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【発明の名称】 ボーリング孔内撮像装置
【発明者】 【氏名】中川 英朗

【氏名】大石 博之

【要約】 【課題】撮像位置を含むボーリング孔内の所定領域を撮像に支障がないよう清浄化して確実に内壁の撮像が行えるボーリング孔内撮像装置を提供する。

【解決手段】カメラ部3が内蔵されたヘッド部2を有し、このヘッド部2の所定の二箇所に拡縮自在な仕切体4が配設されると共に、二つの仕切体4に挟まれたヘッド部2外周所定位置に清水供給手段6と混濁水排出手段7が接続されてなり、ヘッド部2をボーリング孔50に挿入し、仕切体4の膨張でヘッド部2周りの所定領域を区切って隔離し、前記隔離されたヘッド部2周りの所定領域で清水注入と混濁水排出を行うことから、ヘッド部2とボーリング孔50内壁間を確実に透明化でき、ボーリング孔50内壁の鮮明な画像を得られることとなり、ボーリング孔50内に混濁水が溜っている場合でも撮像可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 地盤のボーリング孔内に挿入したカメラ部をボーリング孔内で移動並びに回動させ、ボーリング孔内壁を撮像するボーリング孔内撮像装置において、少なくとも一端が閉じ、且つ外周壁の少なくとも一部分が光を透過可能な所定長さの略筒状体で形成され、前記カメラ部を内蔵し、閉じた一端側を先端としてボーリング孔内に出し入れ可能に挿入されるヘッド部と、内部に対する所定の流体の出し入れで拡縮自在なチューブ体で形成され、前記ヘッド部のカメラ部内蔵位置を挟んでヘッド部筒軸方向に所定間隔離れた所定の二箇所でヘッド部外周を取囲んで配設され、膨張してボーリング孔内壁に隙間なく水密状態に密着可能な二つの仕切体と、ボーリング孔外部から前記ヘッド部外周の各仕切体に接続され、仕切体内に対し所定圧力の流体を供給又は流体を吸引する仕切体制御手段と、ボーリング孔外部から前記二つの仕切体に挟まれたヘッド部外周所定位置に接続され、清水供給を行う清水供給手段と、ボーリング孔外部から前記二つの仕切体に挟まれたヘッド部外周所定位置に接続され、水及び混濁物の吸引を行う混濁水排出手段とを備え、前記ボーリング孔内に挿入したヘッド部をカメラ部の撮像対象箇所に位置させた状態で、前記仕切体制御手段で前記二つの仕切体を膨張させてボーリング孔内壁に密着させ、二つの仕切体に挟まれたヘッド部とボーリング孔内壁の間の領域を他部分から水密に隔離し、前記清水供給手段より清水を供給すると同時に前記混濁水排出手段で混濁水を吸引排出し、ヘッド部とボーリング孔内壁の間を清水で満たして透明化し、当該清水部分と前記ヘッド部の光透過可能部分を通して前記カメラ部でボーリング孔内壁を撮像することを特徴とするボーリング孔内撮像装置。
【請求項2】 前記請求項1に記載のボーリング孔内撮像装置において、前記カメラ部が、前記ヘッド部筒軸方向に所定範囲移動自在に配設されることを特徴とするボーリング孔内撮像装置。
【請求項3】 前記請求項1又は2に記載のボーリング孔内撮像装置において、前記清水供給手段が、前記二つの仕切体に挟まれた前記ヘッド部外周のヘッド部先端から遠い方の仕切体寄りの所定位置でボーリング孔側に連通すると共に、前記混濁水排出手段が、前記二つの仕切体に挟まれた前記ヘッド部外周のヘッド部先端に近い方の仕切体寄りの所定位置でボーリング孔側に連通することを特徴とするボーリング孔内撮像装置。
【請求項4】 前記請求項1ないし3のいずれかに記載のボーリング孔内撮像装置において、前記仕切体制御手段が、前記仕切体内部に対し所定の流体として圧搾空気を供給且つ吸引することを特徴とするボーリング孔内撮像装置。
【請求項5】 前記請求項1ないし3のいずれかに記載のボーリング孔内撮像装置において、前記仕切体が、内部に所定の流体として水を出し入れされ、前記仕切体制御手段として、前記清水供給手段が各仕切体内に対しても所定の圧力の清水を供給すると共に、前記混濁水排出手段が各仕切体内からも水を吸引することを特徴とするボーリング孔内撮像装置。
【請求項6】 前記請求項1ないし5のいずれかに記載のボーリング孔内撮像装置において、前記カメラ部が、外周部が透明材料製の筒状体内に、撮像手段と、当該撮像手段の撮像中心軸延長上に所定角度傾斜して配置され、前記筒状体及びヘッド部の光透過部分を通してボーリング孔内壁を前記撮像手段で撮像可能とする反射手段と、前記筒状体及びヘッド部の光透過部分を介して撮像対象のボーリング孔内壁へ向けて照明光を照射する照明手段とを一体に収納して形成されることを特徴とするボーリング孔内撮像装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボーリング孔内壁の状態を撮像して観察等を行うためのボーリング孔内撮像装置で、特にボーリング孔内に混濁水が溜っている場合でも確実に内壁を撮像できるボーリング孔内撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、地質や地盤調査等のためにボーリングした孔内における孔壁の状態の観察を行う場合、地表部からボーリング孔内に挿入して孔内壁を撮像するボーリング孔内撮像装置(ボアホールカメラ装置)が用いられていた。
【0003】このような従来のボーリング孔内撮像装置としては、特開平1−210594号公報や特開平6−311401号公報に開示されたものが知られており、こうしたボーリング孔内撮像装置の一例を図4に示す。図4は従来のボーリング孔内撮像装置の概略構成図である。
【0004】前図に示す従来のボーリング孔内撮像装置100は、ボーリング孔50内に挿入されるカメラゾンデ101と、ボーリング孔50内でカメラゾンデ101を昇降させるための昇降機104と、カメラゾンデ101のボーリング孔50内での深度を測定する深度測定器106と、カメラゾンデ101と昇降機104を制御するとともにカメラゾンデ101からの画像信号や深度測定器106からの深度データ等を処理する制御部103と、制御部103で処理された画像信号を表示するテレビモニタ105と、これらの機器を接続し、信号の授受及び電力供給等を行うためのケーブル102とを備える構成である。
【0005】前記カメラゾンデ101は、円筒状の筒体110内に格納されたカメラ111と、カメラ111の光軸上に45度傾斜して配置された平面反射鏡112と、筒体110に取り付けられた円筒状のガラス窓113と、ガラス窓113の外部を照射する電球114とを備える構成である。このカメラゾンデ101は、駆動手段(図示を省略)によりボーリング孔50の軸まわりに回転可能に構成され、カメラ111の撮影している方向は、方位測定器115によって検出されるようになっている。
【0006】上記した構成の従来のボーリング孔内撮像装置では、カメラゾンデ101をボーリング孔50内に挿入し、ボーリング孔50内での深度を深度測定器106で検出しつつ、昇降機104により所望の深度位置に移動させ、その位置における方位を方位測定器115で検出しつつ、駆動手段により所望の撮影方向に向け、電球114によりボーリング孔50内を照射することにより、所望位置のボーリング孔50内壁を撮影することができる。得られたボーリング孔50内壁の画像信号は、制御部103に送られて処理され、テレビモニタ105に表示される。このテレビモニタ105の表示画像を観察者が監視することにより、ボーリング孔50を穿設した地点の地質等を把握することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のボーリング孔内撮像装置は以上のように構成されていたことから、ボーリング孔50内に何もない場合にはカメラ111でそのままボーリング孔50内壁を撮像できるが、ボーリング孔50内には湧水等で水が溜りやすく、且つ、溜った水が土砂で混濁しやすいことから、ボーリング孔50内にカメラゾンデ101を挿入すると、カメラゾンデ101は混濁水で囲まれた状態となり、カメラ111でボーリング孔50内壁を撮像することが困難になるという課題を有した。
【0008】本発明は前記課題を解消するためになされたもので、撮像位置を含むボーリング孔内の所定領域を撮像に支障がないよう清浄化して確実に内壁の撮像が行えるボーリング孔内撮像装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るボーリング孔内撮像装置は、地盤のボーリング孔内に挿入したカメラ部をボーリング孔内で移動並びに回動させ、ボーリング孔内壁を撮像するボーリング孔内撮像装置において、少なくとも一端が閉じ、且つ外周壁の少なくとも一部分が光を透過可能な所定長さの略筒状体で形成され、前記カメラ部を内蔵し、閉じた一端側を先端としてボーリング孔内に出し入れ可能に挿入されるヘッド部と、内部に対する所定の流体の出し入れで拡縮自在なチューブ体で形成され、前記ヘッド部のカメラ部内蔵位置を挟んでヘッド部筒軸方向に所定間隔離れた所定の二箇所でヘッド部外周を取囲んで配設され、膨張してボーリング孔内壁に隙間なく水密状態に密着可能な二つの仕切体と、ボーリング孔外部から前記ヘッド部外周の各仕切体に接続され、仕切体内に対し所定圧力の流体を供給又は流体を吸引する仕切体制御手段と、ボーリング孔外部から前記二つの仕切体に挟まれたヘッド部外周所定位置に接続され、清水供給を行う清水供給手段と、ボーリング孔外部から前記二つの仕切体に挟まれたヘッド部外周所定位置に接続され、水及び混濁物の吸引を行う混濁水排出手段とを備え、前記ボーリング孔内に挿入したヘッド部をカメラ部の撮像対象箇所に位置させた状態で、前記仕切体制御手段で前記二つの仕切体を膨張させてボーリング孔内壁に密着させ、二つの仕切体に挟まれたヘッド部とボーリング孔内壁の間の領域を他部分から水密に隔離し、前記清水供給手段より清水を供給すると同時に前記混濁水排出手段で混濁水を吸引排出し、ヘッド部とボーリング孔内壁の間を清水で満たして透明化し、当該清水部分と前記ヘッド部の光透過可能部分を通して前記カメラ部でボーリング孔内壁を撮像するものである。
【0010】このように本発明においては、ボーリング孔内壁を撮像可能なカメラ部が内蔵されたヘッド部を有し、ヘッド部の所定の二箇所に拡縮自在な仕切体が配設されると共に、二つの仕切体に挟まれたヘッド部外周所定位置に清水供給手段と混濁水排出手段が接続されてなり、ヘッド部がボーリング孔に挿入され、仕切体の膨張でヘッド部周りの所定領域を区切って隔離し、前記隔離されたヘッド部周りの所定領域で清水注入と混濁水排出を行うことにより、カメラ部の撮像対象部分のボーリング孔内を確実に透明化でき、カメラ部でボーリング孔内壁の鮮明な画像を得られることとなり、ボーリング孔内に混濁水が溜っている場合でも孔内壁の撮像が可能となり、利便性が高い。また、仕切体で閉鎖されたヘッド部周りの所定領域が清水で充満することにより、充填された清水の内圧によってボーリング孔内壁が保護され、内壁の崩壊が防止されると共に掘削による内壁の荒れが整えられ、カメラ部で得られる映像の把握、評価が容易になる。
【0011】また、本発明に係るボーリング孔内撮像装置は必要に応じて、前記カメラ部が、前記ヘッド部筒軸方向に所定範囲移動自在に配設されるものである。このように本発明においては、ヘッド部内にカメラ部がヘッド部筒軸方向移動自在に配設され、カメラ部をヘッド部筒軸方向いずれかに動かして撮像位置を変えられることにより、仕切体を既にボーリング孔に密着させてヘッド部を移動させられない状態であってもボーリング孔を所定範囲にわたって撮像でき、ヘッド部固定状態における撮像対象をより広くすることとなり、少し撮像位置が変るごとに仕切体を縮めてヘッド部全体を撮像位置まで移動させ、再度仕切体を膨張させて清水注入と混濁水排出を行って撮像可能状態とする手間が省け、取扱い性に優れ、作業性が大幅に向上する。
【0012】また、本発明に係るボーリング孔内撮像装置は必要に応じて、前記清水供給手段が、前記二つの仕切体に挟まれた前記ヘッド部外周のヘッド部先端から遠い方の仕切体寄りの所定位置でボーリング孔側に連通すると共に、前記混濁水排出手段が、前記二つの仕切体に挟まれた前記ヘッド部外周のヘッド部先端に近い方の仕切体寄りの所定位置でボーリング孔側に連通するものである。このように本発明においては、清水供給手段のボーリング孔連通位置を前記ヘッド部外周のヘッド部先端から遠い方の仕切体寄りに配設し、且つ混濁水排出手段のボーリング孔連通位置を前記ヘッド部外周のヘッド部先端から近い方の仕切体寄りに配設して、二つの仕切体に挟まれたヘッド部とボーリング孔内壁との間の領域における清水と混濁水の移動方向を共にヘッド部先端方向として清水及び混濁水の流れを一様にすることにより、清水と混濁水の流動状態が単純化して双方混ざりにくくなり、スムーズに混濁水を清水に置換えられる。さらに、ボーリング孔の向きが地表に対し下向きの場合、清水供給側が上方に、混濁水吸引側が下方になることにより、水と比べ比重が重い混濁水中の混濁物を一層スムーズに排出でき、より短時間に透明化が図れる。
【0013】また、本発明に係るボーリング孔内撮像装置は必要に応じて、前記仕切体制御手段が、前記仕切体内部に対し所定の流体として圧搾空気を供給且つ吸引するものである。このように本発明においては、仕切体に出入りする流体として圧搾空気を用い、仕切体内部に対し圧搾空気を供給又は吸引して仕切体を拡縮自在とすることにより、仕切体の拡縮がスムーズ且つ短時間で行え、ヘッド部の移動状態から撮像可能状態へより少ない時間で移行できる。
【0014】また、本発明に係るボーリング孔内撮像装置は必要に応じて、前記仕切体が、内部に所定の流体として水を出し入れされ、前記仕切体制御手段として、前記清水供給手段が各仕切体内に対しても所定の圧力の清水を供給すると共に、前記混濁水排出手段が各仕切体内からも水を吸引するものである。このように本発明においては、仕切体制御手段として清水供給手段及び混濁水排出手段を流用し、仕切体内部に対し水を供給又は吸引して仕切体を拡縮自在とすることにより、ヘッド部内に対する流体の供給排出系統を水系統のみとすることができ、構造が簡略化し、ヘッド部の一層の小型化が図れる。
【0015】また、本発明に係るボーリング孔内撮像装置は必要に応じて、前記カメラ部が、外周部が透明材料製の筒状体内に、撮像手段と、当該撮像手段の撮像中心軸延長上に所定角度傾斜して配置され、前記筒状体及びヘッド部の光透過部分を通してボーリング孔内壁を前記撮像手段で撮像可能とする反射手段と、前記筒状体及びヘッド部の光透過部分を介して撮像対象のボーリング孔内壁へ向けて照明光を照射する照明手段とを一体に収納して形成されるものである。このように本発明においては、カメラ部が撮像手段、反射手段、及び照明手段とを備え、照明手段で照明されたボーリング孔内壁を反射手段に反射させて撮像手段で撮像することにより、撮像手段の向きを実際の撮像方向と関係なく最もカメラ部を小さく構成できる配置とすることができ、その分ヘッド部を一層小型化できることとなり、小さなボーリング孔に対してもヘッド部を挿入して撮像が行える。
【0016】
【発明の実施の形態】(本発明の第1の実施形態)以下、本発明の第1の実施形態について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は本実施形態に係るボーリング孔内撮像装置の概略構成図、図2は本実施形態に係るボーリング孔内撮像装置のヘッド部の断面図である。
【0017】前記各図に示すように、本実施形態に係るボーリング孔内撮像装置1は、一端が閉じ、且つ外周壁の所定範囲に透明材質製の窓部2aを有してなる所定長さの金属製略筒状体で形成され、閉じた一端側を先端として地盤40のボーリング孔50内に出し入れ可能に挿入されるヘッド部2と、このヘッド部2の内側にヘッド部筒軸中心に回動可能に格納されるカメラ部3と、内部に対する圧搾空気の出し入れで拡縮自在なチューブ体で形成され、前記ヘッド部2のカメラ部3内蔵位置を挟んでヘッド部2筒軸方向に所定間隔離れた所定の二箇所でヘッド部2外周を取囲んで配設され、圧搾空気の充填で膨張してボーリング孔50内壁に隙間なく水密状態に密着可能な二つの仕切体4と、ボーリング孔50外部から前記各仕切体4に接続され、仕切体4内に対し所定圧力の圧搾空気を供給又は圧搾空気を減圧吸引する仕切体制御手段5と、ボーリング孔50外部から前記二つの仕切体4に挟まれたヘッド部2外周におけるヘッド部2先端から遠い方の仕切体4寄りの所定位置に接続され、清水供給を行う清水供給手段6と、ボーリング孔50外部から前記二つの仕切体4に挟まれたヘッド部2外周におけるヘッド部2先端に近い方の仕切体4寄りの所定位置に接続され、水分の吸引を行う混濁水排出手段7とを備える構成である。
【0018】前記カメラ部3は、ケーシングとしての透明材質製の円筒体10と、この円筒体10の内側に格納される撮像手段としてのカメラ11と、前記円筒体10内側のカメラ11の撮像中心軸延長上に45°傾斜して配置され、前記円筒体10及びヘッド部2の窓部2aを通してボーリング孔50内壁を前記カメラ11で撮像可能とする反射手段としての反射鏡12と、前記円筒体10の内側に配設され、前記円筒体10及びヘッド部2の窓部2aを介して撮像対象のボーリング孔50内壁へ向けて照明光を照射する照明手段としての照明ランプ13とを備える構成である。照明ランプ13で照明されたボーリング孔50内壁を反射鏡12に反射させてカメラ11で撮像することにより、カメラ部3におけるカメラ11の向きを実際の撮像方向と関係なく最もカメラ部3を小さく構成できる配置とすることができ、その分ヘッド部2も小型化して小径のボーリング孔50にも対応可能となっている。また、このカメラ部3は、駆動手段(図示を省略)によりヘッド部2の筒軸中心に回転可能に構成され、カメラ11の撮影している方向は、方位測定器(図示を省略)によって検出されるようになっている。
【0019】前記カメラ部3の内部のカメラ11には、モータ等の駆動源(図示を省略)が装着されており、駆動源の駆動により焦点距離を調節することが可能となっている。また、カメラ11には、ボーリング孔50外部からヘッド部2内に達したケーブル8が接続しており、カメラ11の撮像信号等の授受及び電力供給等を行う。そして、このケーブル8の反対端には、制御部やテレビモニタ(図示を省略)等が接続されている。これらの構成と動作は、前記した従来の装置と同様である。
【0020】前記ヘッド部2をボーリング孔50に対しより深く挿入する場合には、金属又は合成樹脂等からなる両端が開放した略筒状体で形成される延長ケーシング9が一又は複数用いられる。この延長ケーシング9は、開放端同士が防水且つ気密性を維持した状態で着脱自在に接続できるよう形成されると共に、いずれか一方の開放端が前記ヘッド部2の開放端に対し防水且つ気密状態で着脱自在に形成される構成であり、延長ケーシング9の開放端の一方を前記ヘッド部2の開放端に接続してボーリング孔50内に挿入すると共に、ボーリング孔50への挿入深さの増大に従って開放端同士の接続により延長ケーシング9を直列に複数継足して延長していく仕組みである。また、延長ケーシング9内部には、ボーリング孔50外部からヘッド部2に達する前記ケーブル8が通される。
【0021】ボーリング孔50の地表側入口部分には、前記ヘッド部2並びに延長ケーシング9をボーリング孔50に出し入れすると共にボーリング孔50に対し回転させる駆動装置(図示を省略)及びヘッド部2の到達深さをヘッド部2並びに延長ケーシング9の挿入状態から検出する深度測定器(図示を省略)がそれぞれ配設される。
【0022】次に、本実施の形態に係るボーリング孔内撮像装置の撮像動作について説明する。あらかじめ、挿入する深さまで接続して用いる全ての延長ケーシング9にケーブル8を通しておく。そして、カメラ部3が内蔵されたヘッド部2を先頭にボーリング孔50内に挿入していき、必要な挿入深さに応じて、順次延長ケーシング9を接続しながら、ヘッド部2のボーリング孔50内での深度を深度測定器(図示を省略)で検出しつつ、駆動装置(図示を省略)により所望の深度位置まで挿入する。
【0023】ヘッド部2を所望の深度に位置させた状態で、ヘッド部2とボーリング孔50内壁との間が透明である(何も存在しないか、清水のみである状態)場合は、そのままカメラ部3のカメラ11を用いてボーリング孔50内壁の撮像を行えるが、ボーリング孔50に混濁水が溜っている場合、ヘッド部2とボーリング孔50内壁との間が不透明となり、そのままでは撮像を行うことができないため、ヘッド部2とボーリング孔50内壁との間を透明化する作業を行う。まず、仕切体制御手段5で二つの仕切体4に圧搾空気を送込み、各仕切体4を膨張させてボーリング孔50内壁に密着させ、二つの仕切体4に挟まれたヘッド部2とボーリング孔50内壁の間の領域を他部分から水密に隔離する。この二つの仕切体4に挟まれたヘッド部2とボーリング孔50内壁の間の隔離領域には混濁水が入っている状態となる。
【0024】仕切体4とボーリング孔50内壁の密着後、清水供給手段6より清水を前記ヘッド部2とボーリング孔50内壁の間の隔離領域に供給すると同時に、混濁水排出手段7で混濁水をこの隔離領域から吸引排出し、ヘッド部2とボーリング孔50内壁の間の隔離領域を清水で満たして透明化する。清水供給手段6のボーリング孔50への連通位置をヘッド部2先端から遠い方の仕切体4寄りとし、且つ混濁水排出手段7のボーリング孔50への連通位置をヘッド部2先端から近い方の仕切体4寄りとして、前記隔離領域における清水と混濁水の移動方向を共にヘッド部2の先端方向として清水及び混濁水の流れを一様にすることにより、清水と混濁水の流動状態を単純化して双方混ざりにくくすることとなり、スムーズに混濁水を清水に置換えられる。また、清水供給側が上方に、混濁水吸引側が下方に位置していることから、水と比べ比重が重い混濁水中の混濁物をスムーズに排出できる。
【0025】ボーリング孔50内壁を十分撮像可能な程度に透明化したら、駆動手段(図示を省略)によりカメラ部3を回転させてカメラ11の撮像方向を所望の方向に向けると共に、駆動源(図示を省略)による駆動でカメラ11を適切な焦点距離に調節し、さらに照明ランプ13によりボーリング孔50内を照射しながら、所望位置のボーリング孔50内壁を清水部分と前記ヘッド部2の窓部2aを通してカメラ11により撮像する。反射鏡12に映ってカメラ11で撮像されるボーリング孔50内壁の画像が撮像信号として出力され、ケーブル8を介して制御部(図示を省略)に入力され、適切に画像処理されてテレビモニタ(図示を省略)に表示される。このテレビモニタに表示されるボーリング孔50内壁の状態を観察者が観察する。
【0026】初めの所望位置の撮像が終了したら、仕切体4内の圧搾空気を仕切体制御手段5で吸引排出して仕切体4をボーリング孔50内壁から離し、次の撮像を行う位置までヘッド部2を移動させる。ヘッド部2移動後は前記同様仕切体4をボーリング孔50内壁に密着させて以降の諸動作を繰返し、撮像を行う。
【0027】このように、本実施形態に係るボーリング孔内撮像装置においては、カメラ部3を内蔵するヘッド部2に拡縮自在な仕切体4が二つ配設されると共に、二つの仕切体4に挟まれたヘッド部2外周所定位置に清水供給手段6と混濁水排出手段7が接続されてなり、ヘッド部2がボーリング孔50の所定位置に達した後、仕切体4がボーリング孔50内壁に密着してヘッド部2周りの所定領域を区切って隔離し、この隔離されたヘッド部2周りの所定領域で清水注入と混濁水排出を行うことから、カメラ部3の撮像対象部分のボーリング孔50内を確実に透明化でき、ボーリング孔50内に混濁水が溜っている場合でもカメラ部3で内壁の鮮明な画像を得られる。また、仕切体制御手段5で仕切体4内部に対し圧搾空気を供給又は吸引して仕切体4を拡縮自在とすることから、仕切体4の拡縮がスムーズ且つ短時間で行え、撮像作業の能率向上が図れる。
【0028】(本発明の第2の実施形態)本発明の第2の実施形態について、図3を参照しながら説明する。図3は本実施形態に係るボーリング孔内撮像装置のヘッド部の断面図である。
【0029】前記各図に示すように、本実施形態に係るボーリング孔内撮像装置1は、前記第1の実施形態同様、ヘッド部2と、カメラ部3と、仕切体4と、仕切体制御手段5と、清水供給手段6と、混濁水排出手段7とを備える一方、異なる点として、カメラ部3がヘッド部2の内側にヘッド部筒軸方向移動自在に格納される構成を有するものである。
【0030】前記カメラ部3は、ヘッド部2筒軸方向に両仕切体4に挟まれた領域の範囲で移動自在に配設され、ヘッド部2内でカメラ部3が移動して、ヘッド部2停止の場合でも両仕切体4の範囲内で撮像位置変更が可能である。
【0031】次に、本実施の形態に係るボーリング孔内撮像装置の撮像動作について説明する。前記第1の実施形態同様、ヘッド部2を先頭にボーリング孔50内に挿入していき、必要な挿入深さに応じて、ケーブル8を通した延長ケーシング9を順次接続しながら、ヘッド部2を所望の深度位置まで挿入する。
【0032】ヘッド部2が所望の深度位置に達した状態で、ボーリング孔50に混濁水が溜っている場合、ヘッド部2とボーリング孔50内壁との間を透明化する作業として、二つの仕切体4を膨張させてボーリング孔50内壁に密着させ、二つの仕切体4に挟まれたヘッド部2とボーリング孔50内壁の間の領域を他部分から水密に隔離する。この後、清水供給手段6より清水を前記ヘッド部2とボーリング孔50内壁の間の隔離領域に供給すると同時に、混濁水排出手段7で混濁水をこの隔離領域から吸引排出し、ヘッド部2とボーリング孔50内壁の間の隔離領域を清水で満たして透明化する。
【0033】透明化によりボーリング孔50内壁を撮像可能となったら、カメラ部3を回転させてカメラ11の撮像方向を所望の方向に向け、カメラ11を適切な焦点距離に調節した後、所望位置のボーリング孔50内壁をカメラ11により撮像する。反射鏡12に映ってカメラ11で撮像されるボーリング孔50内壁の画像が撮像信号として出力され、ケーブル8を介して外部に達し、観察者がボーリング孔50内壁の状態を観察可能となる。
【0034】初めの所望位置の撮像が終了したら、ヘッド部2内でカメラ部3をヘッド部筒軸方向のいずれかに移動させ、前記同様に焦点距離調節の上、撮像を行う。そして、カメラ部3がヘッド部2内で移動できる範囲のボーリング孔50内壁の撮像が全て終ったら、仕切体4内の圧搾空気を仕切体制御手段5で吸引排出して仕切体4をボーリング孔50内壁から離し、次の撮像を行う位置までヘッド部2を移動させる。ヘッド部2移動後は前記同様仕切体4をボーリング孔50内壁に密着させて以降の諸動作を繰返せばよい。
【0035】このように、本実施形態に係るボーリング孔内撮像装置においては、ヘッド部2内にカメラ部3がヘッド部2筒軸方向移動自在に配設され、ヘッド部2固定状態でもカメラ部3を移動させて撮像位置を変え、ボーリング孔50内壁を所定範囲にわたって撮像できることから、少し撮像位置が変るごとに仕切体4を縮めてヘッド部2全体を撮像位置まで移動させ、再度仕切体4を膨張させ且つ清水注入と混濁水排出を行って撮像可能とする手間が省け、撮像時間を大幅に短縮すると共に、取扱い性に優れ、作業性が大幅に向上する。
【0036】なお、前記第1及び第2の各実施形態に係るボーリング孔内撮像装置においては、仕切体制御手段5により仕切体4に出し入れする流体として圧搾空気を用いる構成としているが、これに限らず、仕切体4がその内部に所定の流体として水を出し入れされると共に、仕切体制御手段5として、前記清水供給手段6が各仕切体4内に対しても所定の圧力の清水を供給し、且つ、前記混濁水排出手段7が各仕切体4内からも水を吸引する構成とすることもでき、ヘッド部2内に対する流体の供給排出系統を水系統のみとすることができ、構造が簡略化してヘッド部2の一層の小型化が図れる。
【0037】また、前記第1及び第2の各実施形態に係るボーリング孔内撮像装置においては、ヘッド部2及び延長ケーシング9が円筒状に形成される構成としているが、この他、他の断面形状の筒体、例えば三角形断面、四角形断面、任意の多角形断面、楕円断面等の筒体とする構成としてもよい。
【0038】また、前記第1及び第2の各実施形態に係るボーリング孔内撮像装置においては、略垂直方向のボーリング孔50に対して適用する構成としているが、これに限らず、水平方向を含む各方向のボーリング孔50に対して前記同様に挿入してボーリング孔50内壁の撮像を行える。
【0039】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ボーリング孔内壁を撮像可能なカメラ部が内蔵されたヘッド部を有し、このヘッド部の所定の二箇所に拡縮自在な仕切体が配設されると共に、二つの仕切体に挟まれたヘッド部外周所定位置に清水供給手段と混濁水排出手段が接続されてなり、ヘッド部がボーリング孔に挿入され、仕切体の膨張でヘッド部周りの所定領域を区切って隔離し、前記隔離されたヘッド部周りの所定領域で清水注入と混濁水排出を行うことにより、カメラ部の撮像対象部分のボーリング孔内を確実に透明化でき、カメラ部でボーリング孔内壁の鮮明な画像を得られることとなり、ボーリング孔内に混濁水が溜っている場合でも孔内壁の撮像が可能となり、利便性が高いという効果を奏する。また、仕切体で閉鎖されたヘッド部周りの所定領域が清水で充満することにより、充填された清水の内圧によってボーリング孔内壁が保護され、内壁の崩壊が防止されると共に掘削による内壁の荒れが整えられ、カメラ部で得られる映像の把握、評価が容易になるという効果を有する。
【0040】また、本発明によれば、ヘッド部内にカメラ部がヘッド部筒軸方向移動自在に配設され、カメラ部をヘッド部筒軸方向いずれかに動かして撮像位置を変えられることにより、仕切体を既にボーリング孔に密着させてヘッド部を移動させられない状態であってもボーリング孔を所定範囲にわたって撮像でき、ヘッド部固定状態における撮像対象をより広くすることとなり、少し撮像位置が変るごとに仕切体を縮めてヘッド部全体を撮像位置まで移動させ、再度仕切体を膨張させて清水注入と混濁水排出を行って撮像可能状態とする手間が省け、取扱い性に優れ、作業性が大幅に向上するという効果を有する。
【0041】また、本発明によれば、清水供給手段のボーリング孔連通位置を前記ヘッド部外周のヘッド部先端から遠い方の仕切体寄りに配設し、且つ混濁水排出手段のボーリング孔連通位置を前記ヘッド部外周のヘッド部先端から近い方の仕切体寄りに配設して、二つの仕切体に挟まれたヘッド部とボーリング孔内壁との間の領域における清水と混濁水の移動方向を共にヘッド部先端方向として清水及び混濁水の流れを一様にすることにより、清水と混濁水の流動状態が単純化して双方混ざりにくくなり、スムーズに混濁水を清水に置換えられるという効果を有する。さらに、ボーリング孔の向きが地表に対し下向きの場合、清水供給側が上方に、混濁水吸引側が下方になることにより、水と比べ比重が重い混濁水中の混濁物を一層スムーズに排出でき、より短時間に透明化が図れるという効果を有する。
【0042】また、本発明によれば、仕切体に出入りする流体として圧搾空気を用い、仕切体内部に対し圧搾空気を供給又は吸引して仕切体を拡縮自在とすることにより、仕切体の拡縮がスムーズ且つ短時間で行え、ヘッド部の移動状態から撮像可能状態へより少ない時間で移行できるという効果を有する。
【0043】また、本発明によれば、仕切体制御手段として清水供給手段及び混濁水排出手段を流用し、仕切体内部に対し水を供給又は吸引して仕切体を拡縮自在とすることにより、ヘッド部内に対する流体の供給排出系統を水系統のみとすることができ、構造が簡略化し、ヘッド部の一層の小型化が図れるという効果を有する。
【0044】また、本発明によれば、カメラ部が撮像手段、反射手段、及び照明手段とを備え、照明手段で照明されたボーリング孔内壁を反射手段に反射させて撮像手段で撮像することにより、撮像手段の向きを実際の撮像方向と関係なく最もカメラ部を小さく構成できる配置とすることができ、その分ヘッド部を一層小型化できることとなり、小さなボーリング孔に対してもヘッド部を挿入して撮像が行えるという効果を有する。
【出願人】 【識別番号】594162308
【氏名又は名称】西日本技術開発株式会社
【出願日】 平成10年11月30日(1998.11.30)
【代理人】 【識別番号】100099634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 安雄
【公開番号】 特開2000−160978(P2000−160978A)
【公開日】 平成12年6月13日(2000.6.13)
【出願番号】 特願平10−339475