2油室16B内の作動油を排出させ、また、加工工具18による加工を終了させるために、その作動油を第2油室16Bへ供給し且つ第1油室16A内の作動油を排出させることから、加工工具18を非加工位置へ戻すための駆動力が不足せず、加工工具18の食い込みなどが発生したとしても油圧シリンダ16が円滑に復動させられる。このため、作業者が手作業で上記加工工具18を非加工位置へ戻すための操作が不要となり、作業能率が損なわれることが解消される。 【0031】また、本実施例の油圧シリンダ16は、(1) 先端部において加工工具18と連結され且つ基端部において大径部170が一体的に設けられた出力ロッド172と、(2) その出力ロッド172が摺動可能に嵌通させられた先端壁174と本体14に固定された基端壁176とによって両端部が閉じられた管状のシリンダ本体178と、(3) そのシリンダ本体178内に出力ロッド172の大径部170が摺動可能に嵌め入れられてシリンダ本体178内の空間が分割されることにより基端壁側および先端壁側にそれぞれ形成された第1油室16Aおよび第2油室16Bと、(4) 出力ロッド172の基端壁に対向する端面において軸心方向に形成された嵌合穴184と、(5) その嵌合穴184内に摺動可能に且つ出力ロッド172の移動ストローク以上の深さで嵌め入れられるように基端壁176から軸心方向に突設された固定ロッド186と、(6) その基端壁176を貫通して第1油室16Aと接続される第1油路(貫通穴188)と、(7) 基端壁176を貫通し、固定ロッド186を縦通し、出力ロッド172の側壁を通して第2油室16Bと接続される第2油路(貫通穴190、縦通穴192、貫通穴194)とを、含む。これにより、加工工具18を加工位置から非加工位置へ戻すに際して油圧シリンダ16を復動させるための作動油を供給するためのホースなどの油路を外部に設ける必要がないので、携帯用油圧式加工装置10が小型となり、その操作性が損なわれない。 【0032】また、本実施例の油圧制御回路12は、(1) 作業者の手動操作によりパイロット圧を発生させるパイロット圧制御弁40と、(2) 切換弁ハウジング60内に嵌め着けられ、第1油室16A、油圧ポンプ26、第2油室16Bにそれぞれ連通させられるとともに第1油室16Aおよび第2油室16Bに連通する油路L6 および油路L7 がそれぞれ開口する軸方向の両端部よりも油圧ポンプ26に連通する油路L5 が開口する軸方向の中央部が大径とされた円柱状の第1弁室132と、その第1弁室132内において軸方向の摺動可能に嵌め入れられた棒状の第1弁子136と、上記第1弁室132内の中央部に位置するようにその第1弁子136の長手方向の中間部に形成された大径弁部138と、上記第1弁室132の油路L6 が開口する端部と油路L5 が開口する中央部との間の段部142に上記大径弁部138が当接してそれら油路L5 と油路L6 との間を遮断し且つ油路L5 と油路L7 との間を開く方向に第1弁子136の端面を付勢する第1スプリング140とを備え、パイロット圧がその第1スプリング140の付勢力に抗して移動する方向の推力が発生するように第1弁子136に作用させられることにより、油圧シリンダ16の第1油室16Aおよび第2油室16Bを油圧ポンプ26に択一的に連通させる第1切換弁36と、(3) 切換弁ハウジング60内に嵌め着けられ、第1油室16A、ドレン油路LD 、第2油室16Bにそれぞれ連通させられるとともに第1油室16Aおよび第2油室16Bにそれぞれ連通する油路L6 および油路L7 が開口する軸方向の両端部よりもドレン油路LD が開口する軸方向の中央部が大径とされた円柱状の第2弁室148を内部に有する円筒状のスリーブ150と、そのスリーブ150内において軸方向の摺動可能に嵌め入れられた棒状の第2弁子152と、上記第2弁室148内の中央部に位置するようにその第2弁子152の長手方向の中間部に形成された大径弁部154と、上記第2弁室148の油路L7 が開口する端部とドレン油路LD が開口する中央部との間の段部158に上記大径弁部154が当接してそれらドレン油路LD と油路L7 との間を遮断し且つドレン油路LD と油路L6 との間を開く方向に第2弁子152の端面を付勢する第2スプリング156とを備え、パイロット圧がその第2スプリング156の付勢力に抗して移動する方向の推力が発生するように第2弁子152に作用させられることにより、油圧シリンダ16の第2油室16Bおよび第1油室16Aをドレン油路LD に択一的に連通させる第2側切換弁38とを、含むものである。このため、第1弁子136の大径弁部138或いは第2弁子152の大径弁部154が、段部142、144或いは段部158、162に着座させられることにより切換が行われるので、油圧ポンプ26から圧送される作動油が高圧であっても作動油の漏れによる切換不全が好適に解消される。また、手動操作により切り換えられるパイロット圧制御弁40から発生させられるパイロット圧により上記第1切換弁36と第2切換弁38とが同時に切り換えられるので、油圧の大きさにかかわらず軽い操作力で加工工具18を非加工位置へ復帰させることができる。 【0033】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明はその他の態様においても適用される。 【0034】たとえば、前述の実施例の携帯用油圧式加工装置10において、嵌合穴184の開口部を他の部分よりも小径とすることにより嵌合穴184の内周面と固定ロッド186の外周面との間に隙間が形成されていたが、上記嵌合穴184の内周面或いは固定ロッド186の外周面に軸方向に平行な溝などが形成されてもよい。 【0035】また、前述の実施例の携帯用油圧式加工装置10は、電線を切断するための加工工具18を備えたものであったが、他の種類の加工を行うための加工工具が備えられていても差し支えない。 【0036】また、前述の実施例の携帯用油圧式加工装置10は、電線から電力が供給されるモータ24を備えた外部電源型であったが、蓄電池を備えてその蓄電池電力が供給されるものであってもよい。 【0037】また、前述の実施例の携帯用油圧式加工装置10において、本体14および油圧シリンダ16はモータ24の軸心方向に直列に取り付けられていたが、必ずしも直列でなくてもよい。 【0038】また、前述の実施例の携帯用油圧式加工装置10において、油圧制御回路12の構成やそれを収容するハウジングの形状は種々の変更が行われ得る。 【0039】なお、上述したのはあくまでも本発明の一実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々の変形が施され得る。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000208525 【氏名又は名称】株式会社ダイア
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| 【出願日】 |
平成11年4月7日(1999.4.7) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085361 【弁理士】 【氏名又は名称】池田 治幸 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−291605(P2000−291605A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月20日(2000.10.20) |
| 【出願番号】 |
特願平11−99750 |
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