| 【発明の名称】 |
アクチュエータ制御装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】吉野 和憲
【氏名】恩田 公正
【氏名】中野 尊夫
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| 【要約】 |
【課題】作業内容やオペレータに応じて特性を容易に変更できるコントロール自由度の高いアクチュエータ制御装置を提供する。
【解決手段】作動液を収容したタンク20より作動液を吐出するポンプ21と、このポンプ21からの作動液により作動するシリンダ39の二室39a ,39b との間のメータイン側に、入力される電気信号に応じて流量制御する二つのスプール弁31,32をそれぞれ設ける。シリンダ39の二室39a ,39b とタンク20との間のメータアウト側に、入力される電気信号に応じて流量制御する二つのポペット弁41,47をそれぞれ設ける。これらのスプール弁31,32およびポペット弁41,47を、操作レバー91の操作量および制御形態に応じてコントローラ92から出力した電気信号により個別に制御する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 作動液を収容したタンクと、このタンクより作動液を吐出するポンプと、このポンプからの作動液により作動するアクチュエータと、ポンプとアクチュエータの二室との間にそれぞれ設けられ入力される電気信号に応じて流量制御する二つのメータインバルブと、アクチュエータの二室とタンクとの間にそれぞれ設けられ入力される電気信号に応じて流量制御する二つのメータアウトバルブと、これらのメータインバルブおよびメータアウトバルブを電気信号により操作量および制御形態に応じて個別に制御するコントローラとを具備したことを特徴とするアクチュエータ制御装置。 【請求項2】 メータインバルブはスプール弁であり、メータアウトバルブはポペット弁であることを特徴とする請求項1記載のアクチュエータ制御装置。 【請求項3】 ポペット弁は、タンクに連通された弁シート部と、この弁シート部よりドレンされる流量を制御するシート弁体と、このシート弁体を弁シート部側へ押圧するばねと、このばねが設けられたばね室と、このばね室をコントローラからの電気信号に応じてドレン制御するパイロット弁とを具備したことを特徴とする請求項2記載のアクチュエータ制御装置。 【請求項4】 アクチュエータの過大な負荷圧によりポペット弁のばね室をドレン制御するシーケンス弁を備えたことを特徴とする請求項3記載のアクチュエータ制御装置。 【請求項5】 ポペット弁は、このポペット弁に接続された回路内に生じた負圧をばね室に導く内部通路を備えたことを特徴とする請求項3記載のアクチュエータ制御装置。 【請求項6】 コントローラは、二つのメータインバルブを同時に開くことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のアクチュエータ制御装置。 【請求項7】 コントローラは、二つのメータインバルブを同時に閉じるとともに、二つのメータアウトバルブを同時に開くことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のアクチュエータ制御装置。 【請求項8】 二つのメータアウトバルブにそれぞれ設けられた作動量検出用のセンサを具備したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のアクチュエータ制御装置。 【請求項9】 センサとコントローラとにより形成されコントローラに入力された指令値とセンサによりフィードバックされた検出値との誤差によりメータアウトバルブをストローク制御するフィードバック制御系を具備したことを特徴とする請求項8記載のアクチュエータ制御装置。 【請求項10】 センサは、密閉された空間内に配置されたコイルと、メータアウトバルブの可動部からコイル内に挿入された可動鉄心とを具備したことを特徴とする請求項8または9記載のアクチュエータ制御装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、メータイン側およびメータアウト側を個別に制御するアクチュエータ制御装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】図6および図7は、従来の油圧ショベルなどの土木建設機械の油圧シリンダ、油圧モータなどのアクチュエータ1を作動させるための代表的な油圧回路である。 【0003】図6(A)に示されるように、操作レバー2から油圧信号(電気信号の場合もある)が出力され、その信号に応じスプール弁3が作動する。そのスプール弁3の作動方向また作動流量により、アクチュエータ1の作動方向および速度を制御する。 【0004】この回路は、ポンプ4からアクチュエータ1への通路を制御するメータイン制御と、アクチュエータ1から作動油のタンク5への通路を制御するメータアウト制御とを、1本のスプール弁3で同時に行っている。 【0005】例えば、図7に示されるように、操作レバー2を一側に操作すると、そのリモコン弁から一側のポート6にパイロットオイルが供給され、スプール弁3はコイルばね7に抗して左方に移動し、通路8が閉じるとともに、通路9が開く。同時に、通路10はリターン通路11に通じる。 【0006】ポンプ4から通路12内に供給されたポンプオイルは、ロードチェックバルブ13を通り、通路14,9を経てポート15に流れ、アクチュエータ1のロッド側室1aに供給され,ヘッド側室1bのオイルはポート16から通路10を経てリターン通路11に入り、タンク5に流れる。なお、ポート15からアクチュエータ1に供給される作動油はラインリリーフ弁17により設定された圧より上昇しない。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】このように、メータイン制御とメータアウト制御とを、1本のスプール弁3で同時に行っているため、メータインとメータアウトとの開口タイミングが一通りしか決まらず、そのため、オペレータの好みや作業の違いにより、種々の不具合をまねいている。 【0008】また、例えば油圧ショベルのアームイン動作時のアームシリンダなどのように自重が作用する方向にアクチュエータ1を伸張操作する場合は、アクチュエータ1の油排出側の部屋から油供給側の部屋へ作動油を再生させる再生機能を持たせる必要があり、そのような場合、従来は、図6(B)に示されるように、いわゆる再生弁18と呼ばれる専用の弁を付加する必要があり、高価で複雑なバルブ構成となる。 【0009】以上のように、従来は、油圧ショベルなどの、土木、建築作業用の作業機械に関し、作業内容やオペレータに応じて油圧回路の特性を変更することが容易でない問題がある。 【0010】本発明は、このような点に鑑みなされたもので、作業内容やオペレータに応じて特性を容易に変更できるコントロール自由度の高いアクチュエータ制御装置を提供することを目的とするものである。 【0011】 【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発明は、作動液を収容したタンクと、このタンクより作動液を吐出するポンプと、このポンプからの作動液により作動するアクチュエータと、ポンプとアクチュエータの二室との間にそれぞれ設けられ入力される電気信号に応じて流量制御する二つのメータインバルブと、アクチュエータの二室とタンクとの間にそれぞれ設けられ入力される電気信号に応じて流量制御する二つのメータアウトバルブと、これらのメータインバルブおよびメータアウトバルブを電気信号により操作量および制御形態に応じて個別に制御するコントローラとを具備したアクチュエータ制御装置である。 【0012】そして、コントローラからの電気信号により二つのメータインバルブおよび二つのメータアウトバルブを、操作量および制御形態に応じてそれぞれ個別に制御するから、コントローラでのソフトウェアの変更のみで方向制御、流量制御または圧力制御が可能となり、作業内容やオペレータに応じて特性を容易に変更できるコントロール自由度の高い制御が可能となる。 【0013】請求項2に記載された発明は、請求項1記載のアクチュエータ制御装置におけるメータインバルブはスプール弁であり、メータアウトバルブはポペット弁である。 【0014】そして、負荷圧力変動によるストロークへの影響を受けにくいスプール弁をメータイン側に使用したので、バルブ制御性が容易になる。なお、メータイン側にポペット弁を用いた制御では、排出側ポートの負荷圧力変動などの外乱によってポペット弁のストローク変動が生じやすいことは知られている(特許第2765590号公報参照)。 【0015】請求項3に記載された発明は、請求項2記載のポペット弁が、タンクに連通された弁シート部と、この弁シート部よりドレンされる流量を制御するシート弁体と、このシート弁体を弁シート部側へ押圧するばねと、このばねが設けられたばね室と、このばね室をコントローラからの電気信号に応じてドレン制御するパイロット弁とを具備したアクチュエータ制御装置である。 【0016】そして、コントローラからの小電力でパイロット弁を制御してポペット弁のばね室からのドレン流量をパイロット制御することにより、そのドレン流量が増幅された状態でポペット弁の弁シート部からタンクにドレンされる大流量が制御される。 【0017】請求項4に記載された発明は、請求項3記載のアクチュエータ制御装置において、アクチュエータの過大な負荷圧によりポペット弁のばね室をドレン制御するシーケンス弁を備えたものである。 【0018】そして、アクチュエータに過大な負荷圧が生ずると、その負荷圧によりシーケンス弁が開いて、ポペット弁のばね室をドレン制御し、ポペット弁の弁シート部が開くことにより過負荷を防止するから、高価なラインリリーフ弁は必要ない。 【0019】請求項5に記載された発明は、請求項3記載のアクチュエータ制御装置におけるポペット弁が、このポペット弁に接続された回路内に生じた負圧をばね室に導く内部通路を備えたものである。 【0020】そして、回路内に負圧が生じると、その負圧がポペット弁の内部通路を経てばね室に導かれるから、ポペット弁がリフトして、タンクよりポペット弁を経て回路内の負圧部に作動液が吸込まれるように補充され、作動液のボイディングが解消されるメークアップ機能を有する。 【0021】請求項6に記載された発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のアクチュエータ制御装置におけるコントローラが、二つのメータインバルブを同時に開くものである。 【0022】そして、コントローラにより二つのメータインバルブを同時に開くと、アクチュエータの受圧面積の小さい側の室から押出された作動液が受圧面積の大きい側の室へ移動し、専用の再生弁を設けなくても、アクチュエータの二室間で作動液が再生される。 【0023】請求項7に記載された発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載のアクチュエータ制御装置におけるコントローラが、二つのメータインバルブを同時に閉じるとともに、二つのメータアウトバルブを同時に開くものである。 【0024】そして、二つのメータインバルブを同時に閉じることにより、ポンプ吐出圧を遮断するとともに、二つのメータアウトバルブを同時に開くことにより、アクチュエータから作動液が自由に出入りするようにし、アクチュエータを外力により作動し得るフローティング状態とする。 【0025】請求項8に記載された発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載のアクチュエータ制御装置において、二つのメータアウトバルブにそれぞれ設けられた作動量検出用のセンサを具備したものである。 【0026】そして、各メータアウトバルブの作動に異常状態が生じた場合は、各センサによりその状態を検出して、メータアウトバルブの故障に対応する。 【0027】請求項9に記載された発明は、請求項8記載のアクチュエータ制御装置において、センサとコントローラとにより形成されコントローラに入力された指令値とセンサによりフィードバックされた検出値との誤差によりメータアウトバルブをストローク制御するフィードバック制御系を具備したものである。 【0028】そして、センサとコントローラとによりメータアウトバルブをフィードバック制御することにより、メータアウトバルブのストローク制御における応答性、線形性などの制御能力を改善する。 【0029】請求項10に記載された発明は、請求項8または9記載のアクチュエータ制御装置におけるセンサが、密閉された空間内に配置されたコイルと、メータアウトバルブの可動部からコイル内に挿入された可動鉄心とを具備したものである。 【0030】そして、密閉された空間内にコイルおよび可動鉄心を配置することにより、メータアウトバルブにおける作動液漏れを防止する。 【0031】 【発明の実施の形態】以下、本発明を図1から図5に示された実施の一形態を参照しながら説明する。 【0032】図1および図2に示されるように、作動液としての作動油を収容したタンク20より作動油を吐出するポンプ21の吐出ライン22が、バルブ本体ブロック23の油供給ポート24に接続され、この油供給ポート24にロードチェックバルブ25を介して通路26および通路27が分岐接続されている。 【0033】これらの通路26,27には、メータインバルブとしてのスプール弁31,32がそれぞれ設けられている。これらのスプール弁31,32には、スプリング33が介在され、さらにこのスプリング33に抗して各スプール弁31,32を比例制御するソレノイド34,35がそれぞれ設けられている。 【0034】一方のスプール弁31を経た通路36は、ポート37および通路38を経て、ポンプ21からの作動油により作動するアクチュエータとしての油圧シリンダ(以下、単に「シリンダ」という)39のロッド側室39a に連通されているとともに、メータアウトバルブとしての一方のポペット弁41のシート弁体41a が摺動自在に嵌合するスリーブ42に開口された入口ポート43に連通されている。 【0035】また、他方のスプール弁32を経た通路44は、ポート45および通路46を経てシリンダ39のヘッド側室39b に連通されているとともに、メータアウトバルブとしての他方のポペット弁47のシート弁体47a が摺動自在に嵌合するスリーブ48に開口された入口ポート49に連通されている。 【0036】一方のポペット弁41のシート弁体41a は、一端部にパイロット制御部51が形成され、このパイロット制御部51の近傍にシート弁体41a の位置により面積変化する内部通路としてのスリット52が軸方向に形成され、このシート弁体41a の他端部に、前記スリーブ42に形成されてタンク20に連通された弁シート部50に対し嵌脱自在のドレン流量制御部53が形成され、このドレン流量制御部53にノッチ53aが形成されている。パイロット制御部51は、ばね室54に臨み、このばね室54に内蔵されたコイルばね55により、シート弁体41a が弁シート部50側へ押圧される方向すなわち閉じ方向に付勢されている。 【0037】この一方のポペット弁41は、そのシート弁体41a を制御する手段として、ばね室54からタンク20に向かって引出された通路57,58中に介在されたパイロット弁59を備えている。このパイロット弁59は、ばね室54を後述するコントローラからの電気信号に応じてドレン制御するもので、コイルばね60に抗してソレノイド61により比例制御される。 【0038】また、この一方のポペット弁41のばね室54から引出された別の通路62,63中に過負荷防止用のシーケンス弁64が介在されている。このシーケンス弁64は、通路36に過大な負荷圧が生じたときポペット弁41のばね室54をドレン制御してシート弁体41a を開口するもので、コイルばね65により閉じる方向に付勢され、前記通路36に連通された通路66を経て導かれる圧によりこのコイルばね65に抗して開口される。 【0039】前記パイロット弁59を経た通路58、およびシーケンス弁64を経た通路63は、通路67,68、タンクポート69およびタンクライン70を経て前記タンク20に連通されている。 【0040】同様に、他方のポペット弁47のシート弁体47a は、一端部にパイロット制御部71が形成され、このパイロット制御部71の近傍にシート弁体47a の位置により面積変化する内部通路としてのスリット72が軸方向に形成され、このシート弁体47a の他端部に、前記スリーブ48に形成されてタンク20に連通された弁シート部76に対し嵌脱自在のドレン流量制御部73が形成され、このドレン流量制御部73にノッチ73a が形成されている。パイロット制御部71は、ばね室74に臨み、このばね室74に内蔵されたコイルばね75により、シート弁体47a が弁シート部76側へ押圧される方向すなわち閉じ方向に付勢されている。 【0041】この他方のポペット弁47は、そのシート弁体47a を制御する手段として、ばね室74からタンク20に向かって引出された通路77,78中に介在されたパイロット弁79を備えている。このパイロット弁79は、ばね室74を後述するコントローラからの電気信号に応じてドレン制御するもので、コイルばね80に抗してソレノイド81により比例制御される。 【0042】また、この他方のポペット弁47のばね室74から引出された別の通路82,83中に過負荷防止用のシーケンス弁84が介在されている。このシーケンス弁84は、通路44に過大な負荷圧が生じたときポペット弁47のばね室74をドレン制御してシート弁体47a を開口するもので、コイルばね85により閉じる方向に付勢され、前記通路44に連通された通路86を経て導かれる圧によりこのコイルばね85に抗して開口される。 【0043】前記パイロット弁79を経た通路78、およびシーケンス弁84を経た通路83は、通路87,88、前記タンクポート69および前記タンクライン70を経て前記タンク20に連通されている。 【0044】そして、油圧ショベルなどの建設機械を操縦するオペレータにより操作される操作レバー91は、その操作方向および操作量に応じた指令電気信号をコントローラ92に入力し、コントローラ92は、操作レバー91からの指令電気信号、およびコントローラ92内にプログラミングされたソフトウエアに基づく制御形態に応じた駆動電気信号を、電線93,94,95,96により前記スプール弁31,32のソレノイド34,35およびパイロット弁59,79のソレノイド61,81にそれぞれ供給し、これらを個別に制御する。 【0045】これにより、ポンプ21とシリンダ39の二室との間にそれぞれ設けられた二つのスプール弁31,32は、コントローラ92からの入力される電気信号に応じてメータイン側を直接流量制御し、また、シリンダ39の二室とタンク20との間にそれぞれ設けられた二つのポペット弁41,47は、コントローラ92からの入力される電気信号に応じて制御される各パイロット弁59,79を介しメータアウト側を間接的に流量制御する。 【0046】このように、負荷圧力変動によるストロークへの影響を受けにくいスプール弁31,32をメータイン側に使用することにより、バルブ制御性を容易にする。 【0047】次に、前記各ポペット弁41,47に対して、それらの軸方向作動量(変位量またはストローク)を検出するためのセンサ101 ,102 がそれぞれ設けられている。図3乃至図5を参照しながら、これらの作動量検出用のセンサ101 ,102 の取付構造、センサ構造および機能を説明する。 【0048】すなわち、図3に示されるように、一方のポペット弁41に対するセンサ101 の例で説明すると、バルブ本体ブロック23の側面に一の板部材103 を介して他の板部材104 が、これらの板部材103 ,104 を通してバルブ本体ブロック23に螺合された複数のボルト105 により固定されている。 【0049】一の板部材103 には穴106 が穿設され、他の板部材104 には、この穴106 内に突出された円筒形部107 が一体に形成されている。バルブ本体ブロック23と一の板部材103 との間には、穴106 と同心状にOリング108 が設けられ、また、一の板部材103 と他の板部材104 との間には、円筒形部107 と同心状にOリング109が設けられているから、穴106 は外部に対し密閉された空間となっている。 【0050】この密閉された空間としての穴106 内において、前記円筒形部107 の外周面には凹溝111 が設けられ、この凹溝111 に例えばインダクタンスの変化を利用して変位量を検出する作動変圧器などに代表される電磁形変位検出器のコイル112 が嵌着され、このコイル112 の電線113 が板部材104 から引出されて、前記コントローラ92の検出信号入力端子に接続されている。 【0051】一方、ポペット弁41のシート弁体41a 側では、パイロット制御部51の中心部に軸方向の穴114 が設けられ、この穴114 に前記電磁形変位検出器の可動鉄心115の基端部116 が嵌着されている。この基端部116 にはフランジ部117 が一体に形成され、このフランジ部117 に対して、前記ばね室54内のコイルばね55が当接されている。 【0052】このようにポペット弁41の可動部であるシート弁体41a から突出された可動鉄心115 が、円筒形部107 の中心穴118 にコイル112 と同心となるように挿入され、この可動鉄心115 の変位量に応じてコイル112 から出力される電流または電圧などの電気信号を検出することにより、可動鉄心115 と一体のシート弁体41a の軸方向変位量を検出する。 【0053】また、図3に示されるように、前記ばね室54に対応する前記スリーブ42の内周面54a は他の内周面よりやや大径に形成され、このため、ドレン流量制御部53が完全に閉じられた状態でも、ポペット弁41の内部通路としてのスリット52はパイロット制御部51の外周縁の僅かな軸方向開口を経て、ばね室54に連通されている。 【0054】この図3に示された一方のポペット弁41に関するセンサ101 および内部通路の構造は、他方のポペット弁47に関するセンサ102 および内部通路でも同様のものであるから、その説明は省略する。 【0055】さらに、前記コントローラ92およびセンサ101(102)は、図4に示されるようなフィードバック制御系121 を形成し、コントローラ92に入力された指令値とセンサ101(102)によりフィードバックされた検出値との誤差によりポペット弁41(47)をストローク制御する。 【0056】すなわち、コントローラ92は、操作レバー91から入力されたポペット弁41(47)の変位指令値とセンサ101(102)により検出されフィードバックされたポペット弁41(47)の変位検出値とを比較演算する比較器122 と、その誤差信号を演算処理して前記パイロット弁59のソレノイド61を駆動する例えば比例要素および積分要素などを含む制御器123 とを有する。 【0057】そして、コントローラ92から出力された電流値などの電気信号に応じてソレノイド61に軸方向推力が発生し、パイロット弁59のストロークが制御され、このパイロット弁59を通過するパイロット流量が制御され、このパイロット流量に応じてポペット弁41(47)の軸方向変位量が制御され、この軸方向変位量はセンサ101(102)により検出されて、コントローラ92の比較器122 にフィードバックされ、操作レバー91から入力されたポペット弁41(47)の変位指令値とセンサ101(102)により検出されたポペット弁41(47)の変位検出値とを比較演算して、その誤差が零となるようにフィードバック制御を継続する。 【0058】図5に示される周波数応答に関するシミュレーション結果から分かるように、ポペット弁41(47)のシート弁体41a (47a )に作用するポート37(45)とタンクポート69との差圧ΔPが高圧(例えば199Bar)の場合(菱形印)は、低圧(例えば10Bar正方形印)の場合より位相遅れが少なく、応答性に優れており、さらに、同じ低圧(例えば10Bar)でも、センサ101(102)がない場合(正方形印)よりも、センサ101(102)を設けてフィードバック制御する場合(3角形印)の方が、位相遅れが少なく、応答性に優れている。 【0059】次に、図1および図2に示された回路にて各種の制御形態を説明する。 【0060】(シリンダ伸び作用)例えば、操作レバー91をシリンダ伸び側へ動かすと、この操作レバー91から送られた電気信号によりコントローラ92は、スプール弁32のソレノイド35と、ポペット弁41のばね室54を通路67に連通させるパイロット弁59のソレノイド61とに、それぞれレバー操作量に比例した信号を送る。 【0061】すると、スプール弁32がレバー操作量に応じた分だけストロークして、ポンプ21の吐出ライン22と通路44とが連通し、ポンプ21より吐出された作動油は、シリンダ39のヘッド側室39b へ供給される。 【0062】また、パイロット弁59が開き、ばね室54がドレンすることで、ポペット弁41のシート弁体41a は開く。このシート弁体41a に加工されシート弁体41a のストローク位置により面積変化するスリット52を通過する流量が、パイロット弁59を通過する流量とバランスする位置でシート弁体41a のストローク位置すなわち変位量が決まる。その結果、レバー操作量に比例したメータリング機能を持つことになる。 【0063】このとき、前記センサ101 は、シート弁体41a のストローク位置を検出し、この検出信号をコントローラ92にフィードバックすることにより、シート弁体41aのストローク制御における正確性(定常偏差)、応答性、および指令信号の変化に滑らかに追従する線形性などの制御能力を改善できる。 【0064】さらに、異物噛み込みなどでシート弁体41a が正規ポジションに位置しないなど、ポペット弁41の作動に異常状態が生じた場合は、センサ101 によりその異常状態を検出して、ポペット弁41の故障に対応することもでき、センサ101 をシート弁体41a の故障診断用にも適用できる。 【0065】一方、シリンダ39のロッド側室39a の作動油は、通路38,37,36、ポペット弁41のノッチ53a 、通路68、ポート69およびタンクライン70を経てタンク20に排出される。その結果、シリンダ39は伸びる方向へ動く。 【0066】(シリンダ縮み作用)シリンダ39が縮む場合も、同様に、操作レバー91からコントローラ92を経て、スプール弁31のソレノイド34、およびポペット弁47を制御するパイロット弁79のソレノイド81に、レバー操作方向および操作量に比例した信号が送られる。 【0067】すると、通路26と通路36は、スプール弁31がレバー操作量に応じた分だけストロークして連通し、ポンプ21より吐出される作動油は、シリンダ39のロッド側室39a へ供給される。 【0068】また、パイロット弁79が開き、ばね室74がドレンすることで、ポペット弁47のシート弁体47a は開く。このシート弁体47a に加工されシート弁体47a のストローク位置により面積変化するスリット72を通過する油流量が、パイロット弁79を通過する流量とバランスする位置でシート弁体47a のストローク位置すなわち変位量が決まる。その結果、レバー操作量に比例したメータリング機能を持つことになる。 【0069】このとき、前記センサ101 と同様に、反対側に設置された前記センサ102 は、シート弁体47a のストローク位置を検出し、この検出信号をコントローラ92にフィードバックすることにより、シート弁体47a のストローク制御における正確性(定常偏差)、応答性、および指令信号の変化に滑らかに追従する線形性などの制御能力を改善できる。 【0070】さらに、異物噛み込みなどでシート弁体47a が正規ポジションに位置しないなど、ポペット弁47の作動に異常状態が生じた場合は、センサ102 によりその異常状態を検出して、ポペット弁47の故障に対応することもでき、センサ102 をシート弁体47a の故障診断用にも適用できる。 【0071】一方、シリンダ39のヘッド側室39b の油は、通路46,45,44、ポペット弁47のノッチ73a 、通路88、ポート69およびタンクライン70を経てタンク20に排出される。その結果、シリンダ39は縮む方向へ動く。 【0072】(過負荷防止機能)また、シリンダ39のロッド側室39a またはヘッド側室39b 、即ち通路36または通路44が一定圧力を超えた時、通路66または通路86を介し、安価な小型のシーケンス弁64またはシーケンス弁84がコイルばね65またはコイルばね85に抗して開き、ポペット弁41またはポペット弁47のばね室54またはばね室74を通路63,67または通路83,87を経てドレンさせ、これにより、ポペット弁41のシート弁体41a またはポペット弁47のシート弁体47a が開いて、過負荷を防止する機能を有する。これにより、従来の高価なラインリリーフ弁17(図6および図7)を別途設置する必要がなく、経済的である。 【0073】(メークアップ機能)また、シリンダ39内および通路36,44内などが負圧になったときに、この負圧が各ポペット弁41,47のスリット52,72を経てばね室54,74に伝わり、タンク通路68,88の圧力がこの負圧より高い場合は、ポペット弁41,47のシート弁体41a,47a が開いて、タンクライン70より負圧となった通路36,44などへ油が供給され、負圧の油中に発生するおそれのあるボイディングが解消される。すなわち、これらのポペット弁41,47は、メークアップ機能も兼ねており、さらに経済的であると言える。 【0074】(再生機能)加えて、例えば油圧ショベルのアームシリンダをアーム・イン動作させる場合のように、シリンダ39のロッドに伸び方向の負荷がかかった状態でロッド伸び動作させる場合は、コントローラ92からメータイン側のスプール弁31,32の両方に電気信号を送り、これらのスプール弁31,32を同時に開くことにより、シリンダ39のロッド側室39a から通路36、スプール弁31,32および通路44を連通させ、ロッド側室39a から排出された油をヘッド側室39b に再生(回生)させる再生機能を持たせることも可能である。 【0075】(フローティング機能)また、メータイン側の二つのスプール弁31,32を閉止させたまま、コントローラ92からパイロット弁59,79の両方に電気信号を送り、メータアウト側のポペット弁41,47のシート弁体41a ,47a を同時に開いて、通路36,44を通路68,88と連通させることにより、シリンダ39のロッド側室39a およびヘッド側室39b の相互に油が自由に出入りできるフローティング状態とすることもできる。 【0076】以上のように、コントローラ92によるスプール弁31,32およびポペット弁41,47の開閉の組合わせにバリエーションを持たせることにより、アクチュエータの方向制御、流量制御、圧力制御などにおいて、作業内容やオペレータに応じて特性を容易に変更できるコントロール自由度の高い制御が可能となり、より付加価値の高い制御システムを実現できる。 【0077】 【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、コントローラからの電気信号により二つのメータインバルブおよび二つのメータアウトバルブを、操作量および制御形態に応じてそれぞれ個別に制御できるから、コントローラでのソフトウェアの変更のみでそれらのバルブの開閉などの組合わせにバリエーションをもたせることにより種々の制御が可能となり、すなわち作業内容やオペレータに応じて特性を容易に変更できるコントロール自由度の高い制御が可能となり、より付加価値の高い制御システムを実現できる。 【0078】請求項2記載の発明によれば、負荷圧力変動によるストロークへの影響を受けにくいスプール弁をメータイン側に使用したので、バルブ制御性を容易にできる。 【0079】請求項3記載の発明によれば、コントローラからの小電力でパイロット弁を制御することによりポペット弁をパイロット制御して、ポペット弁の弁シート部からタンクにドレンされる大流量を制御でき、流量増幅機能が得られる。 【0080】請求項4記載の発明によれば、アクチュエータに過大な負荷圧が生じても、その負荷圧によりシーケンス弁を開いてポペット弁のばね室をドレン制御して、ポペット弁の弁シート部を開くことにより過負荷を防止できるから、高価なラインリリーフ弁を必要とせず、コストダウンを図れる。 【0081】請求項5記載の発明によれば、回路内に負圧が生じても、その負圧がポペット弁の内部通路を経てばね室に導かれることにより、ポペット弁の弁シート部は開きやすくなり、タンクよりポペット弁を経て回路内の負圧部に作動液が吸込まれるように補充され、作動液のボイディングを防止するメークアップ機能を確保できる。 【0082】請求項6記載の発明によれば、コントローラにより二つのメータインバルブを同時に開くことにより、専用の再生弁を設けることなく、アクチュエータの受圧面積の小さい側の室から押出された作動液を受圧面積の大きい側の室へ再生する機能を確保でき、専用の再生弁を付加する従来のものより安価で簡単なバルブ構成にできる。 【0083】請求項7記載の発明によれば、コントローラにより、二つのメータインバルブを同時に閉じることにより、ポンプ吐出圧を遮断するとともに、二つのメータアウトバルブを同時に開くことにより、アクチュエータから作動液が自由に出入りするようにし、アクチュエータが外力により作動し得るフローティング状態を確保できる。 【0084】請求項8記載の発明によれば、メータアウトバルブの作動に異常状態が生じた場合は、メータアウトバルブに設けられた作動量検出用のセンサによりその状態を検出して、メータアウトバルブの故障に迅速に対応できる。 【0085】請求項9記載の発明によれば、センサとコントローラとによりメータアウトバルブをフィードバック制御することにより、メータアウトバルブのストローク制御における応答性、線形性などの制御能力を改善できる。 【0086】請求項10記載の発明によれば、センサのコイルおよび可動鉄心を密閉された空間内に配置することにより、メータアウトバルブにおける作動液漏れを確実に防止できる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000190297 【氏名又は名称】新キャタピラー三菱株式会社
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| 【出願日】 |
平成11年3月31日(1999.3.31) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062764 【弁理士】 【氏名又は名称】樺澤 襄 (外2名)
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| 【公開番号】 |
特開2000−283109(P2000−283109A) |
| 【公開日】 |
平成12年10月13日(2000.10.13) |
| 【出願番号】 |
特願平11−93979 |
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