| 【発明の名称】 |
岩盤に於ける深礎掘削工法 |
| 【発明者】 |
【氏名】遠藤 正弘
【氏名】橋本 博文
【氏名】広島 洋一
【氏名】石川 慎二
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| 【要約】 |
【課題】地中に岩盤部を有する場所に深礎杭を形成する際、周辺地区に影響を及ぼさず効率的に岩盤掘削ができると共に工期の短縮を図る。
【解決手段】地表より深礎杭6の中心部に小径の先行掘削孔8を該深礎杭6の長さ掘削し、該深礎杭6の外径6aと該先行掘削孔8の外径との間の岩盤Bに穿孔機により複数穿孔部9,9…を設け、その後、該穿孔部9,9…内に水と練り混ぜ又は吸水させた膨張材10を充填させて、水との反応により発生する膨張圧によって前記岩盤Bを破砕する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地中の岩盤に杭を形成する深礎掘削工法に於て、地表より鉛直に該杭の中心部に小径の先行掘削孔を該杭の長さ掘削した後、該杭の外径と該先行掘削孔の外径との間の岩盤に穿孔機により複数の穿孔部を鉛直に設け、該穿孔部内に水と練り混ぜ又は吸水させた膨張材を充填させて、水との反応により発生する膨張圧によって該岩盤を破砕することを特徴とする岩盤に於ける深礎掘削工法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は地中に杭を形成する深礎掘削工法に関するものであり、特に地中の岩盤に杭を形成する深礎掘削工法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、岩盤に於ける深礎掘削工法としては、岩盤内に穿孔機により穿孔し該穿孔内に爆薬を仕掛けて発破を行い、該発破作業より岩盤を大まかに破砕し、その後ブレーカ又はピックにより小割りにして油圧式クラムシェル等で土砂等を搬出する工法が知られている。 【0003】一方、全断面掘削型深礎掘削機を用いて深礎基礎掘削工事等を行うもので、坑内は無人化して地上のオペレータ1人だけの操作によって全断面を連続的に掘削しながら排土を行う工法も知られている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】前記発破による工法は最も一般的な工法で、工事規模に関係なく比較的安価に施工できる。しかし、発破による振動、騒音等により周辺住民や周辺道路の安全面に多大な配慮が必要になり、更に周辺地盤へも悪影響を及ぼす。即ち、施工現場と人家や道路が隣接している場合には、発破作業を行う事はできない。 【0005】又、全断面掘削型深礎掘削機による工法は、省人化工法であると共に周辺地区への安全面でも優れている。しかし、マシン自体が高価であり、関連の設備にも多大な費用が掛かるので一般的な工法とは云えない。 【0006】そこで、地中の岩盤に杭を形成する深礎掘削に際し岩盤破砕のための発破作業をなくし、安全性を高めると共に効率的な岩盤破砕により工期の短縮を図るために解決すべき技術的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために提案されたものであり、地中の岩盤に杭を形成する深礎掘削工法に於て、地表より鉛直に該杭の中心部に小径の先行掘削孔を該杭の長さ掘削した後、該杭の外径と該先行掘削孔の外径との間の岩盤に穿孔機により複数の穿孔部を鉛直に設け、該穿孔部内に水と練り混ぜ又は吸水させた膨張材を充填させて、水との反応により発生する膨張圧によって該岩盤を破砕する岩盤に於ける深礎掘削工法を提供するものである。 【0008】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図1乃至図4に従って詳述する。図1は深礎杭6を施工する施工場所を示すもので、道路1に接続する取付道路1aを橋台5上の橋梁4を介して新設するものである。該深礎杭6は隣接の道路1に施工中影響を与えないように地表2より掘削して形成し、その後複数の該深礎杭6を利用して山留め工を行うものである。該山留め工は、該深礎杭6の上部及び中間部に地中に斜めに打ち込まれたグランドアンカー17とPC鋼材16とを支持する定着台座18上の支圧板19に定着金具20で定着して行う。 【0009】一方、深礎杭6の施工現場の地質調査の結果、地表2より7m以下は花崗閃緑岩Bとなっており、人力掘削は非常に困難な岩盤であると共に、隣接の道路の安全のためにも発破作業で岩盤を破砕することはできない所である。尚、3は前記取付道路1aの施工のための切土面を示す。 【0010】次に図2乃至図4により前記深礎杭6の形成順序を説明する。図2に於てAは土砂部を示し、Bは前記した花崗閃緑岩の岩盤部を示す。先ず、円形の深礎杭6の形成位置中心に地表2よりクローラクレーン12のクレーンフック13に吊り下げられたタウンザホールハンマー14により、鉛直に円形の掘削孔8を深礎杭6の長さ分先行して掘削する。該深礎杭6の外径6aは2mに対し該掘削孔8の外径は600mmである。 【0011】該掘削孔8は後述の岩盤Bの破砕のための開放面としての役目を果す。該掘削孔8内の排土は前記クレーンフック13に吊り下げられたテレスコ15により連続して行う。尚、土砂部Aの先行掘削孔8の外径から深礎杭6の外径までの円筒状の拡幅掘削は、前記クローラクレーン12又は人力により行い、掘削の進行に伴い地表2より掘削面先端へ搬入されるセグメント型状の鋼製ライナープレート7を順次人力作業により円筒状に組立てて仮土留する。 【0012】次に土砂部Aより岩盤部Bに地層が変ったときの岩盤部Bの破砕方法について説明する。先ず、図4に示す岩盤部Bの平面(図3)上に破砕計画に従って穿孔位置を決定し、マーキングを行い穿孔機(図示せず)により複数の穿孔部9,9…を鉛直に設ける。図示の例では前記深礎杭6の外径6aの近傍に位置する外周に9個の穿孔部9,9…と前記掘削孔8の近傍に位置する内周に5個の穿孔部9,9…を夫々約600mm間隔で設ける。穿孔機のビット径は32mmであり、穿孔長は約1mとする。該穿孔部9,9…の大きさ、及び穿孔部9,9…の間隔は適宜岩盤Bの状況等により決定されるが、穿孔部9,9…の間隔が余りに少ないと穿孔に時間が掛かりすぎたり、後述の膨張材10の使用数量も多くなり不経済となる。 【0013】次に図4に示すように、生石灰及び珪酸塩を主体とする無機化合物が主成分の膨張材10の所定数量と水とをハンドミキサー(図示せず)で練り混ぜるか、又は吸水させた膨張材10を前記穿孔部9,9…に孔口まで充填する。充填終了後は順次孔口を防護シート11で覆って養生する。養生時間は該膨張材10の充填後最低3時間は必要であるが、岩盤Bの状況により適宜決められる。養生中、該膨張材10と水との反応により発生する膨張圧(50N/mm2 以上)により岩盤Bに亀裂を発生させて岩盤Bを破砕する。 【0014】該膨張材10による岩盤Bの破砕は、振動及び騒音も少なく飛石も無く静かに行うことができる。又、前記掘削孔8は岩盤Bの破砕に伴う開放面として有効に働き、破砕の促進を図る。養生終了後は亀裂の入った岩盤Bをブレーカ又はピックハンマー(図示せず)で二次破砕し、小割りにしてテレスコ15で地表2へ搬出する。更に、前記深礎杭6の外径6aに前記ライナープレート7を取り付けた後、下部の岩盤Bの破砕作業を繰り返しながら深礎杭6を形成する。斯くして、発破作業を行わずに安全に深礎杭の施工を行うことができる。 【0015】尚、実施例に示した深礎杭6の外径、掘削孔8の外径、穿孔部9,9…の大きさ、数、穿孔長等はこれに限定されるべきものではなく、深礎杭の設計及び岩盤Bの状態により適宜変更される。而して、本発明は、本発明の精神を逸脱しない限り種々の改変を為すことができ、そして、本発明が該改変されたものに及ぶことは当然である。 【0016】 【発明の効果】本発明は、先行して深礎杭の中心部に小径の掘削孔を設けることにより、岩盤へ充填する膨張材の膨張圧の開放面となり、岩盤の破砕作業を容易に行える。更に、岩盤面に膨張材を充填させる複数の穿孔部を効率的に配置して岩盤を静かに破砕するので、従来の発破作業のような騒音、安全性に対する配慮が必要なく極めて容易、確実に施工することができる。依って、大幅な工期の短縮になり工事費のコストダウンに寄与する等、著大なる効果を奏する発明である。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000001317 【氏名又は名称】株式会社熊谷組
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| 【出願日】 |
平成10年11月11日(1998.11.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100060575 【弁理士】 【氏名又は名称】林 孝吉
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| 【公開番号】 |
特開2000−145354(P2000−145354A) |
| 【公開日】 |
平成12年5月26日(2000.5.26) |
| 【出願番号】 |
特願平10−320812 |
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