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【発明の名称】 推進装置
【発明者】 【氏名】足立 進

【氏名】河上 孝

【氏名】堤 俊郎

【要約】 【課題】油圧ポンプ及びその駆動装置の能力を有効活用しながら、能率良く埋設孔を形成できるようにする。

【解決手段】推進軸部材を地中で回転させる油圧モータ28と、推進軸部材を地中で推進移動させる油圧シリンダ30とを備えた推進装置であって、油圧モータに作動油を供給する第1油圧ポンプP1と、油圧シリンダに作動油を供給する第2油圧ポンプP2と、第1油圧ポンプと第2油圧ポンプとを駆動する共通の駆動装置と、油圧モータの負荷増大に伴って、第2油圧ポンプからの作動油を油圧モータに供給する分配用油圧回路57とを設ける。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 推進軸部材を地中で回転させる油圧モータと、前記推進軸部材を地中で推進移動させる油圧シリンダとを備えた推進装置であって、前記油圧モータに作動油を供給する第1油圧ポンプと、前記油圧シリンダに作動油を供給する第2油圧ポンプと、前記第1油圧ポンプと前記第2油圧ポンプとを駆動する共通の駆動装置と、前記油圧モータの負荷増大に伴って、前記第2油圧ポンプからの作動油を前記油圧モータに供給する分配用油圧回路とを設けてある推進装置。
【請求項2】 前記第2油圧ポンプからの作動油の前記油圧モータと前記油圧シリンダへの分配割合を調節する調節手段を設けてある請求項1記載の推進装置。
【請求項3】 前記分配用油圧回路を構成するに、前記第2油圧ポンプからの作動油の全量を前記油圧モータに供給する第1状態と、前記第2油圧ポンプからの作動油を前記油圧モータと前記油圧シリンダとに分配供給する第2状態とに、前記油圧モータへの作動油供給路から導いたパイロット圧で切り換え自在なパイロット操作式の流路切換弁を設けてある請求項1又は2記載の推進装置。
【請求項4】 前記作動油供給路を、前記第1油圧ポンプからの作動油を前記油圧モータに供給する第1作動油供給路と、その第1作動油供給路に前記流路切換弁からの作動油を合流させる第2作動油供給路とを設けて構成し、前記第2作動油供給路の途中に可変絞り弁を接続し、前記流路切換弁を前記第1状態に切換作動させるパイロット圧を前記可変絞り弁の下流側から導く第1パイロット流路と、前記流路切換弁を前記第2状態に切換作動させるパイロット圧を前記可変絞り弁の上流側から導く第2パイロット流路とを設けてある請求項3記載の推進装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、推進軸部材を地中で回転させる油圧モータと、前記推進軸部材を地中で推進移動させる油圧シリンダとを備えた推進装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記推進装置は、推進軸部材を油圧モータで回転させながら、同時に、その推進軸部材を油圧シリンダで推進移動させて、推進軸部材の推進跡に管の埋設孔を形成するものである。
【0003】従来の推進装置は、単一の油圧ポンプと、その油圧ポンプからの作動油を油圧モータと油圧シリンダとに分配する分配弁とを設け、その分配弁の開度調節で油圧モータと油圧シリンダへの作動油の分配割合を調節して、推進軸部材を回転させながら推進移動させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、油圧モータの負荷や油圧シリンダの負荷は土質や推進深さ,推進軸部材の径等によって変わるものであり、油圧モータの負荷が増大して推進軸部材の回転が停止したまま、その推進軸部材を油圧シリンダで推進移動させようとすると、油圧シリンダの負荷が大きく増大して、能率良く埋設孔を形成できないことがあるので、油圧モータへの作動油の供給量を確保しながら、油圧モータの負荷に応じて油圧モータと油圧シリンダとに作動油をバランス良く供給する必要がある。
【0005】ところが、従来の推進装置は、上述のように、分配弁の開度調節で油圧モータと油圧シリンダへの作動油の分配割合を調節しているため、油圧モータの負荷の増大に伴って、油圧モータへの作動油の分配割合が増えるように分配弁の開度を調節しても、油圧シリンダの負荷が小さくてその作動油圧力が比較的低い場合は、油圧シリンダ側へ作動油が流れ易く、単一の油圧ポンプからの作動油を、油圧モータの負荷に応じて油圧モータと油圧シリンダとにバランス良く供給しにくいので、能率良く埋設孔を形成できない欠点がある。
【0006】そこで、例えば、油圧モータに作動油を供給するモータ用油圧ポンプと、油圧シリンダに作動油を供給するシリンダ用油圧ポンプとを各別に設けて、単一の油圧ポンプからの作動油を分配することなく、油圧モータと油圧シリンダとの各々に負荷に応じた必要量の作動油を独立に供給することが考えられるが、この場合は、油圧モータの最大負荷に対応できる能力のモータ用油圧ポンプと、油圧シリンダの最大負荷に対応できる能力のシリンダ用油圧ポンプとを設ける必要があり、油圧シリンダの負荷が小さい場合は、シリンダ用油圧ポンプ及びその駆動装置の能力を有効活用できない問題がある。
【0007】本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、油圧ポンプ及びその駆動装置の能力を有効活用しながら、能率良く埋設孔を形成できるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明の特徴構成は、推進軸部材を地中で回転させる油圧モータと、前記推進軸部材を地中で推進移動させる油圧シリンダとを備えた推進装置であって、前記油圧モータに作動油を供給する第1油圧ポンプと、前記油圧シリンダに作動油を供給する第2油圧ポンプと、前記第1油圧ポンプと前記第2油圧ポンプとを駆動する共通の駆動装置と、前記油圧モータの負荷増大に伴って、前記第2油圧ポンプからの作動油を前記油圧モータに供給する分配用油圧回路とを設けてある点にある。
【0009】つまり、油圧モータに作動油を供給する第1油圧ポンプと、油圧シリンダに作動油を供給する第2油圧ポンプとを共通の駆動装置で駆動して、推進軸部材を回転させながら推進移動させるのであるが、油圧モータの負荷増大に伴って、第2油圧ポンプからの作動油を油圧モータに供給する分配用油圧回路を設けてあるので、油圧モータへの作動油の供給量を第1油圧ポンプで確保しながら、第2油圧ポンプからの作動油を利用して、油圧モータの負荷が増大すると、油圧モータへの作動油の供給量を増やして、油圧シリンダへの作動油の供給量を減らし、油圧モータの負荷が減少すると、油圧モータへの作動油の供給量を減らして、油圧シリンダへの作動油の供給量を増やすことができる。
【0010】従って、油圧ポンプ及びその駆動装置の能力を有効活用しながら、油圧モータの負荷に応じて、油圧モータと油圧シリンダとに作動油をバランス良く供給できるので、能率良く埋設孔を形成することができる。
【0011】請求項2記載の発明の特徴構成は、前記第2油圧ポンプからの作動油の前記油圧モータと前記油圧シリンダへの分配割合を調節する調節手段を設けてある点にある。
【0012】つまり、第2油圧ポンプからの作動油の油圧モータと油圧シリンダへのへの分配量を設定することができる。
【0013】従って、土質や推進深さ,推進軸部材の径等に応じて、油圧モータと油圧シリンダとに作動油をバランス良く供給できる。
【0014】請求項3記載の発明の特徴構成は、前記分配用油圧回路を構成するに、前記第2油圧ポンプからの作動油の全量を前記油圧モータに供給する第1状態と、前記第2油圧ポンプからの作動油を前記油圧モータと前記油圧シリンダとに分配供給する第2状態とに、前記油圧モータへの作動油供給路から導いたパイロット圧で切り換え自在なパイロット操作式の流路切換弁を設けてある点にある。
【0015】つまり、油圧モータの負荷が増大してその作動油圧力が上昇すると、第2油圧ポンプからの作動油の全量を油圧モータに供給し、油圧モータの負荷が減少してその作動油圧力が低下すると、第2油圧ポンプからの作動油を油圧モータと油圧シリンダとに分配供給するように、流路切換弁を応答性良く作動させることができる。
【0016】従って、油圧モータの負荷変動に応じて、第2油圧ポンプからの作動油の全量を最大限活用できるようにしながら、必要量の作動油をその油圧モータにタイミング良く供給できるよう、流路切換弁を作動させることができる。
【0017】請求項4記載の発明の特徴構成は、前記作動油供給路を、前記第1油圧ポンプからの作動油を前記油圧モータに供給する第1作動油供給路と、その第1作動油供給路に前記流路切換弁からの作動油を合流させる第2作動油供給路とを設けて構成し、前記第2作動油供給路の途中に可変絞り弁を接続し、前記流路切換弁を前記第1状態に切換作動させるパイロット圧を前記可変絞り弁の下流側から導く第1パイロット流路と、前記流路切換弁を前記第2状態に切換作動させるパイロット圧を前記可変絞り弁の上流側から導く第2パイロット流路とを設けてある点にある。
【0018】つまり、油圧モータへの作動油供給路を、第1油圧ポンプからの作動油を油圧モータに供給する第1作動油供給路と、その第1作動油供給路に流路切換弁からの作動油を合流させる第2作動油供給路とを設けて構成し、第2作動油供給路の途中に可変絞り弁を接続してあるので、可変絞り弁の下流側に接続してある油圧モータの作動油圧力と、可変絞り弁の上流側の作動油圧力との差圧の大きさを可変絞り弁の絞り量で調節することができる。
【0019】そして、流路切換弁を第1状態に切換作動させるパイロット圧を可変絞り弁の下流側から導く第1パイロット流路と、流路切換弁を第2状態に切換作動させるパイロット圧を可変絞り弁の上流側から導く第2パイロット流路とを設けてあるので、流路切換弁の第1状態と第2状態との切換タイミングを可変絞り弁の絞り量で調節することができることになる。
【0020】従って、第2油圧ポンプからの作動油の全量を油圧モータに供給するべき油圧モータの負荷を、土質や推進深さ,推進軸部材の径等に応じて設定することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、推進軸部材1の複数を推進方向に互いに螺合連結しながら地中で略水平方向に推進させて、その推進跡に管の埋設孔を形成する本発明に係る推進装置を示し、上部開口2を備えた長方体形状のアルミ合金製箱状ケーシング3内に支持した支持枠体4に、鋼製の推進軸部材1の一端側に螺合して、その推進軸部材1を回転させながら軸芯方向と同じ推進方向に移動自在に保持する保持部5と、その保持部5に保持させた推進軸部材1を推進移動させる推進部6とを備えた装置本体7を設けてある。
【0022】前記推進軸部材1としては、図6(イ)に示すように、傾斜先端面8を備えた先頭用推進軸部材1aと、図6(ロ)に示すように、両端部で拡径した鋼製のロッド状の継ぎ足し用推進軸部材1bとがあり、継ぎ足し用推進軸部材1bどうしは、各推進軸部材1aの前端部に設けた雌ネジ部9と後端部に設けた雄ネジ部10との螺合で連結し、先頭用推進軸部材1aと継ぎ足し用推進軸部材1bは、先頭用推進軸部材1aの後端に設けた雄ネジ部10と継ぎ足し用推進軸部材1bの雌ネジ部9との螺合で連結するようにしてある。
【0023】また、各推進軸部材1a,1bの軸芯に沿って、連結状態で互いに連通する通水路11を形成し、この通水路11を後述する回転ヘッド27に形成した高圧水水供給路43に接続して、先頭用推進軸部材1aの先端から未掘削の地中に高圧水を射出しながら推進移動させることによって、推進効率を高めるようにしてある。
【0024】前記ケーシング3は、平面視で同じ寸法の矩形のアルミ板製周壁を備えた上側分割ケーシング3aと下側分割ケーシング3bとの2個を上下に分離自在にボルト連結して構成してある。
【0025】また、上側分割ケーシング3aの周壁上縁の全周に沿って、ケーシング3の上縁部を地表面に支持する支持部材としての板材19をその上縁と略同じ高さ位置に沿う鍔状に設けて、図1中の仮想線で示すように、ケーシング3の深さが作業用ピットAの深さよりも浅いときには、上部開口2を地表面Gと略同じ高さに位置させて、推進装置をピットA内に吊り下げ支持できるようにしてある。
【0026】図2,図3に示すように、前記支持枠体4は、前方支持フレーム4aと後方支持フレーム4bとを支持基板4cの前後に互いに平行に固定して構成してあり、前方支持フレーム4aと後方支持フレーム4bとに亘って4本のガイドロッド20を互いに平行に固定してある。
【0027】前記前方支持フレーム4aには、図4に示すように、推進軸部材1の下面を支持する支持面21を備えた支持部材22と、推進軸部材1と保持部5とを着脱したり、推進軸部材1どうしを着脱したりするときに、支持部材22に支持した推進軸部材1を回り止め状態で把持するチャック機構23とを設けてある。
【0028】前記チャック機構23は、前方支持フレーム4aに固定したチャック用油圧シリンダ24と、そのチャック用油圧シリンダ24のピストン部材25の下端に回転自在に支持した鋼製のローラ26とを備え、ローラ26の回転周面26aには、推進軸部材1の外周面と接当した時にその推進軸部材1の軸芯回りでの回転を阻止するとともに、その推進軸部材1の軸芯方向への移動を許容するように、ローラ幅方向中央ほど径が小さい多数の円周面を階段状に形成してある。
【0029】前記保持部5は、図5に示すように、推進軸部材1の後端部に螺合する雌ネジ部27aを同芯状に備えた回転部材としての回転ヘッド27と、その回転ヘッド27を正逆に駆動回転させる油圧モータ28と、油圧モータ28の駆動力を回転ヘッド27に伝達する動力伝達部48とを設けたケース41を、ガイドロッド20に沿ってスライド移動自在な可動フレーム29に固定して、回転ヘッド27の正逆回転で、その回転ヘッド27と推進軸部材1、又は、推進軸部材1どうしを着脱し、かつ、回転ヘッド27に螺合した推進軸部材1を螺合方向に駆動回転させながら推進方向に移動自在に保持するように構成してある。
【0030】前記推進部6は、前方支持フレーム4aと後方支持フレーム4bとの間に介装した左右一対の両押し油圧シリンダ(以下、推進用油圧シリンダという)30の駆動で、可動フレーム29をガイドロッド20に沿って往復移動させて、保持部5に保持させた推進軸部材1を地中で推進移動させるように構成してある。
【0031】詳述すると、各推進用油圧シリンダ30は、シリンダ本体部31と、シリンダ本体部31の両端から出入可能に設けられた一対のシリンダ軸32a,32bからなり、一方のシリンダ軸32aの端部は前方支持フレーム4aに固定され、他方のシリンダ軸32bの端部は後方支持フレーム4bに固定されている。
【0032】各シリンダ本体部31の前後両端部には、スプロケット33a,33bを回転自在に取り付けた巻掛け用支持部34a,34bを設けてあり、前後一対のスプロケット33a,33bの各々に亘って巻き掛けたチェーン35の両端を、チェーン止め部材36で支持基板4cの前後方向略中央位置に固定するとともに、チェーン35の中央部をチェーン連結部材37で可動フレーム29に固定して、推進用油圧シリンダ30の駆動に伴うシリンダ本体部31の移動で、保持部5を可動フレーム29と共に図3中の実線で示す位置と二点鎖線で示す位置とに亘って往復移動させるようにしてある。
【0033】そして、図1に示すように、管の埋設予定区間の一端に掘削した作業用ピットA内に上記推進装置を設置し、保持部5に推進軸部材1の後端部を螺合保持させて、シリンダ本体部31を移動させることによって、推進軸部材1を油圧モータ28で螺合方向に駆動回転させながら、地中に押し込むようにしてある。
【0034】つまり、図2に示すように、推進用油圧シリンダ30のワンストロークによって例えば推進軸部材1(A)を回転させながら推進方向に押し込むと、その推進軸部材1(A)をチャック機構23で回り止めしながら、回転ヘッド27を螺合解除方向に駆動回転させて、その推進軸部材1(A)の雄ネジ部10を回転ヘッド27の雌ネジ部27aから外し、次に、推進用油圧シリンダ30を後方の死点まで戻して(図3中の実線で示す状態)、先行して押し込んだ推進軸部材1(A)の後端側と保持部5との間に推進軸部材1(B)を新たに追加し、その推進軸部材1(B)を回り止め状態で保持して、回転ヘッド27の螺合方向への駆動回転で、雄ネジ部10を回転ヘッド27に螺合し、更に、先行して押し込んだ推進軸部材1(A)をチャック機構23で回り止めしながら、回転ヘッド27を推進軸部材1(B)ごと螺合方向へ駆動回転させて、雌ネジ部9を推進軸部材1(A)の雄ネジ部10に螺合し、再び推進用油圧シリンダ30を前方の死点まで移動させて(図3中の二点鎖線で示す状態)、新たに追加した推進軸部材1(B)を推進方向に押し込むという一連の作業を繰り返して、互いに螺合連結した推進軸部材1(1a,1b)を回転させながら地中で推進移動させ、最終的に先頭用推進軸部材1aを目的地点まで到達させて、その推進跡に管の埋設孔を形成することができる。
【0035】ちなみに、推進跡の埋設孔に管を埋設する時は、目的地点に到達した先頭用推進軸部材1aに代えて埋設用の管の端部を推進軸部材1b連結し、上述の推進時とは逆の手順で、埋設用の管を埋設孔に引き込みながら推進軸部材1bを作業用ピットA内に引き抜いて、管を埋設することができる。
【0036】前記支持枠体4は、保持部5と推進部6とをケーシング3に対して一体に上下揺動自在に支持できるように、その左右両側に設けた軸部材38を下部分割ケーシング3bの周壁側に横軸芯X回りで上下揺動自在に支持してあり、前方支持フレーム4aの左右2箇所を、調節部としてのターンバックル39を介在させた揺動アーム40で下部分割ケーシング3bの周壁に揺動自在に支持して、ターンバックル39で揺動アーム40を伸縮させて保持部5を支持枠体4ごとケーシング3に対して揺動移動させる操作で、推進軸部材1の上下方向に沿う推進方向を調節できるようにしてある。
【0037】図7は、保持部5に設けた油圧モータ28と、推進部6に設けた二基の推進用油圧シリンダ30と、チャック機構23に設けたチャック用油圧シリンダ24とを駆動する油圧回路を示し、油圧ユニット50と流量調整ユニット51と油圧モータ操作ユニット52と油圧シリンダ操作ユニット53とを接続してある。
【0038】前記油圧ユニット50には、油圧モータ28に作動油を供給する第1油圧ポンプ(吐出し流量40リットル/分)P1と、推進用油圧シリンダ30とチャック用油圧シリンダ24とに作動油を供給する第2油圧ポンプ(吐出し流量20リットル/分)P2と、第1油圧ポンプP1と第2油圧ポンプP2とを駆動するエンジン等の共通の駆動装置(図外)とを設けてある。
【0039】前記油圧モータ操作ユニット52には、油圧モータ28の駆動回転を停止させる中立位置54aと、油圧モータ28を正転駆動させる正転位置54bと、油圧モータ28を逆転駆動させる逆転位置54cとの3位置に切り換え自在なスプール式の油圧モータ操作用流路切換弁54を設けてあり、この油圧モータ操作用流路切換弁54の人為的なスプール操作で油圧モータ28を操作するように構成してある。
【0040】前記油圧シリンダ操作ユニット53には、推進用油圧シリンダ30の駆動を停止させる中立位置55aと、推進用油圧シリンダ30のシリンダ本体部31を推進方向に移動させる推進位置55bと、そのシリンダ本体部を推進方向とは逆方向に復帰移動させる復帰位置55cとの3位置に切り換え自在なスプール式の推進用油圧シリンダ操作用流路切換弁55と、チャック用油圧シリンダ24の駆動を停止させる中立位置56aと、収縮させる収縮位置56bと、伸張させる伸張位置56cとの3位置に切り換え自在なスプール式のチャック用油圧シリンダ操作用流路切換弁56とを設けてあり、これらの流路切換弁55,56の人為的なスプール操作で推進用油圧シリンダ30とチャック用油圧シリンダ24を操作するように構成してある。
【0041】前記流量調整ユニット51には、油圧モータ28の負荷増大に伴って、第2油圧ポンプP2からの作動油をその油圧モータ28に供給する分配用油圧回路57と、油圧モータ操作ユニット52を介して油圧モータ28に作動油を供給する油圧モータ用作動油供給路58と、油圧シリンダ操作ユニット53を介して推進用油圧シリンダ30とチャック用油圧シリンダ24に作動油を供給する油圧シリンダ用作動油供給路59とを設けてある。
【0042】前記分配用油圧回路57には、第2油圧ポンプP2を油圧モータ用作動油供給路58に接続して第2油圧ポンプP2からの作動油の全量を油圧モータ28に供給する第1状態に切り換える第1位置60aと、第2油圧ポンプP2を油圧モータ用作動油供給路58と油圧シリンダ用作動油供給路59との双方に接続して第2油圧ポンプP2からの作動油を油圧モータ28と推進用油圧シリンダ30とチャック用油圧シリンダ24とに分配供給する第2状態に切り換える第2位置60bとの2位置に切り換え自在なパイロット操作式の分配用流路切換弁60と、人為操作式の可変絞り弁61とを設けてあり、分配用流路切換弁60には、第1状態に復帰するようそのスプール62を付勢する圧縮スプリング63を設けてある。
【0043】前記油圧モータ用作動油供給路58は、第1油圧ポンプP1からの作動油を油圧モータ28に直接供給する第1作動油供給路64と、分配用流路切換弁60を通過した作動油を第1作動油供給路64に合流させる第2作動油供給路65とを設けて構成してあり、第2作動油供給路65の途中に可変絞り弁61を接続して、可変絞り弁61の上流側の作動油圧力と、可変絞り弁61の下流側の作動油圧力との差圧の大きさをその可変絞り弁61で調節できるようにしてある。
【0044】前記第2作動油供給路65には、分配用流路切換弁60を圧縮スプリング63の付勢力との共同で第1状態に切り換え作動させるパイロット圧を可変絞り弁61の下流側の第2作動油供給路65bから導く第1パイロット流路66と、分配用流路切換弁60を第2状態に切り換え作動させるパイロット圧を可変絞り弁61の上流側の第2作動油供給路65aから導く第2パイロット流路67とを設けてあり、第1パイロット流路66には固定絞り弁68を設けてある。
【0045】前記分配用油圧回路57の作動を説明する。第1油圧ポンプP1と第2油圧ポンプP2の駆動開始直後においては、分配用流路切換弁60は圧縮スプリング63の付勢力で第1状態に切り換えられており、可変絞り弁61の上流側の第2作動油供給路65aの作動油圧力が上昇して、第2パイロット流路67のパイロット圧によるスプール押圧力が、第1パイロット流路66のパイロット圧と圧縮スプリング63の付勢力とによるスプール押圧力を越えると、分配用流路切換弁60は第2状態に切り換わり、この第2状態に切り換わっている状態で、油圧モータ28の負荷が増大して可変絞り弁61の下流側の第2作動油供給路65bの作動油圧力が上昇し、第1パイロット流路66のパイロット圧と圧縮スプリング63の付勢力とによるスプール押圧力が、第2パイロット流路67のパイロット圧によるスプール押圧力を越えると、分配用流路切換弁60は第1状態に切り換わり、この第1状態に切り換わっている状態で、油圧モータ28の負荷が減少して可変絞り弁61の下流側の第2作動油供給路65bの作動油圧力が低下し、第1パイロット流路66のパイロット圧と圧縮スプリング63の付勢力とによるスプール押圧力が、第2パイロット流路67のパイロット圧によるスプール押圧力を下回ると、分配用流路切換弁60は第2状態に切り換わる。
【0046】従って、油圧モータ28の負荷が増大してその作動油圧力が上昇すると、第2油圧ポンプP2からの作動油の全量を油圧モータ28に供給し、油圧モータ28の負荷が減少してその作動油圧力が低下すると、第2油圧ポンプP2からの作動油を油圧モータ28と推進用油圧シリンダ30とに分配供給するように、分配用流路切換弁60を応答性良く作動させることができるとともに、可変絞り弁61の絞り量を変更することで分配用流路切換弁60の第1状態と第2状態との切換タイミングを調節することができる。
【0047】また、分配用流路切換弁60が第2状態に切り換わっている状態では、第2油圧ポンプP2からの作動油が可変絞り弁61を通して油圧モータ28に分配供給されるので、可変絞り弁61の絞り量を変更することによって、第2油圧ポンプP2からの作動油の油圧モータ28と推進用油圧シリンダ30への分配割合を調節することができ、この可変絞り弁61が、第2油圧ポンプP2からの作動油の油圧モータ28と推進用油圧シリンダ30への分配割合を調節する調節手段に対応している。
【0048】従って、油圧モータ28への作動油の供給量を第1油圧ポンプP1で確保しながら、第2油圧ポンプP2からの作動油を利用して、油圧モータ28の負荷が増大すると、油圧モータ28への作動油の供給量を増やして、推進用油圧シリンダ30への作動油の供給量を減らし、油圧モータ28の負荷が減少すると、油圧モータ28への作動油の供給量を減らして、推進用油圧シリンダ30への作動油の供給量を増やすことができるので、油圧ポンプ28及びその駆動装置の能力を有効活用しながら、油圧モータ28の負荷に応じて、油圧モータ28と推進用油圧シリンダ30とに作動油をバランス良く供給できる。
【0049】〔その他の実施形態〕
〈1〉油圧モータの負荷増大に伴って、第2油圧ポンプからの作動油の油圧モータへの供給量を徐々に増やすように構成しても良い。
〈2〉油圧モータの負荷を検出する検出手段と、その検出結果に基づいて、第2油圧ポンプからの作動油の全量を油圧モータに供給する第1状態と、第2油圧ポンプからの作動油を油圧モータと油圧シリンダとに分配供給する第2状態とに切り換え自在な電磁操作式の流路切換弁とを設けて、分配用油圧回路を構成しても良い。
〈3〉第1状態と第2状態とに切り換え自在なパイロット操作式の流路切換弁は、第1油圧ポンプから油圧モータへの作動油供給路から直接導いたパイロット圧で切り換えるように構成しても良い。
【出願人】 【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
【識別番号】391031421
【氏名又は名称】中道機械産業株式会社
【出願日】 平成11年3月31日(1999.3.31)
【代理人】 【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎 (外1名)
【公開番号】 特開2000−283108(P2000−283108A)
【公開日】 平成12年10月13日(2000.10.13)
【出願番号】 特願平11−91056