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【発明の名称】 シ―ト防水構造
【発明者】 【氏名】高橋 清人

【要約】 【課題】従来から行われている防水工法、特に塩化ビニールシート及び、副資材を使用しているものは、可塑剤等の液状物質により環境汚染が懸念されている。又、現場施工時の作業環境温度により、シートの硬さが著しく変化し、作業性も不安定であった。

【解決手段】塩素等のハロゲン元素、及び液状可塑剤を含まない熱可塑性高分子素材からなる防水シート及び副資材で構成され、質量が小さく、作業性の良好な、しかも接合部が熱風溶着機で容易に加工できるシート防水構造である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】 塩素等のハロゲン元素を含まない高分子素材からなるシート防水構造。
【請求項2】 防水施工に使用する防水シートを固定する下地の出入隅線鋼板が請求項1の材質でコーティングされている固定具。
【請求項3】 防水施工に使用するドレーンが金属からなる請求項1の材質でコーティングされているもの。
【請求項4】 防水施工に使用するドレーンが請求項1の材質で成型されているもの。
【請求項5】 防水施工に使用する出入隅角に使用する役物が請求項1の材質で成型されているもの。
【請求項6】 防水施工に使用する溶接棒が請求項1の材質で成型されているもの。
【請求項7】 防水施工に使用するシートと下地を固定する受皿の保護カバーが請求項1の材質で成型されているもの。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋上やベランダ、プール、水槽、蓄熱槽床等において、敷設する防水シート及び防水シートを固定する為の副資材として、鋼板、ドレーン、役物、溶接棒及び受皿の保護カバー等が防水シートと同材質のものを使用した防水工法である。
【0002】
【従来の技術】屋上やベランダ、プール、水槽、蓄熱槽床等のシート防水には、塩化ビニルシートを使用した防水工法がある。それは大別してコンクリート等の下地面に接着剤を用いて防水シートを接着する密着工法及び接着剤を用いずに、アンカーやビス等の固定金具で下地面と防水シートを固定する絶縁工法とがあり、これらの工法は作業性、防水性能において優れている為、広く行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来から行われている防水工法の絶縁工法又は、密着工法で塩化ビニールシートを使用したものは、耐用年数を経て、その防水機能が著しく低下した際、そのシート及び副資材としての塩化ビニル樹脂で被覆した鋼板、ドレーンあるいは役物や溶接棒及び受皿の保護カバー等を撤去し廃棄処分となが、その処分方法として、焼却あるいは埋立てが一般的に行われている。又、上記塩化ビニルシート及び副資材を焼却した場合には、ダイオキシンの発生が懸念され、又、地下に埋立てした場合には、塩化ビニルシートの配合に使用される液状物質、例えば、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート等が地下水に溶出することによって、環境ホルモンとしての汚染が懸念される。
【0004】しかし、塩素等のハロゲン元素を含まない高分子素材のシート及び副資材では、塩化ビニールシート工法と同じように防水性、施工性に優れた熱風溶着での施工が困難であった。
【0005】塩化ビニールシートの場合は、現場施工時、特に屋外の場合には、夏場、冬場の作業環境温度により、シートの硬さが著しく変化し、作業性も不安定となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、塩素等のハロゲン元素を含まない、熱可塑性高分子材料として、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系の他、熱可塑性エラストマー例えばオレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー等の樹脂からなる補強布が積層されている。多層構造は、補強布が積層されていない単層からなる液状可塑剤を含まない、シート及び副資材からなる質量が小さく、作業性の良好な、しかも接合部が熱風溶着機で容易に加工できるシート防水構造である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の防水シート構造の実施例を、屋上防水絶縁工法について、具体的説明する。本発明の防水シート1の熱可塑性高分子材料は、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンの他熱可塑性エラストマー例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー等からなり、縦糸と横糸で構成されているガラス繊維等の補強布1が、積層されている多層構造シート又は、補強布が積層されていない単層防水シート3で構成されている。
【0008】積層されている多層構造の防水シート1は厚さ0.5mm〜5.0mm程度のものが使用できるが、作業性、耐久性を考慮し、厚さ1.0mm〜2.0mmが好ましく、長さは特に限定されず、幅が1000mm〜2000mm程度の長尺体で通常はロール状に巻かれている。上記防水シート1は下記表1の組成物からなり、カレンダー圧延により厚さ0.8mmのシートと0.8mmのシートを形成し、これらのシートの間に補強布としてのガラス繊維でできたネットを挟み、熱ラミネートを行い、厚さ1.5mmの防水シート1を得た。
【0009】接着剤を用いずに施工する絶縁工法では、下地面と防水シート1を固定する際、ステンレス又は、亜鉛メッキ鋼板等、樹脂でコーティングされている固定具4が使用されている。鋼板の厚みは0.3mm〜3.0mmのものが使われ、実際には0.5mm〜1.5mmが好ましい。鋼板が厚過ぎると現場での切断作業が困難となり、薄過ぎると撓みや、折れやすい問題が発生する。
【0010】鋼板表面にコーティングする樹脂は、防水シート1と同材質の厚さ0.3mm〜1.0mmのものを形成するが、その際鋼板とコーティングする樹脂の接着は、オレフィン系樹脂接着剤例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等の融点100℃〜200℃位の熱溶融型の接着剤が好ましい。融点が低過ぎると施工時、あるいは施工後に剥がれる場合がある。オレフィン系樹脂接着剤は、カレンダー、ラミネーター、Tダイ、流動浸積、静電塗装等で形成され、厚さは0.3mm〜1.0mmのものが使われ、実際には0.6mmが好ましい。
【0011】屋上の排水口に使用されているドレーン11は、鋳物製ドレーンにコーティングしたものと、樹脂だけでできている成型ドレーンが使用できる。コーティングされていない鋳物製ドレーンを使用する場合は、施工時の固定接着方法が熱融着できない為、本施工には鋳物製ドレーンにコーティングしたものと、樹脂成型ドレーンが熱融着でき、施工性が良い。
【0012】鋳物製ドレーンにコーティングする樹脂は、防水シート1と同材質の樹脂で膜厚1.0mm〜3.0mmのものが使われ、実際には1.5mm程度のものが好ましい。その際鋳物製ドレーンとコーティングする樹脂の接着は、オレフィン系樹脂接着剤例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等の融点100℃〜200℃位の熱溶融型の接着剤を使用し、表面の樹脂コーティングは、流動浸積、静電塗装等で形成された。
【0013】成型ドレーンは、射出成型等で、防水シート1同材質の樹脂で膜厚1.0〜5.0mmのものが使われ、実際には3.0mm程度のものが好ましい。
【0014】出入隅角役物10は、射出成型等で防水シート1と同材質の樹脂で作られ、厚さ1.0mm〜5.0mmのものが使われ、実際には3.0mm程度のものが好ましい。
【0015】溶接棒9は、防水シート1と防水シート1を溶着した後と、シート端部8に、さらに剥がれ、水漏れ防止の為、熱融着するものである。溶接棒9は、押し出し成型等で防水シート1と同材質で作られ、太さ1.0mm〜5.0mmのものが使われ、実際には防水シート1に使用される厚さにより、段差が大きくならない太さ、あるいは細過ぎないものが好ましく、本施工に使用する防水シート1.5mmには、2.8mm程度のものが好ましい。
【0016】シート中央部と下地を固定する方法としては、固定用ボルト7で防水シート1を固定する方法があり、防水シート1の上に、中央部に穴が開けられた円盤状のデスク盤6をあてがい、この上から下地に割り付けられた固定具受けまで貫通させて、固定用ボルト7を打ち込み、防水シート1を下地に固定し、デスク盤6及び固定ボルト7の上面に、防水シート1と同材質からなるキャップ状の保護カバー5を被覆させ、防水シート1と保護カバー5とを熱融着させる。保護カバー5は射出成型で作られ、樹脂厚1.0mm〜5.0mmのものが使われ、実際には3.0mmのものが好ましい。
【0017】
【発明の効果】屋上やベランダ、プール、水槽、蓄熱槽等の防水には、塩化ビニルシートの絶縁工法、密着工法が防水性能及び作業性において優れている為、広く行われてきたが、シートの寿命により副資材を含むシートを撤去し、焼却した場合のダイオキシン発生又は、埋立てした場合の液状成分の地下水へ溶出にする環境ホルモン等、地球環境生体に悪影響が懸念されつつある。本発明は、塩化ビニルシートの防水性能及び、作業性の利点を生かしながら、シート、副資材に塩素等のハロゲン元素を含ず、又、液状可塑剤も含まない為、上述の問題から解放され、生体に優しいシートであり、シート同士及び、シートと副資材の一体化は、全て熱風溶着工法で行える、水密性及び施工性に優れた防水施工方法である。
【出願人】 【識別番号】000167853
【氏名又は名称】弘進ゴム株式会社
【出願日】 平成10年12月17日(1998.12.17)
【代理人】
【公開番号】 特開2000−179101(P2000−179101A)
【公開日】 平成12年6月27日(2000.6.27)
【出願番号】 特願平10−375987