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【発明の名称】 目隠しフェンス
【発明者】 【氏名】山口 英俊

【要約】 【課題】各ルーバーの間に設けられた隙間を通して風が抜ける際の風の振動による騒音を抑制し、目隠し機能を向上することができる目隠しフェンスを提供する。

【解決手段】フェンス枠11内に半円筒状をなす第1及び第2の弧状ルーバー22,23を所定のピッチで交互に向きが変わるように並設し、各ルーバー22,23の間に通気用の隙間24〜24を設ける。前記各ルーバー22,23の半円筒状の風受面22a,23aは風を分流するための突条部として機能する。前記第1の弧状ルーバー22を第2の弧状ルーバー23よりも大きく形成する。前記第1の弧状ルーバー22の風受面(突条部)22aに当たった風は、左右に分流され、隙間24,24に流れ、風の流速が低下し、風の振動が抑制され、騒音が低減されるとともに、隙間24〜24を通しての視覚を制限し、目隠し機能を向上する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 フェンス枠内に複数のルーバーを所定のピッチで並設し、各ルーバーの間に通気用の隙間を設けた目隠しフェンスにおいて、前記各ルーバーの風受面に風を分流して前記隙間に導くための突条部を形成した目隠しフェンス。
【請求項2】 請求項1において、前記各ルーバーは前記突条部がフェンスの表側と裏側に交互に表れるように並設されている目隠しフェンス。
【請求項3】 請求項2において、前記各ルーバーの両側縁部には前記突条部により分流された気流を偏向する偏向板部が形成されている目隠しフェンス。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば戸建などの建築現場において使用される目隠しフェンスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、戸建等の建築現場において、安全性あるいは資材の盗難防止等の目的で、目隠しフェンスを配置するようになっている。この目隠しフェンスとして、従来、図12に示す目隠しフェンスが提案されている。この目隠しフェンスは、長四角枠状のフェンス枠体31の内側に平板状をなすルーバー32が上下方向に、かつ互いに所定間隔をおいて平行に連結されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の目隠しフェンスは、各ルーバー32が図13の水平断面で示すようにほぼ平板状に形成され、各ルーバー32〜32が傾斜した状態で互いに平行状になっているので、次のような問題があった。すなわち、図13の矢印で示すように、表面側から風が各ルーバー32〜32に衝突した時、各ルーバー32,32により形成される平行状の隙間33により偏向されて風が流れるため、風が隙間33に沿って流れ易くなって、騒音が発生するという問題があった。
【0004】又、フェンスの斜め前方から、つまり図13において風の流れる隙間33〜33の流路方向から建築現場を見た場合に内部が殆ど見えてしまい目隠しフェンスとしての機能を高めることができないという問題があった。
【0005】この発明は、上記のような従来の技術に存する問題点に着目してなされたものであって、その目的は各ルーバーの間に設けられた隙間を通して風が外側から内側へ通り抜ける際に発生する風による騒音を抑制することができるとともに、目隠し機能を向上することができる目隠しフェンスを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、フェンス枠内に複数のルーバーを所定のピッチで並設し、各ルーバーの間に通気用の隙間を設けた目隠しフェンスにおいて、前記各ルーバーの風受面に風を分流して前記隙間に導くための突条部を形成している。
【0007】請求項2に記載の発明では、請求項1において、前記各ルーバーは前記突条部がフェンスの表側と裏側に交互に表れるように並設されている。請求項3に記載の発明では、請求項2において、前記各ルーバーの両側縁部には前記突条部により分流された気流を偏向する偏向板部が形成されている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、この発明を具体化した一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。図2の正面図に示すように、この実施形態の目隠しフェンスは、概略的に見て、横長四角枠状のフェンス枠11と、このフェンス枠11の内側において左右両側に形成された側部ルーバー21,21と、両側部ルーバー21,21の間において縦方向に交互に設けられた複数の第1弧状ルーバー22及び複数の第2弧状ルーバー23とから構成されている。
【0009】前記フェンス枠11は上部横枠12と下部横枠13と、両横枠12,13の左右両端部間に連結された左側縦枠14及び右側縦枠15とにより構成されている。
【0010】前記上部及び下部の横枠12,13は、同様に構成されている。すなわち、図3〜6に示すように横向きチャンネル状の本体12a,13aと、該本体12a,13aの内側において横方向に所定のピッチで一体的に形成した板状をなす複数の補強リブ12b,13bとにより構成されている。
【0011】前記左側縦枠14及び右側縦枠15も、同様に構成されている。すなわち、縦枠14(15)の本体14a(15a)は、図1及び図4に示すように横断面がアングル状に形成され、該本体14a(15a)の上下両端部には、地面にフェンスを装設するための支柱(図示略)を挿通する円筒部14b,14c(15b,15c)が一体的に連結されている。前記本体14a(15a)の内側には円弧状の補強リブ14d(15d)が上下方向に所定のピッチで複数箇所に一体的に形成されている。前記円筒部14b,14c(15b,15c)の外周部には環状の補強リブ14e(15e)が上下方向に所定のピッチで複数箇所に一体的に形成されている。
【0012】図1,2に示すように前記左右両側の縦枠14,15の近傍には、前記側部ルーバー21,21が一体的に、かつ左右対称状に形成されている。この側部ルーバー21,21は、横断面が四半円弧状の風受面21aと、この風受面21aの先端部に折り曲げ形成した偏向板部21bと、図4に示すように裏面側において縦方向に一体に形成した補強リブ21cと、上下方向に所定のピッチで二箇所に一体形成した補強リブ21d,21dとを備えている。
【0013】前記一対の側部ルーバー21,21の間には、複数の第1弧状ルーバー22及び複数の第2弧状ルーバー23が交互に縦方向に、互いに平行に所定間隔をおいて連結されている。
【0014】第1弧状ルーバー22は、第2弧状ルーバー23よりも大きく、かつ半円筒状の風受面22aの半径は、第2弧状ルーバー23の円筒状の風受面23aの半径よりも大きく形成されている。前記円筒状の風受面22a,23aの両端縁には、偏向板部22b,23bが一体に形成されている。第1及び第2の弧状ルーバー22,23の内側には補強リブ22c,23cが一体的に形成されている。前記第1弧状ルーバー22の半円筒状の風受面22aは、突条部としても機能し、フェンスの表面側、つまり図1の下方を向くようになっている。
【0015】一方、第2弧状ルーバー23の半円筒状の風受面23aも、突条部として機能し、フェンスの裏面側、つまり図1の上方を向くようになっている。そして、前記側部ルーバー21、第1及び第2の弧状ルーバー22,23の間に形成される複数の通風用の隙間24〜24は、突条部22a,23aにおいて分流された表面側又は裏面側からの風を裏面側又は表面側に通すようになっている。前記各ルーバー21,22,23の隙間24〜24には、補強用の連結板部25が上下方向に所定間隔をおいて2箇所に一体的に形成されている。
【0016】図2及び図3に示すように、前記各第1弧状ルーバー22の上下両端部には先端ほど小さくなる舟頭状部22dが形成されている。次に、前記のように構成した目隠しフェンスについて、その動作を説明する。
【0017】図2〜図4に示すように目隠しフェンスを戸建ての工事現場において縦向きに設置するには、左右の縦枠14,15の円筒部14b,14c,15b,15cに対し、地面に固定される図示しない支柱を挿通すればよい。このようにして縦向きに設置された目隠しフェンスに対し表面側から風が当たると、この風は第1弧状ルーバー22の半円筒状の風受面(突条部)22a〜22aに当たる。この時、風受面22aは円筒状に形成されているので、風が二方向に分流されて左右の隙間24,24側に流れる。
【0018】又、フェンスの裏面側に進入した風が表面側に移行することもある。この時には第2弧状ルーバー23の円筒状の風受面(突条部)23aにより風が左右に分流されて隙間24,24に進入し、表面側に流れる。
【0019】前記のように構成した目隠しフェンスについてその効果を、構成とともに列記する。
(1)前記実施形態では、第1弧状ルーバー22〜22を表面側へ突となる円筒状の風受面22aとし、各ルーバー22,22間に第2弧状ルーバー23を隙間24が形成されるように介装したので、表面側から第1弧状ルーバー22〜22に当たった風が左右に分流されて隙間24,24に導かれる。このため隙間24〜24を流れる風の流速が低下して振動が抑制され、騒音の発生が抑制される。
【0020】又、複数の隙間24〜24は各ルーバー22、23により離隔され、かつ複数の隙間24〜24から同時に内部を覗くことが困難であるため、隙間24の通路面積を少なくすることなく視覚を制限でき、目隠し機能を向上することができる。
【0021】(2)前記実施形態では、第1及び第2の弧状ルーバー22,23の円筒状の風受面22a,23aが交互に突となるように配設したので、表面側から進入する風又は裏面側から進入する風をともに左右に分流させて他側に導くことができる。このため表側又は裏側からフェンスに衝突する風による騒音の抑制を効率よく図ることができる。
【0022】(3)前記実施形態においては、第1及び第2の弧状ルーバー22,23の大きさを交互に大小となるように配置したので、フェンスの厚さ方向の寸法を大きくすることなく、風の左右への分流を行い騒音を抑制することができる。もし、両ルーバー22,23が同じ大きさであると、図1において、第2弧状ルーバー23が裏面側に突出し、全体の厚さが増大する。
【0023】(4)前記実施形態においては、両ルーバー22,23の風受面22a,23aをともに半円筒状に形成したので、衝突する風の分流を滑らかに行うことができ、騒音の抑制を効果的に図ることができる。
【0024】(5)前記実施形態では、各第1弧状ルーバー22〜22の上下両端部に先端ほど小さくなる舟頭状部22dを形成したので、図3に矢印で示すように、風が第1弧状ルーバー22の中間部から上下方向に流れて上部及び下部の横枠12,13に衝突した時、風が両横枠に当たる前に流速が減速されるので、衝突による騒音を抑制することができる。
【0025】(6)前記実施形態では、第1及び第2の弧状ルーバー22,23の円筒状の風受面22a,23aが交互に突となるように配設したので、両ルーバー22,23の隙間24,24から内部を覗こうとしても一つの隙間24でしか覗くことができず、従来の一方向の場合に比べて目隠し機能を向上することができる。
【0026】又、風受面22a,23aの両側縁に偏向板部22b、23bが形成されているので、隙間24の通路面積を低下することなく目隠し機能をさらに向上することができる。
【0027】なお、前記実施形態は次のように変更して具体化することができる。
・図8及び図9に示す実施形態においては、第1弧状ルーバー22の円筒状の風受面(突条部)22aの頂部に対し縦方向に複数箇所(この実施形態では6箇所)に縦方向のスリット22eが形成されている。
【0028】その他の構成は前記実施形態と同様である。従って、上記の実施形態においては、表側から円筒状の風受面22aに当たった風の一部がこのスリット22eから裏側に抜けるので、隙間24,24を通る風量が少なくなり、騒音の抑制をさらに図ることができる。
【0029】・図10に示すように、円筒状の風受面22a,23aの横断面形状を山形状にしたり、図示しないが半楕円筒状にしたりしてもよい。これらの実施形態においても風を分流して隙間24〜24に導くので、前述した本実施形態とほぼ同様の効果が得られる。
【0030】・図11に示すように、各ルーバー22,23の表裏両側の風受面22a,23aを円弧状に形成することもできる。上記の実施形態では、表面側及び裏面側から進入する風を効率良く分流することができ、騒音の抑制効果を高めることができる。
【0031】・前記実施形態では第1弧状ルーバー22〜22の間に第2弧状ルーバー23〜23を介在したが、第2弧状ルーバー23〜23を省略することもできる。この実施形態においては、弧状ルーバー22〜22の円筒状の風受面22aの頂部にスリット22eを形成するとよい。
【0032】前述した各実施形態から把握できる請求項1〜3以外の技術思想について、以下に記載する。
(技術思想1) 請求項1〜3のいずれか一つにおいて、前記各ルーバーは半円筒状又は半楕円筒状に形成されている目隠しフェンス。
【0033】このフェンスにおいては、ルーバーに当たった風が隙間24〜24に滑らかに分流されるので、騒音の低減効果が促進される。
(技術思想2) 請求項1〜3、技術思想1のいずれか一つにおいて、前記各ルーバーの両端部には先端ほど小さくなる舟頭状部22dが形成されている目隠しフェンス。
【0034】このフェンスにおいては、ルーバー22に当たって上下方向に流れる風の横枠12及び13側での流速を低下させて、風による騒音を抑制することができる。(技術思想3) 請求項1〜3、技術思想1,2のいずれか一つにおいて、前記各ルーバーの突条部22aの頂部には風を逃すスリット22eがルーバーの長手方向に指向するように形成されている目隠しフェンス。
【0035】(技術思想4) 請求項1〜3、技術思想1〜3のいずれか一つにおいて、前記各ルーバーは大小の相似形に形成されている目隠しフェンス。
(技術思想5) 請求項1〜3、技術思想1,2のいずれか一つにおいて、前記各ルーバーには表面側も裏面側も中央部ほど高くなる円弧状又は楕円弧状の突条部が形成されている目隠しフェンス。
【0036】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明によれば、各ルーバーの間に設けられた隙間を通して風が表側から裏側へ通り抜ける際に発生する風の振動による騒音を抑制することができ、目隠し機能を向上することができる。
【0037】請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の効果に加えて、フェンスの表面側及び裏面側から進入する風に対する騒音を抑制することができる。請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の効果に加えて、隙間の通路面積を少なくすることなく、目隠し機能を向上することができる。
【出願人】 【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
【出願日】 平成10年8月6日(1998.8.6)
【代理人】 【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
【公開番号】 特開2000−54642(P2000−54642A)
【公開日】 平成12年2月22日(2000.2.22)
【出願番号】 特願平10−223348