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【発明の名称】 流体圧作動機器の作動流体用リザーバ
【発明者】 【氏名】伊藤 彰洋

【要約】 【課題】作動流体用リザーバにおいて、リザーバ内での作動流体への空気混入防止及び加圧形式と無加圧形式との各主要部品の共用【解決手段】 作動流体用リザーバ10は、円筒状の基部11aとその上部の筒体の主部11bとからなる上部本体と、整流区域の内周域を囲う隔壁部24が形成され、隔壁部内の底部に流出口をもつ円形深皿状の下部本体12とがストレーザを挟んで結合されて構成され、上部本体の基部には、適宜範囲の内周面に沿つた適宜の半径方向幅で整流区域が形成され、整流区域には、円周方向の適宜の位置で半径方向に向う適宜数の偏流フィンが形成されていると共に、区域端から内周面の接線方向に作動流体が流入する流入口17が形成されている。加圧形式の場合は、更に整流区域を下部本体の遮壁部内周空間のみに開放するバッフラ30を備えている。

【解決手段】作動流体用リザーバ10は、円筒状の基部11aとその上部の筒体の主部11bとからなる上部本体と、整流区域の内周域を囲う隔壁部24が形成され、隔壁部内の底部に流出口をもつ円形深皿状の下部本体12とがストレーザを挟んで結合されて構成され、上部本体の基部には、適宜範囲の内周面に沿つた適宜の半径方向幅で整流区域が形成され、整流区域には、円周方向の適宜の位置で半径方向に向う適宜数の偏流フィンが形成されていると共に、区域端から内周面の接線方向に作動流体が流入する流入口17が形成されている。加圧形式の場合は、更に整流区域を下部本体の遮壁部内周空間のみに開放するバッフラ30を備えている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 上部に注入口が形成されると共に、た上部本体と底部に流出口が形成され、内部空間を隔てるストレーナを配して構成された流体圧作動機器の作動流体用リザーバであり、リザーバ本体の上面には、蓋体で覆われる注入口が形成されおり、リザーバ本体の内周面に流入口を形成する流入管部がリザーバ本体の外周面から略接線方向に突出し、流入管部の延長上のリザーバ本体内部に、円周方向で適宜の位置で半径方向に向う適宜数の偏流フィンが形成されている流体圧作動機器の作動流体用リザーバ。
【請求項2】 上部に注入口が形成された上部本体と底部に流出口が形成された下部本体とが両者の内部空間を隔てるストレーナを介して結合されて構成された流体圧作動機器の作動流体用リザーバであり、上部本体は、下端開口の円筒状の基部とその上部の筒体の主部とから成り、基部と主部との結合点では、基部の部分周の内周面に沿つた整流区域の範囲で適宜の幅で基部の内側上面が形成されるように段部が形成されており、上部本体の主部の上面には、蓋体で覆われる注入口が形成されおり、上部本体の基部には、整流区域一端の基部内周面に流入口を形成する流入管部が外周面から略接線方向に突出し、基部の内側上面においては、円周方向で適宜の位置で半径方向に向う適宜数の偏流フィンが下向きに立設形成されている流体圧作動機器の作動流体用リザーバ。
【請求項3】 偏流フィンのうち少なくとも1つが、半径方向の適宜の位置の隙間で分断されている分流フィンである請求項1又は請求項2に記載の流体圧作動機器の作動流体用リザーバ。
【請求項4】 下部本体は、内部空間が隔壁部で内外周空間に分割され、内周空間は濾過室となり底部に流出口が開口しており、下部本体の濾過室を上部本体の主部の内部空間及び下部本体の隔壁部の外周空間と遮断し、且つ濾過室の上方にストレーナを介して連通する圧力室を形成するバッフラが上部本体と下部本体との間に設けられている請求項2又は請求項3に記載の流体圧作動機器の作動流体用リザーバ。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、流体圧作動機器の作動流体、例えば自動車のステアリング作動装置の作動油を貯溜するリザーバに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術における自動車の油圧式パワーステアリングの作動油を貯溜するリザーバは、例えば、実公平1−12005号公報、特公平8−25463号公報及び特開平9−123931号公報に開示されている。
【0003】実公平1−12005号公報に開示されているものは、上部半体と下部半体とからなるリザーバ本体において、下部半体の円形内周面の接線方向の流入口からリザーバ本体内にオイルが流入するようになっており、リザーバ本体内に流入したオイルは、下部半体に設けられた遮蔽板の分流突起により下部半体の円形内周面に沿った円周方向で互に逆方向の流れに分流されるようになっている。
【0004】特公平8−25463号公報に開示されているものは、リザーバ本体は、加圧室を形成する凹部と上下を連通する開口とが形成され、フィルタが添付された仕切部材により上下の2空間に分割され、下部空間には、加圧室を形成する凹部に対向してフィルタ室を形成する内部ケースが設けられている。リザーバ本体の流入口は加圧室に連通し、内部ケース内のフィルタ室はリザーバ本体の流出口に連通しており、リザーバ本体の流入口から加圧室に流入した作動流体は、流速が圧力に変換されて同室において加圧状態となり、作動流体はフィルタを圧力をもって通過してフィルタ室に流入し、流出口から流出するようになっている。
【0005】特開平9−123931号公報に開示されているものは、上向開口の深皿状のリザーバー上部にオイルストレーナーを重ね、その上に下向開口の容器状のカバーを重ねて結合組立てられ、カバーの外周面に半径方向に開いたリターンパイプから流入したオイルは、カバーの内周面に上下方向に形成された断面T字形の整流板によりカバーの内周面に沿って下方に偏向されると共に内周方向で互に逆方向の流れに分流されるようになっている。(同様公報において従来技術として開示されているものは、同様の整流板がカバーとは別体のバフラーに形成され、バフラーがオイルストレーナーに重ねられている)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の技術のうち、実公平1−12005号公報及び特開平9−123931号公報に開示されているものは、リザーバ内に流入してくる作動流体を加圧する機構を備えていない無加圧形式のものであり、リザーバ内に流入してくる作動流体(オイル)を円周方向で互に逆方向に分流するため、リザーバ内の分流箇所と直径方向で対向する箇所で2つの流れが衝突して乱流となり、リザーバ内において空気を巻き込む可能性が高く、ポンプへ送る作動流体に空気が混入し、ポンプにキャビテーションが発生する。
【0007】更に、上記の従来の技術の特公平8−25463号公報に開示されているものは、加圧形式のものであるが、加圧形式専用のもので、他の無加圧形式とでは、構成部品を必要に応じて別々に用意する必要が生じる。
【0008】この発明は、十分な整流作用を行う流体圧作動機器の作動流体用リザーバを提供するすると共に、加圧形式の場合にも無加圧形式に付加部品を追加するのみでよい流体圧作動機器の作動流体用リザーバを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の流体圧作動機器の作動流体用リザーバは、上部に注入口が形成されると共に、た上部本体と底部に流出口が形成され、内部空間を隔てるストレーナを配して構成された流体圧作動機器の作動流体用リザーバであり、リザーバ本体の上面には、蓋体で覆われる注入口が形成されおり、リザーバ本体の内周面に流入口を形成する流入管部がリザーバ本体の外周面から略接線方向に突出し、流入管部の延長上のリザーバ本体内部に、円周方向で適宜の位置で半径方向に向う適宜数の偏流フィンが形成されている。
【0010】作動流体用リザーバの具体的な一形式としては、上部に注入口が形成された上部本体と底部に流出口が形成された下部本体とが両者の内部空間を隔てるストレーナを介して結合されて構成されており、上部本体は、下端開口の円筒状の基部とその上部の筒体の主部とから成り、基部と主部との結合点では、基部の部分周の内周面に沿った整流区域の範囲で適宜の幅で基部の内側上面が形成されるように段部が形成されており、上部本体の主部の上面には、蓋体で覆われる注入口が形成されおり、上部本体の基部には、整流区域一端の基部内周面に流入口を形成する流入管部が外周面から略接線方向に突出し、基部の内側上面においては、円周方向で適宜の位置で半径方向に向う適宜数の偏流フィンが下向きに立設形成されている。
【0011】そして、偏流フィンのうち少なくとも1つが、半径方向の適宜の位置の隙間で分断されている偏流フィンであってもよい。更に、加圧形式の一形態としては、下部本体は、内部空間が隔壁部で内外周空間に分割され、内周空間は濾過室となり底部に流出口が開口しており、下部本体の濾過室を上部本体の主部の内部空間及び下部本体の隔壁部の外周空間と遮断し、且つ濾過室の上方にストレーナを介して連通する圧力室を形成するバッフラが上部本体と下部本体との間に設けられている。
【0012】流体圧作動機器の作動油用リザーバには、流体圧作動機器から排出される作動流体が加圧状態で流入口から上部本体の基部の内周面の接線方向から流入されてくる。そして、流入した作動流体は、基部の内周面に沿って一方向に整流区域を流れ、偏流フィン及び分流フィンにより順次分流され、且つ渦巻状となって上部本体の基部空間の内部に向って流れ、更に、ストレーナを通過することにより濾過されて下部本体内に流入し、流出口から流出し、その後、ポンプを介して再び流体圧作動機器に加圧供給される。
【0013】加圧形式の場合には、バッフラで覆われた空間に流入する作動流体の流速が圧力に変換されて同空間において加圧状態となり、作動流体はストレーナを圧力をもって通過して下部本体の隔壁部内周空間に流入する。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明の実施の形態においては、流体圧作動機器として自動車の油圧式パワーステアリングが例示されており、その作動流体、即ち作動油を貯溜するリザーバを図面に従って説明する。
【0015】図1及び図2は、無加圧形式のリザーバを示しており、リザーバ10においては、下端開口の筒状の上部本体11と円形深皿状の下部本体12とからリザーバ本体が構成されている。更に、上部本体11は、下部本体12と同径の円筒状の基部11aとその上部の変形円筒体の主部11bとから構成されている。そして、上部本体11の基部11aの下端と下部本体12との上端とは、中央部が皿状に凹んだ円形の網体であるストレーナ13を挟んでフランジ結合されている。
【0016】上部本体11の主部11bは、皿状に凹んだ上端面の中央には連通スリット14をもった注入口15が形成されていると共に、基部11aには外周面から略接線方向(図1において紙面に垂直方向)に突出した流入管部16(図1において仮想図示されている)が形成されている。即ち、基部11aの内周面の略接線方向に流入管部16の内周面の母線が伸び、基部11aの内周面に流入口17が開口している(図2参照)。そして、上部本体11の上端面には、多少の通気性構造を持って注入口15を覆う蓋体18がかぶさっている。
【0017】図2に示すように、上部本体11において、基部11aの内周面の流入口17からの流入方向に向って、流入口直径より適宜大きい半径方向幅で、1/4乃至1/3周の基部11aの内周面に沿つた区域が整流区域Aとなり、主部11bは、基部11aの円形からその整流区域Aを除外した周形状となっている。即ち、整流区域Aにおいては、前記の半径方向幅で上部本体11の基部11aには内側上面11cが形成されるように、基部11aと主部との結合点に受部が形成されている。
【0018】上部本体11の基部11aの内側上面11cにおいては、基部11aの内周面と略接線方向関係にある流入管部16の内周面の母線の延長上に適宜長さの案内フィン19が流入口17に続くよう(図1で下向きに)立設形成され、更に円周方向で適宜間隔をあけて適宜数、図示の例では2個の偏流フィン、即ち第1偏流フィン20a,第2偏流フィン20bが(図1で下向きに)立設形成されている。
【0019】第1偏流フィン20a・第2偏流フィン20bは、基部11aの内周面から内側上面11cの幅の略半分に達するように半径方向に突出しており、且つ上流側の第1偏流フィン20aは上流側に凹むように彎曲しており、下流側の第2偏流フィン20bは下流側に傾いている。(図2参照)
【0020】更に、基部11aの内側上面11cにおいては、適宜数の分流フィンが周方向で適宜間隔をあけて、図示の例では一対の分流フィン21が第1偏流フィン20aと第2偏流フィン20bとの中間に(図1で下向きに)立設形成されている。分流フィン21は、基部11aの略半径方向に位置し、分流フィン21自体は半径方向中間部で上下に伸びる隙間21aをあけて分断され、上部本体11の基部11aの内周面との間でも同様の隙間21aがあけられている。
【0021】案内フィン19、第1偏流フィン20a、第2偏流フィン20b及び分流フィン21の高さは、いずれも上部本体11の基部11aの高さh(図1参照)と略同高である。更に、上部本体11の主部11bの整流区域A以外の内周面には、適宜の円周方向間隔をあけて適宜数(図示の例では2本)のフィン20cが上下方向伸びて形成されており、フィン20cの下端は、案内フィン19、各偏流フィン20a,20b及び分流フィン21の形成位置よりも図1において上方にある。
【0022】下部本体12には、底部中央から下方に突出し、更に水平方向に伸びた流出管部22が形成されている。(図1参照)
そして、リザーバ10は、自動車の所定部位に装着され、流入管部16が油圧式パワーステアリングの作動油の排出側配管に接続され、流出管部22がポンプ(図示しない)を介して同じく作動油の供給側配管に接続されている。
【0023】上記のリザーバは、無加圧形式のリザーバであるが、図3に示すような加圧形式のリザーバもある。作動油の粘度が高い場合、例えば冬期寒冷地使用の場合などでは、ストレーナ13を通過する際の抵抗が増大して、流出管22に接続されたポンプへの作動油の流れが悪くなり、ポンプ内でのキャビテーション発生という問題が生じる。それを防止するため圧力室を形成するバッフラを備えたものが加圧形式である。加圧形式において、上部本体11及び下部本体12及び蓋体18は、無加圧形式と共通しているので、図3及び図4の外に図2も用いて説明する。
【0024】加圧形式の場合には、下部本体12には、濾過室23を形成するものであり、内周面より上記整流区域Aの半径方向幅(図2参照)に略該当するだけ小径な円筒状の隔壁部24が底部より立設され、内周域に濾過室23を形成し、流出管部22は濾過室23に開口し、隔壁部24には円周方向適宜位置の適宜数のスリット24aが上下方向に形成されている。
【0025】なお、既述の無加圧形式の場合には、隔壁部24は不必要であるが、無加圧形式に加圧形式の場合の下部本体12を共用できる。又、加圧形式の場合には、整流区域Aでの案内フィン、偏流フィン及び分流フィンは不必要であるが、加圧形式に無加圧形式の場合の上部本体11を共用できる。
【0026】加圧形式の場合には、図3に示すように、上部本体11の主部11bの内部空間、即ち貯溜空間S及び下部本体12の隔壁部24の外周環状空間25と濾過室23とを遮断し、濾過室23の上方にストレーナ13を介して連通する圧力室38を形成するバッフラ30が設けられている。
【0027】図4に示すように、バッフラ30は、隔壁部24の上を覆い、内部が圧力室38となる皿形の主部31、整流区域A相当部分の外周環状空間25を覆う鍔部32、整流区域Aの前後端を遮蔽する遮壁部33a,33b及び上部本体11の主部11bの内周面に接する固定壁部34から形成されている。そして、主部31の中心には、後述の蓋体18の中心棒26が嵌め込まれる排気孔部36が形成されている。
【0028】鍔部32は下面がストレーナ13を挟んで下部本体12及び隔壁部24の各上端面と当接し、又、主部31の下端面もストレーナ13を挟んで隔壁部24の上端面と当接している。
【0029】更に、バッフラ30の整流区域A以外の外周面には、上部本体11のフィン20cと円周方向位置を一致させて円周方向に適宜間隔をあけて適宜数(図示の例では2個)の係止突起部35が形成され、バッフラ30が上部本体11内に嵌めこまれたとき、係止突起部35は、固定壁部34と共に上部本体11の主部11bの内周面に当接し、係止突起部35の係止溝部35aにフィン20cの下端が上から差し込まれ、バッフラ30は、隔壁部24の上端面にストレーナ13を介して押し付けられる。
【0030】更に、注入口15を覆う蓋体18には、下方に向って伸びる中心棒26が着脱可能に取り付けられており(前記無加圧式の場合は取外して置く)、バッフラ30の排気孔部36に上から差し込まれ、排気孔部36を塞ぐようになっている。バッフラ30は、鍔部32の下面がストレーナ13を挟んで下部本体12及び隔壁部24の各上端面に載せられ、主部31の下端面もストレーナ13を挟んで隔壁部24の上端面に載せられる。
【0031】それから、上部本体11の基部11aを下部本体12上に載せられ、その際、固定壁部34は上部本体11の内周面に当接され、注入口15を覆う蓋体18から下方に向って伸びる中心棒26は、バッフラ30の排気孔部36に上から差し込まれ、排気孔部36を塞ぎ、フィン20cの下端が係止突起部35の係止溝部35aに差し込まれ、バッフラ30を下部本体12に押圧する。
【0032】バッフラ30の鍔部32の外周縁部は、ストレーナ13の外周縁部と共に、上部本体11の基部11aの下端と下部本体12との上端とのフランジ結合において両者に挟まれて固定される。かくして、バッフラ30は適正位置に固定される。リザーバ10の上部本体11と下部本体12とは軸線回り(図3での縦軸線)の適宜の位置で結合され得るので、流入管部16と流出管部22との相対位置は任意にし得る。
【0033】上記の自動車の油圧式パワーステアリングの作動油を貯溜するリザーバを無加圧形式で用いた場合の作用を図2に従って説明する。油圧式パワーステアリングの排出側配管から圧力をもって排出される作動油は、流入管部16に流入し、更に流入口17から案内フィン19に案内されて整流区域Aへ流入する。作動油は、図2において基部11aの内周面に沿って整流区域Aを時計回りに一方向に回流する。
【0034】そして、急な流れは、第1偏流フィン20aにより偏向され、一部は分散した緩い流れとなって中心域に向い、他の一部は、第1偏流フィン20aの端縁を越えて更に整流区域Aでの時計回りの回流を続け、分流フィン21に当り、その隙間21a,21aを通過することで分流された上、第2偏流フィン20bにより偏向されつつ、再び合流して流速を減じ、一部は分散した緩い流れとなって中心域に向い、他の一部は、第2偏流フィン20bの端縁を越えて緩い流れとなって更に基部11aの内周面に沿って時計回りの回流を続ける。
【0035】無加圧形式の場合には、作動油は、そのような分散回流しながらストレーナ13で濾過されて、隔壁部24の内周空間である濾過室23に流入し、一旦外周環状空間25に流入した分もスリット24aを通して濾過室23に流入し、更に流出管部22からポンプ(図示しない)を介して油圧式パワーステアリングの供給側配管に圧力をもって供給される。
【0036】上記のように、流入口17から圧力をもって高い流速で流入する作動油は、第1偏流フィン20a、第2偏流フィン20b及び分流フィン21により多段階で分散、分流され、緩流・整流化され、乱流とならず円滑にリザーバ10の下部本体12内に流入し、貯溜空間Sの空気にさらされた油面から空気を巻き込むことも、泡立つことなく、流出管部22から流出される。従って、油圧式パワーステアリングへの供給に支障を来さない。
【0037】図3に示す加圧形式の場合には、貯溜空間Sに注入されて貯溜された作動油は、下部本体12の外周環状空間25から更にスリット24aを通つて濾過室23及び圧力室38に流入し、濾過室23及び圧力室38は常に作動油で充満している。スリット24aは、濾過室23内の圧力低下に大きく影響しない程度のものである。
【0038】そこで、流入口17から圧力をもって圧力室38に流入した作動油は、流入速度は減速され、流速の減速は限定された狭い空間である圧力室38での圧力増となり、高粘度の作動油でも、その増圧された圧力をもってストレーナ13を容易に通過して濾過されて濾過室23に流入する。
【0039】無加圧形式と異なって作動油で充満され遮蔽された圧力室38に流入するので、空気を巻き込み、泡立つことなく、濾過室23に流入し、濾過室23に流入した作動油は、無加圧形式と同様に流出管部22からポンプ(図示しない)を介して油圧式パワーステアリングの供給側配管に圧力をもって供給される。
【0040】遮蔽された圧力室38に流入する作動油に混入した空気は、圧力室38に溜るので適宜空気抜きを行わなければならない。圧力室38からの空気抜きは、蓋体18を外して中心棒23をバッフラ30の排気孔部36から抜いて運転を行う。するとバッフラ30内空間に流入した作動油の空気混入量の多い部分は、排気孔部36から貯溜空間Sに流出して、そこで空気が放出され、バッフラ30の外側のストレーナ13を通過し、外周環状空間25に流入し、更に隔壁部24のスリット24aを介して濾過室23内に流入する。
【0041】前記の実施の形態において、下端が上部本体11の下端近傍に達するまでフィン20cを下方に伸ばせば(図1で破線で示す)、フィン20cを第3整流フィンとして用いることができ、緩流・整流化の効果は増大する。このように構成した場合でも、フィン20cとバッフラ30の係止溝部35aとの係合は可能である。
【0042】
【発明の効果】この発明の流体圧作動機器の作動流体用リザーバにおいては、作動流体はリザーバに流入し、そしてそこからポンプ系へ流出するのであるが、流入においては、円筒状の基部内に接線方向から流入され、基部の内周面に沿って一方向に整流区域を流され、且つ偏流フィン及び分流フィンにより十分に分流・整流されて下部本体内にを経て流出口から流出されるので、リザーバ内で乱流が生じて空気を巻き込むがなく、ポンプへ送る作動流体に空気が混入されないので、ポンプにおけるキャビテーションの発生が十分に防止される。
【0043】そして、上部本体においては、偏流フィン及び分流フィンとして整流手段が一体になっており、整流手段を別部品として用意する必要がない。更に、無加圧形式と加圧形式とは、上部本体、下部本体及びストレーナ、即ち主要部品を共用し、加圧形式は、無加圧形式にバッフラを追加組込むだけで製作され得る。従って、生産コストを低減することができる。
【出願人】 【識別番号】000003470
【氏名又は名称】豊田工機株式会社
【出願日】 平成11年3月30日(1999.3.30)
【代理人】 【識別番号】100093539
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 善二郎
【公開番号】 特開2000−283102(P2000−283102A)
【公開日】 平成12年10月13日(2000.10.13)
【出願番号】 特願平11−89938